« 2007年4月 | トップページ | 2007年6月 »

護衛艦「じんつう」乗船記(下巻)

 お猿@おはようございます。

 前回に続きまして、平成19年5月26日~27日に射水市新湊にて行われていた海上自衛隊の護衛艦「じんつう」の一般公開レポをしていきたいと思います。持っていったカメラはNikon D80 なので、そのレビューも兼ねているのでヨロシクお願いします。

 さて、前回は「じんつう」に乗船する直前まででしたね。今回はいよいよ乗っちゃいます!見学希望者は10名くらいのグループに分けられて順番に乗っていきます。僕の直前で区切られまして、艦内が混雑しているため……ということで暫く待ちましたが、遂に順番が回ってきました。ミリタリーマニアでもないのですが、滅多に乗ることが出来ないというレア感も手伝って結構ワクワクしていました。

 乗船に際し、D80に装着するレンズを悩みました。候補は悪魔のニッコールレンズ「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18~200mm F3.5~5.6G (IF) 」とシグマの超広角ズームレンズ「10-20mm F4-5.6 EX DC /HSM 」の何れか……。究極の選択を迫られたのですが、見た感じタンカーのように広くない護衛艦で広い範囲を撮りたかったので、SIGMA 10-20mmズームを勝負レンズとしてチョイス!この後の写真は全てこのレンズで撮ったものです。

 では、行ってきま~す♪

1905301
遂に乗船!白い制服がまぶしい隊員の皆さんが敬礼で迎えてくれました

 乗ったところで、案内役の自衛隊員の方が1人付きます。僕たちのグループは若い爽やか青年でした。あ、乗り込むときは自衛隊の皆さんが「敬礼」で迎えてくれましたよ。既に艦上には多くの見学者でごった返していました。それでも、ビクともしない護衛艦はさすが……。ひとまず、船尾側に移動しました。

 そこから船首側を見ると左右上方に向かっているのが「ハープーン」という対艦ミサイルらしい。

1905302
ハープーンを説明する自衛官。手前のおっさん達の速射砲のような質問攻めが凄かった

 ここから少し下がると……、「高性能20mm機関砲」というものがあります。うん、僕の使っているレンズは10-20mmだ。勝ったぜ!……じゃなくって、自動で標的を探して連射するらしい。ちなみに1分間に3000発打てるらしいので、1秒間に3連写、1分間に書き込み時間を無視しても180連写のD80は完敗……。それはどうでもいいとして、先ほどのハープーンのような対艦ミサイルから自艦を守るという役目らしい。

1905303
こんなのに連射されたら痛いだろうなぁ……(この写真、逆光の影響出ちゃってます)

 ……ということで、船首に向かって移動します。

 途中にあったのが、「水上発射管」という艦上から魚雷を発射させるシステム。一瞬、何かのボンベかと思ったんですが、この中に魚雷が装填されているらしい。それにしても、こんなもんがフツーに置かれているのが恐ろしい……。これがグリンと回って魚雷を発射し、海中に潜って魚雷を追尾して攻撃するらしいです。

1905304
魚雷とは水中から発射するものだと思いましたが、艦上からとは驚き!

 そして、更に船首に向かって、護衛艦の中ほどにあるのが、「アスロックランチャー」というもの。僕が今回見た装備の中で、一番「すげぇ~」と思ったものです。中に8本のアスロックミサイルというものが装填されていて、その先端にはパラシュート付きの魚雷がついているらしい。空中移動の為に通常の魚雷よりも標的に早く到達でき、パラシュートで着水後、潜水艦などを自動追尾していくそうな。

 こういう自動追尾というのを聞いていると、人間魚雷と言われた「回天」とか、ゼロ戦で突っ込んでいった神風特攻隊って何だったんだろう……って思いません?あれを操縦していた若者がやっていたことをコンピュータでやってしまうんですからね。人間って何だろう?って思っちゃいました。

1905305
これがアスロックランチャーの正面。塞がれています

1905306
そして、これがアスロックランチャーの後ろ。これで発射の衝撃に耐えられるんですね

 更に後方に向かっていくと、途中に救命いかだが用意されていました。それぞれのいかだに乗る人はあらかじめ決められているようです。そして、この1つの中に3日分の食糧も入っているらしい。

1905307
救命いかだだそうですが、展開するとどんな大きさになるんでしょうかね?

 そして、更に進むと給油に使うバルブというかホースがありました。一瞬、伝声管かと思いました。まあ、ちょっとデカすぎますよね。

1905308
伝声管じゃないです。給油に使う給油管です

 そして、遂に船首部分へ……。こうやって10mmレンズで撮ると広く見えますが、狭いですよ。それにしても、参加者の平均年齢が高い!

1905309
大抵、どのグループにも質問攻めのおっさんが数名いました

 そして、船首部分にあったのが「62口径76mm速射砲」というもの。こんなのを見ると「戦う船」の象徴ですね。こんなのの後ろに座るところがあって、クルクル回りながら「お母さ~ん!」と叫んで撃ちまくるっていうのがイメージとしてあるのですが、これまた自動でやってくれるそうです。なんかダースベーターの頭みたい……。

19053010
ロープが張られてこれ以上後方に行けなかったが、10mm効果で先までバッチリ!

 そして、いよいよ艦内に……。入り口が超狭かった。おっさんがひしめき合っていました。

19053011
われ先にと中に入っていくおっさん達

 ちょっと中に入ると、下に下りるハッチが開いていた。ここで、写真を撮ったら案内の自衛官に「ここから先は写真はご遠慮くださいね♪」と忠告……。それに従って、写真は撮りませんでした。エライぞ、俺!

19053012
このハッチの狭さで頭を打たないか心配だ

 ……で、この下にはコントロールの部屋やら、30人が同時に食べられる食堂やら……。食堂では、自衛官が「じんつうグッズ」を販売していたのには驚いた。あと、食堂手前にコカコーラの自販機があった。全品100円というのは魅力的だった。

 更に先には居住区として2段ベッドやらトイレ、そして、浴室もあった。浴室はステンレスの浴槽が宙に浮くように設置されているのだが、あまり大きくない。また、お風呂は海水らしい。貴重な水を確保するためらしいが、なんか身体がベトベトしそうでイヤだ。

 そして、再び甲板に……。

19053013
白いラインの中は結構広い。ヘリでも発着できるのかな?

 出たところは船尾だった、ここから乗船口へと移動する。

19053014
ここから岸壁を見たら、見学待ちの人たちがこっちを見て待っていました

 そして、最後に再び、自衛官の皆さんが敬礼で「ありがとうございました!」と見送ってくださった。イヤハヤ、礼儀の正しいこと!こういう爽やかな応対って良いですよね!

19053015
最後にまた敬礼でお見送り。有難うございました!

 こうして、護衛艦「じんつう」の内部見学は終わったわけですが、この狭い護衛官に120人くらいで生活しているらしい。ちょっと、僕なら苦痛かもしれません。

 それにしても、「北」から近いだけに、いざという時は守ってくださいね!!

 ではでは。

~今日のリンク~
第25護衛隊ホームページ

| | コメント (4) | トラックバック (2)

護衛艦「じんつう」乗船記(上巻)

 お猿@おはようございます。

 今日は高気圧に覆われて快晴でございました……が、中国から「黄砂」というビッグプレゼントなんかあったりして、爽やかな青空ってワケにはいきませんでした。見事なまでの撮影日和じゃありませんかっっ!!

 そんなワケでインドアな撮影機材のレビューばっかりやっていたので、たまにはアウトドアに撮影に出てみようと思ってでかけてきました。ちょうど、たまたまサークル活動のパンフで船の写真が欲しかったので、職場の近くにある富山県射水市(旧・新湊市)の海王丸パークにお邪魔しました。

 ここにある海王丸は実習船として使われていた帆船で、「海の貴婦人」と言われる美しい船であります。滅多に帆を広げることがないので普段はマストだけなのですが、このマストだけの姿もなかなかに美しいのです。その海王丸がコレ↓

1905261
さすがに海の貴婦人と言われるだけあって白い帆を張らなくてもバッチリ美しい♪

 撮影は勿論、Nikon D80 だ。レンズは悪魔のニッコールレンズ「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF) 」と超広角ズームのシグマ「10-20mm F4-5.6 EX DC /HSM 」のツートップで臨んだ。青空に白の帆船のコントラストも良かろうと18-200mmズーム用のPLフィルタも装着したが、勝負用としてはシグマの10-20mmズーム。近くから超広角で撮ったらかなり迫力あるものが撮れるのではないかと思ってのことだ。残念なことにフィルタ径が77mmと、72mmの18-200mmズームと異なるのでPLは断念……。まあ、黄砂がヒドくてPLフィルタを使うと逆に黄色くなってしまうので未使用の方がまだ青いという結果になった。

 ちなみに海王丸パークは船マニアにはたまらない……かどうかは知らないが、船関係の展示も結構ある。

1905262
こんな超・重そうな錨というか、アンカーがあったり……

1905263
こんな巨大タケコプターのようなスクリューまであったりする

 あまりに無造作に芝生の上に置いてあるので、最近流行りの金属泥棒が夜な夜な重機で持ち出さないか心配だ。まあ、これだけ大きければ大丈夫か……?

 ただ、晴天で駐車場は家族連れの車で溢れて路上駐車までなされている有様だっていうのに、ご覧の通り海王丸付近には人は全くといいほどいない。普段より人出は多いのにおかしい……。遊覧船にも人は乗っておらず、操縦のオジサンがラジオでも聞きながら退屈そうに待ちぼうけしていた。

 ……で、近くにある張り紙を見て目を疑った。

「『じんつう』一般公開」

 ……え?「『陣痛』一般公開」??

 え……?あ、あらやだ、そんなことしていいの?とアタフタしている僕が対岸上を見てみると何やら海の貴婦人「海王丸」の華やかさと対照的な超・地味なグレーの物々しい船が停泊していた。それがコレだ↓!

1905264
超・地味すぎて暫く気づかなかった、戦闘的な船

 何やら海王丸パークに来ている家族連れのお目当てはアレのようだ。明らかに皆さんの足は地味船に向かっている。海王丸を撮りに来たがついでだ。ちょっと撮りに行ってみよう……。

1905265
日頃、お目にかかることのない船だけにレア感アップ

 おお……。遠くから見ると存在感がないけど、近くに来ると重さ的に存在感があるぞ。……で、更に近寄ってみた。

1905266
おお!甲板に人が出てきた。レーダーとかがかなりでかく見える

 この辺に来ると、これが何なのか分かった。海上自衛隊の「護衛艦」らしい。「戦車」をあえて「特車」と呼ぶように、実際は「駆逐艦」なんだけど自衛隊ではあえて「護衛艦」と呼ぶらしい。名前はいかにも「守備型」の名称だが、実際は「攻撃型」の駆逐艦なだけにナントカ砲とかをぶっ飛ばしそうな筒が随所に付いているのが分かる。攻める気マンマンだ。

1905267
対岸の海王丸と、スペシャルゲストの駆逐艦……じゃなくって護衛艦

 この辺まで来ると、急に記念写真を撮っている親子連れやカップルが増えてきた……が、全体的に平均年齢が高めなのが気になる。また、中年クラスのおっさんがデジタル一眼レフを片手にしているを見逃せなかった。僕としてはむしろこっちが気になる。ニコン党に洗脳されてしまった僕としてはキャノンを使っている人にヒクヒクしてしまう。中には僕と同じD80と18-200mmの組み合わせで一生懸命狙っている人がいるかと思えば、PENTAXのベストセラーデジイチ「K10D 」にパンケーキレンズを付けている人も結構あった。それにしても、皆さんいかにもカメラマンっぽいカジュアルスタイルなんですが、どういう訳か、仕事の中休みな僕は黒いスラックスにクールビズなワイシャツ姿でした。皆さんにはどのように映ったんでしょうかね?

1905268
実はコレ、超近くで10-20mmズームで撮ってみました。迫力あるでしょ?

 乗船のタラップ近くにはテントを立ててグッズが売られていた。やっていたのは「射水市自衛隊父兄会」……。オリジナルのTシャツやら帽子、バッジなどを販売していました。

1905269
この駆逐艦だけのオリジナルグッズを販売。売り子は町内会のイベントの主催者みたいな人だった

 ハッキリ言っておくが、僕はミリタリーマニアじゃないので詳しいことは分からないし、これからの記事内容にあやふやな点が多いのはカンベンしてもらいたい。その辺のツッコミはソフトにコメントしてくださいね。

 それにしても、このオリジナルグッズコーナーに集まっている人の平均年齢は中年くらいだ。若い親子連れはあまり見られない。……で、タラップの所には既に行列が……。見るとやっぱり平均年齢が高い。ここで気づいたのだが、

おっさん、多すぎ!

 更に、

おっさん、萌えすぎ!

 ……ということで、何か知らんが、異様なテンションで目をランランとさせて護衛艦を見つめる「おっさん」達。明らかに、

護衛艦、萌え~っっ♪

 ……っていう感じだった。連れてきた孫以上にキラキラとした少年の目でワクワクしている。ミリタリーマニアなのだろうか?

19052610
すでに長蛇の列ができていた。お爺さんの姿も見える

 更に明らかに太平洋戦争を戦ってこられたような、お爺さんが結構おられた。このお爺さん軍団は、おっさん軍団とちょっと様子が違う。「萌え~♪」ではなく、愛でる眼差しで護衛艦を見つめているのだ。妙な落ち着き……そして、妙にマッチしている。そう、言うなれば「おお、友よ……元気だったか……?」と懐かしむかのような眼差しだ。恐らく、戦時中にはこういう船に乗っておられたのだろう……。

 ……で、この乗り込み口の前には長机が出されて両側に自衛官が立っていた。そして、ハンドバッグのような荷物を持っている人は簡単な「荷物検査」がなされるのだ。危険物を持ち込まないようにとのことだそうで、でかいカメラバッグを持っていた僕はあっさりと見られてしまった。中にあるのはストロボとレンズ3本。10mm砲とか200mm砲じゃなくて10mmズームとか200mmズームなんだけど全く問題なかった。 当然だ。

 ここに並んで先ほどの「じんつう」の意味が分かった。この護衛艦の名称が「護衛艦 じんつう」なのだった。どうやら漢字で書くと「陣痛」なのではなくって「神通」らしい。

19052611
このタラップを見て、護衛艦が「じんつう」なのだと分かった。「陣痛」ではなくて「神通」ネ!

 はて?富山県を流れる河川で「神通川」ってのがある。富山空港は神通川の河川敷にあるし、かの有名な公害「イタイイタイ病」も神通川流域だ。でも、この川って「じんつうがわ」だっけ?ウィキペディアの神通川の項目では読み方は「じんづうがわ」になっている。じゃあ、この「じんつう」とは?仏教の神通力?ハテサテ?

 でも、護衛艦の名称では「あぶくま」とか「ちくま」といった河川名が付けられているのがあるので、恐らく神通川だと思う。それにしても、なんで「陣痛川」と間違えそうな痛そうな名称を付けたのだろうか?ナゾだ。

 ……でおじいちゃんに連れられた孫さんにちょっと年配の自衛官が話しかけていた。「おじさんたちはねぇ。○○ちゃんを怖い人たちから守る男たちなんだよぉ♪」と笑顔で語りかけていた。「怖い人たち」って今もっともトレンディな「北」ですか?「男たち」って……。妙に硬派でカッコ良かったが、何気に「大きくなったら自衛隊に入ろうね♪」と言わんばかりに「自衛隊員募集中」のビラを持っているのが気になった。小さい頃の出会いで憧れて……っていうのがあるから、それを狙ったのだろうか?

 やるな、自衛隊……。

 では、下巻ではいよいよ「護衛艦 じんつう」に乗ってみたいと思います。一応、イベント自体は明日5/27(日)までやっているそうです。

19052612
あのぅ~、私は?(By 海の貴婦人「海王丸」)

 ではでは……。

 下巻へつづく……→Click!!

~今日のリンク~
海上自衛隊
仏教講座

| | コメント (4) | トラックバック (3)

ストロボ撮影でバウンス角度を検証する(2)

 お猿@おはようございます。

 本業が忙しくて更新が滞っておりました。では、再び「Nikon D80 」の検証ネタを再開したいと思います。前回はストロボ撮影の指南書「デジタル一眼レフストロボ100%活用術 」に従って、クリップオン式ストロボによる撮影の醍醐味「バウンス撮影」について検証しました。フラッシュヘッドは前方から後方まで180度回転させることができるので、いろいろと角度を試してみたのですが、斜め後方にバウンスさせるのが最もナチュラルな仕上がりになるという結果になりました。ところが、実は大抵のクリップオン式ストロボはフラッシュヘッドを上下に回転させる以外にも水平方向にも回転させることができるんですね。

1905231
三脚に取り付けて回転させてみた。左180度、右90度という仕様

 ……とまあ、ニコン純正のクリップオン式ストロボ「スピードライト SB-800 」を例にとってみると正面から左側には180度まで回転できるものの、右側には90度までしか回転できない。これは残念。ちなみに指南書によるとキャノンの「スピードライト 580EX II 」が左右に180度回転するフルバウンスを可能としてくれるらしい。特に右側に180度回転できると縦位置グリップを使ったときに斜め後方バウンスが可能になるので、是非ともニコンにもこういうストロボを売り出してもらいたい。

 まあ、ないものネダリをしていても仕方がないので、早速右側への首振りを使ってバウンス撮影の検証をしていきたいと思います。(今回も豪華GIFアニメで公開ダ!)

●右方向30度回転(通常発光)

 まずは、正面から右側へ30度回転させて、その状態で垂直方向に90度までフラッシュヘッドを回転させて検証してみた。ご覧の通り、ストロボの右側には白い壁を用意した。壁からの反射光が被写体の毒龍クンをどのように照らすのか!?

1905232

 ……とまあ、たとえ右側にフラッシュヘッドを回したとはいえ、垂直方向0度では、右からストロボを焚いたように被写体の左側にクッキリと影ができた上にテカリもひどく、バウンス撮影っぽくない。しかし、垂直に45度回せば影がほとんど目立たない上にテカリもない。それでいて、右側からのライティングのように被写体の左側に若干の陰影も付いて、立体感が出てきたのではないだろうか?

 では、次にSB-800付属のバウンスアダプターを取り付けてみたい。サードパテーィ製ならばオムニバウンス に該当するだろうが、要はフラッシュヘッドに取り付ける乳白色のプラスチックの箱で、前方だけでなく、上下左右に光を拡散させることができるアダプターだ。このことにより、ストロボの光の指向性が弱くなる……ハズだ。

●右方向30度回転(バウンスアダプター使用)

 では、バウンスアダプターを付けて右側30度での検証をしてみた。

1905233

 さすがに、指向性を弱めるのはダテではなく、特に全体写真側を見てもらうと分かるが、非常に光が拡散しているのがわかる。アダプターなしの場合より壁を照らす光量は落ちるものの、アダプターの側面から発せられる光が被写体を照らすので、明るさ的には申し分ない。ただ、ストロボからの強い光が被写体をダイレクトに照らしているのは変わりがないので、左側に影が出来ている。これは垂直方向に回転させても残っているのがアダプターなしの場合との大きな違い。また、アダプターなしよりも被写体自体の陰影が弱くなっている。

 では、次は右方向に60度回転させてやってみよう。

●右方向60度回転(通常発光)

1905234

 う~ん、右に30度回転させた先ほどのサンプルとあまり大差がない。ならば、バウンスアダプターを使ってみたらどうなるか?

●右方向60度回転(バウンスアダプター使用)

1905235

 やっぱり影が残るが、30度の時ほどではない。影の残り具合は全体写真を見てもらうと良く分かる。アダプターなしの場合は背後の影がほとんどないが、アダプターありの場合は、下の被写体のアップでは気づかないほどクッキリと影が出ている。

 では、最後にストロボの右真横に向けてやってみよう。

●右方向90度回転(通常発光)

1905236

 さすがに、垂直角度0度では怪談でも始めそうな左右のコントラストがクッキリした仕上がりになってしまった。それ以外は影も目立たないが、さすがに暗く感じる。

●右方向90度回転(バウンスアダプター使用)

1905237

 ……で、バウンスアダプターを使ってみると案外影が目立たなくなっているのがわかる。また、なしの場合よりも直射光がある分、極端な陰影は消えている。これくらい右に回転させればアダプターを付けるのもアリだと思う。

 そんなワケで、結局のところ、バウンスアダプターをつけるとなしに比べると明るくはなるものの、被写体の裏側に影を作ってしまうのがわかった。それ以外の角度に関しては被写体との角度などで自由に決めてくださいね。

 ではでは。

~本日のリンク~
パソコン、家電、DVDソフトなどが格安で購入可能! murauchi.com
ベクターPCショップ

| | コメント (6) | トラックバック (2)

ストロボ撮影でバウンス角度を検証する(1)

 お猿@おはようございます。

 毎度のNikon D80 検証です。前々回よりNikon純正の最上位クリップオン式ストロボ「SB-800 」を用いたストロボ撮影の検証を行っております。前々回はストロボを被写体に向けてフラッシュをそのままブッ放しちゃダメだよ、ということで、ディフューザーを用いての検証をやってみました。それで、今回はクリップオン式ストロボならではの「バウンス撮影」について検証してみます(豪華!?GIFアニメ付!)

 ディフューザー撮影にしてもバウンス撮影にしても、あのストロボ臭い「テカリ」や「影」の問題を解決するストロボ撮影のテクニックなワケですが、今回もストロボ撮影の指南書「デジタル一眼レフストロボ100%活用術 」に書かれている事を試してみました。

 ディフューザーを用いたストロボ撮影はクリップオン式ストロボ(外付けストロボ)だけではなく、LumiQuestの「SoftScreen 」とかkenkoの「SDF-26 」といったディフューザーも出ているので、内蔵ストロボでも可能な撮影方法です。ところが、バウンス撮影はクリップオン式ストロボならではの撮影方法。これこそ、自然なライティングができるストロボ撮影の王道だと思うので、今回はこれを試してみたいと思います。

 まず、このバウンス撮影をするにはクリップオン式ストロボがあればどれでもできるのではなく、発光部の角度を変えられるもでなければなりません。そうなってくると、Nikon純正の場合は「SB-800 」と「SB-600 」になってくるわけで、発光部水平方向固定機種の「SB-400 」などでは制限ができてしまいますので、ストロボを購入する時には、割高ですが前者のような機種を選択するのがいいでしょう。

 ちなみにSB-800の場合は、上下方向には下写真のようにフラッシュヘッドの角度を変えることができます。前方は0度からスタートして45度、60度、75度、そして、垂直。後方にも0度、45度、60度、75度に角度を変えることができます。

1905161
SB-800のフラッシュヘッドの角度は垂直方向は9段階に変更が可能

 ストロボ撮影では、殆ど点光源である発光部の鋭利な光を如何にしてやわらげるかということなんですが、その為には、その光をできるだけ拡散させる必要が出てくるわけですね。発光部のちょっと前方で拡散させるのがディフューザーなんですが、さらに拡散させる方法がバウンス撮影。これは、一旦、壁や天井に反射させることで拡散させるというもの。ディフューザーより格段にやわらかい光を得られるので是非マスターしたいものです。

 そこで、世間的によく行われているバウンス撮影は、斜め前方に照射して、そこからの反射光で被写体を照らすというもの。ただ、従来の僕の場合はこの前方照射で得られる写真がイマイチだったので、ストロボ撮影を嫌っていたんですね。……というのも、45度とか60度といった斜め前方という角度になってくると、被写体からするとトップライトみたいになって、人物撮影なんかやっていると顔に影ができてしまうんです。丁度、蛍光灯の真下で撮影するようなアレです。そこで、これを解決してくれたのが、斜め前方ではなく斜め後方に照射するというもの。

 では、その角度による効果のほどを、連続写真でやってみましたのでご覧ください!ちなみに今回のモデルは当ブログのマスコット「毒龍クン」です!(しつこいが、豪華GIFアニメぢゃ♪)

1905162
バウンス角度に応じてどのようにライティングが変わるか分かっていただけるでしょうか?

 まあ直射発光は言うまでもなく、テカリ&カゲの2拍子が揃っちゃってダメダメですが、斜め前方照射は一見良さそうです。前方45度で後方の影が全く出ていないというのはさすがですね。でも、被写体の上方からのライティングになるので毒龍クンの鼻下付近が完全にダークになっちゃっています。ここでは毒龍クンの目が上に付いているので気にならないですが、人間だと目の付近にカゲができてしまいますので、あまり良くありませんね。

 これが斜め後方照射になると、アンブレラを用いたフロントライトみたいになるので、そこそこに鼻下にもやわらかな光が回って自然な感じに仕上がっています。それでいて、真正面から当てたみたいな平面的な絵には仕上がっていないので、イイ感じじゃないでしょうか?まあ、真後ろというのはやめた方がいいみたいですね。

 ただし、注意したいのは反射光であることに加えて、反射面から被写体への距離が前方照射に比べて遠く、減光してしまうので発光量や露出量もプラス補正しなければなりません。まあ、その辺はいろいろと試してやってみるのがいいでしょう。なんせデジカメですから、撮った直後からヒストグラムなんか見たりして調整はできます。また、一旦反射させるために光に壁の色がカブってしまいます。極力、反射させるのは白い壁や天井が望ましいですが、なかったとしてもWB調整やレタッチで何とかできます。一応、先ほどのサンプルは大雑把な露出補正をかけてありますので、明るさなどは変わっていないように見えていると思います。

 さて、お次にディフューザー撮影の検証でも登場したストロボについてくる「バウンスアダプター」を使ってみたいと思います。フラッシュヘッドにカパッと取り付ける白いプラスチックの箱です。名前からも分かるようにディフューザーというよりも、バウンス撮影で効果があるものと思われますので、これを使うことでどれほど違うものか検証したいと思います。これは、指南書ではやっていない検証ですので、完全オリジナル版ぢゃ♪

1905163
これがバウンスアダプター。フラッシュヘッドにはめるだけです

 一応、バウンスアダプターに関して、マニュアルにはこのように書かれています。

●さらに光をやわらげるバウンスアダプター

本機の光が、バウンスアダプターの5面を通して広い範囲に拡散され、通常のバウンス撮影に比べても、さらに光をやわらげ影を抑えることができます。カメラを縦位置に構えた場合でも、同様の効果が得られます。

  • フラッシュヘッドは、上方向60度ぐらいで使用すると、最も光をやわらげる
    効果が得られます。
  • ワイドパネルを併用すると、さらに光を拡散する効果が得られます。

 ……という感じです。

 では、上方向60度で最適だそうですが、どんなもんか見てみましょう。

1905164
前方側バウンスでも鼻下が明るいのが分かるでしょうか?でも、後方にカゲが……

 全景写真側を見ていただければ、バウンスアダプターなしの場合よりも指向性が弱くなっているのがわかると思います。発光面が5面になっている分、光は上下左右からも発光するので、斜め前方45度以上に向けても、微弱ながらも被写体の正面から当たる光もあるわけですね。つまり、正面から当たる光も反射されてきた光もあるわけで、その分、トップライトのみのライティングに比べて光の回り込みが確認できると思います。

 その為か、アダプターなしの時には暗かった毒龍クンの鼻下部分にも斜め45度の段階から光が回っていて、なかなかいいじゃない?と思うのですが、残念ながら正面からの光も出てしまっているので、毒龍クンの背景に若干のカゲが出てしまっているのが分かると思います。その点、やっぱり斜め後方への照射がいいようですが、そうなってくるとアダプターで拡散させる必要性もなく、むしろ減光させるためだけに付いてしまっているので無い方が無難かと思います。

 そういうわけで、斜め後方への照射がベストだと思いますが、皆さんは如何でしょう?照射角度は被写体までの距離や、希望のライティングに応じて変えていったらいいのではないかと思います。一応、自分なりには被写体への距離がある場合は斜め前方へのバウンスも可ですね。そこら辺の使い分けも経験値だと思いますので、いろいろと試してみてください。

 では、今回は水平方向の回転は0度でしたので、次回はストロボの水平方向への回転も交えたバウンス撮影に挑戦してみたいと思います。(もちろん、GIFアニメ解説付!)

 ではでは。

~今日のリンク~
高森光晴:挨拶
PC・AV周辺機器が直輸入で激安 上海問屋

| | コメント (4) | トラックバック (0)

同画素数でもコンデジとデジ一眼では違うのぢゃ♪

 お猿@おはようございます。

 外付けストロボによるディフューザーを用いての撮影検証をしたあとに、本命のバウンス撮影の検証をすると告知しておきながら、うっかり別件を思い出してしまい、コンパクトデジカメとデジタル一眼レフの解像力の検証をしてしまった(ただ単に、実験サンプルを作るのが手間がかかったためなのだが……)

 まあ、テレビドラマでも盛り上がってきたところでCMが入るもんだが、そんなもんと軽く見てもらえたら幸いと思っている。

 さて、僕はニコン党と公言しておきながら、実は現役コンパクトデジカメは某C社の「PowerShotS80」を使っていたりする。更に、デジタル一眼レフとしては、現在プライベートマシンとして愛用している「Nikon D80 」を仕事兼用として使うまで、職場の「EOS kiss Digital」を使っていた。実はこのEOS kiss Digitalは約630万画素に対して、PowerShot S80は約800万画素と数値の上ではコンパクトデジカメが上回っている。

 さて、デジタル一眼レフがコンパクトデジカメに勝るのはどんなことだろうか?と思ってみた。よく言われるのは「レンズ交換ができるのがデジタル一眼レフ。できないのがコンパクトデジカメ」だが、画質はどんなもんだろう?そういう疑問にブチ当たるので同画素数に於けるコンパクトデジカメとデジタル一眼レフの画質検証を行ってみた。

 Nikon製品はD80しかないので、僕の周囲でコンデジとデジイチの両方が揃っている某C社の「PowerShot S80」と職場の後輩君愛用の「EOS kiss Digital N」を用いて検証してみた。EOS kiss Digitalシリーズの最新はお馴染みの「EOS kiss Digital X 」なのだが、比較の対象となる1000万画素オーバーのコンデジ機が近くになかったので、一昔前のN君に登場してもらった。

1905141
今回の主役はNikonではなく、某C社のPowerShot S80とEOS kiss Digital Nの両雄

 ここで撮像素子のカメラ部有効画素数を言っておくと、双方共に約800万画素。しかし、撮像素子そのものの大きさは言うまでもなくデジタル一眼レフの方が大きいのは言うまでもない。アスペクト比は完全に同じではないが、極端な差になって表れるとは思えないので、これでやってみることにした。

 さらに、コンデジ側はレンズは交換できないのでそのまま使うとして、デジイチ側は何でも使える。そこで、近くにあった単焦点レンズの「EF50mm F1.8 」を装着した。

1905142
ちなみにkissにはこの50mm単焦点をつけていただく

 まあ、ズームレンズ vs 単焦点レンズということでズルいかもしれないが、このレンズが使えるのもデジイチの有利な点ということで、あえて使ってみた。

 では、まずはコンデジの「PowerShot S80」による作品。一応、WBはAUTO。ISOは100。F値は8ということでやってみた。焦点距離は50mmなのだが、このカメラのズームは電動で微調整が効かないので大体の画角でやった。

1905143
WBも狂っているけど、シャープさに欠けるのが気になる

 次は、デジイチの「EOS kiss Digital N」の作品。

1905144
色も若干良くなっているようだ。細部まで細かく再現されている

 う~ん、なんとなく色味といい、シャープさといいkissに軍配が上がっているようだが、イマイチすっきりしないので親指の爪の部分の200pix四方を切り取って以下に比較してみた。左がPowerShot S80の作品で、右がEOS kiss Digital Nだ。

1905145
これがデジイチの威力だ(右側)!細部まで実にシャープですね

 ここまで拡大するとハッキリしますね。この圧倒的な解像力の違いにお気づきいただけたでしょうか?明らかに爪のディテールが違いますね。コンデジ側は部分的に爪と皮膚の境界がボヤけて分かりにくいのが、デジイチ側では指のシワまでクッキリと再現しています。コンデジ側は粒状感も若干あるのに対し、デジイチ側は全くといっていいほどありません。

 この主な原因は撮像素子であるCCDなりCMOSのサイズによるもの。同じ画素でもサイズが大きければ、それだけ鮮明に写しだすんですね。ちょうど、4×5判フィルムと35mmフィルムとAPSフィルムでは解像感が全く違いますよね。そんなもんで、デジカメのフィルムに該当する部分である撮像素子の大きさによって画質は大変わりするっていうことですね。

 これは、同じ800万画素と言っても、1つの画素の大きさが大きければそれだけ光を取り込めるということですね。その分、鮮明に記録できるワケです。そういうことで言っていけば、現在のデジタル一眼レフの主流はAPS-Cサイズというもの。最近なら、某C社がフルサイズCCDのデジカメである「EOS 5D 」を出しているので、これなら同じ1000万画素でも綺麗に写しだす事でしょう。でも、べらぼうに高いので、APS-Cサイズで十分ですね。

 そんなワケで、レンズ交換ができるという違い以外に、同じ画素数を謳っていても解像力が全く違うということと、画素数が大きけりゃいいってもんじゃないことを知っておいていただければ幸いです。

 ではでは。

~今日のリンク~
株式会社Tooの運営するオンラインショップ
東急ハンズ

| | コメント (4) | トラックバック (0)

ディフューザーを使ったストロボ撮影

 お猿@おはようございます。

 いつものやや脱線した「Nikon D80 」のレビューを行っております。この際言っておきますが、僕はストロボ撮影を毛嫌いして何が何でもやらない人間でした。しかし、インドアな仕事をしている為か、室内撮影が多く、「あたい、ストロボなしにはやっていけないわ」と限界を感じて、本格的にストロボ撮影に挑戦してみようと思ったわけです。そこで何か指南書が必要ということで、以前にも何度か紹介した学研のCAPA編集部が発刊した「デジタル一眼レフストロボ100%活用術 馬場信幸著」だったワケですね。

ぶっちゃけ、ストロボ撮影とかフラッシュ撮影と言われるものの何がイヤだったのかと言えば、あの「ストロボ臭さ」ですね。いかにもストロボで撮りましたっていう感じのテカリとか影が嫌いだったんです。……でこの本もそういうストロボ撮影のデメリットを如何に解消するか。そして、どのようにしたらストロボを使っているんだけど、さも使っていないかのような自然な撮影ができるかということを徹底的に分析しているわけです。ハッキリ言って目からウロコの名著ですよ、これは。これで1,600円なんだから安いよね!?是非、ご一読を!

 ……で、ストロボ撮影のノウハウとして掲載されていたのが、大きく分けて「ディフューザーを使った撮影」「バウンス撮影」の2つだった。まあ、ストロボ撮影をやっている人にはお馴染みの撮影方法ですね。そこで、今回はディフューザーを使った撮影について、僕なりに実践してみたものを紹介したい。

 ディフューザーとは、「影とり」とも言われるが、影がが消えるというワケではない。クッキリとした影をやわらかくすると言った方がいいだろう。それでまず、この本の中で使われているディフューザーキットを購入してみた。作ろうと思えば作れるけど、何かと長く使うので市販の物を購入してきた。紹介されていたのがストロボには定評のあるSUNPAKさんのDiffuser Kit DFU-01(ディフューザーキット DFU-01)というもの。

1905111
これがSUNPAKさんのDiffuser Kitだ。エアークッションで出来た袋に入ってギラギラしている

 このキットの中には拡散面積の大と小の2種類と、取付用のマジックテープが入っている。取扱説明書は日本語はじめ数ヶ国語で書かれているので、そこに書かれている通りにやれば簡単に使うことができる。

1905112
いたってシンプルなキットの中身

 一応、発光部の大きさは、「L」が190×150mm、「S」が140×110mmとなっている。ストロボから発せられた光を拡散させるので当然ながら光量落ちが起きるのだが、それは-2EVとなっているのでこれを元に調整したらいいと思う。まあ、なんせコンパクトに折りたためるのでカメラバッグのポケットなんかに入って携帯性に優れている。

 また、このディフューザーの内側は銀色の反射シートが張ってあるので、ストロボの光を無駄にしない工夫がなされている。

1905113
内側にも銀色の反射シートという工夫が……

 そして、このディフューザーをストロボに取り付けねばならないのだが、その為にマジックテープ(ベルクロ)を使用する。あらかじめディフューザー側とストロボ側にテープを張って脱着可能な状態にしておく。ストロボにテープを張るのは非常に気が引けたが、まあずっと使うものなので、やむ無く取り付け完了となった。

1905114
ストロボ側にもマジックテープを巻きつける。ここにディフューザーが付く

 では、今回のディフューザー試験は4パターンで検証してみた。それは下記の通り。

 まずは、ストロボを直に発光させて、何もせずに被写体を照らす。

1905115
僕愛用のSB-800を何もせずにただ光らせた。本当に点光源っていうカンジだ

 次に僕が愛用しているNikon純正のクリップオン式ストロボの「スピードライト SB-800 」に付属しているバウンスアダプターというもの。真っ白のプラスチックの箱みたいなものだ。SB-800の発光部にはめて光を拡散させることで、光をやわらげようという作戦だ。

1905116
バウンスアダプターを装着すると確かに上下左右に光が拡散されているように見える

 そして、ここからディフューザーキットの登場だ。まずは発光面積の小さい「Sサイズ」。

1905117
Sサイズでも結構光が面光源になって拡散されているのでは?

 そして、同じくディフューザーキットの「Lサイズ」だ。

1905118
Lサイズまでになってくると被写体側からストロボ本体は全く見えない。かなり光がやわらかい

 今回はそれぞれ2種類の撮影方法で挑戦してみた。……とは言っても、横位置撮影と縦位置撮影だ。横位置では影の影響がわかりにくいと言われるが、果たしてどうか?そして、影の影響が思いっきり出ると言われる縦位置ではどうか。その辺を検証してみた。使用したレンズはニッコールの誇る単焦点レンズ「Ai AF Nikkor 50mm F1.4D 」だ。

 ちなみに今回のモデルはみんなのアイドルのミニーマウスちゃん♪

1905119
これが横位置撮影。レンズの真上からの照射で被写体の下に影ができるのでわかりにくい

19051110
そしてこれが問題の縦位置撮影。レンズの真横から照らすので非常に影がクッキリする

 では、この2種類の撮影方法で、それぞれの場合をチェックしてみましょう。写真は左が横位置で撮った写真。右が縦位置で撮った写真となっている。絞り優先でF8、ISO 100、露出補正は0EVとなっている。ヒストグラムも付けたので、それぞれの明るさも要チェックや!

●SB-800そのまま発光

19051111 19051112
横位置はさすがに下にしか影がでないので分かりにくい。でも、両方とも影がシャープ

 いずれにせよ、影の輪郭がとてつもなくシャープに写っている。これを基準に他の3つの方法を見ていこう。

●SB-800にバウンスアダプター使用

19051113 19051114
何とな~く影がやわらかくなったようにも見えるが

 例の白いハコを取り付けて撮ったが、気持ち影の輪郭がシャープになったかなというカンジだ。指南書によれば、発光面の大きさに左右されるのだから、このやり方はむしろ光を無駄にするだけで、効果はあまりないというものだが、事実そういうことになっているようだ。

 ●ディフューザーキット Sサイズ

19051115 19051116
左手周辺を見てみると明らかに影の輪郭がボケボケになってきている

 Sサイズだが、なかなかに影がやわらかくなっている。ただ、やっぱり-2EVと光量落ちがあるので、かなり暗めに仕上がってしまった。

●ディフューザーキット Lサイズ

19051117 19051118
かなり暗めの仕上がりだが、影はキチンとやわらかくなっている

 流石にLサイズまで来るとかなり輪郭がボヤけてきていますね。また、あれだけの大きな面で処理しているので光量落ちも顕著に出てしまっています。露出補正は0EVでこの試験をおこなっているので、SB-800側で+2EVの補正をしてやってみました。

●ディフューザーキット Lサイズ(+2EV補正)

19051119 19051120
これでかなり明るくなりました。もうちょっと明るくしてもいいかな……?

 ハイ結構、明るくなりましたね。これでもシャッタースピードは1/60秒だ。

 そんなワケでストロボはこれくらいの距離では直に光らせちゃいけないよってことだ。バウンスアダプターも効果はイマイチ。こういうディフューザーなら折りたためばカメラバッグのポケットに突っ込んでおけるので、是非とも携帯して、こういう場面で自然な写真を仕上げてもらいたいものである。

 では、お次はクリップオン式ストロボの醍醐味「バウンス撮影」にアタックしてみたいと思います。

 ではでは。

~今日のリンク~
浄土真宗を憂う
信頼と実績のデジカメ・ビデオ激安ショップ!
メディアラボNEXT店
商品代金1万円以上で送料無料・代引手数料も無料です。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

超広角10mmの世界(某工事現場編)

 お猿@おはようございます。

 名機「Nikon D80 」にいろんなレンズを付けて検証しちゃおうっていう企画をやってきましたが、さすがに鬱陶しいのでそろそろ超広角ズームレンズの検証は今回をもって最終回。次回からは、また別のものを検証したいと思う次第であります。まあ、最終回なので、お猿所有の交換レンズを全て出しきって(……と言っても3本だが)「超広角10mmの世界」シリーズを有終の美で終わりたいと思います。で、所有レンズは下記の3本。

  1. SIGMA「10-20mm F4-5.6 EX DC /HSM
  2. NIKON「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
  3. NIKON「Ai AF Nikkor 50mm F1.4D

 ……ってとこです。

 今回の舞台は、某工事現場。基礎工事の真っ最中で配筋真っ最中のところをおさえてきました。ここ2連戦で四隅の色収差が顕著に出てしまっているVR 18-200mmですが、縦横に張り巡らされた鉄筋を前にどういう結果が出るのか乞うご期待!更に今回は今までの被写体では気にならなかったアレが顕著に出ているのでお見逃しなく!

 今回もSIGMA 10-20mmの性能評価を中心にニッコールの性能評価もしていきたいと思います。基本撮影ルールは、絞り優先でF8、ISO100、露出補正は0EVということでお願いします。また、今回は面倒なんでヒストグラムはカットということでお願いします。では、早速行ってみましょう!

●焦点距離「18mm」対決!

 一応、左がSIGMA 10-20mmで右がNikon VR 18-200mmという順番です。

1905101 1905102
空まで入った広角18mmでの勝負!ここで「ある違い」に気づくだろうか?(クリックで実画像が開きます)

 まずは右上の民家の周囲に大差が出ていたのでご覧いただきましょう。

1905103 1905104
右のVR 18-200mmに顕著に色収差が出ている

 この手の空の入った写真では、空との境界に色収差が目立つというのは、前回の「親鸞会同朋の里」さんでのサンプルで紹介した通り。今回もものの見事にVR 18-200mm側の屋根の周囲に出現してしまっている。反面、SIGMA 10-20mm側は綺麗におさえられている。次は左下の鉄筋を拡大してみた。

1905105 1905106
VR 18-200mm側の縦の鉄筋の両側に色収差が見られる

 更に右中央の鉄筋をアップしてみましょう。

1905107 1905108
これでもやっぱりVR 18-200mm側に色収差が見られる

 ……ということで、予想通り見事なまでに鉄筋周辺に色収差が見られた。……が、今回のサンプルで前回までに目立たなかったあるものが気になった。それが「歪曲収差」というもの。特に高倍率ズームになってくると、何かを犠牲にしなきゃならないようで、歪曲収差などが目立ってくるようだ。特にこのVR 18-200mmの最大広角の18mm側では樽型の歪曲週差が目立つようです。それを見てみよう。まずは、SIGMA 10-20mmを見てみると、

1905109
赤線が直線だが、鉄筋もそれに沿って真っ直ぐになっているのが分かる

 ……と超広角ズームレンズながら歪曲収差が全くと言っていいほど良好に修正されている。基準となる赤い線を引いてみたが鉄筋も赤線に沿っていることが分かる。では、お次は高倍率ズームレンズのVR 18-200mmを見てみよう。

19051010
青線が鉄筋のラインだが、これでもかってほど樽型に歪曲しているのが分かる

 前回までのサンプルは直線部分がなかったために目立たなかったが、今回のように縦横に直線に走る被写体があると、その歪曲収差がハッキリと見て取ることができる。色収差だけでなく、歪曲収差までも良好に修正してくれるSIGMA 10-20mmの威力はスゴイ。

 では、お次は20mm対決行ってみましょう!

●焦点距離「20mm」対決!

19051011 19051012_1
18mmの時より歪曲収差は目立たなくなっているのが分かりますか?クリックで実画像が開きます)

 ……とまあ、たった2mmの差だが、18mmの時のような歪曲収差は目立たなくなっている。そうは言っても、やっぱりVR 18-200mm側には樽型の収差が出ている。では、左のボルトをアップして見てみましょう。

19051013 19051014
これは見事にボルト両側に色収差が出ちゃっているのが分かりますね

 そして、お次は右下の鉄筋。

19051015 19051016
色収差も出ているし、解像感もイマイチ。反面、10-20mm側の鮮明さはさすが

 ……ということで、やっぱり10-20mm側に軍配が上がってしまいました。さて、ここでソロに行ってみましょう。SIGMA 10-20mmのオハコである最大広角の10mmの世界をご覧いただきます。

●焦点距離「10mm」の世界!

19051017
手前のブルーシートまで映ってしまうのは、さすがに10mmの世界!(クリックで実画像が開きます)

 18mmの世界では樽型の歪曲収差を出してしまったVR 18-200mmに対し、良好な補正を見せてくれた10-20mmだが、ここに来て若干の糸巻き型の歪曲収差が出たような気がする。そうは言っても横の鉄筋を見た範囲では軽微なものだが……?

 では、左側の鉄筋と左上の建造物の窓付近をアップで見てみよう。

19051018 19051019
いずれも色収差が良好に補正されている。それにしても変形がすごいな……

 正直なところ、右の窓枠や外壁の継ぎ目なんかにフリンジなんか出たりするかなと思ったんですが、これまた見事な描写力。本来は垂直の建物もこれだけ変形してしまうのは超広角のご愛嬌。むしろ、これくらいでないと迫力が出ませんがね。

 次に、SIGMA 10-20mmを離れて、他の2本を見てみよう。VR 18-200mmの望遠側の描写力を試していなかったので、望遠200mmをご覧いただきたい。

●焦点距離「200mm」の世界!

19051020
望遠ですが、思った以上にクリアな画像が得られた(クリックで実画像が開きます)

 比較するものがないので何とも言えないが、無補正でこれだけの描写が出るとは正直思っていなかった。同等の単焦点を持ってきたら、ネムさを感じるかも知れないが、まあそんなの高すぎて買えないのでこれで十分です。次は、右下と中央のアップを見てみたい。

19051021 19051022
右下アップは若干の色収差が見られるが良好。中央は鉄筋の質感まで見事に描写している

 なんか、広角18mm側よりも望遠200mm側の方が解像力は良いように感じる。ただ、以前にも紹介したように望遠側になると周辺に減光が生じるので、望遠もパーフェクトとは言えない。

 そして、解像感や諸収差の影響を受けない「シンプル イズ ザ ベスト」の単焦点レンズの威力を見ていただきたい。VR 18-200mmに対抗するは、50mm F1.4の単焦点。ニッコール同士の対決だ。VR 18-200mmは50mmに固定しての試験だ。

●焦点距離「50mm」対決!

19051023 19051024
50mmになってくると安定してくるのかVR 18-200mm(左)もかなりの描写力(クリックで実画像が開きます)

 超広角でも望遠でもない、50mmくらいになってくると諸収差も消えてなかなかの描写に感じられる。アップにはしていないが、パイプ断面の文字もかなりクッキリと再現している。気になる右下の鉄筋のアップは……、

19051025 19051026
さすがに単焦点(右)の解像感は見事。でも、VR 18-200mmもなかなか好成績

 右上のスペーサーはどうかな?

19051027 19051028
若干ピント位置より奥だが、単焦点の解像感はさすが

 最後に最もピントの合っている中央部分に行ってみましょう!

19051029 19051030
鉄筋の凹凸もクリアに再現している。VR 18-200mm側もかなり好成績

 単焦点はシンプルなるが故に諸収差があまり出ないので、サビなんかまでもかなりリアルに再現してくれている。少し離れて撮ったとは思えない描写力ではないだろうか?それでも、全体的に50mmくらいまでズームを持ってくると高倍率ズームのVR 18-200mmも好成績。この辺はさすがにベストセラーレンズと言うべきか……。

 ……というワケでしつこく3回に分けて検証してきましたが、結局は広角は広角レンズに任せとけっていうことですね。最後の最後に歪曲収差までも良好に修正してくれることが分かった。これは見事というしかないかもしれない。

 では、次回からまた別テーマでNikon D80を巡る環境を検証していきたいと思いますので、懲りずにお付き合いくださいませ……。

19051031
工事現場に入るときはヘルメットを着用しましょう!

 ではでは。

~今日のリンク~
キャリブレーション対応カラー液晶モニターColorEdge CE
MacとAdobe Creative Suite 3 は最強の組み合わせ。Apple Storeにて予約受付中。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

超広角10mmの世界(親鸞会・同朋の里編)

 お猿@おはようございます。

 急になんですが、ついにAdobeさんがやってくれましたね。「Adobe Creative Suite 3」が発表になっちゃいました!俗に「Adobe CS3」と言われているものですが、かなり大きな変化があるようで悩んじゃっています。僕の資産と言えば、Windows用の「Adobe CS Standard」と「Adobe GoLive CS2」。

1905091
当初はGoLiveだけ単体で持っていたので、CreativeSuiteはStandardを購入したんです

 ところが、今回のCreative Suite 3にはこのGoLiveが入っていない!?その代わりにWebのオーサリングソフトとしてはDreamweaver CS3が入っているというもの。じゃあ、GoLiveCS3はLiveMotionの様に開発打ち切り!?と動揺していたところ、GoLive CS3は単体でリリースされるそうな。マクロメディアを買収するとWebはシェアで上回っているこっちに持ってかれちゃうのか……と寂しいものです。まあ、もともとGoLiveだけは別パッケージで購入していたからいいか……と開き直ってみる。

 今回のCS3からは動画編集などにもアプリケーション間をシームレスに連携させていこうという考えか、従来のパブリッシング用途やWeb用途に加え、AfterEffectsなどの動画編集ソフトを組み合わせたエディションも販売されるみたいだ。その為に、エディション間の違いを理解するに困ったが、従来のCreative Suiteの延長上にあるのは、下記エディションらしい。それぞれにWin版とMac版があり、アップグレード版もある。アップグレードで半額くらいになるので、これは利用しない手はない(価格は9日現在、アット・ニフティストア予約価格参照)

●Adobe Creative Suite CS2 Premiumの後継?

  • CreativeSuite3 Design PremiumWin icon/Mac icon】…314,550円(通常版)
  • CreativeSuite3 Design PremiumWin icon/Mac icon】…144,995円(UPG版)

●Adobe Creative Suite CS2 Standardの後継?

  • CreativeSuite3 Design StandardWin icon/Mac icon】…207,944円(通常版)
  • CreativeSuite3 Design StandardWin icon/Mac icon91,409円(UPG版)

 他にもPhotoshopかIllustratorの比較的最近のバージョンを持っていれば、これらのセットを数万円安く手に入れられるアップセル版もあるので、そこら辺は調べていただければと思う。一先ず、僕の場合はDesign StandardのUPGで十分だが、CS4までは待ってみようと思う。

 それはそうと、毎度恒例のNikon D80 にいろんなレンズをくっつけて検証してみようっていう企画をやっております。前回から悪魔のレンズ「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF) 」と、超広角ワールドへの入口レンズ「10-20mm F4-5.6 EX DC /HSM 」による、焦点距離20mm以下の勝負をしております。前回はこのGWに家族連れで賑わいを見せていた「クロスランドおやべ」さんにお邪魔して検証してみました。これではSIGMAの10-20mmの圧勝。今回は、これまた連休中に賑わっていた富山県射水市の浄土真宗親鸞会同朋の里さんにお邪魔してみました。クロスランドに比べてわさわさと森林が生い茂っているので、色収差なんか発見しやすいのではないかとやや期待……。

 今回も前回同様、左が10-20mm、右が18-200mmという配置で行きます。また、撮影の設定も前回同様F8、ISO100、WB AUTOで撮っております。なお、サンプル画像は実画像にリンクしているので、気になる人は重いデータ覚悟でご覧ください。では、行ってみましょう!

●焦点距離「18mm」対決!

1905092 1905093
前回の反省を生かしフレーミングはほぼ同じ!(クリックすると実画像が開きます)

 まずは、VR 18-200mmの広角側である18mm勝負です。早速、収差の大きい四隅をアップしてみましょう。前回と異なり今回は左上に差が顕著に現れたので、そこの200pix四方をアップしてみたぞ。

1905094 1905095
右のVR 18-200mm側に相当の色収差が出てしまった

 やっぱり前回同様、SIGMA 10-20mmに軍配が上がってしまう。解像感以前にVR 18-200mm側の樹木周辺に大きく色収差が出てしまった。この辺は、高倍率ズームの限界か……?それでも、アップにしなければVR 18-200mmでもそんなに目立つものではない。

 では、中央付近はどんなもんかな?収差はないと思うので、専ら解像感が判断基準ですね。

1905096 1905097
10-20mmのクッキリとした描写は秀逸!VR 18-200mmはソフトフォーカス!?

 やっぱり、解像感ではSIGMA 10-20mmに軍配があがってしまう。葉の一枚一枚といい、枝に至るまでかなりクッキリと再現できているように思うがどうだろうか?

 あと、一応、ヒストグラムもオマケでつけておきました。

1905098_1 1905099
今回はVR 18-200mmが調子が残っている。中間調はR成分が強いか?

 では、お次はSIGMA 10-20mmの望遠側20mmでの勝負です。

●焦点距離「20mm」対決!

19050910_1 19050911
あ、確かに右のVR 18-200mm側の方が調子が残っているね!(クリックすると実画像が開きます)

 ……というワケで、20mm勝負に持ち込んでみたんですが、28mmでVR 18-200mmのヒストグラムの調子が残っているのが驚きだった。確かにこうやって並べて見てみると空の調子が残っているのが18-200mmであることが興味深い。中間調のR成分が強いのも夕刻だからか……?そうなると忠実な色再現は18-200mmかもしれないなぁ。

 では、左上200pix四方をチェックしてみましょう。

19050912 19050913
やっぱり、VR 18-200mm側に、軽く色収差が出てしまった

 うん、やっぱりVR 18-200mm側に色収差を確認できますね。それにしても、これだけのテストをしてSIGMA 10-20mm側の収差のなさに驚きます。角なのにこの解像感は大したもの。

 では、最後に中心部分をチェック!

19050914 19050915
やっぱり10-20mmの描写の細かさは秀逸ですね

 やっぱり解像感に違いが出ますね。枝以上に葉の細かさに差が出たか?

 更にオマケのヒストグラムを付けておきます。

19050916 19050917_1
やっぱり、VR 18-200mmの方が調子が残っている。中間調もR成分が多い

●焦点距離「10mm」の世界!

 では、10mmとなっては独壇場になるSIGMAのソロを見てみましょう。こういった原野っぽい写真になると手前の草と奥の木に奥行きを感じて、更に広がりも感じられて開放感タップリです。

19050918_1
目視以上に手前の草と奥の木の間が長く感じられます(クリックすると実画像が開きます)

 では、これに関しては右上と右下の200pix四方をチェックしてみましょう。

19050919 19050920
やっぱり流石の10-20mmでも空との境界にはニジミが感じられる。右下は問題なし

 空との境界には若干のニジミが見受けられたが、これ以前のVR 18-200mmと比べれば良好だと言えよう。逆にトーンが似たような右下の茂みには色収差は全く見られない。

 一応、ヒストグラムも付けとくね。

19050921
なかなか理想的な配分では?中間調にR成分が強いのに注目

 ……ってなわけで、前回のクロスランドおやべとは一味違った結果となった。こういうこまごました被写体で明暗のクッキリしたところではVR 18-200mmでも色収差が出やすいというのが分かる。逆に、こういった環境でも安定しているSIGMA 10-20mmは広角専門の風格を感じられる。実に頼もしい描写力だ。

 では、最後に超広角での屋内撮影の結果をご覧いただきましょう。

19050922
屋内でも、こんなにワイドに撮れるんだぞ!室内撮りでも威力発揮です

 ……っていうワケで、これにて同朋の里さんでの検証を終了したいと思います。次回はもっとワサワサした「工事現場」にて同様の検証をしましたのでその紹介をします。色収差と解像感とは別の大きな違いにオドロキ!乞うご期待!

 ではでは。

~本日のリンク~
浄土真宗親鸞会 宮崎
デジカメ買うなら専門店カメラのキタムラ インターネット店

| | コメント (6) | トラックバック (1)

超広角10mmの世界(クロスランドおやべ編)

 お猿@おはようございます。

 すでに「Nikon D80 」に数種類のレンズを装着しては楽しんでいるレビューになっておりますが、気が向いた人だけ付き合ってくださいネ。今回も前回に引き続き、SIGMAの超広角ズームレンズ「10-20mm F4-5.6 EX DC /HSM 」についての検証を行います。

 今回の舞台は序章でもチラリとお見せした富山県小矢部市の名所「クロスランドおやべ」のゴールデンウィークの様子を撮ってみました。家族連れが多数訪れるところで、いい歳した男が一人、難しい顔をしながらレンズをガチャガチャ交換しているのは妙に浮いていました。明らかに楽しんで写真撮っているようには見えなかったと思います。いや、これでも楽しんでいたんですけどね……。マジで……これがオレ流のGWの過ごし方ってヤツ?

1905081
これがクロスランドおやべのシンボルである、118mの高さを誇るクロスランドタワーです

 手始めにシンボルのクロスランドタワーを10mm側で撮ってみたんですが、撮り方が悪かったのか全く迫力が出ていません。撮る位置が悪かったみたいです。まるで、慰霊碑というかお墓ですね……というワケで、10mmで撮りゃあ何でもワイドで迫力というわけにはいかないということです。この辺は経験値を増やしていくしかないようです。

 では、いよいよ本格的に検証に入っていきたいと思います。でも、ただ検証するのでは面白くないので比較の対象を用意します。それはズバリ、超人気の悪魔のレンズ「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18~200mm F3.5~5.6G (IF) 」。18mmスタートなので、この超広角ズームの望遠側より広角が撮れるというもの。それならば、このダブった18mm~20mmの範囲では、どちらで撮った方が良いものが撮れるのかということを競ってみました。この18-200mmは諸収差を良好に解消した高性能レンズということで名高い一品です。さて、高倍率ズームが勝つか、超広角ズームが勝つか?結果は如何に!?

 最初の会場は、クロスランドおやべ内の「池」。池の周囲をミニSLが走っているという目玉的存在のスポットです。ここでまず高倍率ズームの最大広角側である18mm対決をしてみましょう。設定は、絞り優先:F8、露出補正:0EV、WB:AUTO、ISO:100で行ってみました。

 対決の写真は全て、左が10-20mm、右が18-200mmとなっております。また、画像をクリックすると実画像が別ウィンドウで開くものがありますが、なんせ1020万画素の画像ですので、開く時は重さを覚悟して開いてくださいネ♪

●焦点距離「18mm」対決!

1905083 1905082
若干フレーミングがズレてしまったのはご愛嬌。(クリックすると実画像が開きます)

 まずは、最も諸収差の影響を受け易いと思われる右下400pix四方をアップしてみました。

1905084 1905086
こうしてみると18-200mm側に色収差などが目立つ。解像力も10-20mmに軍配が上がる

 高倍率ズームはどうしてもムリしてしまうのか、なんとなく18-200mm側はボンヤリとした印象を受けた。木の欄干なんかでも色収差が若干ながら見られるようだ。とは言っても高倍率ズームとしてはかなり優秀だと思うが……?ならば、写真中央なら画質はどうだろう……と思って見てみた。中央400pix四方をアップしてみた。

1905085 1905087
水面なので分かりにくいが、10-20mmの方がやっぱり繊細?

 中央と言っても池のド真ん中なので評価は実にやりにくい。しかし、水面の細かな波のキレはやっぱり10-20mmの方が解像感が上だ。色味としてもやや落ち着きがあるように見える。色味と言えば、ヒストグラムはどうだろう?フレーミングがズレてしまって面目ないが、それぞれのヒストグラムを比べてみた。

1905088 1905089
露出補正0EVでの比較では、10-20mmが適正露出か?

 ご覧の通り、露出補正は全くいじらずに撮った感じでは、10-20mm側が適正露出のようだ。10-20mmのF値がF4-5.6というのに対し、18-200mmのF値がF3.5-5.6というのが影響しているのだろうか?18-200mm側のハイライト側が飛び気味となった為に、全体的にヒストグラムが低めに見える。特に欄干の手すりに影響が顕著に出ているように思われる。一応、10-20mmのシャッタースピードは1/125秒に対し、18-200mmは1/250秒で、倍のスピードだった。

 お次は、超広角ズームの望遠側の20mm対決に移ります。

●焦点距離「20mm」対決!

19050810 19050811
これまたフレーミングがズレてしまって面目ない!(クリックすると実画像が開きます)

 ここでも、諸収差の影響の出やすい右下400pix四方を切り取ってみました。さて、どうなるでしょう?

19050812 19050814
収差云々というよりも、解像感が全くちがいます。木目まで再現する10-20mmは流石!

 ……ということで、圧倒的に10-20mmの勝利ですね。これだけの広角でありながら色収差もなければ、解像感も失われていません。18-200mmは木目が失われちゃっていますね。ねむたい画質もイマイチ……。でも、これでも高倍率ズームとしては上出来(……と必死の弁護)。お次は、ド真ん中勝負を行ってみましょう!中央400pix四方のアップです。

19050813 19050815
写っているものが全く別ながらも水面の繊細さは10-20mmが断然上です!

 これでも圧倒的な解像感を見せ付けて10-20mmの勝利!水面の細かい波や映っている影なんかも非常にリアル。では、最後にヒストグラムも見てみましょう。

19050816 19050817
これでもやっぱり10-20mmの情報が残っている

 18mm対決に比べると10-20mmでもハイライト側が失われつつあるものの、それでも中間調のピクセルはかなり確保できているように思われる。これまたシャッタースピードは10-20mmが1/125秒で、18-200mmが1/100秒。また、全体的な色調も18mm同様に鮮やかすぎないので、プリプレスによるレタッチ前提の僕からすれば、作り過ぎない色の方がむしろ好み。この落ち着いた自然な色調が好きですね。

 結局のところ「餅は餅屋」とはよく言ったもので、広角はやっぱり広角に特化したレンズに軍配が上がるようだ。オールラウンドな高倍率ズームは便利だけど、「広く浅く」で品質という面から言うとイマイチ。広角撮影をする場合は、SIGMAの「10-20mm F4-5.6 EX DC /HSM 」を使うようにしたいと思う。ただ、やっぱりスナップなどの多用途の場合は18-200mmにお世話になりたい。何といっても望遠側のVRも頼もしい。

 さて、最後に10-20mmズームのオハコである10mmの画角での画質に迫ってみたいと思う。これは18-200mmでは不可能なので、ソロでお目にかけたいと思う。

●焦点距離「10mm」の世界!

19050818
10mmの世界はフトコロが違う。右の歩道が収まるのは流石!(クリックすると実画像が開きます)

 先の18mmとか20mmの対決で解像感に満足したが、このレンズを手にした満足感はやっぱり10mmの世界を手に入れられることだろう。これを撮ってこそこのレンズを使う醍醐味だ。先の2種類の焦点距離に比べて圧倒的な広さに満足だ。

 では、これだけ超広角にすると解像感が犠牲になるのではないか?特に四隅での色収差が心配になってくるが、これはどんなもんか?早速、右下400pix四方と中央400pix四方をアップしてみた。

19050819 19050820
これまた想像していた以上に収差がない。また、すばらしい解像感に満足だ

 いくらなんでも四隅に色収差がバリバリに出るんじゃないかと思ったが、これまた驚くほど修正が効いている。これだけできれば風景写真用の1本として十分通用するのではないか?77mmというフィルタ径なのでPLフィルタなんか揃えるに費用はかかるが、この広角の世界に特化したレンズはまさしく「買い」だ。さらに、ヒストグラムを見てみると……、

19050821
+0.3EVくらいに補正すれば、適正露出かもしれない……

 ……という感じで、若干暗めであるが必要にして十分な分布だと思う。レタッチで補正しても結構耐えられるのではないか?まあ、18-200mmにしても、撮影確認の段階で背面液晶のヒストグラムを確認して適正露出を決めていきたいものです。

 では、最後にオマケのミリタリーフォトと行ってみましょう。前回の自衛隊のヘリコプターを別アングルに撮ってみました。

19050822
毎度恒例の自衛隊ヘリコプター。ローターがとてつもなく迫力あります

 では、今回はこれくらいでクロスランドおやべを失礼しようと思います。次回は同様の実験を親鸞会・同朋の里さんにお邪魔して行ったので、それをもとに検証してみたいと思います。今度は森林フォトになります。今回以上に木の枝などが複雑に絡み合った被写体で色収差の検証がしやすいと思いますのでご期待ください!

 ではでは。

~今回のリンク~
ヤマダ電機

| | コメント (6) | トラックバック (0)

超広角10mmの世界(序章)

 お猿@おはようございます。

 最近、すっかりSIGMAの超広角ズームレンズ10-20mm F4-5.6 EX DC HSM の魅力にどっぷり浸かってしまい、本来あるべき「Nikon D80 」のレビューをほったらかしにしております。でも、まあデジタル一眼レフの醍醐味はいろいろなレンズで絵創りができるということですからね。ボディはD80を使っているのでヨシとしましょう。

 D80を購入した当初は、一度付けたら便利すぎて外せないという悪魔のレンズ「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF) 」をハメ殺そうと思っていたのですが、これを悪魔のレンズと言うなら、別世界へ導いてくれるレンズが10-20mmズームで、これもまた楽しませてくれるレンズで多用しています。そんなワケで、このゴールデンウィークに練習で撮った写真などをざっとアップしてみたいと思います。それで、今後しばらく、この超広角10-20mmズームレンズの検証をしてみたいと思います。

 まあ、最近のコンパクトデジカメでも「広角28mm」なんていうのが出てきている今日この頃でありますが、一眼レフのレンズキットは18mmとか20mmスタートのズームレンズがザラですから、珍しくも何ともありません。超広角で狭い室内で広く撮りたいと思っている人は大人しくデジタル一眼レフを買いましょう。一応エントリーモデルの「Nikon D40X レンズキット 」なんかはD80並みの1020万画素でありながら18-55mmレンズが付いているし、更に「Nikon D40X ダブルズーム 」なんかはこれに加えてVR 55-200mmレンズが付いてくるから望遠までカバーができる。これで前者なら\72,198-だし、後者でも\96,810-で手に入れられるので(H19年5月7日・メディアラボNEXT店価格)コンパクトデジカメのちょっといいものを買うつもりならオトクだと思う。そんなワケでこれからデジカメ買う人は是非ともデジタル一眼レフに挑戦してもらいたい。

 まあ、そんなことは良いとして、まずは身近なところで我が愛車(TOYOTA ist)の運転席です。運転席のヘッドレスト脇から撮ってみたんですが、どうでしょう?両側の窓まで映っていますし、ドリンクホルダーに置いたC1000タケダとじゃがりこチーズ味まで写っています。これは恥ずかしいですね。また、ルームミラーにうっかり僕が写りこんでしまっています。

1905071
この車内だけでもこれだけ広く撮れます。これは使えると思ったショットです

 次は、近くの田植え前の水田です。あまり、広角のすごさを感じられないと思いますが、コレかなりワイドなんですよ。結構、広がりを感じられると思います。

1905072
田植え前だと色彩的にあまりキレイじゃないですよね?

 お次は、以前にもお世話になった富山県射水市の浄土真宗親鸞会同朋の里さんにて試写させていただきました。今回は快晴が多かった連休に撮ったということもあって新緑が美しかったです。

 まずは、駐車場から延びる山道ですね。となりのトトロにでも出てきそうな緑のトンネル(?)でございます。縦位置で撮っていますが手前の木の葉と奥の木とで、かなり遠近感が強調されているのではないでしょうか?

1905073
新緑の美しい緑のトンネル!遠近感がとてつもなく強調されます

 遠近感と言えば廊下ですよね。そこで、日中に廊下を撮らせていただきました。ノスタルジックな雰囲気を出すために照明を消させていただき、向こう側の窓からの光を強調してみました。ぶっちゃけ、実際の廊下の1.5倍くらいには遠近感が強調されているのではないでしょうか?

1905074
これまた、懐かしさを感じさせる昔ながらの廊下ですね。イヤハヤ、癒されます

 そんなワケで、この同朋の里でも他にいろいろと検証してみましたので、それは次回以降に詳細レビューとしてご報告したいと思います。同朋の里さん、お世話になりました!

 次に、富山県小矢部市にあるクロスランドおやべにお邪魔してみました。本来ならクロスランドタワーを撮るべきなんでしょうが、近くに自衛隊の駐屯地があるためか、施設内に大きなヘリコプターが展示されていました。別にミリタリーマニアじゃないんですが、妙に迷彩模様のヘリを撮りたくなりまして撮ってしまいました。たかがヘリに超広角レンズを使うのもなんですが、なかなか面白い写真になりました。

1905075
前後のローターが手前に迫る!かなり迫力があるんじゃないでしょうか?

 ご覧の通り、ヘリコプターの象徴のローター(回転翼)が強調されて非常にパワフルなヘリっぽくなりましたね。これを通常の18-200mmズームレンズで撮ってもこうはなりません。次に、クロスランド内の池ですね。周囲をミニSLが走っているのですが、これまたかなりワイドに撮る事ができましたよ!

1905076
これが超広角10mmの池。18mmでは足場の木がこんなに写りこまないです

 ……ってな感じで、手前に広がりを感じる仕上がりです。やっぱ、広さを感じますよね!クロスランドおやべも他にも検証用に数枚撮っていますので、それも後日公開したいと思います。そんなワケでクロスランドおやべさん、ご協力ありがとうございました!

 では、最後に我が家です。このレンズは撮影者の足まで写ってしまうという評判を聞いていたので、どれくらい撮れるもんかレビューしてみました。まずは、フツーに我が家の廊下を撮ってみました。

1905077
やべぇ……。ハッタリかまして、すんごく長い廊下に見えます

 ……ってカンジで、狭い我が家もハッタリかまして広く見えます。かなり、遠近感が強調されて長い廊下に見えます。では、この状態でカメラを下に向けてみましょう。ほぼ、45°下げてみたところで足が写っちゃいました。

1905078
なんか、妙に不可解な写真になっちゃいました。あ、裸足でスミマセン

 ……とまあ、ご覧の通り、ちょっと角度を変えると廊下の突き当たりの扉が急に接近しているように見えませんか?これ同じ場所で撮っているんですけどね。足も妙に近づいて見えます。これが写真の外周側ではなくて、中心側で撮ると急に遠く見えます。これまた超広角レンズの楽しみ方の一つかもしれませんね。

 まあ、こういった室内撮影には非常に効果的なレンズかと思います。正直、10-20mmズームと言いながら、10mmくらいしか使っていません。中間の焦点距離ではまず使わないので単焦点で10mmとか狙った方が周囲での収差なんかも抑えられていいかもしれないんですが、まあお値段と言い品質といい文句はないと思います。

 では、次回からはそれぞれのロケ地での検証をしてみたいと思います。

 ではでは。

~今日のリンク~
親鸞会 東京
信頼と実績のデジカメ・ビデオ激安ショップ!
メディアラボNEXT店
商品代金1万円以上で送料無料・代引手数料も無料です。

| | コメント (13) | トラックバック (3)

iPod「Camera Connector」を使ってみた(Nikon D80編)

 お猿@おはようございます。

 そういえば、以前にCanonの「EOS kiss Digital」や「PowerShotS80」にiPod Camera Connectorを接続してみようという検証を行った。接続編から懇切丁寧にレビューしてみたと我ながら思っているのだがどうだろうか?

 ……で、この「iPod Camera Connector」とは、Appleの人気商品であるiPodに直接デジカメを繋いでしまってバックアップなんか取ったりするストレージとして利用してしまおうという画期的(?)アイテムなのだが、なんせ直接デジカメに接続するために、随時最新機種に対応させていかないと認識すらしてもらえないんですね。

 そこで、お猿のマイブームである「Nikon D80 」についてはどうか?という疑問が出てきたわけです。……で、いろいろとぐちゃぐちゃ考えているヒマがあったら検証せよということでやってみました。まず、iPodのバージョンっちゅうもんを見てみましょう。iPodとパソコンを繋いでiTunesを起動させます。

1905051
iPodとPowerMacintoshG4とを接続します

1905052_1
iTunesが自動的に起動してiPodのソフトウェアのバージョンを表示

 どうやら、バージョンは1.2.1のようです。これがNikon D80に対応しているかっていうハナシですね。では、早速接続してみましょう。専用のUSBケーブルと言いたいところですが、Nikon D80付属のUSBケーブルを出してくるのが面倒くさく、CanonのPowerShotS80用のUSBケーブルを引っ張り出してきたのですが、ちゃんと使えてしまいました。

1905053
Nikon D80ボディのUSBポートにケーブルを接続します

1905054
もう片方をiPodにCamera Connectorを使って接続します

 さて、認識するでしょうか?できなければiPodに「未接続」の表示が出るはず……。

1905055
おおっ!「読み込み中」の画面が!認識したぞ!

 ……というわけで、Nikon D80でもちゃんと認識するようです。もし認識しない場合はiPodのソフトウェアバージョンが古い可能性がありますから、きっちりバージョンアップして対処しましょう。……で、「読み込み」を選択すると……?

1905056
ちなみに5コマ読むだけで約30秒……

 ここまでで約5枚をNikon D80からiPodへと読み込んだのですが、お猿カウント(僕の時計を使わない数え方)で30秒ほどかかっていました。やっぱり、転送速度は遅いようですね。

 iPod Camera Connectorは、カメラに直接接続して読み取るために、取材をしている最中に片方のメディアでiPodに転送している最中に、もう片方のメディアで撮影するということができないのが残念。転送中はカメラも転送元として使っているわけですからね。これは痛い。しかも、転送中はカメラの充電もできない。これは痛いですね。

 そういうことで、今となってはEPSONのP-5000 iconとかP-2000 iconといったフォトビューワー兼ストレージを選択しておけば良かったと後悔していたりする。これはデジカメに接続して転送するのではなく、メディアをこれらの機器に挿入する形をとっているので、転送中に他の撮影もできるしカメラの充電もできる。更に転送速度が速いので、非常に使い勝手が良い。

 まあ、暫くはiPodを使うようにしましょうかね。

 ではでは。

~今日のリンク~
iPod Store

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「SIGMA 10-20mm F4-5.6 EX DC HSM」をプチカスタマイズ

 お猿@おはようございます。

 一応、デジタル一眼レフの横綱であるNikonが販売するハイアマチュア向けデジイチ「Nikon D80 」についてのレビューをやってきたつもりですが、だんだんとレンズレビューになってきたので、その辺はニコンマウントのレンズレビューと心得ていただければ幸いです。

 さて、前回の記事で書きましたサードパーティー製レンズの「10-20mm F4-5.6 EX DC HSM 」なんですが、性能は非常にいいのですが、ニッコール党の我々にとっては、細部に渡ってどこかしら使いにくい部分があるので、超初心者でもできるカスタマイズをしてみました。

 前回問題になったのが、レンズキャップと裏ぶたの使いにくさ。フードを付けたままでのレンズキャップの脱着がやりにくかったり、裏ぶたを取り付ける際に非常に面倒くさいといったことがありました。その辺のことは前回の記事で確認していただきたい。

 そうなってくると、ニコン純正のレンズキャップや裏ぶたをつければいいだけなので、早速買ってきて付けてみたぞ。

 その買ってきたのがこれだ!

1905041
左が裏ぶたのLF-1。右がフィルタ径77mm対応のレンズキャップ「LC-77」

 Nikon純正のフィルタ径77mm対応のレンズキャップ「LC-77」と、同じく純正の裏ぶた「LF-1」です。裏ぶたはまだしも、レンズキャップも77mmともなると結構高い。

 それで、この2つを取り付けるとこうなる、というものをお見せしましょう。まずは、レンズキャップ。

1905042
シグマ製のレンズなんだけど、ハッタリかましてニッコールっぽく見えてしまうほど違和感がない

 ほらね。シグマ製だって全く問題なく装着できるでしょ?まあ、どこから見てもニッコールっぷく見えるのはレンズキャップのせいでしょうね。例えるならば、軽トラなんだけど、ベンツのエンブレムを付けたらベンツのトラックっぽく見えるアレです。ちなみに、これをカメラバッグに入れておくと、他のニッコールと区別が付かないのです。……で、フードを装着した状態でのレンズキャップの脱着は問題なくできるのでしょうか?

1905043
全く問題なくつまんで外す事ができます

 ……ということで、フードとレンズの間にムリして指を入れる必要性がないので、問題なく脱着が可能で非常にストレスなく仕事ができそうです。

 では、更に問題のレンズの裏ぶた問題はどうなったのでしょうか?シグマ純正の裏ぶたは取り付けの時にある決められたポジションで取り付けねばならないので非常に面倒なんですが、ニコン製に変えたらどうなるのでしょう?

1905044
まず、これがシグマ純正の裏ぶた

1905045
そして、これがニッコール党お馴染みのニコン純正の裏ぶた

 ……というワケで、まず裏ぶたの形状からして違いますね。ニコンの方が実にシンプルにできています。シグマは何が悲しくてこんな複雑に作っているんでしょう?

1905046
サードパーティ製でもニコンFマウントだから問題なく装着できます

 ……とまあ、裏ぶたもレンズキャップ同様に違和感なくシグマレンズに装着できます。まあ、ニコンFマウントに合うように裏ぶたは作られているので、どれだけフィルタ径が大きかろうが、サードパーティ製のレンズだろうが問題なく装着できるんですね。実際、この裏ぶたを付けてやってみたら非常にレンズ交換がスムーズになったので助かっております。

 ……で、ここまでやってきたところで、どうでもいいことに気が付きました。ニコン純正の裏ぶたなのにロットの違いによってか分かりませんが、「OPEN」の表記が微妙に異なっているんです。それがこれだ!

1905047
こっちは矢印の右に「OPEN」となっている

1905048
こっちは矢印の右がなぜか「パックマン」のようなマークになっている

 ……とまあ、同じニコン純正のキャップでありながら、片方は矢印の横が「OPEN」になっているのに対して、今回買ってきたのに関しては「ミサイルに追いかけられるパックマン」状態になっている。それも、かなり本気で逃げているようだ。双方共に「Made in Japan」 になっているので、製造された国によって異なることはなさそうだ。

1905049
ほらね、ミサイルに追いかけられ、相当必死に逃げている模様のパックマン♪

 ……っていう感じです。

 そんなこんなで、ニコン純正を装着して使いやすくなったために、購入段階でシグマレンズについていたキャップと裏ぶたはシグマの箱に片付けてしまいました。

19050410
シグマ純正は再び箱に。再び、日の目を見ることがあるであろうか?

 では、皆さんも使いやすいようにカスタマイズしてみましょう。

 ではでは。

~今日のリンク~
カメラのキタムラ インターネット店
親鸞会 熊本

| | コメント (2) | トラックバック (1)

「SIGMA 10-20mm F4-5.6 EX DC HSM」を使ってみた

 お猿@おはようございます。

 今やデジタル一眼レフのシェアNo1となったNikonの大人気デジタル一眼レフ「Nikon D80 」のレビューをやっております。先日届いたSIGMAの超広角ズームレンズ10-20mm F4-5.6 EX DC HSM について、思った以上に反響があったので、そこら辺をもうちょっとレビューしていきたいと思います。なんだかんだと、みんなも超広角したいんですネ♪

1905031
D80に取り付けた。短いクセにフィルタ径が77mmというだけあって実にズングリしている

 さて、5万円台で憧れの10mm(35mm換算で15mm)の超広角の焦点距離を手に入れられるのは非常にオイシイ。広大な風景写真を撮るにも、狭い室内を撮るにももってこいの一品だ。言っておくが、11mmとか12mmスタートの超広角ズームがあったりするが、この1mmとか2mmが足りないことで泣く事が多い。特に単焦点レンズなんかでF値がF1.4だのF1.8だのと騒ぐことがあるが、その違いどころの騒ぎではないと僕は思う。

 「1mmを笑う者は、1mmに泣く」

 たったの1mmであるが、レンズの明るさよりも画角を手に入れることを重視してしまうのだ。まして、シグマのこのレンズは画質もシッカリしているので、他の11mmとか12mmスタートの超広角レンズを手にする以上の価値は絶対にあると思う。

 ……で、下の写真が「10-20mm F4-5.6 EX DC HSM」をD80に取り付けたのを真横から見たところ。

1905032
これが広角側10mmでのレンズの長さ。結構、カッコイイんじゃない?

 超広角10mmと騒いでいるが、これでも20mmまでカバーできるズームレンズなので、この短いレンズも若干は伸び縮みするのだ。その辺を見てみよう。

1905033
左が広角側10mmでの先端。右が望遠側20mmでの先端。8mmくらい伸びたかな?

 ……ってな感じで「悪魔のレンズ」と名高いNikonの高倍率ズームAF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF) なんかとは比較にならないほどの短さです。でも、この10mmから20mmのズームの間に世界はかなり変わって見えるのです。それにしても、この10-20mmと18-200mmでかなりの画角を僕にプレゼントしてくれました。我ながらナイスレンズセットと自負しております。

 さて、超広角なんだからフードを付けたらケラレちゃうんじゃない?と思うかもしれませんが、このレンズにはちゃんと花形フードが付いてきます。花形フードと言ってもドカベンの花形満の食料(food)ではありません。VR 18-200mmズームが採用しているHB-35なんかはかなり深さのある花形フードなんですが、この10-20mmズームの場合は浅めのフードですね。一応、これでも遮光の効果はあるっぽいです。

1905034
左がVR 18-200mmのフード。右の10-20mmのフードの方がかなり浅めの作りになっている

 さて、フードはまだいいとして、ニッコール愛好家がこのレンズを手にして戸惑うのは、前に書いたようにフォーカスリングとズームリングの前後の位置関係が逆ということだけではない。まあ、これが最大の困惑ポイントなのだが、それ以外にもちょっとしたことで戸惑いを隠せない。それが、レンズキャップと裏ぶたである。シグマは何かといちいち面倒だ。

 まずは裏ぶた。

1905035
これがシグマの裏ぶた。裏ぶたの●をレンズのマウントの●に合わせないとはめられない

 シグマの裏ぶたには「●」印が1個だけついている。これをレンズのマウントの赤い「」印に合わせないと、裏ぶたを取り付けることができないのだ。ニッコール純正の裏ぶたは1箇所からしかはめられないということはない。急いでレンズ交換をしたいときなどは非常に煩雑になる。これは何とかしたい。

 お次はレンズキャップ。

1905036
ご覧の通り、フードとキャップの間に指が入らないので非常に外しにくい

 ご覧の通り、レンズの外周をつまむようにして取らなければならないので、フードを付けたままだと非常にとりにくい。かなり歯痒い思いをして外すことになる。これまた、レンズの中央につまみのあるニッコール純正キャップだと、フードに邪魔されることなく付け外しができるのでありがたい。

 そんな感じなので、この後、このレンズに若干のカスタマイズを行いました。その辺はまた次回に……。まあ、本日よりゴールデンウィークの4連休ですのでデジタル一眼レフ片手に写真でも撮りに行きたいと思います。その連休で撮ったものを作例としてアップできればと思います。

 ではでは。

~本日のリンク~
信頼と実績のデジカメ・ビデオ激安ショップ!

メディアラボNEXT店
商品代金1万円以上で送料無料・代引手数料も無料です。

| | コメント (4) | トラックバック (1)

eneloopをスピード充電したい

 お猿@おはようございます。

 相変わらず「Nikon D80 」について、どうでもいいことをゴタゴタと述べておりますが、室内撮影の頻度が高い僕にとって、クリップオン式ストロボは必需品となってきました。昔はストロボ臭さが嫌いで使っておりませんでしたが、以前の記事でも書いたように、ちょっとした工夫でjかなり自然なライティングを行えることが分かりました。そこで、Nikonの最上位クリップオン式ストロボの「スピードライト SB-800 」を購入し、予想に反して多用してきたわけです。

 そうなってくると、ストロボもタダで光るワケじゃないので電力も消耗するのです。つまり、バッテリーを消耗するんですね。……で、ストロボ用のバッテリーとしてSANYOさんの「eneloop(充電器NC-TG1セット) icon」を調達してきて使っていたわけです。このセットになっている「NC-TG1 icon」という充電器はeneloopのロゴがエンボスで入っておりまして、なかなかオシャレで気に入っておりました。

1905021
このようにスライド式のカバーが付いたオシャレなeneloop専用のNC-TG1充電器

 まあ、最近はこのサンヨーさんの評判があまり良くなく、これまた評判のよろしくない2ちゃんねるなどの掲示板でもよく叩かれている家電メーカーさんなんです(……っていうか、ある程度の企業という企業は必ずといっていいほどアンチスレッドが立つんだけどね)。でも、こういった匿名掲示板に書かれている評判っていうのは「風評被害」とはよく言ったもので、どこぞの落書きのように発言自体に責任がない。そもそも書かれていることと商品は無関係なことが多い。あまりこんなのばっかり見ているとデマやウワサに洗脳されやすいのが僕たちなので、そういうのに振り回されていると何も買えなくなってしまう。事実、数年前に新築しようとハウスメーカーを調べていたら、知り得る全ハウスメーカーにアンチスレが立っているのに驚いた。こんなのに振り回されていたら家一軒建たない。結局、スレすら立ててもらえない小さな工務店にでも頼むしかなくなってくるわけですね。

 ……長くなりましたが、サンヨーさんを弁護するわけではないが、使ってみて結構良かった充電池ということで「eneloop」を使っているのです。しかし、この専用充電器というものが結構時間がかかる。メモリ効果が起こりにくいので「つぎたし充電」をしていたのだが、充電完了まで時間を要する。そこで、フラリと見つけたのが急速充電器の「NC-M58 icon」とセットとなった一品だ。

1905022
これがeneloopの急速充電器「NC-M58」セットバージョン!

 これを使うと、eneloop専用充電器の「NC-TG1」では単3形で約7時間かかっていた充電時間が4本同時充電で約220分(3時間40分)、2本同時充電で約100分(1時間40分)と約半分の時間で済ませることができる。これは非常にありがたい。

1905023
急速充電と倍速充電とがあるが、2本までしかできない倍速充電のお世話にはなりそうもない

 この時間が短縮できると、バッテリーを2セット持っている僕としては、片方で撮影をしている間に、もう片方を充電できるので非常にありがたい。また、NC-TG1は入力電圧が100-120Vなので海外で使えないことが多いのに対し、急速充電器NC-M58は100-240Vなので基本的に世界中で使えるというグローバルな一面があるのだ。

1905024
これがNC-TG1の入力電圧。100-120Vと狭い

1905025
これが、急速充電器NC-M58の入力電圧。100-240Vとグローバルだ!

 ちょっと前に香港に撮影取材の仕事で行ってきたが、あそこも220Vエリアだったので泣く泣く変圧器を購入して持っていったくらいだ。ちょっとの出費で時間が節約できるのは非常にありがたい。これで仕事もスムーズだ。

 また、あまり関係ないがこの際言っておくと、双方共に単4形も充電できる。しかし、急速充電器NC-M58では2本までしかセットできないのに対し、NC-TG1は4本同時にセットできるのが唯一のメリットか……。でもまあ、単4形充電池を使う機器なんぞもっていないので、僕としては全くノープロブレム。また、一昔前は充電池のメモリ効果っていうのがイヤで一度完全放電してから充電してくれる「リフレッシュ機能付き」というものを選んでいたんですが、このリフレッシュにかかる時間がべらぼうに長いんですね。一応、eneloop対応のリフレッシュ機能付き充電器で「NC-MR58 icon」というものがあるんですが、eneloopはメモリ効果が起きにくいということと、充電時間短縮に重点を置くということで、これはやめました。リフレッシュなんかしていたら、もとの充電器の方が早いじゃん……という理由です。全くメモリ効果が起きないとは言っても最近の充電器は高性能なんだよ……。

1905026
単4形用の端子は右のNC-TG1は4カ所付いているが、左の急速充電器NC-M58は2カ所だけ

 ……という感じです。

 さらに、充電中のランプの色ですが、高速充電器NC-M58は赤ランプに対して、NC-TG1は緑ランプだ。個人的には緑色が結構好きなのだが、低速なので断念しました。

1905027
左は急速充電器NC-M58で赤ランプ。右はNC-TG1で緑のランプ。しかも、カバー付き!

 そんなこんなで今日から従来の2倍速充電が可能なので、ストロボをガンガンとたいて良い仕事をしたいと思います。

 ではでは。

~本日のリンク~
アット・ニフティストア
高森顕徹 読破

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年4月 | トップページ | 2007年6月 »