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縦位置でのストロボ撮影を極める!

 お猿@おはようございます。

 たしかニコンの大人気デジタル一眼レフカメラ「Nikon D80 」のレビューをやっていたはずですが、どういうわけか脱線しまくっています。脱線ついでにストロボ撮影のお話をしましょう。

 室内撮影が多い僕ですので、ストロボ撮影を極めたいと思い、ストロボ撮影のスーパー参考書「デジタル一眼レフストロボ100%活用術 」にて色々と勉強して目からウロコが出る思いをしております。実際に撮影に生かせるワザばかりですのでオススメの書ですね。ビリーズブートキャンプ 以上の即効性がありますのでお試しください。

 それで、僕といたしましてもニコンの純正クリップオンストロボである「SB-800 」を購入しまして、当ブログでも「スピードライト『SB-800』がやってきた♪」を皮切りに、猿は猿なりにストロボ撮影を検証して参りました。その後も、

 ……という感じで記事を書いてきたわけです。特にバウンス角度検証の2記事は無駄にGIFアニメを組み込んだりして読者の皆さんのPCと回線のトラフィックには多大なご負担をおかけしましたことをお詫び申し上げます。ゴメンネ!

 まあ、このストロボ撮影というかフラッシュ撮影シリーズのトドメと致しまして、この撮影方法のラスボス的存在と勝手に思っております、縦位置での撮影にアタックしてみたいと思います。

 ……と言いますのも、通常の横位置撮影ならば、内蔵ストロボでも外付けストロボでもレンズの真上に発光部が来ます。そうなると、当然対角線上にカゲができるのですが、大抵の場合は上から照らすために下に影ができ、それは被写体で隠れてしまいます。その為、あまり影は目立たないわけですね。

 ところが、縦位置撮影の場合はどうでしょう?右に倒そうが、左に倒そうが、レンズの横に発光部が来るので、対角線となりますと被写体の横にクッキリと影が発生してしまいます。しかも、それが被写体に隠れればいいんですが、まずありえないので縦位置のストロボ撮影にはだいぶ苦しめられました。そんなワケで、縦位置でのストロボ撮影を極めていきたいと思います。

 今回のモデルは、我が家のマスコット「毒龍くん」。レンズはポートレート撮影にもってこいの単焦点レンズ「Ai AF Nikkor 50mm F1.4D 」。絞りはF8で、感度はISO100にしました。露出などは、それぞれに適したものでやっております。

●内蔵ストロボをそのまま発光

 まず最初は、お手軽コースの内蔵ストロボによる縦位置撮影です。カメラを右倒しにしたので、いくらレンズに近いとはいえ、右からのライティングになってしまいます。

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デジカメ初心者の頃にはよくやっていたストロボ撮影ですね

 このまま、発光させると結果を見るまでもありませんね。ハイ、こんな感じです。

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いかにも内蔵ストロボをそのまま発光しましたというような影が発生!

 イヤハヤ、ここまで模範的な影が出るとは……。ここまでクッキリとするとちょっと作品としては……。やっぱり、いちばん手間がかかっていないだけあって素人っぽさむき出しですね。

●SB-800をそのまま発光

 次にやってみましたのは、クリップオン式ストロボをカメラのアクセサリーシューに取り付けての撮影です。先ほどの内蔵ストロボに比べると、発光部のレンズからの位置が離れているのがミソです。

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こうやって見ると発光部がレンズからかなり離れているのが分かります

 では、これもまた結果が分かりきっているような感じですが、勇気を出して行ってみましょう。ハイ、結果はこうなります。

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影のシャープさはないものの、影の幅が広いですね

 あら~、内蔵ストロボで撮ったものより影はボケているものの、影の幅というか大きさはこっちの方がヒドいですね。こんなことなら、内蔵ストロボで撮った方がマシですが、こういう使い方はクリップオン式ストロボの正しい使い方じゃないですよね。以前にも記事で書いた通りです。そんなワケで次のやり方は……、

●SB-800の発光をバウンスさせる

 そうです、バウンスですね。しかも、斜め後方へのバウンスです。

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これぞ究極の斜め後方へのバウンスだ!もうちょっと角度つけても良かったか?

 発光部のレンズからの距離は先ほどと変わらないのですが、直接ぶつけないことでどうなるでしょうか?ハイ、こんな感じです。

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これが縦位置&ストロボで撮った写真だと分かりますか?

 イヤハヤ、見事ですね。影も出ていなければ不自然なテカリもありません。ストロボで撮ったとは思えないほどきれいに撮れています。やっぱり、ストロボ撮影はバウンスに限りますね!一応、バウンスさせることによって光量が落ちるので、露出はプラス補正してあります。

●SB-800でバウンスアダプター使用

 次にやったのが、先ほどの斜め後方バウンスに加えて、発光部にバウンスアダプターを装着してみました。

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蛇足だとは思いますが、バウンスアダプターを付けちゃいました

 あんまり意味がありませんが、これにより発光部の正面に加えて、周辺へ光が拡散されます。ハイ、こうなります。

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バウンスで折角、影が消えたと思ったのに復活しちゃいましたね……

 う~ん、若干の直射光があるので、鼻の下への光の回り込みなどはいいのですが、やっぱり僅かな直射光が毒龍くんの横に薄い影を作っています。薄いとは言っても、幅が大きいので作品としては失格ですね。無理してバウンスアダプターを使わずに、通常バウンスをした方が良さそうですね。光を回り込ませたいならレフ板などを利用したらいいでしょうね。

●SB-800をL型ブラケットに取り付ける

 バウンスではなくて、ストロボからの直射光で撮影したい場合もあると思います。ただ、外付けストロボをカメラ本体のアクセサリーシューに付けたまま発光させると、最初の方でやった通りに真横に幅の広い影ができてしまいます。

 横位置撮影の直接発光でも影ができているのに、なぜ目立たないのかと言うと最初でも書いたとおりで、レンズの真上で発光させるからですね。ならば、縦位置撮影でもレンズの真上で光らせればいいじゃないのっていうことで活躍するのがコレです。

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これがハクバのL型ブラケットが2つセットになったフリープレートWL型(KPT-02)です

 HAKUBAさんから発売されているフリープレ-トWL型 (KPT-02) という、大きさの若干異なるL型ブラケットが2つ入ったものです。2つ組み合わせて使うために、組み合わせられるように設計されています。

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実際に使用するときには、こうやって組み合わせます。畳の上で失礼!

 実際は、こうやってコルク面が同じ方向に向くようにしてT字型に組み合わせます。そして、それぞれのコルク面のネジにカメラ本体とストロボを取り付けます。すると、こうなります。

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ブラケットにカメラとストロボをセットするとこんな感じです

 急に、本格的な撮影セットができたような錯覚に陥りますが、ブラケットをかましただけです。これで、レンズの中心の真上に光軸が来るように2つのブラケットをスライドさせて調整し、ネジで固定します。すると、

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2つのL型ブラケットの位置を調整して光軸の調整をします

 正面から見ると、こんな感じですね。なんかちょっとズレているように見えますが、忙しかったんです!……と言い訳してみる。ちなみに内蔵ストロボが開いていますが、これはD80とSB-800の相性の良さから来ています。そう!この2機種の間では以前の記事でも書きました「アドバンストワイヤレスライティング」があるんですね!

 例の指南書にもこのやり方が出ているんですが、カメラのシンクロ接点にストロボが接続されていないので、カメラからストロボを操作しようと思ったら、TTL調光コードのようなものが必要となるわけです。しかし、ここはD80とSB-800の仲です。そんなコードなんかなくても見えない糸で結ばれているのさ!というワケで、内蔵ストロボさえ開いて、リモート操作ができるようにしておけばTTL調光もバッチリなライティングができるわけですね。

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なんかヌイグルミを撮るために、ここまでする必要があるのかと思えてきた……

 では、撮ってみましょう。ハイ、こんな感じです。

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ちょっと硬い影が顔を出してしまった!惜しいね!

 さすがに光軸の中心にレンズが来ているだけあって、被写体の横に影はできていません。見えているのは、被写体の後方にできた影がチラリと見えている程度。でも、これではちょっと影が濃すぎるかもしれませんね。じゃあ、アレを使いますか……。

●ディフューザーを付けたSB-800を
  L型ブラケットに取り付ける

 ……ということで、先ほどのL型ブラケットに以前にやったディフューザーを追加してみたいと思います。ディフューザーはあのSUNPAKさんの「Diffuser Kit 」のLサイズを使用しました。

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ディフューザーをつけただけなのに、すごいセットっぽくなってきた……

 なんか段々すごいセットになってきたと思う……。

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たまにはこんなハッタリかましたセットも必要なんですよ……

 正面から見るとこんな感じ。正直、カメラに見えません(汗)。

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これでちょっとしたプロ並のポートレート撮影のシステムができたようなもんです

 では、これで撮影してみましょう。勿論、内蔵ストロボを開いておいて、ワイヤレスでストロボを光らせます。

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影は出ているものの、すごく柔らかいので自然な仕上がりでしょうか?

 若干、影は出るものの、かなりやわらかい影になっているのが分かると思います。ハッキリ言って、これは使えるシステムです。かなり、大袈裟なセットになるので持ち運びにも不便ですが、腰を据えて撮影する上では素晴らしい効果が望めます。僕は、数名の集合写真を縦位置で撮影する時に、アンブレラなどで多灯ライティングするまでもない場合にも使っています。

 ちなみに「MB-D80 」などの縦位置グリップなどを使用して撮影する場合は下の段差のついたHAKUBAの「デジタルカメラブラケット 」なんか使うと、これ1つである程度、光軸が揃います。

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縦位置グリップを使用するならば、これだけで十分かもしれない

 ただ、縦位置グリップを使用するとストロボは左側に来るため、SB-800の発光部の回転角度を考えると斜め後方バウンスは使用できません。もっぱらディフューザーを用いた撮影になるかと思いますが、まあこれはこれでいいでしょう。

 そんな感じで、今回の縦位置でのストロボ撮影検証を終了いたします。

 長文で失礼しました。

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凸版印刷のオンラインフォトレタッチを試す

 お猿@おはようございます。

 最近は、何でもかんでもWeb上でこなすことができるようで、Webメールはじめ、オフィス系のソフトやらGoogleアプリケーションなどWeb上で使えるソフトも充実してきたり、オンラインストレージなんかもあったりして、個人のローカルにアプリケーションやらストレージを用意しなくていいかも……なんて思いがする時代になりました。

 話が逸れますが、衝撃的な事実を申し上げますと、僕は……、

 MS Office系ソフトが使えませんwww!

 こいつぁ、ヤバイよね!超・就職に不利だよね!

 Wordで書式設定ができないし、Excelでセルの幅や高さを調整するのに一苦労。公民館とかで自治体が無料でやっているパソコン講習会に来ていらっしゃるお爺さんお婆さんの方が使えるんじゃないかと思うくらいです。だって、Wordで年賀状作れないもん。

 まあ、それでもMS Officeは使えなくたってAdobeのCreative Suiteなら一通り使えるから一安心ってとこです。ページものならInDesign。ペラな年賀状やチラシはIllustrator。Web製作ならGoLive。画像処理っていうかフォトレタッチなら業界のデファクトスタンダードなPhotoshopだ。ここら辺は一通り使えます。まあ、表計算の穴は埋められませんが、必要性全くナシなのでヨシとします。

 ……で、話を元に戻しますと、このブログで扱っているデジタルフォトで避けて通れないのが「フォトレタッチ」「画像処理」ではないでしょうか?撮りっぱなしでもいいんですが、なかなか完璧な写真を撮るのは大変なもの。そこで、フォトレタッチが必要になってくるんですが、そのアプリケーションはPhotoshopはじめ高価なものばかりです。そんなフォトレタッチソフト業界にもWeb上で無料で使えるアプリケーション(?)が登場した模様なので試してみました。

 まだ、β版のようですが大日本印刷と並んで日本の印刷業界をリードしている凸版印刷の提供しているサービスです。商用印刷の最大大手ということで、高度な画像処理のスキルを持っている印刷会社なだけに、100%とまではいかなくても、その恩恵を受けることができそうで期待も大きいです。では、やってみましょう。

←ココからLet's GO!

 上のリンクからネットで画像を無料加工 「いい色」に入ります。

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凸版印刷の提供する「いい色」のトップ画面。どっかで見たような……?

 すると、上の写真のような画面が表示されます。色づかいといいどっかで見たことがあると思ったら、某SNSサービスのmixiのトップ画面に似ていませんか?まあ、SNS的使い方もできるようではありますが……。ここで、サービスを利用するには無料会員登録を行います。左上から登録できます。まあ、「お試し版」もあるのですが、ここでは私が会員登録してレビューしてみたいと思います。会員登録といっても、ちょっとしたハンドルネームやらメールアドレスを打ち込むくらいで本名や住所、電話番号といったあまり打ち込みたくない個人情報は必要ない模様……。

 ……で、会員登録すると、

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会員になると、画面はこのようになって様々なサービスを利用できます

 画面はこのようになって、いろいろなサービスが利用できます。肝心なフォトレタッチは「きれいにする」を選択するようですが、他にも「きれいに出力」「あそぶ」「つくる」「みせる」「アルバム」……といったサービスが利用できる模様です。分からない場合は「使い方ナビ」もあるので、ヘルプとして利用したらいいでしょう。

 まず、画像加工をする際には一旦「いい色」のサーバーに画像をアップする必要があるようです。1人で持てる容量は100MBということで最近のフラッシュメモリーが入らないくらいの容量ですが、タダですから我慢しましょう。

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画面左にこんなのがあります

 画面左の「パソコンの写真を追加」をクリック。すると……、

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この画面でローカルにある写真を一度に10枚アップロードできます

 こんな感じで一度に10枚までアップロードできるようです。ただ、アップロードできる画像の条件は、

    • 1写真の容量が5MB以内または縦横3,000ピクセル以内
    • JPEGのファイル形式

 ……なんだそうです。僕の場合、ついうっかりNikon D80で撮ったものをアップしたんですが、

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あまり大きい容量の画像はアップロードに失敗します

 見事にサイズオーバーで弾かれました。これはいけませんね。では、反省しまして、過去にコンパクトデジカメで撮った滝の写真でもやってみましょう。

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なるほど、軽いデータならアップロードできるのね

 ……あ、できましたね。では、1枚だけのアップロードですが、これを加工してみたいと思います。トップ画面の「きれいにする」を選択しましょう。

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「きれいにする」って、このお姉さんは十分きれいだと思うが……

 すると、写真を選択する画面に移動します。

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あ、アップロードできてますね。1枚だけですが……

 アップロードしてあるファイルが表示されるので、選択して決定します。ちなみに、今回は下の写真を使ってみました。若干露出アンダー気味で、青く色カブリしている小さな滝の写真です。

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今回は、このプチ滝の写真を料理しちゃいたいと思います

 では、きれいにしてみたいと思います。「きれいにする」の画面はこんな感じ。

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「きれいにする」には「自動」「かんたん」「マニュアル」の3コースから選択

 「きれいにする」と一口に言っても、3通りのやり方があるようです。

  1. 自動……すばやく「お任せ」でキレイにしたい!
  2. かんたん……ラクラク「手軽に」キレイにしたい!
  3. マニュアル……とことん「こだわって」キレイにしたい!

 の3項目ですね。この中から選択します。特に「マニュアル」の中身にゾクゾクしますが、後のお楽しみということにしましょう。では、まず「自動」から行ってみましょう。

●「自動」モード

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「自動」を選択するだけで、いきなりこのBeforeとAfterが表示されます

 自動を選択すると、本当に自動でして、設定項目全くありません。Photoshopならファイルを開いて「自動カラー補正」ってのをかけるだけって感じですかね。この自由度のなさは「お任せ」を通り越して「丸投げ」ですね。一応、BeforeとAfterを同時に表示して、確認を求められるので、これでよければ「名前を変えて保存」「上書き保存」を選択してオンラインに保存します。

 オンラインに保存したら「写真をパソコンに保存」も選択できるようになるので、ローカルにとっておきたい場合は、ここからパソコンに保存もできます。ここら辺は後の「かんたん」と「マニュアル」でも言える事ですので覚えておきましょう。

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オンラインだけではなく、ローカルにも保存ができるぞ

 ここで決定を押すと、自分のパソコンのどこに保存するかを聞かれて、通常通り保存できるんですが、どうやら拡張子もいちいち付けて保存しないといけないっぽい。そうでないと、ダブルクリックで開けないファイルになってしまうようだが、さすがはβ版。

  ちなみに、「自動」で完成した画像がコレ。

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WBがキッチリとれた模範フォトが完成だ

 まあ、何といいましょうか。「作品づくり」ということでなければ、ホワイトバランスもキッチリとれた模範的な写真に仕上がったのではないでしょうか?少なくとも元の写真よりはキレイにできていると思います。では、次は「かんたん」モードでやってみましょう。

●「かんたん」モード

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「かんたん」を選択すると色補正のキーワードを選択できるようになります

 おお、今度はいきなりBefore & Afterが表示されませんね。選択した写真が表示されています。その代わりに大日本スクリーン製造のColorGeniusのキーワードセットアップのような、キーワードを選択してイメージ通りの色補正を施していくというやり方です。Photoshopで言ったら「バリエーション」のやり方に似ていますね。

 「ジャンル」→「効果」→「強さ」の順に設定していきます。ちなみに選択項目は、

  • ジャンル「デジタルカメラ補正」の場合の効果は「色かぶりをとる」「光量を適度に」の中から選択できます。強さは、いずれも「強」「中」「弱」から選択できます。
  • ジャンル「画質の調整」の場合の効果は「くっきり」「明るく」「色鮮やかに」「逆光を明るく」「ホワイトバランスを調整する」の中から選択できます。
  • ジャンル「肌・青空・緑の調整」の場合の効果は「肌をきれいに」「青空をきれいに」「木々の緑をきれいに」「青空と木々の緑をきれいに」「肌と青空と木々の緑をきれいに」の中から選択できます。

 ……まあ、いずれもイメージ重視で補正が可能なようです。そして、「ジャンル」「効果」「強さ」の3項目を選び終わったら「プレビュー」を押します。

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設定項目を選び終わると、補正を施したプレビューが表示されます

 すると、施したものが表示されます。更に、「自動」の時のようなBefore & Afterを確認したい場合は「並べて比較」をクリックすると、

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「並べて表示」を選ぶとBefore & Afterを表示できます

 こんな感じに「元画像」「今の画像」を並べて表示されて、補正の結果を確認できます。更に、追加して他の補正もかけられます。

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こうやって、オンラインとローカルに補正結果の画像を保存できます

 こんな感じにバリエーションをかけたように、いろいろと試せます。これまた、オンラインに保存した後に、ローカルに保存することもできます。

 ……で、いろいろとキーワードを選んで遊んでみた結果がコレ。

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「かんたん」モードで遊んでできたシロモノ。なかなか面白いのでは?

 ……かなり、苔むした滝になってしまいましたが、これはこれで面白い写真になったと思います。なんか、青海苔を連想する写真ですね。では、最後にお楽しみの「マニュアル」モードにいってみましょう!

●「マニュアル」モード

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 パッと見、「かんたん」モードと同じようですが、キーワードが3つあった部分が「補正方法」の1つだけになっている。ここでは「明るさ調整」「シャープネス」「デジタルカメラ補正」「トーンカーブ」から選べる。

 ……って、「トーンカーブ」!?

 へー、スゴイじゃん!トーンカーブを備えているなんて本格的じゃん!というワケで、Photoshopを極めた人はトーンカーブでほとんどやってしまうというトーンカーブを開いてみた。

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見事に右側にトーンカーブが表示されていて編集ができてしまう

 これはスゴイですね。ちゃんとトーンカーブが表示されています。しかも、「レッド」「グリーン」「ブルー」のRGBチャンネルをそれぞれ編集できる本格仕様!これはなかなかのモノですよ。思い切ってS字カーブに曲げてみてコントラストを調整し、それぞれのチャンネルを豪快にいじくって前衛的な写真を作ってみようと思った。

 それでできたのが、コレ。

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元写真と全く異なってしまったレタッチ後の作品。かなり、キョーレツだ

 なんか、すごくギトギトした写真ですね。10年ほど前のナホトカ号の重油流出事故で油まみれになった岩肌のようです。でも、これはこれで「作品」として見る分には面白いかも。

 最後に口直しとして、Photoshopでテキトーにいじくってみたものを付けて終わりにします。

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これがPhotoshopでいじくってみた写真

 う~ん、やっぱりPhotoshopがイチバンやぁ~。でも、思った以上に凸版印刷の「いい色」は細かい設定ができるということが分かって良かった。年賀状用の写真でレタッチしてみたいというような人には重宝なサービスかもしれない。

 最後にちょっと気になったのがコレ。

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ディスプレイの色調整も選択できる

 「ディスプレイの色調整」っていうカラマネフェチな僕には気になる項目もあった。デジタルフォトでは、ディスプレイがビュワーだということがよ~っく分かっていらっしゃるようで嬉しい。さすがは大手印刷会社の凸版印刷ですね。ただ、どの程度色調整ができるかということは、全部やっていないので分かりませんけど……。少なくともPhotoshopにあるようなクイックマスクによる補正はできませんし、合成とか不要なものの除去などは不可能です。あくまで簡易的な色補正ですね。

 そんな感じで今回はこれまでと致します。他にもいろいろなサービスがあるので是非、いろいろと試してみてください。タダですので……。

 ではでは。

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高森顕徹

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Nikon D80の「故障」or「仕様」? <異音編>

 お猿@おはようございます。

 わが愛用のデジタル一眼レフカメラ「Nikon D80 」ですが、泣いても笑っても僕の仕事用のカメラはこの一台っきりです。確かに、画角だけでうっかり買ってしまった某C社のコンパクトデジカメがあるんですが、言うまでもなく仕事に使うには力不足。それなので、何かの拍子に修理することになった場合、サービスセンターが近くにない富山県在住の僕としましては、入院させてから戻ってくるまでに2週間かかってしまうんですね。つまり、その間は仕事にならないわけです。確かに職場にある某C社のデジタル一眼レフを使うというテもあるんですが、そんなの……、

 阪神ファンが甲子園で、巨人のユニフォーム着て応援しているようなもんじゃん!

 ……ということで、ニコン党の僕としましても極力避けたい事態なワケです。CCDというかローパスフィルタのクリーニングだって普通の修理並に時間がかかるというので、いくら保証期間内でタダ修理が可能といったところで、2週間も預けていられないわけであります。それによって被る被害は大きいと思って、ニコン純正のクリーニングキットも購入したわけですし……。

 ところが、ある日、被写体にカメラを向けようとした時……。

 「チリチリチリチリ……」

 ……という、かすかな音がボディ内部からするではありませんか。

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ボディのこの辺の内部からチャリチャリと音がするんですね

 カメラを傾けるたびにするこの音……。文字で表現するのもむずかしいので、

  ←このボタン押してください。音のサンプルが聞こえます。

 カタカタというかパタパタという音が目立ちますが、その奥でチリチリ……というかチャリチャリというようなかすかな音がすると思います。それです。その小さな金属の粒が内部で転がっているような音がするんですね。もしかして、小さなネジが緩んで外れた?とも思いました。つまり、

 これって、「故障」?それとも、「仕様」?

 ……という、結論によっては天地雲泥の差の判断をしなければならないんですが、今のところ問題なく撮れています。某キタ○ラに持っていったところ、

 「う~ん、何か転がっていますね。えっ?修理ですか?2週間かかりますね」

 ……とあっさり言われてしまった。ならば仕方がない。いつ修理に出すかね……と悶々としていた。ところがある日、別の某キタ○ラに行く用事があって、フラッと展示してあったD80を手にしてみた。

 「チリチリチリチリ……」

 へっ……?僕のと全く同じ音がするじゃん……。何度も店員の白い目を気にしながら展示品のD80をシェイクする。やっぱり、同じ音がする。

 「もしかしたら、『故障』じゃなくて『仕様』かもしれない♪」

 ……と一縷の望みを持ちまして、先ほど白い眼差しで僕を見守ってくださった店員さんに尋ねてみた。

 「あ、この音はしますね。以前にメーカーに聞いたことがあるんですが、他の一眼レフでも、この音がしますよ」

 との返事だった。以前のキタ○ラの店長のあの一言は何だったんだろう?同じキタ○ラでもここまで返事が違うとは……。試しに他のデジイチもシェイクしてみた。やっぱり、同じように中で何かが転がっているような音がする。……ということで、

 この音は「仕様」かも♪

 という結論に至りました。良かった良かった。これで修理に出さずに済む。ところが、音がする機種やしない機種があったので、こりゃ徹底的に調べてみないといけないなと使命感を帯びて市場調査をすることにしました。行き先は、某家電量販店ヤ○ダ電機です。あまりコンパクトデジカメを持ってカメラコーナーをウロウロするのも、スパイとか万引き犯に間違えられるかもしれないので、カメラ付き携帯を使うことにした。

 「李下で冠を正さず、瓜田で靴を履かず」

 ……って言われるしね。「ブログのネタ撮ってます」とも言いにくいので、デジカメコーナーで携帯メール打っているフリをして撮りました。ただ、シャッター音が大きくドキドキしながらやっていましたけど……。

 こうなるとハッキリ言って「盗撮」ですね。 

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今回のネタ撮影用カメラ、DoCoMoのD902iです。バッテリーのリコール完了品です

 ……では、いざ出陣。今回展示してあった機種が対象です。大体、家電量販店ではエントリーモデルからハイアマチュア系が主体なようです。ちなみにエントリー機種は下記のモデルです。

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ニコンのエコノミーで軽量な入門機「Nikon D40」と「Nikon D40x」

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ニコンの中級機「Nikon D80」と「Nikon D200」。D200は憧れなので手が震えました(笑)

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こちらはキャノンの「EOS kiss Digital X」と「Canon 30D」

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ペンタックスの「K10D」とオリンパスの「E-410」

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そして、最後はソニーの「α100」

 いやいや、それにしても家電量販店でデジタル一眼レフが1コーナー設けるくらいまでになるとは思いませんでしたね。デジカメと言えばコンパクトデジカメという時代は終わったのでしょうか?低価格モデルも出てきたので一般ユーザーもデジタル一眼レフを手にする時代が来たようです。事実、ボーナスシーズンの為か、家族連れのお父さんが物色している光景も目の当たりにしました。ちなみに、カップルは今までどおりのコンパクトデジカメコーナー……。

 それはそうと、ニコンのラインナップには驚きました。デジタル一眼レフ初級者から中級者までが扱えるモデルが揃っているのがよく分かる。それで、いじってみた結果が下記の通り。

◆無音(全く音を感じなかった)

◆チリチリ音(Nikon D80と同じような小さな金属粒が転がっているような音)

◆パタパタ音(カタカタ音と言ってもいいような、やや大きめなプラスチック板が当たるような音)

 ……という感じです。

 ちょっと店内の音楽やら放送がジャンジャカ流れていて検証の支障になったわけですが、その騒音にも負けず異音を響かせていたモデルがあったわけです。ストラップはついていないけど、盗難防止のセンサーのコード類が邪魔だったが、その音でないことを確認して試してみた。

 その結果、無音組はニコン3モデル、ペンタックス、オリンパスが1モデルだった。ニコンだけを見てみればD80の上位機種で堅牢性に優れたD200が無音組に入っているのは納得できた。しかし、下位モデルのD40とD40xが両方とも無音組に入っているのには驚いた。これには納得がいかないが、まあ作りのシンプルさということで無音なのかもしれない。ペンタックスは、さすがは低価格ながらカメラグランプリ2007に受賞し、受賞記念にK10D グランプリパッケージ なんてのを発売するだけあっていいものを作っているのだろう。

 余談だが、正直このグランプリパッケージっていうのは、「K10D本体」「バッテリーグリップ D-BG2 GP」「グランプリストラップ」の3点がセットになったもので、全体的にセピア調にまとめられたプレミアムパッケージとなっている。バッテリーグリップを付けると、妙に高級感が増して、雑誌広告の写真を見ているだけでニコン党の僕も欲しくなってきた。まあ、買わないけど(っていうか買えない……)

 オリンパスも、CCDのゴミ問題ではトップクラスを誇っているだけあってか、そういった不安要素は無くしているのかもしれない。コンパクトながらカッチリしているように感じた。

 次にチリチリ音組は、ニコンではなぜか我らがD80のみ!ヤ○ダ電機でもキタ○ラでも店頭展示品から音がしたので、これは「仕様」なのだろう。あと、D80と共に同じ音を奏でてくれたのがSONYのα100だった。気味悪いくらいに同じ音だ。原因は同じかもしれない。

 最後に全く別のパタパタ音だったのが、Canonの2モデルだった。エントリーモデルのkissもミドルモデル(?)の30Dでも同じ音。最初は、妙に乾いた大きめの物が当たる音だったのでストラップを心配したが、そうではなかった。D80やα100とは違った原因かもしれない。

 まあ、そんな感じで「あれ?おかしいな?」と思ったら、展示品をいじることのできる店頭に行ってみたらいいかもしれない。無駄に修理に出して2週間待たされた挙句「あ、これ、仕様ですよ」なんて言われた暁には「俺の2週間を返せ~っ!!」と言うことになりかねない。デフォルトで音がするものってあるらしいので、是非そうしてみてほしい。

 ちなみに、カメラ用品の購入段階では余程安いものでない限り、カメラ店でいじって品定めをし、ネットショップで購入するのが僕流ですね。最近はもっぱらメディアラボNEXT店さんにお世話になっております。やっぱり、安さではキタ○ラさんでもネットショップにかないませんね。その流れで、故障確認のためにリアル店舗を利用してしまう僕ですが、そんな僕を許してください。

 ではでは。

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レンズフィルタクリーニング実践!

 お猿@おはようございます。

 最初にお断りしておきますが、今回はなんと!泣く子も泣いて喜ぶオリジナル無料動画付き!これは、見ないわけにはいかないよネ!!

 で、ちょっと横道それておりましたが、以前にニコン純正のCCDやレンズのクリーニングキットである「ニコンクリーニングキットプロ」について触れたので、その使用感などもレビューしたいと思う。まだ、肝心のCCDというかローパスフィルターのクリーニングまでは行っていないが、その前に修行段階であるレンズフィルタクリーニングをやってみた。あくまで僕なりにやったものなので、これが正しいとは言えないが、そこそこうまくなったと思う。

 まあ、元々はレンズクリーニング用に作られたキットと言ってもいいくらいの製品だ。ローパスフィルタ以上に過酷な環境にあるレンズフィルタなので、クリーニング頻度も高くなる。っていうか、こっちの方でキットを使う可能性が非常に多いと思う。レンズの汚れが簡単に画質に影響はしないものの、常に綺麗にしておきたいものだ。

 さて、まずはクリーニングペーパーであるシルボン紙をクリーニングスティックに巻きつける。シルボン紙のレンズやフィルタに接するところへ指の脂を付けてしまっては、レンズをクリーニングするつもりが脂を塗ることになってしまって意味がないので、そこに触れないように注意しながら巻いていく。なお、竹の子状になったり先端がガタガタにならないように作っていく。……で、できたのがコレ。

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最初は結構とまどうシルボン紙の巻きつけ。大体こんなもんかな?

 いわゆる「鯉の口」状態にしておくのだそうな。真円というよりは楕円ですかね。それで、中空という状態。また、クリーニングスティックの先端から5ミリほどせり出しておく。これが結構重要だったりする。出し過ぎてもいけないし、出さな過ぎてもいけない。巻きつけが完了したらクリーニングに入るので、クリーニング液である無水エタノールを入れたハンドラップの上の皿をシルボン紙を巻いたクリーニングスティックの先端で2回ほど押す。

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クリーニングスティックのシルボン紙の先端を回転させながらムラなく濡らす

 この2回というのは、両面を濡らす感じだ。ただ、濡らしすぎるとクリーニングに支障をきたすので、チョンチョンとやれば十分だ。ここで裏技でもないのだが、未使用のシルボン紙の束に濡らした部分を2回ほどチョンチョンと押し付けることで無駄なエタノールは吸収してもらえる。多すぎた場合にやればいいと書いてあるものがあるが、僕は毎回やっている。少なければそんなに吸わないだけの話なので、保険のようなものでやっている。これをすることで、適量になると僕は信じております。

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未使用のシルボン紙に押し付けて余分なアルコールを吸収させる

 これで、準備はオッケーだ。早速、フィルタのクリーニングに入って行こう。

 シルボン紙の先端を軽~く押し付けるようにして、フィルタの中心から外周にかけて「の」の字を書くようにらせん状に回転させて拭いていく。この際、「キュ~~~ッ」というような音がする場合は、力が強すぎる証拠。間違いなくムラができている。感じとしては、書道の筆で均一な太さの線を書くような感じだろうか?押すと言うよりは少し上に持ち上げるような感じでありながら、ちゃんと押している……という微妙な感覚でやっていくと、無音で拭ける。この際にシルボン紙の先端を出さな過ぎると硬過ぎてうまく拭けない。

 下の写真のように、拭いた時のフィルタ面に揮発しないまま残るエタノールの尻尾が1センチくらいだとアルコール量が適当だと思う。なかなか揮発しないで表面が濡れたままの場合はエタノール量が多すぎる。間違いなく拭きムラというか、水滴痕が残るので、これくらいで揮発してしまうくらいの量と、回転速度でクリーニングやっていくのがコツ。このタイミングを掴むので一苦労。なお、途中でシルボン紙をフィルタから離してしまうと、そこに痕が残ってしまうので、外周まで一気に拭きあげるのが大事。最後は、少しずつ浮かせていって接地面積を減らしていき、角の点のみが接する状態にしていく。

 ちなみに拭きムラなどができてしまって失敗した時は、シルボン紙は新しいものに交換するのが重要。最初に拭いた時の汚れが再付着して、新たなムラを作りかねないというのもあります。ローパスフィルタクリーニングに至っては傷もつけかねないので、1枚1円程度のシルボン紙への投資はしておきたい。

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エタノールの尻尾がどれだけ残るかが成否を分ける

 最後にマニュアルCDにもないことだが、軽く息を「ハァ~~~ッ」とかけてみるといいかもしれないと思う。拭きムラがあったりすると、らせん状のあとが残る。また、いさぎよく曇りがサーッとなくなればムラがないと思っていいかもしれない。そういう意味でいったら、下の写真は結構綺麗にいっているようだ。

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臭い息を吹きかけてスマン。まあ、これくらいの曇りがサッと消えていけば上等

 ちなみに、最後にこのクリーニングキットプロを用いてのフィルタクリーニングの一連の動作をコンパクトデジカメの動画撮影機能で撮影したものを用意したのでご覧いただきたい。動画撮影をしながらのクリーニングなので少々ぎこちないですが、そこそこにうまくいっていると思います。ちゃんと最後の「ハァ~……」という息を吹きかけるのもやってますよ♪口臭までは漂ってきませんので安心して御覧ください。

 では、もうちょっとフィルタクリーニングで修行して、ラスボスのローパスフィルタクリーニングをやっていこうと思います。

 ではでは。

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eye-one(i1)でモニタキャリブレーションをとる

 お猿@おはようございます。

 本題であった「Nikon D80 」のレビューからスッカリ外れて、ますますマニアックな内容になってしまっていますが、前回に続いてグレタグマクベス社製のカラーマネジメントツールである「eye-one display2 」を試してみたいと思います。まあ、「i1」と書いた方が分かる人が多いかもしれませんね。

 印刷物に限らず個人向けの写真であっても、完全にデジタル化した今となっては、モニタは撮影した写真を見るための肝心なビューワーであります。特にレタッチをして楽しみたい人にとっては、モニタの色管理は大事なところ。買ったまんまのカラー設定では一生懸命にやってもメチャメチャな色となって出てきて、プリントアウトして「こんなハズではなかった……」と色が合わないことに悩むことになります。そこで、こんなカラーマネジメントツールが必要となってくるんですね。

 まあ、カラーマネジメントをただの色調整とごっちゃまぜする人が多いのですが、「色」とは心理的物理量なので、見る人によっても違った色に見えます。そこで、「世界標準の目」を設定し、その目で見た色から、そのデバイスの持つ色がどれだけズレているかを数値化し、そのズレの分を補正するのがカラーマネジメントと思ってもらっていいでしょうね。また、そのズレを数値化したのをデバイスのICCプロファイルと言います。

 カラーマネジメントで、よく例えられるのが国連会議でしょうか。国連にはいろんな国の代表が集まります。そうなると、いろんな言語で会話する人が集まると言うことですが、会議上では、世界共通語と言われる英語で会議がなされると思います。その翻訳をするのがカラーマネジメントで言ったらICCプロファイルなんですね。

 ……で、そのICCプロファイルは同じメーカーの同じ機種のモニタであっても個体差がありますので、厳密に色を合わせたいと思ったら、その1台のモニタごとに作っていく必要があるんですが、そこで活躍するのがi1なんですね。

 今回は、EIZOのFlexScanを使っていますが、できることならばAdobeRGB網羅のカラーマネジメントモニタ「ColorEdge CG241W」を使いたかった……。まあ、FlexScanでどこまでいけるかも見てみましょう。

 前回、インストールしてできたアイコンをクリックすると、こんな画面が出ます。

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「Eye-One測定器が検出できません。接続を確認して再施行してください」

 Eye-One測定器(キャリブレーター)が付いていないと、それを判断して警告してくれます。測定器をUSBポートに接続しましょう。取り付ければ次の画面に進むことができます。

 ちなみに、測定器の本体はケーブルにおもりを付けて液晶モニタの裏側に垂らし、表側には測定器を垂らす形になります。垂らす位置は、モニタそのもののOSDメニューの位置を避けます。OSDメニューとは、モニタの諸々の設定画面なんですが、下のボタンをいじったら出てくるアレです。それを表示させながら作業をしていくんですね。

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OSDメニューを避ける位置にEye-One測定器を設置します

 ちなみに、上の写真ではOSDメニューの左側に設置していますが、キャリブレーションを開始すると写真のようなパターンが表示され、測定器がある位置を自動的に見つけてくれます。なので、OSDメニューの左でなくても上下左右、どの位置に配置しても結構です。まあ、中央に近いほうがいいでしょうけど……。

 それで、次のステージに進むとこんな感じですね。

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「プロファイルのモードを選び、「右向き三角」をクリックしてください。」

 作業する上で、どの程度細かく設定するかを「簡易モード」と「詳細モード」から選べます。デフォルトは「簡易モード」になっているので「詳細モード」を選択することをオススメします。できたら、次に進みます。

 次は、モニタのタイプを選びます。

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「モニタのタイプを選んでください」

 ……ということで、「LCD(液晶モニタ)」、「CRT(ブラウン管モニタ)」、「ラップドップ(ノートパソコン)」の3種類から選べます。ちょっと前まではCRTのみ対応だったのに、タダの液晶モニタだけでなく、ノートパソコンまでできるとはチョット感動……。

 次に進むと、カラーターゲットの選択画面に進みます。

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「各ターゲット設定を選択してください」

 ここで、「白色点」「ガンマ」「輝度」の調整をする。まあ、目指すところのモニタを設定するわけだが、使用用途に応じて変わってくるわけだが、僕の場合は最終ターゲットはオフセット印刷による印刷用途なので、そこをターゲットに持っていきたいと思う。

 「白色点」は、「色温度」と思ってもらっていいが印刷用途ならば5000Kに設定。かなり赤く感じるがこれでオッケィ。ちなみにWEB用途ならば6500Kがいいようだ。

 「ガンマ」は、LCDでガンマというのもチョット変だが、Macintoshなら1.8。Windowsなら2.2とも言われる。これまた印刷対象なら1.8、WEB用途なら2.2とも言われる。

 「輝度」は、動画でもないので80cd/m2が推奨っぽい。

 この辺の設定は、APA発行の「RGBワークフローガイド」を参照した。PDFで無償配布されているので、この項だけでなく、前ページにわたって読みたいものだ。かなり、というより感動するくらい勉強になる。

 さて、ここまで進むといよいよ調整になる。

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「モニタにEye-One測定器を取り付けてください。」

 こんな画面になるので、前述のようにOSDメニューの邪魔にならないようにセットしよう。ここで出てくる画面のようにド真ん中に設置すると、間違いなく失敗するのでマネしないように……。

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「コントラストを100%に変更する」

 この画面が出たら、早速モニタのOSDメニューを表示して「CONTRAST(コントラスト)」を表示させ、100%まで上げていく。画面の色がおかしくなるが、ここから下げていくというやり方でコントラスト調整をしていくので、100%に設定して心配はない。できたら、Eye-Oneの「スタート」をクリック。

 測定器の下に白く明るさが変わっていく長方形が表示される。この明るさを測定器が感知しているので、動かさないようにしよう。また、右上に下の写真のようなウィンドウが表示される。

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「コントラストインジケータ」

 このコントラストインジケータのスライダが緑の領域に入るまでOSDメニューを操作して(モニタ側のボタンで操作)調整していく。モニタの明るさは結構下がっていくが心配ない。緑の領域に入ったら「ストップ」ボタンをクリック。

 すると、モニタのRGBの調整をするのだが、色温度の調整と思ってもらっていいだろう。

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「ご使用のモニタがサポートしている白色点設定を選んでください。」

 ここは「RGB調整」か「RGBプリセット」を選択する。RGB調整はOSDでRGBの調整がカスタムでできるのなら選んだらいいし、RGBプリセットは、モニタに既にいくつかの色温度が設定されているなら選択したらいいかもしれない……が、僕の場合は5000Kのプリセットを選んでも色温度が高くて使いものにならなかった。ここで選択したら「スタート」をクリック。

 同じく測色が開始し、右上に下の写真のようなウィンドウが表示される。

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「RGB調整」

 先ほどと違って、RGBそれぞれの色ごとにスライダが表示されるので、3つ一気に緑の領域に収めるためにバランス感覚が要求される。赤だけいじっていても緑がグングンズレていくなどあるので、結構難しかったりする。なお、目標色温度の「RGBプリセット」の下に「現在」として今の色温度が表示されるので、励みになる(?)。なお、モニタによってはこの工程をスキップする場合もある。完了したら「ストップ」を選択。

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「目標輝度に対して、モニタの明度を調整してください。」

 今度は、モニタの輝度調整です。OSDメニューなら英語表示で「BRIGHTNESS(ブライトネス)」というものがあるので、それを選択して調整しよう。OSDメニューで表示できたら「スタート」をクリック。

 同じく測定器の下にパッチが表示され、右上に輝度インジケータというウィンドウが表示される。

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「輝度インジケータ」

 ここでも、緑の領域に入るまで輝度を下げていく。できたら「ストップ」をクリック。すると、今度は全自動でモニタの測色に入っていく。画面には下写真のように色とりどりのパッチが表示され、徐々に色が変わっていく。この時が一番、キャリブレーションをしている気になれるひとときだ。

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ご覧のように測定器の下に赤やら青などの色とりどりのパッチが次々に表示される

 ちなみに右上には「測定…」のウィンドウが……。「…」って言葉を失っている??まあ、終わるのを待つだけなので、指示しようがないですよね。

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「測定…」

 この待ち時間が結構長い。プログレスバーが右まで行くと、「ストップ」をクリックしなくても自動的に終了する。すると、こんな画面が出る。

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モニタキャリブレーションの結果がグラフと数値で表示される

 ここで、色温度、ガンマ値、輝度の目標値と現在地が数値表示で表示される。RGB特性が左のグラフのように揃えられているのが分かる。また、右のガモット図ではキャリブレーション後のモニタの色再現域が表示される。結構、優秀かもしれない。また、この段階でこの時にできたICCプロファイルが保存される。

 また、ここで「モニタキャリブレーションのリマインダーを有効」にチェックを入れると、希望の期間が経つと、パソコン起動時に「モニタプロファイルリマインダ」が表示され、キャリブレーションをするように促してくれる。

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パソコン起動時にこんな画面が表示されてキャリブレーションをせがむ

 モニタは経年劣化もあるし、その時々の調子によっても色が変わってくるので定期的にやるのが重要。以前キャリブレーションをしてからどれだけ経ったか忘れることがあるので、定期的に知らせてくれるとありがたい。まあ、LCDならそんなに狂うこともないので頻繁にやらなくてもいいかもしれないが……。

 まあ、こんな感じにモニタのカラーマネジメントができるわけです。できることならプリンタプロファイルも作りたいところだが、このクラスのi1ではモニタしかできないので、上位機種を購入することをオススメする。

 モニタを調整するだけでも大きな違いなので、デジタルフォトの時代の今、最低限のモニタキャリブレーションはやっておきたい。あと、今回使用した「i1」は、業界のシェアではかなり高いもののハードウェアキャリブレーションではないので、モニタ側のOSDメニューをいじくるというマニュアル要素がかなり高い。その点は、ハードウェアキャリブレーションの方が簡単だし、精度も高いと思う。それでも、OSDメニューを操作するのに慣れてしまえば「i1」使用もかなり快適だ。

 ではでは。

~今日のリンク~
24.1型カラーマネージメント液晶モニター ColorEdge CG241W
EIZOの直販サイト「EIZOダイレクト」
デザイン、クリエイティブの専門店

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eye-one(i1)でカラーマネジメントするゾ♪

 お猿@おはようございます。

 相変わらずニコンのクリーニングキットプロのレビュー用素材作りに奮闘中ですので、今までコツコツためたネタで凌ぎたいと思います。

 ……で、今回の時間稼ぎ用のネタとして目に付いたのが、業務用のカラーチャートなんか作っちゃったりするグレタグマクベス社のeye-one display2 というモニタキャリブレーションツールです。まあ、愛称的には「i1(アイワン)と記述されることもあるようです。

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これがグレタグマクベス社のモニタキャリブレーションツール「EYE-ONE」

 そもそもキャリブレーションって何ぞや?ということなんですが、大雑把に分かり易く言えば、デバイス間の色を合わせると言うこと。例えば電気屋さんにズラリと並んだテレビには全く同じ番組が流れていることが多いですよね?でも、全く同じ電波を受信して受像しているのに、それぞれのテレビに映っている映像の色って違っていませんか?

「じゃあ、どれが本当の色なの?」

 ……ということになるんですが、どれも本当の色なんでしょうね。しかし、被写体の色は1つだし、撮影者が意図している色も1つなんですね。それが、テレビによって鮮やかさが足りなかったりキツすぎたり……。肌の色も白っぽくなったり赤っぽくなったりしますよね?

 で、デジカメでの写真はあくまでデータ保存なので、フィルム写真のように実体がない。あくまで、写真を見ようと思ったらモニタを通すしかない。つまり、

「デジタルフォトのビューワーはモニタ」

 ってことになる。でも、このモニタの色が狂っていたとしたら?と思うと夜も寝られない……。そこで、基準となる色があるので、それに合わせていこうというのがカラーマネジメントであり、キャリブレーションツールってことになるわけ。

 ……で、僕の職場は従来はカラーマネジメントなんてやっていなかったが、デジタル製版が普通になってきてからというもの、最低でもモニタの色だけでも合わせておかないと仕事にならなかった。そこで導入したのがLaCie社の「LaCie electron22blue IV」というカラーマネジメント対応モニタだったのだが、これが普通のモニタではなく、純正の「LaCie blue eye vision calibrator」というキャリブレーター付きのCRTモニタで、ハードウェアキャリブレーションを実現する高性能モニタであった。

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これが人生初ハードウェアキャリブレーションを実現してくれた「LaCie electron22blue IV」

 ハードウェアキャリブレーションというのは、キャリブレーターが測色した情報をパソコン本体のソフトウェアではなく、モニタ内部で受けてモニタ自身がカラーコントロールしてしまうというものだ。従って、モニタとパソコン本体との接続にはただのモニタ端子だけでなく、そういった情報もやりとりするケーブルも必要となってくる。

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こんなコントロールケーブルをモニタケーブルの間にかまして使いました

 ところが、カラーマネジメントには向かないと言われたLCDモニタ(液晶モニタ)もカラーマネジメント対応となり(最近では、AdobeRGB対応なんていう広色域もあってムカつく)、LaCie社でも従来のCRTモニタからLCDにラインナップを変えてしまったのだ。……で、寿命の短いCRTモニタからの買い替えでやってきたのが、同じくLaCieのLaCie 321 LCD Monitoriconというものだ。

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これが2代目のカラマネモニタ「LaCie 321 LCD Monitor」だ

 キャリブレーターセットのもの iconも売っているがCRT時代のものでイケるだろうと思いきや、使えないことはないが何かと面倒……。聞いてみると、LCDで推奨しているものは違うらしい。LaCieさん曰くが、先ほどの「eye-one display2 」なら対応してますよとのことだった。それなら、専用のキャリブレーターを買うよりも汎用性のあるキャリブレーターを導入した方が、後から他のメーカーのモニタでも使えるということで導入決定。なんせ、eye-oneは今の世の中のキャリブレーターとしては、かなりスタンダードになっているんだよね。

 まあ、言うまでもなくハードウェアキャリブレーションではなくって、ソフトウェアキャリブレーションなんだけど、CRTモニタに比べてLCDモニタは何かと安定しているとふんでいるのでソフトウェアキャリブレーションで十分ということで、"Welcome eye-one"っていう気分だ。

 実は、eye-oneはモニタキャリブレーションだけではなく、プリンタから印刷機などまでかなり広範囲にわたってラインナップが用意されている。正直なところを言うと、せめてプリンタまでカバーしてくれる「Eye-One Design icon」くらいを狙いたかった。しかし、eye-one displayで使っているキャリブレーターはフィルタ方式であるのに対して、こちらのモデルは精度がより高いスペクトル方式。精度だけにとどまらずにお値段まで高いので断念……。

 では、キャリブレーターから見ていきたいと思います。

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これが「eye-one display2」のキャリブレーター。マウスみたいだ

 ちょっと見ると普通のマウスに見えますよね?サイズ的にもノートパソコン用のモバイル用途マウスくらいのサイズになっています。ただ、ボタンもありませんのでマウスとして使うのは不可能……。で、反対側を見ますと……、

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これがキャリブレーターの裏側。吸盤がいっぱいついている

 この吸盤でCRTにもLCDにもピッタリとくっつけられるようになっている。また、周囲はスポンジで遮光されている。中央の4つの穴の向こうにセンサがあって、ここで測色をするようになっている。ちなみに、取扱説明書はどうなっているだろうか?

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ご覧の通り7ヶ国語で書かれている

 グレタグマクベス社そのものは日本の会社ではないので、心配していたのだが、全てにおいて7ヶ国語で説明書が書かれているので、接続やらインストールに関しては困らないと思う。書かれている通りにやっていけばオッケィ!

 では、ドライバやらアプリケーションが入ったCDを入れてみよう。Macintoshならこんなアイコンが表示される。

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eye-oneのCDを入れると出てくるアイコン

 で、この中身はどうなっているかといいますと……。

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CDの中身はこんな感じ

 こんな感じです。左上の「Eye-One」をクリックするとインストーラーが起動します。

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インストーラーが立ち上がるとこんな画面が出てくる

 ちょっと許せないのが、ベースがスペクトル方式の上位機種のキャリブレーターがデザインされていることでしょうか?自分がフィルタ形式を使っていることに劣等感を感じてしまうのだが、まあガマンしよう。

 ここで、まずは左の「Match」をクリックする。

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まずは一番左の「Match」を選択して「All Languages」をクリックする

 「All Languages」をクリックしてインストール開始。終了したら、次は「Share」をクリックしてインストール。

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次は中央の「Share」を選択し、「日本語」をクリック

 Shareでは各国語を選べるので「日本語」を選択しよう。

 インストールが完了すると、下の写真のような「Eye-One Match」というアイコンが表示される。

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インストールが完了すると、こんなアイコンがドックに登場する

 ここまでくれば、後はこれをクリックするたびにモニタキャリブレーションが取れるというわけだ。では、次回はプリント用途でのキャリブレーションを実践してみたいと思う。

 まあ、キャリブレーターとして、今回使ったeye-one displayは33800円程で買えるので、ずーっと使うことを考えればプロ使用として決して高い買い物ではない。しかし、同じくグレタグマクベス社製のhuey iconならば半額以下で導入できるので、これでもいいかもしれない。ただ、これはゲームで使うモニタのキャリブレーションを目的としているだけに、eye-oneのような効果は望めないかもしれないが、ないよりはいいかもしれない。

 なんせデジタルフォトをやるからには、目視でモニタの色調整をするのではなく、きちんとした測色器を用いて厳密にやっていきたい。可能ならばプリンタまでカバーできる先ほどのモデルを導入できればベストだが……。

 そんなこんなで、eye-oneネタをやってみました。

 ではでは。

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高画素コンデジは低画素デジイチに勝てるか?

 お猿@おはようございます。

 ちょっとニコンのクリーニングキットプロのレビューをしようと思ったのですが、案外素材作りに手間がかかっちゃいまして、思い切って脱線ネタにしたいと思います。その分、しっかりとネタを仕込みたいと思いますので、今回はコレでカンベンしてくださいね!

 ……では、今回のネタに行ってみますね。

 今回は以前に行いました「同画素数でもコンデジとデジ一眼では違うのぢゃ♪」の視点変更バージョンです。そもそも、このネタをやろうと思ったのが、家電量販店のデジカメコーナーで痛烈に感ずる「高画素数神話」がキッカケなんですね。家電量販店でデジカメを買う人っていうのは大抵がコンシューマーでデジタル一眼ではなくってコンパクトデジカメ狙いなんですが、「画素数は大きければ鮮明で美しい写真が撮れる♪」という迷信をゴリゴリに信じきっているんじゃないかな、と思ったのでやってみたんです。確かに、有効画素数が大きければそれだけピクセルがあるわけなんで、細かいところまで描写はできるでしょうが、所詮はコンパクトデジカメです。フィルムカメラのフィルムに該当するCCDなどの撮像素子の大きさがデジタル一眼とは全く異なるんですね。いわば、ポケットフィルム vs 35mmフィルムっていう勝負みたいなもんですかね。

 店員さんも分かっているのかいないのか分からないけど、顧客への説明は「画素数」と「ズーム」でしか勧めていないような気がする。しかし、小さなCCDしか持たないコンパクトデジカメの画素を増やせば増やすだけ、1つの画素の受光量が少なくなるのは当然で、その分、ノイズが発生しやすくなるんですね。ノイズといえばISO感度ですが、ISO感度が大きければ大きいほど、暗所での撮影には有利だし、シャッタースピードも稼げるので被写体ブレは防げるのだけど、その分ノイズとか粒子が粗くなってくるんですね。だから、ノイズリダクションってのが問題になってくるけど、これって荒っぽい言い方すると、ノイズをぼかして周囲に馴染ませているだけなので、解像感が落ちるっていう寸法です。

 ……で、問題は高画素になって他の部分が失われた宣伝もちゃんとしてくれよな、っていうことで、前回は800万画素クラスのCanon製のコンパクトデジカメとデジタル一眼レフの画質勝負をしてみました。

 じゃあ、今回は何かと言いますと、高画素なコンパクトデジカメと低画素なデジタル一眼レフの描写性能の違いを検証してみたいと思う。もしかしたら、画素数では劣るデジタル一眼レフの方が綺麗に写るかもしれないからね。……ということで、今回もCanon vs Canonになってしまいましたが、下記勝負をしてみました。

  • PowerShot S80約800万画素
  • EOS kiss Digital約630万画素):50mm F1.8単焦点レンズ使用
  • EOS kiss Digital約630万画素):28-300mm ズームレンズ使用

 ……でいってみた。レンズを2種類試したのは解像感で劣るズームレンズを内蔵しているのがコンパクトデジカメなので、部分的にフェアにやってみた。更に念のために、前回も使用した50mm単焦点も実験的に使用してみた。それで、今回の被写体は、原色系のミッキー&ミニーちゃんと富山のローカル紙である北日本新聞。そして、真っ赤な懐中電灯だ。すごくミスマッチなモデルだけど許してね!

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今回のサンプルのセットはコレ。かなり無理があるセットと猛反省です

 では、まずはミッキーとミニーの間から見える新聞の文字に着目。ミニーちゃんの影で暗くなっているものの、実際の文字の描写はどうだろうか?全てにおいて絞り値はF8にて撮影。ピントはミッキーの目に合わせたぞ。

●ISO100勝負

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上からコンデジ代表のS80、下にkiss&単焦点、kiss&ズームとなっています

 まずは、ノイズがまず発生しないであろうISO100で勝負してみた。まあ、コンパクトデジカメながら高画素というだけあって、文字を認識できるのはコンパクトデジカメであるS80だ。約600万画素のデジタル一眼レフとの約200万画素の差は大きく、下2枚のデジタル一眼レフはかなわなかった。ただ、既にISO100の現段階からコンパクトデジカメの粒状感がひどい。これは、ISO400になるとカラーノイズとなって顕著に現れてくる。

●ISO400勝負

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さすがに、たかだかISO400で、これだけひどいノイズはビックリだ

 一番上のコンパクトデジカメだけにはハッキリとノイズが発生している。これが、人の肌になってきたら致命傷ではないだろうか?更に、この元データからPhotoshopでレタッチを加えた際には、どんなガサガサの肌になっているか分かったものじゃない。レタッチ出身の僕としては許されないノイズ。反面、デジタル一眼側は解像感はイマイチながらもノイズはあまり目立たない。デジタル一眼レフのISO100から、あまり劣化が極端に現れていないのは、CCDの大きさからくる余裕かもしれない?

 まあ、これだけで終わってもいいのだが、今回は被写体がこれだけビビッドなカラーを揃えているので、階調性も見てみたい。なんせ、先ほどの検証でノイズがあれだけ発生しているのだ。人物の肌といったら階調がどれだけ保たれるかが問題となる。そもそも、ダイナミックレンジも大きく影響するに違いない。高彩度域での再現性をミッキーの服で検証してみた。

●ISO100勝負

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真ん中のデジタル一眼レフ&単焦点の再現性はピカイチだ

 どうだろうか?画素数では勝っているハズの一番上のコンパクトデジカメだが、画素数で劣る下の2枚のデジタル一眼レフよりも解像力が劣っているように見える。特に単焦点で撮った真ん中のサンプルなんかになってくると生地の質感がクッキリと出ているのに驚く。一番上のコンパクトデジカメに至っては元来の粒状感と混ざってしまうのか生地の質感が失われフェルト生地のようにさえ見えてしまう。また、表現できる色域も狭いのかもしれない。部分的に色飽和が起きているように見える。

 では、同じ部分を恐怖のISO400で調べてみた。

●ISO400勝負

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コンデジの砂地のような質感に対し、デジイチの布の質感はさすがだ

 一番上のコンパクトデジカメに至っては完全に生地の質感よりも高感度ノイズの方が大きく、さもノイズが生地の質感のように見えてしまう。起伏すらわからないくらいにまで画質が劣化。下のデジタル一眼レフで撮った2枚は余裕で生地の質感を再現。ISO400は高感度の部類にすら入らない模様だ……。

 さて、質感にまで影響をもたらすとしたら、ソフトな肌ざわりっぽいミッキーの顔の毛並みはどうであろうか?ミッキーの口付近を拡大してみた。

●ISO100勝負

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これなんか見ていると、微妙な階調を表現できないのがコンパクトデジカメだと分かる

 どうでしょう?ISO100くらいではそんなに差がでていないようだが、表面の凹凸のあまりない舌部分の質感は完全に失われている。また右半分にも粒状感が目立つ。反面、デジイチで撮った下の2枚は下まで綺麗に描写。粒状感は全くと言っていいほど感じられない。これでは、舌の上の毛並みに大差が現れていないが、ISO400になるとコンパクトデジカメは完敗だ。

●ISO400勝負

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やっぱり、高感度でのコンパクトデジカメは折角の高画素を台無しにするノイズが評価を下げる

 ここまで来ると一番上のコンパクトデジカメ作品はガサガサだ。毛並みと言われてもわからない。反面、下のデジタル一眼レフの2枚はISO400でもビクともしない。肌ざわりの良さそうな毛並みが再現されている。特に中央の単焦点の再現っぷりは秀逸だ。

 そんなこんなで、800万画素のコンパクトデジカメと600万画素のデジタル一眼レフという勝負を試みたのだが、200万画素の差をデジタル一眼レフは見事に乗り越えている。同じメーカーでコレだから文句は言えないでしょうね。

 単純に画素数では勝っているのがコンパクトデジカメという設定でした。新聞の文字なんかでは、画素数の有利さがハッキリと出ていたが、ちょっとISO感度を上げるだけで画素数のアドバンテージを失ってしまうほどの弱さを感じた。

 最近のコンパクトデジカメは、性能がアップしたように見えるが、事実アップしているのだろう。しかし、「コンパクトデジカメで○○画素のものは当機種がはじめて!」と高画素を謳ったり、「暗いところでもブレずに撮れる機種です」というのは、大抵はISO感度をISO800なりISO1600なりと高めに設定できるという意味なので、ISO400レベルで先程のような惨憺たる結果なので決して綺麗に写るというわけではない。「とりあえず写る」と思ったらいいでしょう。

 従って、かわいい子供さんの姿をいつまでも残しておきたいと、子供の写真を撮るのなら……、コンパクトデジカメではなくてデジタル一眼レフをオススメしたい。値段はコンパクトデジカメプラスαくらいでレンズキットも売っている。しかも、小型軽量で持ち運びもいいし、望遠レンズなんかも付けられるので、学芸会やら運動会を撮るにしても大きく撮れるからいいとこだらけだ。間違ってもメガピクセルケータイだからとカメラ付き携帯で撮って満足するのだけはやめてもらいたい。あれはコンパクトデジカメよりもひどい仕上がりだと思う。

 そんなワケで子供撮りで奥さん達にオススメできるデジタル一眼レフは、

 ……という感じだ。標準レンズだがレンズキットでこの額なら、ちょっと頑張れば手に入れられるのでは?まあ、もっとズームが欲しければボディのみを買ってレンズは別購入というテもあるので、折角なら頑張ってみたい。ちなみにAPS-Cクラスの撮像素子を持つ大抵のデジタル一眼レフならば、1000万画素オーバーで十分きれいな写真が撮れる。これ以上の画素になるとノイズの観点からして35mmフルサイズ撮像素子を狙わないと綺麗に撮れないと思うので、現行のデジタル一眼レフは1000万画素が限界かと思う。最近の写真屋でのデジタルプリントサービスの画質は秀逸で、長く残しておきたいとなったらインクジェットでやるより、綺麗にいくと思う。その際、L判とか2L判サイズならば、1000万画素以下でも全く分からないくらいに写るので、無理して1000万画素オーバーを手に入れる必要性はないと思う。むしろ、1000万画素オーバーのコンパクトデジカメで撮ったものの方が仕上がりが汚いと思う。低画素&高感度のデジタル一眼レフで撮った方がよっぽど綺麗に残せる。それにしても、Nikon党の僕から言うのもなんですが、Nikon D40なんて本当に良心的だと思う。これだけあればコンパクトデジカメの上位機種は買えますからね。デジタル一眼レフで、かわいい子供さんの姿をキッチリ残してあげてくださいね。

 では、今回はこれまで。

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ニコン クリーニングキットプロの道具を見てみた

 お猿@おはようございます。

 前回からスッカリご無沙汰しておりましたが、遊んでいたんじゃありませんよ。マジメに仕事していたんです。……でチョイと時間ができましたので久々の更新です。

 ……で、うっかりビックカメラでも購入できてしまうニコン純正のニコンクリーニングキットプロのレビューをつれづれなるままに開始したわけですが、ぶっちゃけ、コレの購入には躊躇すると思います。だって、それぞれの道具を自分で集めた方がよっぽど安上がりのような気がするようなしないような……。

 そこで、自作したり他のもので代用できるものかできないものか見てみました。

 キットの中でも、「これって購入するまでもねーだろ?」と思うものナンバーワンはクリーニングスティックだと思う。見るからに手がかかってなさすぎだし、そもそも……、

「これって、ただの木じゃん」

 ……と言っては失礼だが、むしろ割り箸だ。実際は、この棒にシルボン紙というクリーニングペーパーを巻いて使用するわけだが、細い木の棒でも買ってくれば使えそうだというのが僕のホンネだった。実質、キットの定価の何割をこのスティックで占めているのだろうか?……で、ホントにパキッと割る割り箸だと丸い断面でなくなるので、中華料理店で貰った竹製の使い捨て箸と比較してみた。……っていうか、すみません、キットを購入するまでは、コレを実際に使ってました。

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左の2本がチャイニーズな使い捨て竹箸。右がニコン純正のクリーニングスティック

 ……というワケで、箸もクリーニングスティックも片方は尖がっているのですが、その反対側は写真の通りに平べったくなっています。実際にマニュアル通りにシルボン紙を巻いていく工程になると、この平べったい方がひっかかりが良く巻きやすい。竹箸側はひっかかりがなく、すべって巻きにくい。従って、カッターナイフで削って、このような加工さえしてしまえば代用は可かもしれないですね。

 まあ、レンズクリーニングに至っては、色々なカメラの虎の巻でカメラの手入れの基本として紹介されている。中でもクリーニングペーパーを指に巻き、クリーニング液を付けて拭きましょうというものが多い。しかし、実際はレンズのフチなどは指では届きにくいし、何よりもクリーニング液が指の所まで浸透してきて、指の脂が逆流してレンズに付くという恐れがあるので僕としてはあまりやりたくないのが実情だ。そんなワケで、スティックに巻きつけて拭き取るというやり方は賛成だ。

 では、お次はクリーニングペーパーに行ってみましょう。クリーニングペーパーは、それこそ各社から発売されているわけですが、いずれもケバ立ちの出ないものになっております。まあ、僕がポジのスキャニングでフィルムクリーニングとして使っているのがボックスティッシュのクリネックス。これは、ネピアなどに比べてケバ立ちが格段に少なく、ホコリも出にくい。その為に、スキャニングの仕事でも永年愛用しているわけだが、ゴミの量からすればクリーニングペーパーにはかなわない。……でクリーニングキットに入っているのは、これまた単体でビックカメラでも売られているシルボン紙というもの。費用的には1枚1円の計算になります。

 実際は、このクリーニングキット自体はフィルムカメラ時代からニコンのサービスセンターで使っていたものらしい。今でこそ撮像素子のクリーニングキットとして知られているが、もともとはレンズクリーニングにも活躍していたものだ。その為に、このシルボン紙はレンズクリーニングもできるということで、レンズクリーニングを前提で販売されている他のクリーニングペーパーと比較してみた。

 前回のブログで紹介した2種類のクリーニングペーパーと比較した。いずれもクリーニングキットが到着するまで愛用していたシロモノだ。基本的にキタムラに行けば購入できます。1つは携帯用のフジのペーパー。もう1つはプラスチックケースに入って売られているHCLのレンズクリーニングペーパーだ。

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左からフジ製ペーパー、HCL製ペーパー、そして、キットに同梱されているシルボン紙

 この中で、明らかに質が違うのがフジのペーパー。片面がツルツルしていて、それこそハードタッチな「ペーパー(紙)」だ。反面、シルボン紙とHCLのペーパーは不織布のように繊維が大きめでソフトタッチだ。その為、実際に使ってみて弾力性のないフジのペーパーはスティックに巻いて使うにあたっては非常に巻きにくいし、拭きにくい。それで、HCL紙とシルボン紙を比較してみた。

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左がHCLの紙で右がシルボン紙。若干だけど、シルボン紙の方が目が細かい

 ……という感じでシルボン紙の方が目が細かいので、非常に使いやすい。クリーニング液の吸収もコシも申し分ない。これまた純正のシルボン紙を使った方がやりやすいことがわかった。まあ、何よりも他の商品はあくまで「レンズクリーニング用」として売られているものなので、CCDのクリーニングには向いていないと思う。ここはシルボン紙を使用したいところだ。

 お次は、これまたどこでも売っているブロワー。初心者でも撮像素子のクリーニングに即戦力で使いやすい一品だ。大抵のCCDのゴミはこれで吹き飛ぶだけに心強い。まあ、カメラの手入れの基本中の基本アイテムなので、さすがの僕でも持っていた。

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左が従来からの愛用品。白いのがキットに入っていたもの

 ブロワーは中に粉の入っていないものや、ある程度使い古したものがベストチョイスらしい。ヘタなものを使うと逆に粉などをCCDに吹き付けて、かえってゴミが増えてタチが悪い。それはそうと、従来品はタイヤのゴムのように持っているだけでも「滑り止め」が効いているブロワーだったが、キット同梱品はツヤツヤしていて、固めのものだ。ゴミが出にくいものになっているようだ。特にCCDのゴミ吹き飛ばしレベルになってきたら、こういうモノの方が安心かもしれない。

 最後に、キットの中でひと際目立つのがハンドラップだ。

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「あっ、アルコールランプ!」といわれても文句が言えない風貌のハンドラップ

 一見、小学生の理科の時間で出てきたアルコールランプのようないでたちだが、実際は中に入れたエタノールを少量ずつ出すポンプのようなものだ。ボディそのものはブ厚いガラス製で、エタノールにも溶けないようになっている。

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この金属製の皿を1回押すたびに一定量のエタノールが滲み出してくる

 上の写真の中央の丸い板と下の皿の間からエタノールが滲み出てくる。どうもニコン用にカスタマイズされたものらしいので、1回の必要量が出てくるように調整されているらしい。クリーニングのキモはエタノールをどれだけつけるということだと思う。多すぎても少なすぎても拭きムラになりやすいので、このハンドラップを使うだけでも、キット購入の価値はある。

 他にもブラシなどもあるが、キット購入のメリットはお手本CDが付いてくることだろう。動画なので、拭き取りスピードやスティックの動かし方などもわかって非常にマスターしやすい。

 そんなワケで、次回は実際にトレーニングとしていろいろと拭いてみたいと思います。

 ではでは。

~今日のリンク~
◆ビックカメラ.com

蓮如 

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ニコン クリーニングキットプロが届いた♪

 お猿@おはようございます。

 前回の記事で、デジタル一眼レフカメラにつきものであるCCDやCMOS等の撮像素子のゴミに悩まされているとの赤裸々な告白をしてしまいました。それについて皆さんからコメントをいただいたりして、とてつもなくカムサハムニダな気分です。でも、

 僕の住む富山県はサービスセンターから遠い!

 ……という現実を突きつけられてしまいました。修理やクリーニングをやってくれるサービスセンターに持ち込むにしても特急と新幹線を利用しても4時間はかかるし、交通費もバカにならない。そうなってくると、カメラ屋に持ち込んで入院させるハメになるわけですが、2週間も入院させるワケにもいかないので、自分でやるという決断を迫られたわけですね。

 そこで、CCDクリーニングを自前でやるにはどうしたらいいのかと調べていたところ、ニコンが純正で売り出していました。それが「ニコン クリーニングキットプロ」というパッケージです。ただ、ローパスフィルターといったデリケートなパーツをクリーニングするために、このクリーニングにはかなりのリスクを負います。キズを付けたらン万円の修理費がかかり、しかも、それは自己責任!そうなると、ニコンとしてもそんなに推奨はできないようで、むしろ、自分でやるよりはサービスセンターに依頼するようにと言うくらいのアイテムです。

 それで、このアイテムは直販サイトである「ニコンダイレクト」のプロ愛用グッズコーナーにて8190円にて扱っているので、思わずクリック。2日後に宅配便で送られてきました。

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ニコンダイレクトから送られてきたものは、赤い「Nikon」のロゴ入り!

 さすが、ニコン直販サイトだけあって、梱包のダンボールにも「Nikon」のロゴが!オフィシャルっぽくて良いですね。意味なく純正大好き人間の僕は思わずウットリ……。でも、後日調べたところビックカメラ.comでは、7780円にて販売……。う~ん、こっちの方が安い!まあ、いいか。

 では、気を取り直して開封してみましょう!

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箱の中に緩衝材があって、さらに紙があって……その先に更に箱が!

 箱の中に、更に箱が!その先にあったものは……、

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ジャ~ン!これがプロ御用達のクリーニングキットだ。ハコだけど……

 ついに、「ニコン クリーニングキット プロ」のお目見えだ!この一般販売用じゃないよと言わんばかりの無愛想な茶色のパッケージが妙にそそる。さて、この中には何が入っているのか……?

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これがハコの中身。ユーザー登録のハガキまで入っているのは意外だった

 一見、工具箱のようなものと内容説明のプリント、保証書。そして、ユーザー登録のハガキ!こんなものにまで登録ハガキが付属しているとは!!工具箱には白字で「Nikon」のロゴが!サービスセンターで使われていたものと言われるだけはありますね!純正と聞くと安心感もあります。では、肝心の工具箱の中には何が入っているのでしょう?

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工具箱の中には何やらワサワサと入っています

 ちょっと、トレイが邪魔ですね。これらを全部出してみましょう!

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これがプロ御用達のアイテム類。シンプルだけどプロっぽい♪

 う~ん、決して沢山入っているとは言えませんが、カメラ屋で売っているクリーニングキットとはチョイと違いますね。ハンドラップ、クロス、ブラシ、ブロアー、クリーニングスティック、シルボン紙、そして、説明用のCDだ。中でも、説明がプリントではなくって、動画CDというのが感動した。このCDは一見の価値があると思うっていうか、見ないと怖くてレンズクリーニングまでは出来ても、CCDクリーニングまでは踏み込めない。このCDでは実際の職人の「動き」を見ることができるからだ。これを見るだけでも中々によくわかる。

 ただ、このクリーニングキットにはカメラ店に売っているようなクリーニングキットにつきものの「クリーニング液」が付属していない。これは別途「無水エタノール 」を購入してこなければなりません。ここだけ、ちょっと純正じゃないネ!

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ごくフツーの消毒用無水エタノールをクリーニング液として使う

 専用クリーニング液ではなくって、医療用の消毒に使う無水エタノールを利用するあたりがプロっぽいですが、どこでも手に入るだけになんかありがたい……。これを、キットの中のハンドラップに移しかえてクリーニングに使用します。これを購入したキッカケはCCDクリーニングということですが、レンズクリーニング、フィルタクリーニングにも使えるオールラウンドなクリーニングキットになっております。

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ニコンのクリーニングキットが来るまで使っていたクリーニング用品の一部

 これらが、僕がこれまで使っていたクリーニング用品。フジのクリーニングペーパーは携帯用として使っていますが、ツルツルしてコシがあって一番使いにくいと思いました。クリーニングペーパーとしてはニコンのシルボン紙が一番使いやすいのですが、次賞としてはHCLのクリーニングペーパーでしょうか?レンズクリーナーもありますが、これはもっぱら携帯用です。自宅では無水エタノールを使っております。

 また、撮像素子のクリーニングキットとしては粘着質のゴムを利用したスタンプ感覚で使える「ペンタックス イメージセンサークリーニングキット 」なんか非常に魅力的かつ初心者でもイケそうだったんですが、ここはやっぱニコンが純正を出しているからにはそれに従いたい。

 そんなワケで、ひとまずフィルタでクリーニングの修行をしてみました。拭きムラの出ないようにできるまで結構手間がかかります。でも、指にクリーニングペーパーを巻きつけて拭くというセオリー通りのやりかたより、棒に巻きつけてクリーニングっていうやり方の方がやりやすいですね。まあ、とにかく修行、修行っっ!!

 レンズクリーニングやCCDクリーニングでメシ食えるくらいまでにマスターしたいと思います(そりゃ、無理か……)。

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デジタル一眼レフのCCDのゴミを何とかしたい

 お猿@おはようございます。

 暫く富山県射水市にある海王丸パークに行って、息抜きに護衛艦「じんつう」を超広角レンズで撮って堪能しておりましたが、再び元の話題に戻りたいと思います。

 ……で、海王丸パークで堪能していたつもりでしたが、その中の一枚である前々回の記事のトリの写真をよ~く見てみると、左上の空の部分に不自然なシミが見える。もしかして……、こりゃゴミではないか?

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護衛艦上から超広角レンズで撮った対岸上の海王丸。左上に黒いシミが……

 デジカメが普及しだした頃、僕は職場のスキャナオペレーターでした。当時の印刷用の写真原稿はポジフィルムなり、紙焼きなりのアナログな入稿だったので、先行してデジタル化していたプリプレスのワークフローに乗っけるためにスキャナでデジタルデータ化しなければいけなかったんですね。そうなると、いくら綺麗なポジフィルムでもいくら頑張ってもポジフィルム表面やスキャナのガラス面に僅かながら残るホコリなどが悩みのタネでした。それで、Photoshopでチマチマとゴミ消し作業をやっていた、というのが当時の写真製版の逃れられない工程だったんですね。

 ところが、技術の進歩でデジカメも銀塩カメラに劣らない画質を提供するようになり、印刷用の写真原稿として使えるレベルまでになりました。そこで、スキャナでのデータ化が必要となる銀塩写真に比べ、撮った瞬間にデジタルデータとなるデジタルカメラは「ゴミとは無縁」とまで言われるようになったんですね。

 確かに、スキャニングという工程を踏まねばならない銀塩写真に比べたら、ゴミがないと言ってもいいくらいな美しいデータがデジカメ撮影のデータ。ところがどっこい、デジカメとは言えどゴミとは全く無縁ではなかったんですね。レンズの脱着が不可能なコンパクトデジカメとかデジタルネオ一眼なんかは、フィルムに該当するCCDなりCMOSといった撮像素子のある空間は丸っきり外界と遮断されている為にゴミは無縁と言っていいかもしれない(厳密にはそうではないが……)

 しかし、印刷用のデータとなるとメインに使われるのが最近普及してきたデジタル一眼レフカメラ。つまり「レンズが交換できるデジタルカメラ」ですね。これの場合は話が違う。レンズ交換時にCCDなりCMOSはムキ出しにはならないものの、ミラーとシャッター幕はムキ出しとなる。つまり、そこからホコリなんかが入ってくるわけですね。レンズの後玉にゴミがついていても同様のことです。これが撮影時に、ミラーが内部でホコリを巻き上げ、シャッター幕が開いた一瞬に巻き上がったホコリが帯電した撮像素子に付着してしまうというトラブルが起きてしまうわけです。フィルムならば、1枚撮る度にその撮像面は送られて新しい面が出てくるし、多くても36枚撮ってしまえばフィルムそのものを交換してしまう。そういう意味で、撮影段階でゴミが付きにくいのはフィルムカメラかもしれない。反面、何万枚撮っても全く同じ面を使う、CCDやCMOSといった撮像素子は撮影段階でゴミがつき易いというデメリットがある。しかも、一度付着してしまうとコピー機のガラス面に付いたゴミが、コピーした全ての紙に印刷されるように、撮影した全ての写真に全く同じゴミが写り続けるというハメになるのだ。

 そういう意味で、デジタル一眼レフのNikon D80 を使っている僕は全く他人事ではなかったのですが、まず疑ったのがレンズ内のゴミ。所有している3本のレンズの内、2本がズームレンズなんですね。実は、このズームレンズってレンズ内にゴミが入りやすいんです。ズームなだけに広角から望遠までカバーするんですが、その際にレンズが伸びますよね?その時に下の写真の様に後玉が奥に入って周囲からホコリが入りやすくなるんです。

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左が広角時の後玉。右が望遠時の後玉。奥に入り込んで周囲に隙間が出来ている

 また、望遠側に伸ばした時には言うまでもなくレンズ内が負圧になるために、レンズ外から空気が吸い込まれます。ちょうど、注射器のピストンを引いたときのようになるんですね。ピストンを引くと液体やら気体が吸い込まれるように、ズームレンズでも同様の現象が起きるわけです。

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注射器のピストンを引くと空気と共に大気中のゴミが吸い込まれる

 この空気が吸い込まれるときに、ゴミが混じって吸い込まれて、内部のレンズに付着する。これがカゲとなって写り込んでいるのではないかとも思ってみた。そこで、絞り開放にしたレンズの後ろから覗き込んでみた。

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こうやってレンズの裏から絞り開放にして見てみるとレンズ内のゴミを見つけやすい

 実はコレ、大きめのゴミが2つほどあったので、レンズを望遠側にして先ほどの隙間からちょっとエアダスターで吹いて吹き飛ばした状態のもの。まさかとは思いましたが、吹き飛んでしまったのはチョットビックリ。荒治療でやっちゃいけないことかもしれませんが、綺麗になったからいいじゃん……。まあ、勢い良くズーム操作をしない方がいいみたいですね。それから、ボディ外側やマウント内も常に掃除して手入れしておくのも重要ですね。

 ただ、レンズ内のゴミは余程のものでなければ撮影に影響は出ないとのこと。それで、先ほどの海王丸パーク写真はシグマの超広角ズーム「10-20mm F4-5.6 EX DC /HSM 」で撮ったものだが、別のものをニコンの悪魔のレンズ「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18~200mm F3.5~5.6G (IF) 」で撮ってみた。レンズのゴミが正体ならば、レンズ交換したら同じ所にゴミが写り込まないはずだ。絞りを絞った方がゴミがクッキリとしてくるそうなので、風景写真なんかは写り込みやすい。先ほどのものも今度のものもF8程度で撮ったものだ。では、見てみよう。

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あらあら、やっぱり同じところに黒いシミが出てしまいましたね

 あ、ありましたね。左下の2つの小さな点はカラスのカップルです。ゴミじゃないですので動物愛護的に暖かい眼差しでみてやってください。レンズを交換しても写ってしまうのは撮像素子のCCDないしCMOSのゴミってことですね。ついに僕のD80にもデジタル一眼レフの宿命である「撮像素子のゴミ」にブチ当たってしまったようです。しかも、左上という通常の風景では空になる部分なので目立ち易いですね。痛すぎます。

 ……で、レンズを外して、おそるおそるミラーアップしてみた。

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緑色の撮像素子(CCD)が丸見えだ。見ちゃいけないものを見ている気がするのは僕だけ?

 う~ん、目視ではちょっとよく分からない。確かに小さなツブのようなゴミも目視できた。しかし、ブロアーで吹いたら吹き飛んでしまった。問題の箇所にはゴミは見当たらない。もしかしたら、油脂系のヨゴレなのだろうか?

 厳密には撮像素子についたゴミというよりは、その直前にあるローパスフィルターに付いたゴミと言っていい。最近はオリンパスやらソニーなんかのデジタル一眼レフがゴミ対策と言って、撮像素子側を微振動させることでゴミを振るい落とすなんていう技術を装備している。しかし、これも万能ではなくて油脂系のこびりつくようなヨゴレは不可能だ。ぶっちゃけ、微振動で振るい落とせるゴミなら大抵のものはブロアーで落とせると思う。

 そこで、こうなったらニコンのサービスセンターに持ち込むしかないか……と思っていた時に、以前購入した「デジタルカメラマガジン 平成19年2月号」の「物欲のるつぼ」というコーナーにニコン純正のクリーニングキットが紹介されていたのだ!

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これが1ページだけながらも内容の濃いクリーニングキットのレビューだ

 ここで紹介されていたのが、ニコンクリーニングキットプロというニコン純正のメンテナンス用品。なんでもニコンのサポートセンターのスタッフが使っていたものと同様のものらしいので、まさしく「プロ」の道具だ。ただ、ローパスフィルターという精密な部分を「拭く」というだけにかなりリスクも伴うし、それなりに熟練しなければならない。この雑誌のレビューだけでなく、この製品に関するネット上の記事やレビューには必ず、

「あくまで使用者の自己責任でお願いします」

 の一文はしつこいほど書かれている。自信がなければサービスセンターに出すことをすすめると書いてある場合もある。確かに、ローパスフィルターに傷でもつこうものなら、それだけで修理代がン万円もかかって何をしているのかわからなくなる。完全に腰が引けてしまった……。こ、怖い……。

 しかし、サービスセンターに出せば修理みたいなものなので、キタムラさんに聞いたら修理完了まで2週間はかかるという。そんなに入院させたら仕事にならないので、まず不可能。サブ機でもあればいいが、そんなもの買うオカネなんぞ持っていない。今なら保証期間で無料でやってくれるものの、期間が過ぎれば6千円以上はかかるらしい。そうなったら、2回クリーニングに出せばクリーニングキットプロを購入してもお釣りが来る。

 さて、どうするか?どの業界でも職人は自分の仕事道具のメンテナンスというか手入れは自分でやる。料理人は自分の包丁は自分で砥ぐではないか。それにこのローパスフィルター掃除ができるようになれば、デジタル一眼レフの弱点をクリアしたことになるぞ!ということで、思わず「購入」ボタンをポチッとしてしまった。

 ……で、届いちゃいました。

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 ……う~ん。やっぱり大々的に売っている物ではないので愛想のないパッケージですね。では、今度は実際に開けて説明どおりの修行してみたいと思います。この修行が結構大事っぽい。これをやり遂げてこそ、一人前のローパスフィルタ清掃人となれるのだ!!

 がんばれ、オレ!

 ではでは。

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親鸞会ダイアリー

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