SIGMA MACRO 70mm F2.8 EX DGレビュー(1)
お猿@おはようございます。
1ヶ月ほど前にマクロレンズが必要となって購入したSIGMAの「MACRO 70mm F2.8 EX DG」なんですが、通販で届いたということを報告したものの、レビューをすると言いつつ、1ヶ月ほど別ネタで盛り上がってしまいまして延期となっておりました。まあ、我らがニコン党にとっては待望のフラッグシップ機が発表となったということで、浮かれてしまっていたんですね。まあ、それは無礼講ということでお許しください。……で、
遅ればせながら、やっとカミソリマクロレビューをします。
ということで、カリカリシャープのマクロレンズということで「カミソリマクロ」の異名を持っているようですが、僕の中ではSIGMAのレンズは「シャープでクリア」というイメージがあったりするんですね。それも、以前に購入した超広角ズームレンズの「10-20mm F4-5.6 EX DC /HSM」の性能の良さにすっかりSIGMAのブランドイメージが「どこぞの安価なサードパーティレンズメーカー」から「優秀なレンズを作ってくれるレンズメーカー」に変わってしまいまして、それ以来、一目置くようになっているんですね。
……で、マクロレンズと言えば、タムロンの銘玉「SP AF90mm F/2.8 Di MACRO1:1」が定番となっております。シルクタッチのフォーカスリングでMF時も快適。そして解像力も申し分なし。それが、36,800円でゲットできるのだからコスト的にもグッドである。しかし、直前までタムロンマクロで進めていて、一旦は発注してしまったのですが、どういう訳かSIGMAのレンズが気になって、キャンセルして発注しなおしたというものだ。SIGMAの70mmマクロが、42,500円なので決して安くはないのだが、どうしてもカリカリシャープのカミソリマクロを手に入れたくて注文してしまったという経緯がございます。
これがシグマの70mmマクロのセットだ。シグマらしい作りです
……ということで、SIGMAの70mmマクロがやってきたんですね。SIGMAらしいブラックの箱にポーチとフード付きで入っておりました。ポーチは超広角ズームの10-20mmにも付いていたもので非常にシッカリした作りになっております。ただ、レンズがこちらの方が長いのでポーチも長めになっております。
レンズキャップとリアキャップは、これまた10-20mm同様にシグマ仕様のキャップになっております。非常に脱着しにくいキャップということは、以前の記事でも書いた通りだが、商品撮影などのブツ撮りで使うくらいなので、レンズそのものは頻繁に交換しないために、プチカスタマイズはやめて純正キャップを使うことにした。
また、レンズフードも付いている。
左が70mmマクロの丸型フード(金属製)。右が10-20mmの花形フード(プラ製)
70mmという中望遠の焦点距離なので、そこそこの深さがある金属製で丸型のねじ込み式フードだ。10-20mmズームのような花形フードではないが、ねじ込み式ということで、脱着が非常に面倒くさい。しかし、レンズそのものは一度付けたら撮影終了まで付けっぱなしなので、気になることはあまりない。
では、レンズそのものをチェックしてみよう。同じSIGMAレンズということで10-20mmズームに比較対照となってもらった。
左が70mmマクロで、右が10-20mmズーム。いずれもずんぐりむっくり
……ということで、後玉側はFマウントということで同径なのだが、最大径と全長を比較してみるとこうなる。
- 70mmマクロ ………… 76.0×95.0(最大径(φmm)×全長(mm))
- 10-20mmズーム …… 83.5×81.0(最大径(φmm)×全長(mm))
……ということで、最大径ということでは10-20mmズームが大きい。形状としては、10-20mmズームは後玉から前玉に向けて広がるラッパ型に対し、70mmマクロはレンズ中央部分で広がった後、前玉側に向けてすぼんでいく樽型だ。その為、フィルタ径は10-20mmズームは77mmの大口径なのだが、70mmマクロは62mmと小さめで済んでいる。全長では70mmマクロの方が長い。その為、持った感じでは70mmマクロの方が大きく感じる。
レンズボディにはゴム塗装というか、マット肌になっていて滑りにくい
レンズボディの質感は10-20mmズームで使われているようなマット状になっている。薄いゴムが塗られているという感じなので滑りにくい。高級感もあって個人的に好きな外装である。
あと、このレンズで気になるのがコレ。
所有レンズの中では、このレンズだけに付いているフォーカスリミッター
レンズ側面にある「LIMIT-FULL」の切り替えができるフォーカスリミッター。「AF-MF」のスイッチでもなし、VRのON-OFFスイッチでもない。これは、AFでピンと合わせをする時に、フォーカスリングを一旦無限遠にしてから再度調整をする為に、フォーカスリングの動く範囲の大きいものには付いているものらしい。確かに、近距離で撮影するのに、その都度わざわざ無限遠まで戻っていたら時間が勿体ない。一応、取扱説明書には、
フォーカスリミッター
このレンズは撮影距離範囲を制限できるフォーカスリミッターを備えています。LIMITにセットすると、切換え時の距離目盛の位置によって、近距離側(0.257~0.48m)、もしくは遠距離側(0.55m~∞)に切換わります。通常はFULLにセットしてください。
ということなので、レンズのボディにも、
「0.257-0.48m」と「0.55m-∞」でリミッターがかけれられている
……ということで、「0.257-0.48m」と「0.55m-∞」で区切られるようだ。このLIMITの所でフォーカスを止めてみると、こんな感じです。
撮影倍率で言っていくと1:5で区切られるようだ
撮影倍率(マクロ倍率)が1:5を境界に区切られているようです。
ここでお気づきの通り、レンズ鏡筒に撮影倍率がプリントされています。
こいつは高倍率ズームレンズか、と思わせるくらい鏡筒が伸びます
……とまあ、近距離側から遠距離側までフォーカスを動かしていくと、鏡筒がかなり伸びることが分かると思います。AFで近距離撮影ばっかの時はフォーカスリミッターをかけておいたほうがいいかもしれませんね。確かにAFで撮っていると、無限遠まで行っているのがもどかしく感じます。まあ、マクロ撮影はMFだという人は問題にならないかもしれませんが、タムロンのシルクタッチにはかなわないと思います。
……で気になる、AF時の動作なんですが、
ご覧の通り、マウントに古いレンズにありがちな「アレ」が付いています
……というように、マウント部にボディ内モーターからの動力伝達部があるので、レンズ内モーターではありません。言うまでもなく、超音波駆動モーターではないってことですね。正直、AF時の音はガーっとやかましいくて、ネイチャーの人は被写体が逃げちゃうかもしれませんが、ブツ撮りばっかの僕としては問題ありません。むしろ、画質重視ですからね。それでも、できれば今のご時世ですからHSMが欲しかったな~。まあ、それを取ったから安価に仕上がったのかもしれませんが……。
あと、レンズの絞りも見てみましょうね。
左が開放側のF2.8。右が最小絞りのF22の状態
……ということで、さすがにF1.4のような「殆ど全部レンズ」ってわけにはいきませんが、それでもF2.8ですからね。明るいですよ。
あと、D80に装着した状態も紹介しておきたいと思います。
これがフードなしの状態
……で、こっちがフードを付けた状態
という感じです。結構長く感じます。若干、重量もありますが、慣れればどうってことありません。まあ、三脚固定ですからね。手持ちで撮ることはあまりありません。
焦点距離が70mmと中途半端なようですが、各社出しているマクロレンズは105mmっていうのが多いですよね。35mmフィルムで105mmが一番使いやすいようです。それで、70mmの焦点距離はAPS-Cで使えば35mm換算で105mmなので、APS-Cサイズデジカメで言えば、マクロでは標準的な焦点距離なのかもしれませんね。実際に使ってみたところ、ワーキングディスタンスも取れて使い勝手のいい焦点距離でした。
では、次回は脱線しなければ実写レポートと行ってみましょう。どれほどカミソリマクロなのか?そして、SLDガラスを3枚使った性能をうまくレポートできたらと思います。
ではでは。
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コメント
結構威圧感がある外観なんですね。
70mmでF2.8な単焦点・・・ということから60Micro程度の感じを想像していました。
実写レポ、楽しみにしています!!
投稿: flipper | 2007年9月10日 (月) 00時29分
flipperさん、コメントありがとうございます。
いやはや、僕としても、もうちょっとスリムかなと思ったんですけどずんぐりむっくりのドッシリした風格に圧倒されました。タムロン90mmマクロに対する憧れが直前にまであったので驚きましたが、これはこれで「大砲」のようで好きです。
ポートレートにも使えるということで、今のところポートレート専用はニッコールの50mm F1.4ですが、これでも挑戦してみたいと思います。解像感はスグレモノらしいですよ!
投稿: フォトグラファー猿 | 2007年9月10日 (月) 13時05分
トラバありがとうございましたっ。
タムロンの272E(90mm)を所有している私としては、ヒジョーに
興味津々です!
意外とデカイですね。というか、「何で?」と言うくらいデカイ。
AFマクロにとっては、フォーカスリミットは必須ですね。じゃないと
全然関係無い所を行ったり来たりしますからw窒息しそうになります。
70mmっていうのが、どれくらいの画角なのか期待です。
タムロンの272Eは結構望遠マクロ感が強いので、DXでは思った
ような画角が取れなかったり、被写体~レンズ間に邪魔なもの
が写り込んだりと、多少の使いづらさを感じます。
(実写レポ楽しみにしてますよ)
あと、シグマのあの塗装、私も大好きですよ。ニッコールのそれより
好きだったりするw
投稿: ak719 | 2007年9月13日 (木) 14時31分
そ、それはそうと、おとなりの10-20ズーム。
逆に私はこちらを、現在ロックオン中です。色々対抗馬も
探しているのですが、いまいちピントが合いませんw
フォトグラファーさんが、この10-20を購入なさった際の
対抗馬など教えていただけませんか?(単焦点も含めて)
投稿: ak719 | 2007年9月13日 (木) 14時35分
ak719さん、コメントありがとです。
いやホント、タムロン90mmマクロを知っていると「何でこんなにズン胴なんだ?」って思うくらい太いです。HSM搭載じゃないのに……。まあ、こういうデカイレンズが好きなのでいいんですけど。
70mmマクロですか……。そうですね。他の焦点域のマクロレンズは使ったことがないのですが、C社時代にズームレンズの「なんちゃってマクロ」でブツ撮りしていた頃の焦点域と似ている為に個人的にはブツ撮りには使いやすいです。ワーキングディスタンスが取れすぎてもアレですからね。虫とかを取る分にはいいんでしょうけど。
10-20mmズームは70mmマクロよりオススメです。ロックオンしてそのまま撃ち抜いてくださいwww。
対抗馬は「ありません」
少しでも広角が撮りたかった僕としては、ズームレンズで10mmの焦点域を手に入れられて、しかも適当なお値段とあったら無条件で購入です。コレしかありませんもん。更に、横のオススメブックでも紹介している赤本でも、超広角ズームではシグマは好評価ですからね。1mmの焦点域の違いで広角端は大変わりですので、是非是非!
投稿: フォトグラファー猿 | 2007年9月14日 (金) 23時10分
フォトグラファーさん。「10-20対抗馬無し」の言葉に、ウルウルしてますw
弾数が少ないので、上手に打ち落としたいと思いますwww
正直、現在手持ちのシグマ30mm、ニッコール55-200mm、タムロン90mmマクロに、この10-20mmが加われば、とりあえずはワイド~テレまで一通りできるんで、第一次機材構成の完成と考えています。(少々安物も混ざっていますが、やっと銀塩の頃のラインナップに追いつきます)
「デカイレンズが好き」
分かりますよー!私もシグマの30mmF1.4買ったときは、D70sとのアンバランスさに萌えましたw
マクロから脱線してしまい、申し訳ありませんです(アセ
投稿: ak719 | 2007年9月15日 (土) 11時30分
ak719さん、コメントありがとうございました。
広角に弱いというデジイチの世界で、この10mmの焦点域を使えるのは非常に強いです。しかも、値段も56000円程度ということで、まあいいかなっていう感じです。実際、この「ズーム」を購入しても10mmくらいでしか使っていませんwww。
ニッコールもできればVR 18-200mmを!そうすれば、10-200mmまで抜けナシです。個人的に20mm台の焦点域を多用しているので……。
……で、マクロ談義はどこいった?
ヘタなりに実写レポしておきました。
投稿: フォトグラファー猿 | 2007年9月15日 (土) 19時09分