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D300で雨晴海岸から富山湾の風景を撮る!

 お猿@おはようございます。

 突然ですが、昨日、天気予報をチェックしていたところ昨日の夜から今日の午後にかけて富山には珍しく「晴天」とのことでしたので、うっかり早朝から撮影に出かけてしまいました。

 今までも、富山県のフォトジェニックを愛機D300で撮ってきたわけですが、富山県の顔とも言える立山連峰を真面目に撮っていなかった!しかも、富山県の観光パンフなどでは定番の雨晴海岸から富山湾越しに眺めた立山連峰を撮っていない。なんでも、海越しに3000m級の山々を眺めることのできるスポットは世界でも富山県氷見市だけだという超・レアっぷり!(氷見市の観光ガイド参照)

 しかも、そんなレアな場所がお猿の自宅から30分もあればお釣りが来る所にあるってんだから、富山県民バンザイだ。そんなわけで、日の出が6:23くらいだったので、余裕を見て4:00起床、4:30出発した。超眠かった。案の定、30分もかからずに現地に到着してしまい、日の出まで1時間以上も海岸で待つことになった。

 5:00と言っても、まだ真っ暗。しかし、雨晴海岸観光駐車場には既に数台の乗用車が停まっている。そして、トランクを開けてはカメラの機材のセッティングをやっている人もある。中には東京方面のナンバーがあるのにも驚いた。やっぱり、写真愛好家が集まるところは富山だぜ!でも、僕が海岸に行った時には、まだ2人しかいなかった。やっぱり、早すぎたか……。あと30分寝ておけば良かったな……と思いつつ、30分後に来てみたら三脚だらけだったということになったら後のカーニバルなので、海岸の岩場で海風に凍えながら1時間以上耐え続ける“苦行”をすることになった。

 ちなみに、今回のメイン機材は、五箇山同様、

 ……となっている、他にもリモコンやら水準器、フィルタも持ってきている。レンズは高倍率ズームだけど、D80時代と違ってD300の倍率色収差補正の秀逸さは過去の記事で書いたとおりで実証されている。既に、便利レンズに留まらず描写も優れた「できるレンズ」だ。以前に「レンズキットは買うべきではない」と書いたが、D300のこのレンズキットだけは買いだと思った。

 さて、待つこと1時間。6:00ちょっと前くらいになると、海の向こうの雲の切れ目がオレンジ色に染まってくる。

2002291

 ……でも、まだまだ暗い。しかも、雲が多めという事に、やや萎え~。

 それはそうと、改めてイカ釣り漁船の照明の明るさに驚く。沖合いに居ても、十分に明るい。これから、日の出10分前くらいになるとこんな感じ。

2002292

 雲の動きも激しく、どんどん空模様が変わっていく。

 This is Toyama!(これが富山だ!)

 ちょっと曇っていたからといって、10分後にどうなるか分からない天気予報士泣かせなのが富山県である。曇っているとアキラメていると急に晴れたり、逆に晴れているぞと出かけると、どんどん曇ってきてどしゃ降りになっていたりする。今まで何度“アウェーな気分”を味わったであろうか。

 ただ、曇っていてもそれはそれ。雲もまた味があっていいじゃないか。そうこうしているうちに太陽が雲の切れ目から顔を覗かせた。薄っすらではあるが、太陽の下に立山連峰が連なっているのが分かるだろうか?雲が少なければもうちょっとハッキリしたんだろうが……。

2002293_2

 WB(ホワイトバランス)は“太陽光”。ピクチャーコントロールはお猿大好きな“ビビッド”だ。ちょっと色がキツイかも知れないが、これはこれで楽しめる。比較的、見た目に近いWBは“AUTO”か“太陽光”だ。正直、風景写真に於いてはAUTOは素直すぎて好きになれない。やっぱり、五箇山でもそうだったが、お猿的には“太陽光”だろう。

 しかし、WBをちょっといじると色々な写真が撮れて面白い。

2002294

 縦位置で撮ったのだが、夕日ではない、朝日だ。WBを“曇天”にすると、こうなるのだ。全体的に赤系になるので、先ほどの“太陽光”で雲の厚い部分が青っぽかったのが赤く染まっている。これはこれで非常に良い。引き潮気味で海面に小さな岩がチョコチョコでていいて見る人が見ると「うるさい」と言われそうだが、これはこれでリズムがあって僕は好きだ。波があまり無かったので、海面に味付けをしてくれる。(海面の味は塩味だなんて言っちゃダメだよっ!)

 しかし、太陽が出たと言っても雲の間のスリットのような切れ目から見える程度だったので、すぐに雲に隠れてしまった。そうするとこうなります。

2002295

 切れ目の上の雲に隠れているので、下方向に放射状に広がっている。しかも、この時期の太陽が昇る位置は、雨晴海岸からだと丁度、シンボルでもある「女岩」の後ろなのでスポットライトが当たっているようで実に面白い。

 また、横位置で撮影すると雲だらけで面白くないが、目を上にやると青空が見えている。そこで縦位置に変更してWBは“太陽光”に設定。そうすると雲の中でも青と赤のグラデーションがあって美しい。雲は女岩を中心に右上に伸びている様でもあるし、海面の光も女岩を中心に右下に伸びているので構図的にも面白いと思った。

 ちなみにこれのWBを“曇天”に変更するとこうなる。

2002296

 全体的に色相がオレンジ系に揃う。“太陽光”では雲の厚い部分が青だったのが、ニュートラルグレーに近い色になっている。こういうのも狙ってもいいかもしれないが、ちょっとフツーで面白くない。まあ、優等生的な写真でしょうな。

 ということで優等生を紹介したので、次はチョイ悪な不良クンを紹介しましょう。ちょっと乱暴なWBで“蛍光灯”で設定してみた。

2002297

 一体何事か!?と思う写真になる。ありえない写真なのだが、これはこれで実に面白いと思った……っていうか実に気に入った。「写真」的にはやっちゃいけないのだろうが「光画」的にはやってもいいと思う。このWBの面白さを知ってしまったので、今後、ガンガンやっていこうと思う。

 さて、空の模様が面白くなってきたところで一気に広角に広げていきます。

2002298

 自然とシンボルである「女岩」に目線が行く雲模様&海模様ではないだろうか?太陽光線の放射っぷりが更に女岩を引き立てているように思う。

 では、ここで女岩をアップしてみましょう。WBは“曇天”。

2002299

 いやぁ~、オレンジ一色なれど実にキレイだ。立山連峰が殆ど認識できないくらいになってしまっているが、女岩のシルエットが映えて良いと思う。

 これの縦位置をWBを“晴天”で撮ると、

20022910

 いや、これもまた良い。放射状の太陽光線はオレンジだけど、雲は青っぽさが残る。ちょっと、女岩が中心に来すぎたようなので上か下に寄せても良かったと思う。海を切るべきだったか……。

 開き直って、チョイ悪WB“蛍光灯”で同構図だ!

20022911

 キャーッ!ステキだ。何だこの禁断の雨晴海岸は!こういうWBの変更がチョコチョコできるのがデジカメの凄いところだと思う。こういうのはガンガン試していきたいと思う。

 あと、D300の目玉機能であるアクティブD-ライティングは「強め」で撮っている。実は、露出も-0.3EV位で撮っているのもあるが、スポットで雲の明るめの所で測光。更にアクティブD-ライティングの恩恵で白トビがかなり回避されている。元々、岩はシルエットで階調を付けようなんて思ってもいないのでシャドーは起こそうともしていないが、それでも、アクティブD-ライティングはこういう場面で非常に心強い。

 まあ、海面から水蒸気がユラユラと上がる「気嵐」というレアな現象が見られるかと思ってきたが気温が高いようで見えなかったのは残念。海水の水温が高く、空気の温度がマイナス4度以下くらいになると出るそうだが、2月後半だしね。ちょっと期待できなかったか。でもまあ、初挑戦でこれだけ撮れればいいか。なんてったって、自宅から30分だ。これからいくらでも撮れるさ。

 さて、5:00からスタンバイして7:00くらいまでの2時間をずっと海辺で過ごしてしまった。身体はかなり寒い。車の中で暖まって帰ろうと思ったが、氷見と言えば、新鮮(富山弁では“キトキト”と言う)な海の幸。中でも氷見の魚は全国的に有名だ。特に冬の「寒ブリ」は無敵の美味さを誇る。富山に来るまでは「刺身は、本マグロだな!」と思っていたのが、マグロが霞んでくる。それほど、氷見のブリは美味い。これは、天然の生簀と言われる富山湾の恩恵。身も引き締まって味もよし!刺身食べるなら氷見のブリは間違いないと思う。

 ……そういうワケで、ちょっと遅いが氷見漁協の魚市場にも顔を出してきた。

20022912

 既に漁船は戻ってきて、セリも殆どが終わっているようだった。事務所に行って撮影させてくれと言うと、ノートに名前と入場時刻を書かされた。そして、「取材」と書かれたプレートのついた帽子を借りて、いざ市場へ!初市場だ。今日は、様子見ということで、いずれは活気ある日本一の氷見の「ブリのセリ」を撮りたい。

 事務所のオバチャンに「言っておくが、邪魔だけはするでないぞ」という趣旨のことを言われて、半分震え上がって入っていく。床は水浸しで長靴じゃないときついが、フツーの靴で入っていった。ズブ濡れにならないか心配だった。セリも殆ど終了のようだったが、威勢の良い声が聞こえる。行ってみると……、

20022913

 ……ってな感じで、近寄り難い。中心のオッチャンが「○×△□……」とあの声で何やら早口で言っている。それに対して買い手が手を挙げたり何かしている。「あの隙間から撮りたい!」と思ったものの、小心者のお猿は外から眺めるのが精一杯。いずれ、魚市場フォトグラファーになったる!

 仕方がないので、競り落とされたとおぼしき、ブリ(だよね?)を、ご覧ください。

20022914

 落札者が「何やっとんねん!」と言って来ないかヒヤヒヤしながら撮ったのでアレですが、やっぱり新鮮なのが良いですね。如何にも身が引き締まっていそうです。

 さて、今度は早朝6:00からのブリのセリを撮ろうと決意をしつつ、氷見から職場に戻りました……が、段々と立山上空の雲が晴れてきた。でも、夕方くらいからは、また雨になりそうだということなので、「立山連峰撮るなら、今しかない!」ということで、あくまで仕事扱いで撮りに行きました。

 それにしても、「あ、今日の立山綺麗だな」と思って、30分で雨晴海岸に到着できるとは素晴らしい。

 案の定、雨晴から立山連峰は美しく見えました。

20022915

 う~ん、女岩といい感じに収まっていますね。もうちょっと、波があるといいんですが、と言っていると……、

20022916

 どっぱぁ~ん!と目の前で波がはじける!実はもっと大きな波しぶきも何枚か捕らえているのですが、女岩が見えなくなっていたので絵にならず。一番いいのがコレでした。

 もうちょっと風情のあるのが縦位置で撮ったコレ。

20022917

 砂浜部分は貝の死骸やら、ちょっとしたゴミやらで綺麗じゃないので、そこそこの所で切り取りました。ちょっと引いて撮ると、右にある“義経岩”が入っていいですね。まあ、ここには神社があるので、ちょっとキモいんですけど。鳥居が入らないように撮りました。波もいい感じです。

 更に引くと、海の中へ伸びていく防波堤が1本ありまして、そこから撮ると女岩の右に男岩があります。ちょうど、この辺に東京から来ていた奥様がいらっしゃいまして某C社の初代IXYとやらで撮っていた。僕の方をチラチラ見ながら撮影しているが、ついに声をかけてきた。どうも、立山がクッキリと写らないらしい。確かに、ちょっとガスがあって霞んでいるが、C-PLフィルタでちょっとは濃くなる。それでも中々に綺麗に撮れていました。おばちゃん、頑張ってね!

20022918

 どうです?いい感じでしょ?これを見た上司が「岩の世界でも女は男より強いな」だそうです。う~ん、女岩の方が大きいし、松も生えていてカッコイイ。雨晴の岩の世界は「カカア天下」のようです。そんな、強い女岩をクローズアップすると……、

20022919

 ……ってな感じです。これが、海の向こうに3000m級の山々が見られる世界唯一の景色です!一応、濃度を出すためにC-PLフィルタ&ピクチャーコントロール“ビビッド”で撮っています。

 帰りには、雨晴トンネルの手前からこんな風景も撮れます。

20022920

 手前にJR氷見線が走っている。これもまた海岸線をなぞるように走っているので風情がある。また、電車の車体に忍者ハットリくん関連の絵が描かれているのも面白い。それにしても、富山湾がエメラルドグリーンっぽいのが気味悪い。極寒の富山のはずなのに、まるで沖縄だ。

 それにしても、富山の冬とは思えない景色ですね。やっぱり、2月も29日という4年に1度の多めの日ともなると違うんでしょうか?まるで春の景色です。まさしく、海の向こうの立山連峰ですね。いやはや、素晴らしい。

 東京の奥様とは違って、いつでも来れるので、またチャレンジしたいと思います。富山ってやっぱり素晴らしい!

 それにしても、気になったのがカメラマンの数。やっぱり来ていますね。そして、圧倒的にニコン党が多い!それも、D200ユーザーが多いですね。やっぱり、優秀なカメラなんですね。でも、オイラは華のD300だい!あの三星カメラでも174,000円だった。ちょっと前まで、「18万円切るか!」なんつってギャーギャー言っていたのに、既に17万円前半です。一体、どうなっちゃうんでしょうか?個人的にはあまり安くなり過ぎるのも……という気がしますが。

 ではでは。

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コメント

立山連峰をバックにした写真の数々とても素敵です。
女岩をアップにした写真はその中ですも秀逸ですね。
神が降りてくるかと言う勢いです。
一度行ってみたくなりました。

投稿: べあまんさん | 2008年3月 1日 (土) 23時58分

WBで遊ぶのは私も結構好きです^^
どちらかというと、後処理でNX(以前はNC4)を使ってなのですけど。
3000m級の北アルプス(ですよね?)はスゴイですねぇ・・・
北アルプスは反対側で、長野/白馬には大学時代に毎年1ヶ月近く冬篭りをしていました。
それと氷見の寒ブリ、超旨いっス。刺身にしたり照り焼きにしたりと、大活躍ですw
それにしても・・・寒い中、未明からお疲れ様でした。

投稿: flipper | 2008年3月 2日 (日) 22時25分

○べあまんさん、コメントありがとうございます!

 いやぁ〜、人生の半分が富山住まいになるまで、あと数年ですが、そうなってもなお晴天で空気が澄んだ時に目前に迫る立山連峰は感動します。飽きません。県内の平野部ならどこからでも見られるくらいですからね。風景写真を撮るに困らないロケーションです。
 女岩があるから、一層、海の上の立山連峰も引き立ちます。
 女岩に神は降りてきませんが、海鳥は降りてきていました。

 是非、来てください!そして、魚も食べて行ってくださいね!


○flipperさん、コメントありがとうございます。

 WBで遊んで、実際と違う色味だっていいじゃん、と思えるようになってきました。これが簡単にできる「道具」がデジカメだと思うので、最近ではフィルムカメラと比較するのはどうかとも思えてきました。
 富山にはご縁があるんですね。また、是非とも遊びに来てくださいね!

 ではでは。

投稿: フォトグラファー猿 | 2008年3月 4日 (火) 12時00分

3/1に行ったんですがあいにくの天気で・・・
やはりこういうの見てると再チャレンジしたくなりますよ~

投稿: yasupi | 2008年3月 4日 (火) 22時17分

猿さま。こむヴぁむは。


三丁目の夕日朝日は美しいですね。
雲の表情もグッドですd(^o^)b

雨晴海岸、行ったことあります。
でも、今だと、片道6時間ぐらいかかりそう(>。<)

投稿: チャーリー432 | 2008年3月 4日 (火) 23時22分

○yasupiさん、コメントありがとうございます!

 あちゃ~、それは残念でしたね!
 3/1は僕も撮影していました。石畑池にて白鳥の撮影です。まあ、何と言いましょうか、実に寒かったです。

 是非とも再チャレンジしてください!その際は、天気予報はあまりアテにせずに!


○チャーリー432さん、コメントありがとうございます!

 最初の1行を打つのに苦労しておられるのを感じます。

 朝日、良いですよ。実はどっかのサイトの壁紙集でも使っていただいています。雲は雲で味があるので良いですよね。フォトジェニックです!

 雨晴海岸行かれましたか!もしかして、何かの映像に使われていたりしません?どっかで雨晴海岸の朝日の動画を見たような気がするんですが、あれはもしかして……!

 今となっては片道6時間!今度、PIEの時にそっちに行きます!是非、語り合いましょう!

投稿: フォトグラファー猿 | 2008年3月 4日 (火) 23時39分

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