D300のISO3200でホタルイカ漁を撮る!(in 新湊)
お猿@おはようございます。
PIE2008レポートをや4回連続でやってきたわけですが、そろそろ富山の空気が恋しくなってきましたので、富山ネタに戻りたいと思います。
今回は、PIE2008レポートの第3回で告知しましたように、富山県の春の風物詩「ホタルイカ漁」を撮りに行ってきましたので、その結果レポートです。
富山県のホタルイカと言えば滑川市が有名なところですが、実は滑川でのホタルイカ漁観光は「ほたるいか海上観光」のページをご覧いただければお分かりの通り、4月に入らないと始まらないのです。「あ~ら残念っ!」と思いきや、実はお猿のホームタウンである射水市の新湊では一足先に3月からスタートしてくれているのです!そこで、「新湊観光船」のページにあるように「要予約」とのことですので、予約を入れてやってきました!
ただ、この予約というのがクセモノで、新湊のホタルイカ観光船は、3月20日~5月6日までとなっている(月曜日定休)が、ある程度の希望者がない場合は赤字経営になってしまうので、毎日運航しているわけではない。実際のところ、今回が今シーズン2度目の運航とのこと。電話予約では「そうですね~。あと5名ほど集まれば28日に出しますけど~」という感じ。それなので、まず確実に運航する日を聞いて、それ以前にも希望できる日を言っておけば、定数に達し次第連絡を貰うことも可能だ。そういう意味で、団体客は強い。あと、時化(しけ)の時は船を出せないので、中止の場合は前日の19時までに連絡を貰うことになる。
さて、夜中の2時に目を覚まし、3時に海王丸パーク横の駐車場にある「株式会社 新湊観光船」という事務所にやってきた。周囲は真っ暗でここだけ明々と電気が点いているのですぐに分かる。それにしても2時と言えば高校生の頃、受験勉強をやって就寝した時間だ。これが起床時間になるとは、改めて漁師さんを尊敬する。朝型人間が良いらしいが、朝過ぎると思う……。それにしても、チョー眠い。
まあ、何といいましょうか。今まで色々と撮影に行きましたが、自宅から新湊まで15分ほどで行けるし、世界遺産の合掌集落だって30分で行ける。景勝地の雨晴海岸だって20分ほどで行けるので、すごいぞ射水市だ!
事務所に入ると先客がテレビで「チャングムの誓い」を見ていた。ここでは、予約の名前と確認して料金を払う。大人なら3000円で、子供は2000円だ。更に、お土産のボイルしたホタルイカとホタルイカ携帯ストラップのセットを希望すれば2000円上乗せとなる。その後、貸与された長靴に履き替えて、観光船の方からの説明を聞く。
説明の大半が、「滑川 vs 新湊」だ。「よく、お電話で滑川との違いを聞かれるのでいいますと……」と、滑川と競うわけではないのだけど……と遠慮がちに言っているが、明らかに滑川のホタルイカ観光を意識している。
聞いた情報では、
- 新湊がホタルイカ観光をやりだして今年で3年目。新参者なので古くからやっている滑川より知名度が低い。
- それでも、観光のスタート時期は新湊の方が早い。
- ホタルイカ漁の規模としては滑川も新湊も変わらない。
- 富山湾には定置網が80ほどあるが、新湊はそのうち16である。
- 新湊のホタルイカ用の定置網は農林水産省の許可を得て1年中設置してある。その為、食べようと思えば正月から小さなホタルイカを食べられる。反面、滑川は県知事の許可を得ているので、3月の解禁になってから定置網を設置する。従って、3月からでないと食べられない。
- 定置網には、それぞれに名前がついていて、今回はその中の「くろやま」という網に行くそうだ。
まあ、こんなところだろうか。ちなみに、今回は北海道から京都までの方が来られているそうだ。朝も早くからご苦労様。説明を聞いている間に、その方の携帯に漁師さんから連絡が入る。どうも、「ぼちぼち、観光客連れて来やがれ」という趣旨の連絡みたいだ。
外に出ると、同乗すると思われるテレビ局のリポーターなどのパーティが5名ほど収録していた。
テレビ収録で「3時」を強調するリポーターのオネエチャン
「皆さん!今、なんと朝の3時ですっ!」とテンションアゲ♂アゲ♂のリポーターのオネエチャン。やっぱり、プロのリポーターは眠気も隠す!それにしても、黄色い服が目立ってます!それと、玄関の上にある時計に注目!3:15に出発や!
暫く、海王丸側に歩くと、ホタルイカ観光に使用する「万葉丸」が停泊していた。滑川よりも小型(……というか平べったい)だが、その分、海面に近いのでよく見えるかも……。
実に平べったい小型の観光船で定置網の場所まで移動する
船に乗ると、救命胴衣を着せられる。ちなみに船内はこんな感じだ。
ちなみにお猿は、前日と前々日の夜に渡ってテレビ放映されていた「タイタニック」を観ている。寒い夜、救命胴衣を着ている。実に複雑な心境だ。ただ、ジャックと違うところは、ローズに該当する人物が横にいないことであろうか?それと、ジャックは画家の卵だが、こっちはフォトグラファーだ。あ、そうそう。それから観光船に1等船室がないことと、タイタニックはイギリスを出てアメリカに向かったが、万葉丸は新湊を出て新湊に戻ってくることが大きな違いです。いや、まあ、何といいましょうか。沈まないでくださいね。
北朝鮮へ連行されているところじゃありません。救命胴衣をつけて漁場へ
いやぁ~、全く色気ありませんね。まるでギロチンにかけられるために船に乗せられた罪人のようだ。それにしても、小型船なので、よく揺れる。外を見ても真っ暗で岸の明かり以外、何も見えない。
20分ほどすると、2キロ沖にある定置網に到着。おぉ~!漁船が定置網を引き上げています!
窓から遠くにある漁船を見つけると、観光客も騒ぎ出す
ワンダフル!ファンタスティック!富山に来て色々と見てきましたが、富山湾に出て漁を見ることはなかった。これぞ、富山湾の漁やでっ!
いやぁ~、何だか熱いものがこみ上げてきましたよ。
……何だろう、この熱いものは?
胃液ですね。
お猿、ピ~ンチ!
お猿は、山育ちですので……。昨年、香港に行ったときに船に乗って以来乗っていませんでした。ものの見事に船酔いしましたね。
今回の撮影で、真っ暗な中で如何にして撮影するかということで、ずっと対策を考えていたのですが、こっちの対策は立てていませんでした。お猿すっかりミステイクだよっ!周囲には談笑するカップルもいるかと思えば、顔面蒼白な少年もいた。
あ、ヨイヨイ♪
「あ、酔い酔い♪」なんてテンションどころか胃液までアゲ♂アゲ♂で困り果てていたのですが、船の後方から甲板に出たら少し収まった。
胃液!ハウスっ!
どうやら、元の位置に戻って行ったようです。なかなか、良い子です。いやぁ〜、久々に味わいましたよ、この甘酸っぱいテイスト!こんなお猿の様子を観光船のおっちゃんがニコニコしながら見ている。近くには船の柵にしがみついてゼェゼェ言っているおっちゃんもいた。気持ち分かるぜよ!
さて、そう言っている間に観光船はどんどん漁船に近づいていきます。
漁は、2隻の漁船で網を挟み、間隔を狭めながら引き上げていくのですが、漁師さんが沢山乗っているのは片方の船のみ。観光船は、漁師さんがあまり乗っていない方の漁船に横付けされて、観光客は海賊のように漁船に乗り移る。漁船の上は結構広い。そうは言っても、クレーンがあったりして危険なので、好き放題に歩けない。
海面に映った照明が美しい。一列になって網を引き寄せる漁師さんも美しい!
この辺から、船は揺れるし、手持ちで撮影な上に、手持ち撮影なので高感度撮影モードに突入!やりたくないけど、愛機のNikon D300で禁断のISO3200撮影にチャレンジしてみることになった!ISO3200は初めて。今までISO1600が限度だった。それだけにどこまで行けるか?
ちなみにレンズはツベコベ言わずに持てる明るいレンズを……と思って「Ai AF Nikkor 50mm F1.4D」と思ったが、単焦点なのは結構なのだが、なんせ海上の話。狭い船の上で大勢の人が見ているわけだからフットワークは決して良くない。それなので、やっぱりここは高倍率ズームでオールラウンドに頑張ろうと常用の悪魔のレンズ「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
」に御登場いただいた。開放F値は決して明るくないが、天下のVRの恩恵に預かりたい。VRはON。そして、ACTIVEモードでトライだ!
ちなみに、小雨が降っていたが、D300と悪魔のレンズの防滴でムキ出しで撮っていても大丈夫だった。
音もなく、漁船同士が近づいていく。たまに漁師さんの掛け声も聞こえてくる
だいぶ、漁師さんの様子もハッキリしてきた。Webではちょっと分かりにくいかもしれないが、撮影段階以上にトーンカーブをちょっといじっただけで輝度ノイズがハッキリしてくる。RAWでも撮影時に露出もピッタシ決めておかねばなるまい。
そうやって、色々と悩んでいるうちに次なる敵が現れた。
グルメなカモメなどの海鳥が上空をワサワサと飛び交う。糞の被害に遭わないか心配
カモメ、キターーーッッ!!
スゴイ勢いでカモメがやってくる。網の中にいるホタルイカなどを高速でかすめ獲っていく。まるで、人間とカモメのバトルだ。ストロボ焚いたら、カモメばっか光るのでオススメできない。ただでさえ暗い中の撮影で難しいと言うのに、カモメを避けて撮る……難しい!
そうしている間に、漁船の間隔はかなり狭くなっている。網の中が生簀のようになってきて、大量のホタルイカが船上からでも見えるが、周囲が明るいからかあまり発光しているのは見えない。
引き上げる網もあとわずか。手前に深海魚みたいな魚がバタついている
間隔2メートルくらいまでに狭まってきた。ウィンチを操作する漁師さんをはじめ全体の半数くらいが若い兄ちゃんだったりする。しかも、そこそこにお猿の嫌いなイケメンだ。だるそうにやっているかと思えば、笑顔で嬉々として年配の漁師さんと仕事をしている。後継者不足と言われる漁業だが、ここを見た限りでは、未来は明るい。
かなり漁船同士が接近する。ホタルイカもワサワサいるのが分かるだろうか?
カモメが咥えているホタルイカが青色LEDっぽく光るので、観光客から歓声が上がる。そんなカモメも撮りたかったが、3D-トラッキングを使おうにも、こんなに暗くては無力……。ここは、D3の更なる超高感度ならイケるのではなかろうか?
この辺では、Aモードでアンダー目に撮った情報を元に、Mモードに切り替えシャッタースピードを微妙に調節しながら、AEに惑わされないようにして撮影。こういう場合は、この方がうまくいく。
船がある程度まで狭まると、観光のために少しだけ照明が消される。すると……、
照明を消すと青く光るホタルイカを見ることができる
おおー!タモに入ったホタルイカが興奮して発光している。本当に微妙に光るのでカメラで捕らえるのが非常に難しい。しかも、お猿は結構望遠で撮ってしまっているので勿体ないことをしている。いやぁ、近くで撮りたかったな。
つかの間のホタルイカショーが終わると、照明が点けられ、巨大なタモを小型クレーンで操作して、網からホタルイカを掬い上げる。
巨大なタモはクレーンで持ち上げていた
タモの網の目からぶら下がっているのは、ホタルイカ。かなりグッタリしています。
巨大なタモの底には、ホタルイカがギッシリ♪
よ~っく見ると、タモの左上に青い点が見えます。
タモの下の部分に青い点がいくつも見えるのが分かるだろうか?
こっちは、タモの下にもいくつか見えますね。これ、カラーノイズじゃないです。ホタルイカの発光の青色です。
まあ、これがISO3200で撮った状態ですね。この感度で撮る時は、撮影時に露出は確定させておくべきですね。あとで、トーンカーブをいじるととんでもなくノイズが入りますからやめた方がいいと思います。ちなみに今回はWBを晴天で撮っています。白熱灯の雰囲気が伝わってきませんか?
そんな感じで、漁が終わると観光船も港に戻ります。お猿も緊張が解けましたが、下がった胃液がまた、アゲ♂アゲ♂になってきました。早く港について欲しいと願うが、時が経つのが長く感じました。
事務所に戻ると、ガスボンベと大き目のコンロが用意され、先ほどの漁船からバケツ1杯貰ってきたホタルイカをボイルする。
事務所では獲れたてのホタルイカをボイルする準備ができていた
すげぇテキトーな調理だが、このボイルが、一番うまいホタルイカの調理方法らしい。何も入れずに、お湯で茹でるだけ。この大雑把さが漁師の男の料理って感じでイイ。これを撮っているうちに酔いも収まってきた。
ホタルイカを水に入れて茹でるだけ!これが一番ウマイ!
何も入れていないのだが、お湯は赤く染まっている。聞くところによるとイカ墨らしい。
この豪快な食べ方こそ、本当の海産物の食べ方だと思う
沸騰して暫くすると、おっちゃんが豪快に掬ってボールに移し、それをテーブルの上にある更に盛る。そして、みんなで爪楊枝で刺して食べていく。
白目をむいてしまったホタルイカたち。プリプリしていて味も濃厚!
ご覧の通り、ホタルイカをボイルしただけ。醤油も何もかかっていませんが、実に味が濃い!濃いと言ってもイカの味が濃厚なのだ。ハラワタごと食べるのだが、このハラワタが非常にうまい。そして、海の潮の味がマッチして今まで食べたホタルイカ料理の何よりもうまかった!暖かく湯気があがるくらいが一番プリプリしてやわらかくて美味しい!酔っていたのを忘れてツンツン食べてしまった。
遠慮しながらみんなでつっつく。それにしても外気は4度で寒かった
そうして、お土産を頼んでいた人はボイルしたホタルイカを手に帰路につく。
ちなみにおっちゃんの話では、今回は波の高さが50cm。低いけど北東の風でうねりがあって船は揺れた方らしい。そして、ホタルイカは200kgくらいでいつもより少ない。大抵は数千kgは獲れるそうだ。いつかは豪快に光るホタルイカを撮りたい。
そして、この後5:30から近くの市場でホタルイカだけのセリが行われるとのことだ。「行きたい人は、すぐそばなのでとっとと行きやがれ」という趣旨のことを言われましたので、是非とも撮りたいと行きました。その辺は次回に……。
終始、観光船スタッフのオッチャン達には親切にしていただき、船上でも話しかければ話し相手になってくれるので非常に気持ちがイイ。富山弁はマスターしたので、気さくに声をかけてくれた。
今回はロケハンと思って、次回来れる時があったら是非来たい。どこがベストポジションかということも分かったし、レンズも最適なのが分かった。新湊のホタルイカ漁を極めるべし!
だって、新湊は志の輔師匠の故郷なんだもの!(カンケーないか……)
ではでは。
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