AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDレビュー(3)
お猿@おはようございます。
PIE2008以来、種々の郵便物やら小荷物が届いていますが、最近「固定資産税 納税通知書」というものが届きましたので、ガッツリと一括納入して、国民の義務を果たしてきたよ!
役所から届いた、あまり受け取りたくない郵便物
楽しいよね!納税♪
……って、そのうち自動車税も納めにゃならんので、何かと国に搾取されてフトコロが寒い今日この頃ですが、「日本の借金時計」なんて見ていると、グングン増え続ける借金にスリルを堪能しています。
まあ、どうであれ、お猿の納める税金なんて政治家の皆さんには“はした金”かとは思いますが、どうか無駄のないように使っていただければ幸いです。間違っても私的流用だけはカンベンしてくださいね♪
それはそうと、前回はNikonの誇るナノクリスタルコート大口径標準レンズ「AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED」の24mmでの描写テストをしてみました。雑誌やらWEBでのセンセイ方の評価を見てみると軒並み高評価なのですが、お猿の試験方法が悪いのか24mmでは絞り開放からF8くらいまで周辺部分の描写が今ひとつでした。こんな筈ではないと、いずれリベンジを誓って再び24mmテストをしたいと思うのですが、今回は50mmでのテストをしてみたよ!
……という訳で、今回の焦点距離ダブリーなレンズはこれだ!
左から24-70mmナノクリズーム、悪魔のレンズVR 18-200mm、単焦点50mm
この2本のNIKKORレンズが24-70mmに果敢に挑みます!
特に単焦点レンズの50mm F1.4は、驚異の明るさと解像力を持つレンズで人物撮影ではバカの一つ覚えのように使っているレンズです。っていうか、お猿の勝負レンズですね。それくらい溺愛しているレンズです。そして、もう1本が高倍率ズームながら、24mmで意外なほど検討した「悪魔のレンズ」のVR 18-200mm!50mmでも好成績を残せるか見ものです!
今回も検証は24mmに引き続き、富山県射水市のフォトジェニック「親鸞会館」にお邪魔しました。前回は正本堂脇の和風庭園が被写体となりましたが、今回は正本堂正面の大階段です。
親鸞会館の“正本堂”の玄関へと続く大階段。天女のレリーフが美しいフォトジェニックだ!
この中央、そして、中央下の天女のレリーフ。左上の天井、左の柱の4箇所でチェックしてみました。
○F1.4勝負
「勝負」と言いながら、開放F1.4の明るさは「Ai AF Nikkor 50mm F1.4D」以外にはない。24-70mmよりも明るいレンズということで、ここはこのレンズの独壇場。参考までに、単焦点50mmの描写をチェックしてみた。
Ai AF Nikkor 50mm F1.4D
さすがに、F1.4ともなるとソフトフォーカスっぽい描写になる。天女のレリーフの周囲などは、もやがかかったようになる。ある意味、天女らしくって良い?
Ai AF Nikkor 50mm F1.4D
こういう直線部分でも、線の1本1本まで描写しているものの、シャープさということでは物足りない。ただ、F1.4の周辺の描写でカリカリシャープを求めることはないと思うので、この描写で満足だ。
○F2.8勝負
この絞りになると24-70mmの開放絞りとなる。VR 18-200mmでは不可能な絞り。故に単焦点50mmとの一騎討ちとなる。まずは、中央と中央下部の描写チェック。
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED
Ai AF Nikkor 50mm F1.4D
中央の描写を見てみると幾分か単焦点50mmの方がスッキリしているように思う。中央下部の天女のレリーフもエッジがスッキリしているのは単焦点50mmだ。ここはさすがに開放絞りがF1.4から来る余裕だろうか?
次は、左上の天井と左の柱をチェック。
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED
Ai AF Nikkor 50mm F1.4D
これはまた微妙であるが、若干ながら24-70mmのコントラストが強くシャープさも出ているのに驚いた。前回の24mm勝負では周辺ではだらしなかった24-70mmであったが、ここに来て開放から頑張っているような気がする。
○F4.8勝負
ここでF4.8というヘンテコな絞りが出てきたが、これは悪魔のレンズ「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)」の50mmに於ける開放絞りである。他の2本では設定できないので、ここではこのレンズの開放絞りをチェックする意味で単独チェックをしてみる。
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
これは以外に開放絞りにしては、中央部分では非常にシャープだと思った。ただ、中央下部の天女の周囲の“オーラ”は下方向に引っ張られるような描写になった。柱の目地はシャープだが、石の質感はのっぺりとしているように感じる。
○F5勝負
さて、一応F5もテストだ。ここでは3本のレンズの絞りがダブるので比較してみた。まずは、中央と中央下部の天女のレリーフだ。
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED
Ai AF Nikkor 50mm F1.4D
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
中央部分は、24-70mmと50mmはいい勝負。VR 18-200mmは開放絞りがF4.8というだけあって余裕がないためか、シャープネスということでは少々物足りない。細いラインが消えているのが分かる。
中央下部の天女に至っては、開放絞りからの余裕が如実に出たようだ。VR 18-200mmの描写は完全に他の2本に劣る。24-70mmと50mmは殆どその差が分からないまでに来ているが、50mmには若干の倍率色収差が見られると思う。
次は、左上の天井部分と、左の柱の部分をチェック。
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED
Ai AF Nikkor 50mm F1.4D
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
ここでも、VR 18-200mmは他の2本に大きく水を開けられた感じだ。天井部分などは斜めに走る線が薄くもやにかかっているようになっている。他のレンズの開放と同じような描写だ。ただ、倍率色収差が見られないというのは過去に検証したようにD300との相性の良さを感じる。それでも、柱の石のテクスチャを細かく描写するということに至っては、24-70mmや50mmのように質感を写しだすまでいっていない。目地のシャープさも今ひとつ。他の2本に関しては全く差が分からないくらいだ。
○F8勝負
基本的にお猿はF8以上に絞ることはないので、ここで勝負は止めておく。
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED
Ai AF Nikkor 50mm F1.4D
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
ここまで来ると、VR 18-200mmも他のレンズと良い勝負をする。高倍率ズームということを考えれば出来すぎだ。中央部分では気持ちシャープさが足りないと感じるくらいか。24-70mmと50mmは甲乙つけがたい。
天女のレリーフに関して言えば、VR 18-200mmはシャープにはなったものの、他の2本には及ばない。まあ、高倍率という便利さと引き換えと割り切ろう。これだけ描写していれば十分。24-70mmの描写はさすがだ。倍率色収差も良好に補正して、50mmに引けをとらない。
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED
Ai AF Nikkor 50mm F1.4D
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
左上の天井部分を見てみるとVR 18-200mmはさすがに解像感的には劣るものの、ビックリするくらい収差が抑えられている。出来すぎだ。24-70mmも50mmに匹敵する描写なだけに驚きだ。
柱に至っては、VR 18-200mmの石の質感は回復してきているが、やはりのっぺりとした印象を受ける。他の2本はやっぱりほぼ同等の描写だ。さすがに単焦点50mmはお猿のエースレンズだ。安いくせに描写がズバ抜けている。しかし、ズームながら匹敵する24-70mmもお見事!前回の24mmでは、何ともだらしない結果で終わってしまったのだが、ここに来て汚名返上したようだ。
実は比較はこれだけではなく、歪曲収差にその差を感じた。全体の写真を見比べてみるとそれが分かる。
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED
Ai AF Nikkor 50mm F1.4D
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
こうして見ると、写真の上の辺に沿って天井の筋が横に走っているのが見えるが、特にVR 18-200mmの糸巻き型の歪曲収差のヒドさに驚く。単焦点50mmでは微妙に中央が落ちているのが分かる。24-70mmに至っては全くと言っていいほど歪曲していない。
ここら辺を考慮してみると24-70mmの50mmでの描写は、解像感もさることながら歪曲収差を良好に補正している分、総合力ではなかなかのものだと思う。何よりも単焦点50mmに匹敵する解像感を達成しているのは感動モノだった。反面、VR 18-200mmの諸収差が目立った。しかし、目立ったと言っても、24-70mmとか単焦点50mmと比較しての話だ。単体で見てみれば、これが高倍率ズームかというくらいに美しい描写をする。特にD300のEXPEEDとの組合せは最高だ。レンズキットが売り出されているのも分かる気がする。
そんなワケで、24mmでは惨敗の感があった24-70mmナノクリレンズだが、50mmに来て非常に描写が良くなった。次はテレ端の70mm勝負をしてみます。4本での勝負になるので、なかなか見応えありますよ!乞う御期待!
ではでは!
「AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDレビュー(4)」へ続く
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