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海王丸の総帆展帆&登檣礼を撮る

 お猿@おはようございます。

 気がつけば、廉価版FXフォーマットデジイチであるD700も発売され、発表当初は30万円オーバーと言われた当機も一時期、三星カメラさんでは26万円台にまで値下がりするようになりました。今月のカメラ雑誌ではこぞってD700特集がなされ、諸サイトではD700実写レビューがなされたりと、お猿も、かなりD700にグラついていますが、逆立ちしても先立つものがないのでうっかり手に入れることもないでしょう。

 さて、雨の多い富山県も例年より早く梅雨明けして夏本番。猛暑が続いています。大学時代まで太平洋側で過ごしたお猿は「大学で雪深い富山に行けば、きっと涼しいに決まっている!」と淡い期待を抱いてやってきたのですが、現実は甘くなかった!いやはや、熱中症にはお気をつけくださいね!

 ……で、過ぎ去ってしまったことですが、7月21日は海の日でした。心配していた天気も問題なく、気持ちのいい快晴!射水市がホームタウンなお猿は、カメラ片手に朝から海王丸パークに行ってきました。お目当ては……、

 海王丸の総帆展帆と登檣礼。

 自宅から程近いところにあるのが海王丸パークで、当ブログでも度々登場するフォトジェニックな公園なのですが、ここには、よくカメラの作例として登場する帆船・日本丸の姉妹船である帆船・海王丸が係留され公開されています。

 基本的には、海王丸の帆は畳まれた状態なのですが、年に10回ほど、まあ冬は雪の影響でやらないことを考えると、ほぼ毎月1回ずつ総帆展帆(そうはんてんぱん)と言って、全ての帆が広げられます。そして、更に海の日には特別に行われる帆船の最高の礼登檣礼(とうしょうれい)が行われます。その2つが同時に見られるとあっては撮らないわけにはいきませんので、今回はがっついて撮ってきました。

 まずは、帆を広げる前の状態。

2007251
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF) 18mm

 いやはや、いつも見るマストのみの海王丸ですね。これはこれで美しいですが、マストのみの場合は夜のイルミネーションの方が美しいですね。奥には富山新港を渡る新湊大橋の建設中の橋脚ですね。隣で撮っていたオジサンが「まったく、あんなもん造ると折角の景観が台無しだよ」とおっしゃっていました。確かに、この橋が無い方が、立山連峰をバックに海王丸が撮れて非常に美しいんですが……。正直、この橋は必要ないと思っている射水市民は結構あるようです。

 10時を過ぎると、展帆ボランティアと呼ばれる人たちが約100名ほど海王丸に乗り込み甲板で準備運動を始めます。そして、掛け声と共に一番前のマスト(フォアマストと呼ぶらしい)に数名が上っていきました。

2007252
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF) 150mm

 大きなネットというか幅のある縄ばしごというか……、そこをどんどん上っていきます。中には“昔若かった”女性の姿も見えまして、老若男女問わずやっているのだと思いました。それにしても、高所恐怖症じゃできませんね、コレ。

 先端のバウスプリットにも数名のボランティアが位置についています。

2007253
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF) 75mm

 う~ん、見ていて怖いんですが凛々しいですね。ここでバウスプリットの先端に立っている人が方向転換して船の方を向きます。

 これから始まるのが、展帆ではなく登檣礼(とうしょうれい)という、日本丸や海王丸のような帆船ならではの礼式なんだそうで……。見送りに来た人にする礼なのだとか……。基本的にほぼ毎月行われる総帆展帆ではなされないことなんですが、この日は「海の日」ということもあって、特別に披露です。

2007254
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF) 24mm

 バウスプリット先端の人が「脱帽!」と叫ぶと、マストに立った人たちが一斉に帽子を取ります。そして「海の日ーっ!おーめでーとうーっ!」と帽子を振りながら叫ぶと、他の人も一斉に「おーめでーとうーっ!」と帽子を振って叫びます。普通の登檣礼では「ごーきげーんよーう!」と叫ぶそうですが、海の日バージョンですね。それにしても「おめでとう」なんですね。あ、そうか……、

 海の日は「祝日」でした!

 これは海の日を心から祝わねばなりませんね。これはどうも、おめでとうございます。

2007255
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF) 18mm

 「おめでとう」コールを3回繰り返した後「着帽」の号令と共に防止を被ってマストから下ります。見物客からは惜しみない拍手が送られました。だって、レアなんだもん!

 これが終るといよいよ展帆に入ります。4本あるマストにどんどんボランティアが上っていきます。

2007256
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF) 70mm

 そして、持ち場に着いたら、ヤードに畳んである帆をほどきます。

2007257
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF) 62mm

 いくら安全帯を装着しているからといって、足場はロープだけ。特に一番上のヤードで作業している人は本当に恐ろしいと思います。風も結構ありましたしね。

 先頭のバウスプリットでも帆を広げていました。

2007258
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF) 200mm

 海王岸壁には多くの写真愛好家がやってきていました。海王丸パーク写真コンテストっていうのも行われ、優秀作になると翌年の海王丸パークのカレンダーに採用されるというだけあって、それ狙いの人もあるようですね。

2007259
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF) 18mm

 ひたすら展帆作業を見守っています。気のせいかNikon党が多く感じられました。D3をメインに数台のカメラを持つ人もあれば、お猿同様にD300を愛用している人も多くありました。やっぱ、Nikonはスゴイぜ!

 別の角度からギャラリーを撮ってみました。

20072510
SIGMA 10-20mm F4-5.6 EX DC/HSM 10mm

 涼しいイメージの富山とは思えないほど夏っぽくなっているような気がします。確かに日差しが強く、お猿も真っ黒けっけに焼けました。

 だんだんとギャラリーが増えてきます。

20072511
SIGMA 10-20mm F4-5.6 EX DC/HSM 10mm

 海王丸横の岸壁にも陣取っている人がありました。

20072512
SIGMA 10-20mm F4-5.6 EX DC/HSM 12mm

 だいぶ、帆が広げられたようですね。甲板では帆を広げるためにボランティアが声を合わせてロープを引いている声がしました。

 そして、展帆完了~!

20072513
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED 27mm

 岸壁にある花の迷路を前景に撮ってみました。青い空と赤やオレンジの花が鮮やかです。これを撮っていると、展帆を終えたボランティアの方々がこちらに引き上げてこられました。

20072514
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED 24mm

 定年を過ぎたような年配の方も多く、もっと屈強な青年男子がやっていると思っていたお猿はビックリ仰天!どことなく、ボランティアの方々が誇らしげに見えました。暑い中、ご苦労様でした!

 では、展帆された海王丸をグルリと見てまわりましょう!

20072515
SIGMA 10-20mm F4-5.6 EX DC/HSM 13mm

 岸壁からシグマの超広角ズームで撮ってみました。係留しているクサリが迫力あるかな?

 次は、縦位置で正面からちょっとズレた位置で撮ってみます。

20072516
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED 55mm

 帆を張ると一気に「海の貴婦人」らしくなりますね。まさしく「優雅」という形容が似合う風貌です。

 次は、真正面から横位置で撮ってみました。

20072517
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED 45mm

 本当なら、海王丸の後方に立山連峰が連なっているのが見えるのですが、この日は雲で見えず。しかし、この雲が立山連峰っぽくて面白いかなと思ってみたりしました。新湊大橋も完成してしまえばそれなりに見られるもんなんでしょうけど……。まあ、今しか撮れない状況ということで貴重な写真なのかもしれませんね。

 お次は対岸の岸壁からです。

20072518
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED 55mm

 いやぁ~、真正面からの海王丸も良いですが、4本のマストが全て見える横からの眺めも良いですね。岸壁とか一切写らずに大海原を航行しているところならもっとステキだったかと思いますが、まあ、そういう状況だとお猿が撮れませんね。

 パーク内には、帆でできたようなテント(?)もあります。真っ青な空と真っ白な帆はまさしく「夏」のイメージですね!テント内では親子連れがお弁当を食べていました。

20072519
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF) 18mm

 かつて、曇りの日に撮りに来たことがありましたが、やっぱり日差しの強い真夏に撮る海王丸はカッコイイですね。この日は案の定、真っ黒というより真っ赤に焼けまして、風呂に入るときにも一苦労……。今度は、日焼け止めを塗って撮影に臨もうかと思います。

 皆さんも是非、海王丸を撮りに来てくださいね!

 ではでは。

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写真を巡る日本人の“礼儀”のなさ

 お猿@おはようございます。

 気温が高い上に、あまりに瑞々しくジューシーな空気ということで、不快指数が高すぎてウンザリしていますが、お陰さまで前回の更新から危うく半月が経とうとしていますので、今回は写真素材をあまり使わずに手早くできる記事を……ということで、写真に関する思想の話にしようと思っております。

 今回は、写真を巡る“礼儀”のオハナシ。

 何事にも礼儀というものがあるもんです。仕事ならお客様への礼儀、上司への礼儀などなど。中には電話の礼儀もあれば、会議の礼儀もあるでしょう。また、「親しき仲にも礼儀あり」と言われるように、親子、夫婦、兄弟、友人に至っても礼儀というものが大事です。

 では、礼儀の心得とは何か?お猿の師匠に教えていただいたことには、

 礼儀心得の基本は、相手や周囲の人たちに不愉快な気持ちを持たせないように常に自己の言動を考えることである。

 こう言ったら相手はどう感ずるだろうか。

 このようにしたら相手は不快にならないだろうか。

 今黙っていると相手はどう思うだろうか。

 常に相手のことを第一に考え自己の言動を反省することである。

 ……とある。まこと、お猿自身、身につまされる事が列挙されていて非常にお恥ずかしいが、皆が、こういうことに常に気を張っていけば、世の中何と過ごし易いことか。

 この礼儀というもの、様々な道でも色々な礼儀がある。剣道や柔道や相撲などの格闘技の礼儀もあれば、華道や茶道などの礼儀もある。極端な話をすれば、極道の世界にだって彼らなりの礼儀があるはずだ。先述の事柄に関する礼儀を失すれば人間関係を損なう程度で済むだろうが、極道相手となっては礼儀を失すると命がアブナイ。

 “礼儀”って大事だよね。

 では、写真に関する礼儀って何さ?ということになるのだが、撮る側、撮られる側、それぞれに礼儀がある。

 撮る側の礼儀ということなら、スナップ写真で人物を撮る時には「撮らせてください」と断りを入れるとか、言わないまでも会釈をして“盗撮”まがいにならないようにするなどということがあるし、風景写真なら入ってはならないところに入らないなどがある。他にも色々とあるが、これも守られていないことが多いようなので非常に心が痛む。

 ……で、今回は撮られる側、もしくは、撮ってもらう側の礼儀。

 まあ、曲がりなりにも写真を生業としているのが、私ことお猿なのですが、この礼儀に関する事で、日本人の写真に対する芸術的価値ということに関して、風景写真家の中でも特にモノクロプリントを得意とする諏訪光二さんの「写真を買ったことがありますか」というコラムが非常に分かり易いので紹介したい。

2007141

 特に写真を生業としている人が撮った写真に対して平気で「この写真ちょうだい」と言ってくる人がいるというのだ。この“ちょうだい”“タダ”でということ。

 まあ、細かいことは諏訪さんが非常に詳しく、述べてくださっているので是非とも読んでいただきたいが、こういったことは、お猿も言われたことがある。

 絵とか彫刻とか書といったものに関しては、「タダでくれ」と言ってくる人はないでしょう。なのになぜか写真に関しては「タダでくれ」と言ってくる人が非常に多い。

 絵とか彫刻とか書に関しては製作に時間がかかるだろうし、絵の具とか石とか材料費が高いからというのもあるだろう。それに比べて写真は1枚を撮るだけなら一瞬だ。更に、ネガなりポジなりデジタルデータさえあれば、全く同じようなものが何枚もできる。お猿が知っている写真屋ならL判で15円/枚、2L判で50円/枚だ。そういうことで言ったら非常に安いものかもしれない。

 しかし、お猿を例にとってみても、その1枚を撮るためにどれ程の出資をしているか知らないのだろう。その写真を撮るためにはカメラが必要だしレンズも必要だ。デジタルフォトならパソコンも必要だし、ロケをするなら交通費や宿泊代だってかかる。更に、1枚の作品を撮る為に何時間も何日も粘るのだ。ちなみに、お猿の機材なら一番高い組み合わせで、本体D300)+レンズAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED)+ストロボSB-800)+三脚EL Carmagne 635)+etc...となる。色々計算していっても50万弱にはなるのではないだろうか?

 さて、ここでよくあるのが「プリントは自分でやるから、データだけちょうだい!」と言って来る人。なるほど、プリントは1枚あたりいくらと分かるので、自宅のプリンタで出せば、その写真はタダと思っているのだろう。でも、よく考えてよ。その1枚撮るための機材代って考えたことある?そんなことより、そのデータってフィルムで言えば「オリジナルフィルム」だよ。版画なら「原版」だよ。漫画なら「原画」だよ。いくらコピーができるからって、オリジナルデータをタダでくれと言うのは無礼極まりないですよね。そのフォトグラファーの機材代すら考えていないということになる。コピーでいくらでも複製できるから価値なしってんなら、歌手の歌った歌だってタダってことになるよね?

 しかし、機材代ということで言っていけば、書道の世界は写真よりもっと安い。時間だって、絵ほどかからないと思う。しかし、書道に関しては「タダでくれ」と言う人はいない。たかが文字で情報伝達手段の一つなのに、僅か数文字を書いてもらうだけでいくらか支払う。支払うまでもないということは、自分でも書けるレベルということ。そもそも、書というものは古くからの日本の芸術として認知されているというのがあるのだろう。

 そういうことで、平気で「ちょうだい」というのは、写真に対する日本人の芸術的価値のなさによるものだと思う。

 諏訪さんも言っていることだが、それは「あなたの写真は価値がありません」と言っているようなものだ。全てをかけて写真をやっているものにとっては屈辱以外のなにものでもない。「いや、だって、それほどの値はないでしょ」と思うのであれば、自分のカメラで撮ればいいわけで、その人に貰う必要は無いわけです。

 なぜ、その写真が欲しいのですか?

 現に、出版業界などでは写真の売買というものはなされている。有名な所ではamana imagesだろうか。1枚あたり平気で20000円~30000円は普通である。これが普通なのだ。

 まあ、比較的コンシューマ向けなのが、デジタルマーケット eD2Uというサービス。これなんかは100円クラスからフリマのように売買がなされている。一度、顔を覗かせてみるのもいいかもしれない。

 ……とは言っても、これはビジネスとか小遣い稼ぎという話になってしまうのだが、そこまで行かなくても、写真を依頼する側からすれば、是非とも「この写真分けて欲しいんだけど、どれくらい出したらいいかな?」というのが礼儀だと思う。まあ、今までで「欲しい」と言われてプリントして渡したところプリント代すら出さずにお礼だけ言って貰っていった人さえあった。これに至っては無礼の極みどころかお粗末千万といったところであろう。

 ちなみに、お猿の場合は、誰かの車に乗せてもらったら、友達であっても「ガソリン代いくら出したらいい?」と聞くようにしている。勿論、実際のガソリン代に加えて、オイル代やら車検代、大元の車代、税金も払っている訳だから、その分も考慮して上乗せしているつもりだ。ガソリン代高騰の今なら尚更だ。更に、運転してくれた友人の労もねぎらってチップのように上乗せしてもいいかもしれない。これが礼儀だと思う。

 これを読まれた方は是非ともそういうことを考えていただけたらと思って、今回の記事を書きました。

 ……と、固い内容になっちゃったので、最後に季節に応じた花の写真を……。

2007142

 これは、氷見市の十二町潟水郷公園のハス池に咲いていた蓮です。10時頃に行ったので、殆ど閉じかかっていますが、それでも美しい。この公園は白鳥の飛来地でもありますし、何よりもオニバスの発生地として有名。国の天然記念物だそうです。でも、シーズンはもうちょっと後なので、今が旬の蓮ですね。

2007143

 ほんのりピンクな蓮の花を見ていると心も癒されますね。

 ではでは。

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Nikonが元気だ!D700&SB-900発表♪

 お猿@おはようございます。

 つい先日、平成20年を迎えたばかりだと思ったのに、今年も折り返し地点を越えて早くも7月1日。小学生の頃は、授業が終って友達と遊んで家に帰ってきてからも、まだまだ時間が有り余っていたと思った。高校時代にも部活が終って(一応、結構強い部だったッス!)帰宅して宿題やら受験勉強しても、お釣りがあったような気がする。しかし、今となっては1日どころか1年がアッという間だ。歳をとる度に体感速度が加速しているようで怖い。そろそろ、年賀状の準備をしなくては……(えっ?まだ早い?)

 ……ということで、気分がマリンブルー(←これは良いのか悪いのか?)なお猿ですが、今日は熱狂的なNikon党員であるお猿にとって嬉しい話題もあったよっ!

 昨年の8月に、少々某C社に差を付けられていた感があり元気のなかったNikon党員が一気に元気になった出来事があった。それが、2つのフラッグシップ機と言われた初のFXフォーマット機D3と、待望のD200後継機でありDXフォーマット機のD300の発表だった。あまりの仕様の素晴らしさとFXフォーマットというNikonの新たな時代の幕開けに感動して、テンションアゲ♂アゲ♂でNikon D300は20万円スタート!?なんていう可愛らしい記事を書いたものだった。カメラのみならずレンズもナノクリスタルコートという技術を引っさげて大口径ズームと超望遠レンズを中心にナノクリレンズを次々とリリース。急にNikonが元気になったという実感が沸いたのだった。

 しかし、某C社の廉価版フルサイズ機EOS 5Dに対抗しうる廉価版FXフォーマット機のなかった我らがNikon。そうこうしているうちに、EOS 5Dも後継機が出そうなのか20万円台にまで値下がりしていた。さあ、どうするNikon!と思っていたところに秋の陣では後出しジャンケンでD3とD300を発表したNikonだったが、この夏の陣では先出しジャンケンで廉価版FXフォーマット機を発表した!!それが……、

 Nikon D700!

 事前の噂やら、業界筋からの情報漏れなどである程度ハッキリした情報でしたが、Nikonの廉価版FXフォーマット機は、3ケタ機でしたね!早速、お顔を見たいとNikon D700のサイトをお邪魔してみた。

2007011

 いやぁ~参った!期待を裏切らずにチャンと廉価版FXフォーマット機を出してくるとはねっ!この調子だと、3ケタの型番はすぐになくなっちゃうんじゃない?と思うけど、まあそんなことは気にしないで物色してみたい。まずは、一番気になる価格情報だが、Nikon大本営の発表では「オープンプライス」……。いやはや、泣く子も黙るオープンプライスです!ほぼノーヒントっ!ということで、プレス報道なんかを見てみると予想店頭価格はボディのみで33万円とのことデジカメWatchより)。D700クラスということで、今回の記事ではレンズキットには触れないようにしておく。ちなみに、FX機のフラッグシップであるD3がお猿愛用の三星カメラさんでは49.8万円だから、17万円ほど安い。一応、DX機のフラッグシップであり同じく3ケタモデルのD300は三星カメラでは16万円を切って15.9万円だ。こうなると、ほぼダブルスコアですな。やっぱり出だしは高いものです。

 しかし、このプレス報道の33万円は、あくまで予想価格!早くもネットショップでは予約開始していたので、現行価格をチェックしてみた!!

 まずは、さっきから出ている三星カメラ

2007012

 D700のボディで29.5万円ですね!見事に30万円を切っています。更に、全国展開のカメラのキタムラさんのネットショップでは、

2007013

 ……ということで、こっちもD700のボディ価格で29.5万円!レンズキットでも三星カメラさんと同価格だ。しかし、キタムラさんのネットショップでは、無料のネット会員にならないとこの価格が表示されない。ネット会員としてログインしないと表示価格は32.8万円と一気に高くなる。どうせ、入会してもタダだし一気に安くなるのだから是非とも入会しておきたい。

 ここまで来て、先ほど、D300の価格のダブルスコアと言ったところだが、D300とて発表時には三星カメラでも20万円オーバーしていたのだ。そこから5万円ほど安くなっているので、D700も年末くらいまで待てば25万円くらいまで下がるかもしれない……と無責任なことを言ってみる。

 価格的な話はここまで……。

 いよいよ次は内容に入っていきたいと思うが、そもそもお猿はDXフォーマットと心中するつもりでいたので、D300を待っていた時ほどD700の情報を事前に集めていなかった。その為、今回の大本営発表が初の情報となるのだが、お猿レベルに情報分析してみた。

●D3と比較してどうなのさ?

 やっぱり、フラッグシップで同店舗価格にて20万円もの差をつけられているD3との差が気になる。

 まずは、外観の問題だが、縦位置グリップがついていない。外観の印象はまさしくF6?これによる大きさの違いは顕著で幅×高さ×奥行が、D3が159.5mm×157mm×87.5mmなのに対して、D700が147mm×123mm×77mmとなっている。総合的にD3は巨大だ。言うまでもなく重量がD3が1240gなのに対して、D700は995gと軽くなっている。外付け縦グリを使わなければ、軽快に撮影ができるっぽい。

 ファインダーに関しては接眼窓がD3同様の丸型。しかし、視野率が約95%であることが大きな差。安いけどD300はDXのフラッグシップということで視野率は100%を達成している。D80を使っていたお猿がD300の視野率100%を体感した時は感動したものだ。この5%があるかないかによる安心感の違いは大きい!FXであれDXであれ、視野率100%はフラッグシップ機にのみ許されたスペックなんでしょうな。あと、アイピースシャッター内蔵ってのが羨ましい。

 メディアに関しては、D3がCFの2枚差しが出来てミラーリングのような記録などにも対応しているのに対して、D700はCFの1枚差し。まあ、安心面ということで言っていけばD3に及ばないが、通常そんな使い方はしないし、次にも述べる連写でも劣るので1枚差しで十分かと思う。

 あと、バッテリーがD300と同じEN-EL3eということ。これを使って、かつ縦位置グリップがないことが大きな差なのか基本的な連写は、“機関銃の如し”と評されるD3が9コマ/秒なのに対して5コマ/秒ということ。外付けのバッテリーグリップを付けても8コマ/秒と1コマ及ばない。ただ、そこまでの連写を求めるかといえば、求める人はD3を使うんじゃないかな?

 D700が有利と思ったのが、撮像素子のイメージセンサークリーニング機能でしょうね。D300には付いていてD3に無かった機能。当時の開発者はD300のみに搭載していた理由について、

D3は撮像素子が大きく、スペース的にハードルが高い。そのうえで現状、プロやハイエンドユーザーの方たちに満足していただけるレベルにできなかったので採用を見合わせたのが正直なところです。(デジタルカメラマガジン 2007年10月号より抜粋)

 ……と言っている。そういうことを考えると、あれから1年弱でそのハードルを越えた事になる。銀塩の一眼レフになくてデジタル一眼レフにある大きな悩みの1つが撮像素子のゴミ問題。もともと、ゴミの付きにくい設計のNikonのデジイチがFXまでイメージセンサークリーニングを備えたら鬼に金棒だ。これはD3ユーザーも羨ましいことだろう。

 それから、内蔵ストロボを装備していること。同じく内蔵ストロボ装備のD300を使うお猿は、内蔵ストロボで照射することはまずない……が、「使わない」ということではない。アドバンストワイヤレスライティングのコマンダーとして使うのだ。ワイヤレスと言っても、遠くにスタンドで立てて使うだけではない。ブラケットを使って縦位置で光軸を合わせて撮影する際にもワイヤレス機能を駆使しているのだ。そういうことで言っていくとコマンダーのないD3よりは使い勝手は良い。

 D3から採用となっているライブビューへの切り替えはファンクションに割り振ることも可能になった。一部で、ライブビューへの切り替えが煩雑という記事を見たことがあるが、これは非常に楽なのではないだろうか?ただ、ライブビューをあまり使う気にならないお猿としては、目玉商品ではない。

 これ以外の仕様はだいたい一緒。気になっていた画素数とISO感度のスペックを見てみると全く一緒。……ということは、あの無敵な高感度特性はD3譲り!あと、電子水準器も装備しているのが嬉しい。これは、お猿がFXフォーマット機に手を出すとなるとD700で満足できそうですね。機関銃のような連写は必要ないし……。あ、でも、視野率95%は痛いなぁ……。

●D300と比べてどうなのさ?

 ……ということで、次はD300と比較してみたいと思います。

 まずは、縦位置グリップがない点は一緒なのだが、サイズが異なってくる。やっぱり、ペンタプリズムがFX仕様かDX仕様かで全く大きさが違うので、高さが異なる。D700が123mmなのに対し、D300が114mmということで9mm高い。そして、ペンタミラーの大きさなどの関係か奥行きも異なり、D700が77mmなのに対して、D300が74mmと3mm大きい。こっちの奥行きに伴って、お値段の奥行きもあるので、そっちの奥行きも3mm程度にしてもらいたい(?)。それはそうと、これによって重量がD700が995gなのに対して、D300が825gで170g重くなっている。バッテリーは同じものなので、バッテリー重量による差はない。手軽に持ち歩くにはD300の方がいいんでしょうね。望遠を狙おうと思ったら焦点距離が長くなるDXフォーマットが有利なので望遠撮影でもD300はお手軽だ。

 このバッテリーの関係と言ってもいいかもしれないが、同じバッテリーで大きなミラーを動かすためか、連写速度が6コマ/秒のD300に1コマ/秒劣る。バッテリーグリップを装着すれば、タイの8コマ/秒になるのだが、この1コマ/秒は大きいかも!

 あと、先ほども述べたが視野率がD700が約95%なのに対し、D300が100%というのが大きな違い。安いとは言ってもD300はDXフォーマットのフラッグシップ機だ。ここはさすが!しかし、D300にはないアイピースシャッターを内蔵しているのは羨ましい。風景写真が好きなお猿は、ファインダーを手で隠して撮影しているのだが、アイピースシャッターがあると非常に助かる。これはいいねぇ。

 ……とまあ、DXフォーマットと心中するつもりでやっているお猿ではありますが、それでも、レンズシステム構築ではDXレンズからの脱却を意識している。やっぱり、D300の寿命が来たら次はD700クラスを狙っているんだろうか?おちょぼ口のニコンFマウントではフルサイズは難しいと言われつつもD3とD700で実現したNikonは流石だ。今後は、某S社も高画素のフルサイズCMOSを開発しているので、35mmデジイチの時代が来るのかもしれない。まあ、それでもDXの良さというものもあるので、そこら辺は使い分けていくということで……。

 そんなワケで今回はこれまで……と思いきや、D700以外に、お猿としては非常に気になったのが、外付けストロボともクリップオンストロボともスピードライトとも言われるものの最高峰であるSB-900の発表ですね。

2007014

 これは、お猿愛用の従来の最高機種であるSB-800の更に上位機種になるのだが、SB-800とSB-600の比較以上にSB-900の成長点は大きい。これも既にネットショップで予約受付がなされていた。

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 メーカー希望価格が6.5万円のところ、5.5万円だ。やっぱりSB-800より高い。それでも、これは非常に魅力的。その前に、以前にお猿がストロボ撮影で色々とウンチクを述べていたが、縦位置でのストロボ撮影を極める!の記事などをはじめとするストロボネタでもお分かりのように、ストロボ撮影はバウンス撮影がキモなのだ。それでSB-800の難点が、ある条件で斜め後方バウンス撮影ができないということ。

 つまり、SB-800の水平方向の回転は左方向は180度までOKなのに対して、右方向は90度までだったのだ。そうなると、縦位置撮影時にグリップを下にして持つ場合は斜め後方バウンスが可能なのに、グリップを上にしたり、縦位置グリップ装着で撮影する際には、真上の天井バウンスが限度となる。これが難点だったのだが……、SB-900は左右共に180度回転が可能となったのだ!!

 もはや、死角なし!

 いやぁ~、これは良いですね。バウンスに関しては無敵ですね。

 そして、更に魅力的なのが、ワイヤレスライティングへの切り替えの手軽さだ。SB-900の背面の操作部はこうなっている。

2007016

 使用説明を読んでいないので推測だが、右下の電源部分がOFF-ON-REMOTE-MASTERとなっている。つまり、このツマミを回すだけで通常の発光以外にリモートの子機にもなるし、親機にもなるのだ。ちなみに、この切り替えをSB-800ではどうやっていたのか?

 まず、REMOTEモードの時の液晶パネルはこうなっているのだが、

2007017_2

 ここに持っていくには、通常の状態からSELボタンを長押しして、

2007018

 この画面にする。ここで上下ボタンを押して、

2007019

 REMOTEにする。すると、これが子機になり、マスターにしたい場合はMASTERにすればよい。ツマミを回すだけで切り替えられるSB-900とは転地雲泥の手間だ。これが非常にまどろっこしくて、ストロボを多用するお猿としては、非常に歯痒いのだ。SB-900が羨ましい。

 他にもSB-900は、配光タイプの選択やら、ファームウエアアップデートにも対応する。かなりオイシイストロボだと思う。

 ……が、ひとまずSB-800で極端に不自由を感じているわけでもないので、SB-900に手を出すのは、壊れてからか、思いっきり多灯撮影の需要が高まってからになるでしょうね。

 まあ、そんなわけで、D700とSB-900の感想をグダグダと述べてみました。今後のNikonに期待ですが、某C社と某S社の追撃にドキドキしているお猿です。

 最後に一言!

 D80の後継機、D90?は発表にならないのでしょうか~?なんだかんだとDX開発は停滞気味?あ、あと、こんな下克上な部分もあるD700を発表しちゃったんだもの、D3の値崩れって一気に進むのかなぁ?そして、高画素版FXフォーマット機D3X登場?物価上昇の現今、逆行するカメラ業界に乾杯!

 ではでは。

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