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写真を巡る日本人の“礼儀”のなさ

 お猿@おはようございます。

 気温が高い上に、あまりに瑞々しくジューシーな空気ということで、不快指数が高すぎてウンザリしていますが、お陰さまで前回の更新から危うく半月が経とうとしていますので、今回は写真素材をあまり使わずに手早くできる記事を……ということで、写真に関する思想の話にしようと思っております。

 今回は、写真を巡る“礼儀”のオハナシ。

 何事にも礼儀というものがあるもんです。仕事ならお客様への礼儀、上司への礼儀などなど。中には電話の礼儀もあれば、会議の礼儀もあるでしょう。また、「親しき仲にも礼儀あり」と言われるように、親子、夫婦、兄弟、友人に至っても礼儀というものが大事です。

 では、礼儀の心得とは何か?お猿の師匠に教えていただいたことには、

 礼儀心得の基本は、相手や周囲の人たちに不愉快な気持ちを持たせないように常に自己の言動を考えることである。

 こう言ったら相手はどう感ずるだろうか。

 このようにしたら相手は不快にならないだろうか。

 今黙っていると相手はどう思うだろうか。

 常に相手のことを第一に考え自己の言動を反省することである。

 ……とある。まこと、お猿自身、身につまされる事が列挙されていて非常にお恥ずかしいが、皆が、こういうことに常に気を張っていけば、世の中何と過ごし易いことか。

 この礼儀というもの、様々な道でも色々な礼儀がある。剣道や柔道や相撲などの格闘技の礼儀もあれば、華道や茶道などの礼儀もある。極端な話をすれば、極道の世界にだって彼らなりの礼儀があるはずだ。先述の事柄に関する礼儀を失すれば人間関係を損なう程度で済むだろうが、極道相手となっては礼儀を失すると命がアブナイ。

 “礼儀”って大事だよね。

 では、写真に関する礼儀って何さ?ということになるのだが、撮る側、撮られる側、それぞれに礼儀がある。

 撮る側の礼儀ということなら、スナップ写真で人物を撮る時には「撮らせてください」と断りを入れるとか、言わないまでも会釈をして“盗撮”まがいにならないようにするなどということがあるし、風景写真なら入ってはならないところに入らないなどがある。他にも色々とあるが、これも守られていないことが多いようなので非常に心が痛む。

 ……で、今回は撮られる側、もしくは、撮ってもらう側の礼儀。

 まあ、曲がりなりにも写真を生業としているのが、私ことお猿なのですが、この礼儀に関する事で、日本人の写真に対する芸術的価値ということに関して、風景写真家の中でも特にモノクロプリントを得意とする諏訪光二さんの「写真を買ったことがありますか」というコラムが非常に分かり易いので紹介したい。

2007141

 特に写真を生業としている人が撮った写真に対して平気で「この写真ちょうだい」と言ってくる人がいるというのだ。この“ちょうだい”“タダ”でということ。

 まあ、細かいことは諏訪さんが非常に詳しく、述べてくださっているので是非とも読んでいただきたいが、こういったことは、お猿も言われたことがある。

 絵とか彫刻とか書といったものに関しては、「タダでくれ」と言ってくる人はないでしょう。なのになぜか写真に関しては「タダでくれ」と言ってくる人が非常に多い。

 絵とか彫刻とか書に関しては製作に時間がかかるだろうし、絵の具とか石とか材料費が高いからというのもあるだろう。それに比べて写真は1枚を撮るだけなら一瞬だ。更に、ネガなりポジなりデジタルデータさえあれば、全く同じようなものが何枚もできる。お猿が知っている写真屋ならL判で15円/枚、2L判で50円/枚だ。そういうことで言ったら非常に安いものかもしれない。

 しかし、お猿を例にとってみても、その1枚を撮るためにどれ程の出資をしているか知らないのだろう。その写真を撮るためにはカメラが必要だしレンズも必要だ。デジタルフォトならパソコンも必要だし、ロケをするなら交通費や宿泊代だってかかる。更に、1枚の作品を撮る為に何時間も何日も粘るのだ。ちなみに、お猿の機材なら一番高い組み合わせで、本体D300)+レンズAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED)+ストロボSB-800)+三脚EL Carmagne 635)+etc...となる。色々計算していっても50万弱にはなるのではないだろうか?

 さて、ここでよくあるのが「プリントは自分でやるから、データだけちょうだい!」と言って来る人。なるほど、プリントは1枚あたりいくらと分かるので、自宅のプリンタで出せば、その写真はタダと思っているのだろう。でも、よく考えてよ。その1枚撮るための機材代って考えたことある?そんなことより、そのデータってフィルムで言えば「オリジナルフィルム」だよ。版画なら「原版」だよ。漫画なら「原画」だよ。いくらコピーができるからって、オリジナルデータをタダでくれと言うのは無礼極まりないですよね。そのフォトグラファーの機材代すら考えていないということになる。コピーでいくらでも複製できるから価値なしってんなら、歌手の歌った歌だってタダってことになるよね?

 しかし、機材代ということで言っていけば、書道の世界は写真よりもっと安い。時間だって、絵ほどかからないと思う。しかし、書道に関しては「タダでくれ」と言う人はいない。たかが文字で情報伝達手段の一つなのに、僅か数文字を書いてもらうだけでいくらか支払う。支払うまでもないということは、自分でも書けるレベルということ。そもそも、書というものは古くからの日本の芸術として認知されているというのがあるのだろう。

 そういうことで、平気で「ちょうだい」というのは、写真に対する日本人の芸術的価値のなさによるものだと思う。

 諏訪さんも言っていることだが、それは「あなたの写真は価値がありません」と言っているようなものだ。全てをかけて写真をやっているものにとっては屈辱以外のなにものでもない。「いや、だって、それほどの値はないでしょ」と思うのであれば、自分のカメラで撮ればいいわけで、その人に貰う必要は無いわけです。

 なぜ、その写真が欲しいのですか?

 現に、出版業界などでは写真の売買というものはなされている。有名な所ではamana imagesだろうか。1枚あたり平気で20000円~30000円は普通である。これが普通なのだ。

 まあ、比較的コンシューマ向けなのが、デジタルマーケット eD2Uというサービス。これなんかは100円クラスからフリマのように売買がなされている。一度、顔を覗かせてみるのもいいかもしれない。

 ……とは言っても、これはビジネスとか小遣い稼ぎという話になってしまうのだが、そこまで行かなくても、写真を依頼する側からすれば、是非とも「この写真分けて欲しいんだけど、どれくらい出したらいいかな?」というのが礼儀だと思う。まあ、今までで「欲しい」と言われてプリントして渡したところプリント代すら出さずにお礼だけ言って貰っていった人さえあった。これに至っては無礼の極みどころかお粗末千万といったところであろう。

 ちなみに、お猿の場合は、誰かの車に乗せてもらったら、友達であっても「ガソリン代いくら出したらいい?」と聞くようにしている。勿論、実際のガソリン代に加えて、オイル代やら車検代、大元の車代、税金も払っている訳だから、その分も考慮して上乗せしているつもりだ。ガソリン代高騰の今なら尚更だ。更に、運転してくれた友人の労もねぎらってチップのように上乗せしてもいいかもしれない。これが礼儀だと思う。

 これを読まれた方は是非ともそういうことを考えていただけたらと思って、今回の記事を書きました。

 ……と、固い内容になっちゃったので、最後に季節に応じた花の写真を……。

2007142

 これは、氷見市の十二町潟水郷公園のハス池に咲いていた蓮です。10時頃に行ったので、殆ど閉じかかっていますが、それでも美しい。この公園は白鳥の飛来地でもありますし、何よりもオニバスの発生地として有名。国の天然記念物だそうです。でも、シーズンはもうちょっと後なので、今が旬の蓮ですね。

2007143

 ほんのりピンクな蓮の花を見ていると心も癒されますね。

 ではでは。

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携帯・デジカメ」カテゴリの記事

コメント

こんにちは
ケータイでも写真が取れるようになって、写真を撮る事自身が急速にコモディティ化してしまって、写真そのものの価値の評価がきちんとできなくなったのではないかと思います。

投稿: みつ | 2008年7月15日 (火) 10時37分

確かに・・・「の写真分けてほしいんだけど、いくらだしたらいい?」と言うのが礼儀ですね~~でも、なかなかそういう人には会えませんね~~。特にスナップ写真だと、ほとんどの人が「焼き増しして」と、簡単に言いますよね~知ってる人からはなかなか代金はもらいにくいです。。。つまり、無料になってしまいます。常に相手のことを第一に考えなければなりませんね~~でも、こう言ってる私自身も、出来てませんけどね。。。
ウチは呉服屋ですから、着物の点検は、サービスだと思っておられるかたが、おられます。まあ、サービスなんですけど。
でも、「タンスの中を点検して!」と言われ、まるまる一日、この着物は、いくらした、だとか、この着物は京都で作ったとか・・・結局、自慢したかっただけ?って思いました。。。うんざり。。。悲しい思いをしたことがあります。

投稿: むーさんです | 2008年7月15日 (火) 19時07分

○みつさん、コメントありがとうございます。

確かに手軽に始められる趣味が写真ということもあって、「誰でもできる」感がありますよね。しかも、複製があまりにも簡単。
そうは言っても、結婚式の写真なんかはキッチリとお願いするもんなんですけどね。やっぱりアンブレラつかってモノブロックストロボくらい使わないと価値は認められないのかなぁ?
まあ、撮ってみるとなかなか難しいのが写真ってのがわかるんですけど……。こういう写真の芸術的価値を訴えていくのもフォトグラファーの使命かもしれませんね。

○むーさんですさん、コメントありがとうございます。

同意いただきありがとうございます。
スナップでもプリント代以上を言うと「お前、商売でも始めたのか?」という目で見られるんですけど、そうじゃなくって機材代も上乗せしていて、その分徴収しているだけで、儲けは全くなし。それでも、がめつい奴という目で見られるのが写真文化への理解のなさかと思います。携帯カメラで撮っているんじゃないのに……。
この諏訪さんの訴えは非常に分かりやすくて良いですね。
それにしても、呉服の点検でそういう人ってあるんですね。サービスって本当に好意なんだけどね。
こういう心理って、コンビニの雑誌コーナーで座り読みしている人とか、ゴッソリとゴミを捨てにくる人の心情かもしれませんね。
サービスなのに「ちょっとそういうことは……」と言うと、逆ギレされたりと何ともやりにくいものです。あくまでこっちの好意だっちゅうの!感謝の心は忘れたくないものです。

投稿: フォトグラファー猿 | 2008年7月16日 (水) 09時14分

おひさしぶりです(^^)
しばらく忙しくて写真と向き合う時間がとれず、
気づいたらD700が発表されてるしww

今回の記事、
自分では上手く表現できずにいたことで、とても共感しました。
状況や相手との関係にもよりますが、
僕の場合は仲間うちでのスナップに関してはお互いに撮りあってたりするので相殺しちゃう場合もおおいですが、
基本的には代金は請求しあってます。それが自然の流れでした。

そーいえばちょっと状況は違いますが以前こんなことがありました。
ダイビングで水中写真を撮ってて、
利用してたダイビングショップがBlogに乗せたいからということで、好意で写真を提供してたことがあったんです。
である時、地元のミニコミ誌に私の写真が無断で掲載されたのを発見したんですね。
どうやらそのショップさんはそこでコラムを持ってて、
ある回でその写真に私の写真を使ったようでした。

別にお金くれとか言わないけど、
せめて事前に連絡するのが礼儀だと思いますがね。。。
そのおショップの人は謝るでもなく、むしろ紙面に使ってやったぞくらいの言い方で嫌な気分になったのを覚えてます。

投稿: ぶん | 2008年7月21日 (月) 17時27分

ぶんさん、コメントありがとうございます!
そして、返信遅くなってすみません!

いやぁ〜、特にぶんさんの場合は水中ということで、特殊な写真の部類なだけに欲しい人はいっぱいおられるんでしょうね?誰でも撮れる写真じゃないですからね。

親しき仲にも礼儀ありとはよくいったもので、他人の写真を使う場合は一言が必要ですよね。撮る側は場合によっては「奉仕」のつもりで撮る時も必要かと思いますが、それはこちらの当然であって、写真を利用する側の当然は「タダ」というのは礼儀に反しますからね。双方の当たり前というか礼儀があると思うので、大事なことですね。最近は、著作権やら何やらの被害で訴訟とかよく耳にしますからね。「えっ!?これが著作権違反!?」っていう有罪判決だってありますからね。

ちなみにお猿が冬に撮影した五箇山の写真を観光協会の会報で使われる時は、WEBレベルの画質なのに、使用許可メールが来て、使った後も掲載誌と五箇山の絵葉書が送られてきました。こういうのは嬉しいですね。さすがは観光協会!と感心しました。

諏訪さんじゃないけど、そういう文化の責任は我々撮る側の責任でもあると思うので、写真文化の為にも頑張らないといけませんね!

ではでは。

投稿: フォトグラファー猿 | 2008年7月29日 (火) 13時37分

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