立山黒部アルペンルートを行く(室堂編)-2
お猿@おはようございます。
巷では、北京五輪の話題一色ですが、期待されつつもワケの分からないところで敗北しがちなイメージのある日本選手団の中において、期待通りキッチリ仕事をこなしてくれた競泳平泳ぎの北島康介選手には感動しました。なんてったって世界新で金メダルですからね。200mも大いに期待したいと思います。反面、バドミントンのオグシオペアは残念でしたが、大金星で4強入りしたスエマエ(末綱・前田)ペアに期待しましょう!
……で、柔道やら水泳、バドミントンと屋内競技で盛り上がっている中、ちょっと気になるのが報道陣のカメラ。欲目で見ちゃっているからかもしれませんが、以前より白レンズが少なく感じるのはお猿だけでしょうか?やっぱり高感度特性に優れた我らがNikonのD3が脚光を浴びているのでしょうか?もしかしたら、今見ている五輪写真はD3で撮ったものかもしれないですね。
カメラメーカーが続々とフラッグシップを出してきたのも五輪効果かと思うのですが、五輪が開催されてから、色々と値崩れしているようですね。(8月12日の価格)
- D3
……¥498,000- (旗艦機のプライドか、D700登場も全く値崩れせず)
- D700
……¥275,000- (当初は33万ほどと言われていたのに、ここまで安くなりました!)
- D300
……¥155,000- (D300ユーザーとしては悲しい値下げっぷり。もう買ってもいいトコロ?)
- D80
……¥61,360- (後継機のD90リリースの噂も真実味を帯びてD60と良い勝負か?)
……とまあ、フクザツな心境になるお値段になってきていますが、D3はやっぱり簡単には値崩れしませんね。でも、その分D700が落ちてきました。EOS 5Dの後継機が出る前にどこまで値下がりするかですね。D300は当初より10万程安くなっているので、お猿的には面白くない。D80もお猿が購入した時と比べると「フザケルナ!」と言いたくなるお値段。でもまあ、総じてデジタルモノなので仕方ないよね。D80なんて2年選手だもん。とあるルートからの情報では、後継機のD90もボチボチ登場だとか……。ついでに単焦点の50mm F1.4だって、AF-Sレンズとして9月頃に出るらしいので、Nikon党としては、新製品のスターマイン状態になるんじゃないかと思っています。ウフフ……。
それはさておき、前回から、富山県民となって10年以上も経ってからやってきた立山黒部アルペンルートレポををやっています。それにしても、夏山の立山連峰はステキすぎます。特に、室堂のみくりが池周辺が晴れたときの光景は何とも言えません。写真として人気がある山は富士山ですが、「近寄れば さほどでもなき 富士の山」と揶揄されるように、近くに来てみると美しくない山が富士山で、それが原因でユネスコの世界遺産の登録がなされていないらしいですからね。遠くから見ても近くでも美しいのは立山だぜ!
……で、実はみくりが池の展望台付近に居ると何やら後ろから「シュー、シュー」と不気味な音が聞こえてきます。後ろを振り向くとこんな風景が!
1本の階段がズーッと谷底まで延びている。実はこの階段の先にあるのが「地獄谷」と言われる室堂の散策スポット。古くから「立山に地獄あり」と言い伝えられてきているようですが、このことを指しているようです。実は、4月29日に訪れた時には、この写真とほぼ同角度から撮ったのがこんな感じでした。
ご覧の通り、雪まみれで地獄谷の底だけは雪がない状態。そこまでの、遊歩道というか石段なんぞ全く見えない。この写真を見比べただけで、立山の積雪量のスゴサが分かっていただけるのではないだろうか?まあ、なんせ遊歩道が完全に雪に埋もれて境界線が分からないので、雪解けまでは地獄谷は開放されない。したがって、4月には地獄谷に入れず、今回になってやっと入ることができるのでした。
この遊歩道の石畳は……、
……という感じに実に長い。これをチマチマと降りていくのだが、降りたら登ってこなければならないのだが、大丈夫だろうか?まあ、なんせこれが地獄なら可愛いものですな。実際に仏教では、地獄には「頭下足上」で堕ちて行くと教えられるので、階段が用意されているような地獄は地獄じゃない?やけにサービスの良い地獄です。
さて、谷底に到着するとT字路があって左右に行けるようになっているが、そこにある看板がコレ。
火山ガス注意
この先ガスが濃くなっておりますので、すみやかに通り抜けてください。
……とのこと。ご丁寧に、注意の看板があるあたりも実に親切すぎる地獄だ。それにしても、この地獄谷は硫黄臭い。谷の上のみくりが池付近でも硫黄臭い。理科で言ったら腐卵臭ってヤツだろうか?自殺で使われたということで話題になった硫化水素なんかも出ているらしいので、歩道以外のところを歩くと危険だそうだが、歩道を歩いていても長時間居座ってしまったりすると決して良くないそうで、じっくり腰を据えて写真を撮るのも良くないっぽい。
ちなみに、そんなお猿ですが、
実は、硫化水素の腐卵臭ってスキ
……というヤバイ嗜好を持っております。ハイ。
まあ、この際、折角なので暴露しておきますと……。
ドメスト臭も激萌えです!
従って、掃除仕立てのトイレに入ると何とも言えない気分なんですが、今でこそ「猿」を名乗っていますが、過去世は「蝿」かもしれませんね。この間違った嗅覚嗜好は何とかした方が長生きできるかもしれません。……努力します。
この近くには、こんな卒塔婆のような標識が立っている。地獄の一丁目ってトコだろうか?奥に見えるのは地獄谷で一番目立つ硫黄の塔。
その硫黄の塔をクローズアップしてみよう。
この塔のあるのは「鍛冶屋地獄」という場所。硫黄の塔の中間部分に穴が空いており、そこから常時、もの凄い勢いで噴気が出続けている。この音が大きくてみくりが池付近まで「シューシュー」という不気味な音を響かせていた。どうやら、昔はこの塔の先から噴気が出ていたようで、今は止まってしまったらしい。まあ、中央からの噴気もヨシか……。
ここから左を見ると「百姓地獄」という場所へと続く。
どういうわけか、観光客があまりいない。この谷をずーっと行くと落差日本一の称名滝の最上部に辿り着くわけで、こっちにはあまり山がない。天気が良ければ、この谷の向こうには富山平野やら富山湾が望めるらしい。
それにしても、山の上とは対照的にグレーな世界。荒々しくも感じる。アリゾナの砂漠のようにも見えるけど、この遊歩道を外れると有毒ガスで死にかねない、まさに死の大地だ。冬場はさすがの立山でもこのエリアには積雪がないようだ。
この百姓地獄を突き進んでいくと、煙がモウモウとしている。随所でゴボゴボと泡を立てて何かが噴き出しているし、湯煙(?)もたちこめている。下手な温泉地ではかなわない。
ちなみに、近くの水溜りをクローズアップしてみると、灰色の水の中からゴポゴポと泡が出ている。沸騰しての水蒸気というより、火山性ガスなんだろうなぁと思うが、こういうガスって資源として有効活用できないものだろうか?
遊歩道を歩いていると、遊歩道の中でも小さな泡をプチプチと噴き出しているところがある。とにかく、この地獄谷の地面の下にはガスやら熱が溜まっているようだ。人間の生きる様を「噴火山上の舞踏」と例えられることがある。100%死ぬ身であり、しかも、そのXデーが今晩かも知れないのに、その現実から目を反らして趣味や生き甲斐にうつつを抜かして生きているのはまさに、いつ噴火するとも知れぬ火山の上でダンスを踊っているようなもんじゃないかということ。いやいや、浅間山が噴火したという話を聞くにつけ、立山だって危ないぞと身が引き締まる思いです。
さて、先ほどの鍛冶屋地獄に戻り、百姓地獄と反対側の道を進むと、「紺屋地獄」に向かいます。
ご覧の通り、百姓地獄を見たときとは対照的に山だらけ。山の斜面に沿って噴気が上がっております。
ゴロゴロとした岩の間からもモクモクと噴気が上がっております。実は、この紺屋地獄が一番有毒ガスが多いのだとか……。でも、遊歩道を外れたところで赤いジャージを着たおじさんが、何やら作業をしていた。聞いてみると、みくりが池温泉限定で売っている「閻魔様の黒たまご」を作っているのだとか。本当にこんなところで茹でて作っていたんですね。お猿としては、ずっとこんな所に居座って仕事をしているおじさんが心配だったんですが「ああ、濃度を測りながらやっているから大丈夫だよ」とのこと。本当か?
さて、紺屋地獄を進んでいくと、案外緑地が目に付く。
まあ、そんな中にも上の写真の真ん中のように泡の出ている真っ白な水溜りがあるんですけどね。美しいと言っていいのか、殺伐としたと言っていいのか、表現に困る光景です。
こんな光景に出くわすと、地表の何とも言えない起伏の造形がアートだし、その窪みに逞しく育つ緑も美しい。向こうの山肌の土と緑のせめぎ合いも綺麗だ。
……でも、ここは地獄だ。
ここを進んでいくと、相変わらず噴気がありますが、ロッジ立山連峰の赤い屋根が見える。何かと、「天国にいちばん近い島」というフレーズを聞くことがありますが、これはまさに「地獄にいちばん近い宿」ですな。
ちなみに仏教で、地獄は「八大地獄」として教えられていますが、「曽無一善(いまだかつて一つの善もしたことがない)」と教えられる私たちが因果応報で堕ちるのは一番怖ろしい「無間地獄」と言われています。その名の通り、苦しみにヒマのない地獄なのですが、その地獄の苦しみを問う弟子と釈迦のこんなやり取りが「賢愚経」とかいうお経に残っているそうです。
釈迦「如何なる喩をもってしても地獄の苦は説けない」
弟子「教え給え」
釈迦「では喩をもって説こう。朝と昼と夜と、それぞれ100本の槍で突かれる。その苦しみを何と思うか」
弟子「僅か1本の槍で突かれてさえ苦しいのに、1日300本で突かれる苦しみは心も言葉も及びません」
そこで、釈迦は豆粒大の石を手に取った。
釈迦「この石と向こうの雪山(ヒマラヤ山?)と、どれ程違うか」
弟子「それは大変な違いでございます」
釈迦「日々300本の槍で突かれる苦はこの石の如く、地獄の苦はあの雪山の如し」
……とまあ、私たちが死ぬとこんな想像を絶する地獄に堕ちなければならないのだと思うとゾッとしますね。考えてみれば、殺生一つ考えてみても、生きるために仕方がないとは言いながら、牛・豚・鶏・魚問わず、相当の肉を食べていますからね。彼らから見れば僕なんか鬼でしょう。死んだら天国とか極楽と言う方が無理がありますね。
って、地獄谷からちょっと聞いた話になってしまいましたが、こんな話を考えると地獄谷って「チョーかわいい地獄」ですよね。観光で行ける地獄って一体……ってカンジです。
ここからさらに進むと、雷鳥沢キャンプ場に辿り着きます。
いやいや、何とも綺麗な景色ですね。ここでは、沢の音が聞こえて何ともいいですね。地獄谷に続いた谷底なんですが、ここは大丈夫そうです。
まだまだ、室堂散策は続きます。
ではでは。
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コメント
D80の価格は、末期のD70sの価格と同等になってきていますから、もう本当にD90間近という感じなんでしょうネ。
個人的には8万ソコソコで購入したため、1年半使って2万下落程度で済んでいますので、ほぼ痛みはゼロな感じです^^A
D300は13万円くらいまで行くような気がするんですけど、どうなんでしょう。D3/300は発表があってからちょうど1年くらいですよね。来年春頃に13万ソコソコになっていたら、D90と悩みまくりそうな自分がいます(苦笑
SD/CFの資産が悩みどころだったのですが、幸か不幸かSDカードを計4GB分、最近紛失してしまいましたので^^A
それにしても綺麗な景色ですねぇ。青空と残雪、そして緑が素晴らしいです。
絵葉書になりそうな風景ですよね^^
ポチポチっと援護入れときます!!
投稿: flipper | 2008年8月13日 (水) 20時39分
「お猿さん」おはようございます。
夏の立山の景色は素晴らしいですね^^
私は6~7年位前の6月に社内旅行で黒部ダムを観光しました。
その当時はデジカメを持っていませんでしたので、残念ながら
写真は撮っていなかったのですが・・・
前回のレポでのケーブルカーでは、リポーターの「迫文代」が
乗り合わせていたのを思い出しました^^;
(高島彩や中野美奈子あたりと同乗した!ということなら少し
は自慢になるのですが・・・^^;)
D80は発売からもう2年ですから、そろそろ後継機の発表が
あっても良いころですよね^^
Canonの40Dの実売価格が低いので、D80後継機は非常に
難しい立場にあると思います。
40Dと同等程度の性能であれば、初値で10万位でないと
厳しいかな?と思います。
kissX2と同等程度の性能ならば、レンズキットで10万位
ではないでしょうか・・・
投稿: RED | 2008年8月15日 (金) 06時57分
「お猿さん」コメントの連投お許し下さい。
私のブログのリンク集にお猿さんのブログを
勝手ながら追加させて頂きましたm(__)m
今後もよろしくお願い致します。
投稿: RED | 2008年8月15日 (金) 09時37分
○flipperさん、コメントありがとうございます。
今のD300を見ると、D90発売を考慮しても非常に悩みますね。D90の出だしはオーバー10万円?そうなると、ちょっとグラつきますよね。
」。このメディアって結構ウェイト大きいですよね。さて、今後のNikonの出方が楽しみですが、D90はどうなるんでしょうねぇ~?
資産の件は、幸か不幸か知りませんが、とりあえず「ご愁傷様です
援護もサンクスです!
○REDさん、コメントありがとうございます!
いやぁ~、やっぱり皆さんは立山黒部アルペンルート観光はやっておられるんですね!お猿は、富山県民になってから10年以上も経つのに、美女平より先に行くのは今年が初めてでした。称名滝は何度か行っているんですけど……。黒部第四ダムは未だ未踏の地ですので、大観峰も合わせて是非とも踏破したいものです。今のところ、秋の紅葉シーズンも今年3度目の立山登山を敢行予定ですので、その時には紅葉の大観峰&弥陀ヶ原をやっていきたいものです。
あと、カメラネタはやっぱりありましたねwww!!40Dの価格を考えると確かにD90の価格設定は実に難しいかも!初値で10万オーバーすると、D300との競合が難しそうですね。D90はどんなカメラになってくるんでしょうね!
あ、あとコメントの連投は大歓迎ですよ!スパム並にコメントしてくださいwww!リンクもありがとうございます!
投稿: フォトグラファー猿 | 2008年8月17日 (日) 19時33分