雨晴海岸で富山湾の気嵐を撮る!
お猿@おはようございます。
すっかりご無沙汰して、ブログ更新に1週間以上経ってしまいました。まあ、11月に入って何かと忙しかったわけです。特に富山県は浄土真宗が盛んということもあって、この時期は報恩講でテンヤワンヤしているわけですね。法要料理を扱っている弁当屋なんかは「お斎(おとき)」で大人数分用意したりして稼ぎ時ですしね。真宗の坊さんなんかも、結構忙しそうで、あっちこっちのご家庭で見かけるわけです。
……でお猿はと言うと、何かと撮影でお世話になっている親鸞会さんが、先週の土日にかけて結成50周年の記念行事を報恩講と兼ねて勤修されまして、その行事の撮影で密着していたわけです。親鸞会館とか同朋の里などの関連施設も大変広うございまして、行事当日のみならず、その前後も数日にかけて依頼された撮影をこなしていたわけです。
その中で撮ってお気に入りの1枚がコレ!
ここらでは一番見晴らしの良い法輪閣の屋上にて撮りました。立山萌え~♪
ちょっと手前の柵がジャマなんですが、富山にしては珍しく、快晴の立山連峰と親鸞会館ですね。この秋は立山の紅葉を撮りに行こうと思っていましたが、なんやかんやと機会を逃しまして、気がつけばすっかり冠雪してしまいました。今年は台風もなく、数十年ぶりの素晴らしい紅葉だったよと知人からも聞いていただけに悔やまれます。来年も台風が来なければ、何とかして紅葉の撮影に行こう!!
それはそうと、今回の撮影は、お猿だけでは人手が足りず、富山県内のフォトグラファーが数名やってきていまして撮影されていました。あっちこっちで「撮影係」の腕章をつけた同業者をお見受けしたのですが、D200にVR 70-200mm F2.8を装着したものを駆使している人やら、某C社のEOS 1Ds MarkIIを2台ぶら下げている人も発見。いやぁ、羨ましい。でも、お猿はお猿で負けじと頑張りましたよ!同業者がいると余計に萌える、いや、燃えるのがお猿です!!高価な機材にだって負けないもん!!
……とは言いつつ、今回気になったのが35mmフルサイズのEOS 1Ds MarkII。フルサイズ、フルサイズ……。そういや、憧れのD700の価格が気になるな。
毎度恒例の夜のデジカメショップ、三星カメラでは、先日、こんなんでした!
一瞬、目を疑った三星カメラの価格。思わず記念のスクリーンショット♪
遂に22万円!これで、今月いっぱいなら3万円のキャッシュバックで、19万円!?
19万円台キター!
いや、お猿がD300をゲットした時の相場よりも安いじゃん!前回の記事でコメントを下さった“悪魔の読者”が、ガンガンと背中を後押ししてくださっいまして、正直マウスを持つ手が震えましたね。でも、財力というリミッターが強力にかかっているので、ついうっかりポチはしませんでした。
それにしても、アンタら背中押しすぎやでっっ!うっかり、ローン地獄に突入するところやった!!
……アブナイ、アブナイ。
まあ、この撮影以外にも、おめでたい結婚式の撮影依頼も3組くらいから受けておりまして、そんなのもこなしていましたが、やっぱり……、
FXフォーマット機欲しいかも(ボソッ……)
……という物欲がフツフツと湧き上がってくるのであります。あぁ、PCを封印しようかしら?
まあ、前口上がブログの一記事並に無駄に長くなりましたが、今回の本題に入って行きたいと思います。
富山県と言えば、立山連峰なんですが、高岡市の雨晴海岸からの景色がやたらと美しいのです。海越しに3000メートル級の山を眺められるのは世界でもこことあと1箇所か2箇所らしいので、いつでも写真家がごった返しています。特に立山が冠雪すると快晴の時は最高ですね。そうなってくると、曇天の多い富山県は、なかなかシャッターチャンスに恵まれないわけですが、富山県民&自宅から雨晴海岸まで20分もあれば行けるという条件もあって痛くも痒くも……。
それで、このロケーションで人気があるのが、快晴で寒い日の早朝の撮影だったりするわけです。
快晴だと、夜中の放射冷却の影響で曇天とか雨よりも寒くなるんですね。海上の温度はグッと下がっても、海水の温度はそんなに変化しないので温かいんです。そうなると、海水温と空気中の温度差が出来て、海面に湯気のようなものが発生します。これが「気嵐(けあらし)」という現象です。
その気嵐の立った富山湾と立山からの日の出を撮るのが人気なのですが、何度も言いますが富山県は天気が悪い。なかなか空気中の温度が下がりません。過去にも雨晴海岸の記事を書きましたよね?あれは2月末でしたが、その時は寒かったのですが、海水温も下がって気嵐は発生しませんでした。この冬こそはと気合を入れて11月を迎えることになりました。今週は快晴の日が続いたので、朝は霜がおりるくらいに冷え込みました。
これはチャ~ンス!!
前日は、目覚ましを4:30にセットして就寝しました。どういうわけか撮影となると夜行性のお猿も早起きができるわけで、スッキリ目覚めて、まだ星が出ている5時過ぎにブィ~ンと出発しましたよ!道も空いているので20分ほどで到着!
……で現地に到着してみると既に明るくなってきていて、6:27に日の出というのに1時間前から撮影スポットの突堤はこんな感じ。
ガッツリとカメラマンのおっさん軍団が陣取っています
オジサンばっかですが、やっぱりこういう現場に来ると気になるのが皆さまの使用カメラでして、みんないいカメラ持っているなぁ~と思うのでした。D300仲間も多くて良かったですね。反面、D700がまだいないようだったので、ちょっと安心しています。
こうやって見てみると、雑然としてイマイチな風景ですが、これを逆方向から見てみるとこんな感じ。
さっきと同じ軍団を撮っているとは思えないシルエット♪
う~ん、シルエットで見ると、何ともロマンチックですね。この一番右のお留守の三脚が私のモノです。日の出前の立山連峰のシルエットと稜線から空へかけてのグラデーションが何とも言えずにキレイですね。
この時点で稜線の上をスポットで測光して撮ると、思いのほかシャッタースピードは落ちまして、こんな写真が撮れます。
荒々しい日本海もシャッタースピードを落とせば穏やかな海に大変身!
ここは富山湾と言いつつも実質は冬の荒波が特徴的な日本海!しかし、このシャッタースピードで撮ると波がブレて綿のようになりますね。これはこれで幻想的。本当はND8フィルタくらい使って、もっとワタワタにしてみたかったなぁ~。
……で、日の出を待たずとも既に気嵐は発生していました。雨晴海岸からの撮影ではアクセントとなる岩がいくつかあるんですが、男岩、義経岩、虹が島、そして、定番なのが次の写真で写っている女岩。
日の出前にも幻想的な気嵐を撮れます。立山連峰の稜線もクッキリしていてイイですね
もう、気嵐も絶好調ですね!波もそこそこに立っていてイイ感じです。これは、コストパフォーマンスが良く、描写も実に優秀な望遠ズーム「AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)」を使っています。他のカメラマンは各社の70-200mm F2.8レンズを使っていましたが、コレで十分だと思いますがねぇ。テレ端まで行っていませんので、まだまだ寄れます。ただ、寄り過ぎると立山の稜線がフレームアウトするので、余裕を持って撮れますね。
ちなみに、この手の撮影ではWBを4種類変えて撮っています。
JPEG撮りのお猿は露出は勿論、WBも4つ試して撮ってみます
左上が晴天、右上が蛍光灯、左下が曇天、右下が日陰です。晴天は一番ナチュラルに撮れるので忠実な描写ができるので確実に使います。ただ、普通過ぎるので他の味付けをするためにやるのが他の3つ。曇天や日陰は赤みを強調して撮れるので、燃えるようなインパクトのある写真が撮れますが、朝日っぽくないんですよね。そして、一番オモシロイのが非現実的な強烈な写真が撮れる蛍光灯。パープルに色カブリが起きるのですが、幻想的で面白い。コレは欠かせません!
さて、稜線から強烈な光が出てきましたよ!
稜線から放射状に光が出てきました。間もなく日の出ですっっ!
おっ、今日の日の出はあそこか……。この頃になると、写真仲間と談笑していたカメラマン達もファインダーを覗いてレリーズケーブルを持ってシャッターを切り始めます。緊張感漂う一瞬です。そして、次の一瞬、稜線に待望の光の点が現れました。
稜線から太陽が顔を出すと、露出関連の設定が一気に変わります。それにしても気嵐スゲー
この一瞬で露出が一気に変わります。ボンヤリしていた気嵐も輝きだし、これぞ幻想的な光景です。突堤で撮る人が多い中、義経岩の傍の岩場で撮っている人も多く、それらの人のシルエットも結構イイ味を出しています。
最初は光の点だった太陽も秒単位でどんどんと大きくなっていき、30秒も経てば大きな光の塊になってしまいます。あくまで日の出の瞬間を撮りたい場合は、チャンスは一瞬だと思うべきですね。その辺の動画をコンデジの動画モードで撮ってみました。
う~ん、コンデジの貧弱なCCDで撮影しているので、スミアがガンガンに出まくっていますね。あと、音声でカシャカシャとお猿のシャッター音が入っているのも目をつぶっていただければ幸いです。雨晴海岸の日の出の雰囲気が伝わればと思いまして撮ってみました。
次は、太陽からこちらに延びている光の筋を強調するために縦位置で撮ってみましょう。この辺の水平は、先日購入のアクションレベルを駆使しているので、LEDのお陰で暗くてもよく見えます。
縦位置で撮ってもいいですね。光の筋が良い感じです
縦位置でやった分、じゃっかん広角側にシフトしたのですが、それでも気嵐はシッカリと写っています。この辺は、F8でシャッタースピードは1/4000~1/5000で撮っています。最初にスポットで測ってから、マニュアル露出に持っていけば、こういう場合は撮り易いですね。
さて、次はお猿の最も気に入った1枚です。
WBを蛍光灯にすることで撮れたお気に入りの写真。色合いが何とも気嵐のイメージなんだよね
この頃から、立山連峰の前に少々ガスがかかってしまっているのですが、やわらかい感じに仕上がりました。何よりもWBを蛍光灯で撮っているために、面白い色合いで撮れたと思います。海面はマゼンタ寄りの青、気嵐は黄色、そして、上はピンクっぽく仕上がっています。右のカメラマンのシルエットも実に味があります。やっぱり蛍光灯はイイですね。
さて、5分ほども経つと太陽もかなり稜線から離れてきてしまうので、視点を変えて撮ってみましょう。
日本海らしく波も入れて撮ってみました。太陽は右にズラしてね
これは、手前の波も重視して撮っています。中心から右へずらした光の筋を横切る寸前ながらも大きめの波です。個人的には波のコントラストも好きですね。
これを更にワイド端に引いてみると、手前の砂浜も入ります。
手前に砂浜を入れると、また違った印象です
波に映った太陽も良いですが、手前の砂浜の輝きも良い感じです。ここまで引いても女岩付近の気嵐の存在感があります。
かなり太陽が上がってしまったので、帰ろうと思って義経岩まで歩いて行った時に「おっ!」と思ったのが、岩場から見た女岩。
立山も太陽も入れずに撮っても絵になるのが雨晴海岸だよなー♪
この辺は、波も穏やかで鏡のよう。太陽の方向とは90度違うので日の出とは無縁ながらも、気嵐はシッカリ写っている。そして、青い世界なんですね。このダークな岩場が何とも言えずにWB蛍光灯だったんですが、お猿のイメージ通りに撮れました。
まあ、そんな感じで撮影は終えましたが、人生初の富山湾の気嵐でした。感動的ですね。冬はまだこれからなので、寒い快晴の日は海水温が下がらないうちに気嵐狙いで頑張ってみたいと思います。
ではでは。
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~今日のリンク~
【三星カメラ】カメラ販売
ねぎタンの射水市日記:雨晴海岸の「気嵐」を撮影に行く予定でしたが……
企業のテレビCM離れ始まる 「余裕があれば出すもの」になった
浄土真宗親鸞会 東京ブログ
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この記事へのコメントは終了しました。
コメント
はじめまして!
いつも楽しく拝見しています。ちなみに、Nikon党じゃなくてOLYMPUS信者(おりんぱす、ぶるー!)なのですが、マイナーですよね(・_・)ごめんなさい。最近はお猿さんに洗脳されかかっていて、ひとつNikonも買ってみようかなーなんて。
雨晴海岸きれいですよね。私も一度行った事があります。でもそのときはカメラとか興味なかったから写真の一枚も撮らなかったな。
また楽しい記事をアップしてくださいね!
投稿: みっちゃん | 2008年11月16日 (日) 08時59分
○みっちゃんさん、コメントありがとうございます。
それに“はじめまして!”じゃないでしょーwww
バシッ!
OLYMPUS信者ですか?前はNikonのD40ユーザーって仰っていませんでしたっけ?SONYのαに浮気しそうともおっしゃっていたような???
それはそうと、お猿もデジイチの黎明期には、職場のOLYMPUSのネオ一眼を使っていました。C-2100UZとかE-10とか……。んでもって、某C社のEOSでデジイチデビューして、DIGICとの相性からNikon党に乗り換えですね。オリンパスブルーは広告からも伝わってきますよね?アレが好きでオリ党になる人も少なくないし……。医療業界では内視鏡とかでOLYMPUSはよく使われていますよね?決してマイナーじゃないと思いますよ。まあ、内視鏡でオリンパスブルーが出ても無意味ですが……www。
最近は、DXからFXへの憧れが大きいので、フォーサーズはちょっと……ということでNikon一本です。Nikonいいッスよ!!
投稿: フォトグラファー猿 | 2008年11月16日 (日) 10時05分
更新、待っていました!!
そういえば、D700の最安値水準は(CB込みで)18万円台に突入したとかしないとか。
11月末の期日ですが、この景気動向やこれからの他社との競合、年末商戦なんかを勘案すると、「延長」するんじゃないのかなぁと勝手ながら予想しています。
個人的には・・・
ピアノ等の発表会を睨んで、高感度重視でD700にするのか、
運動会等の望遠を重視でD300にするのか、
無限ループの悩みにどはまり中ですorz
I被写界深度pも勘案すると、SO6400とはいえ、1絞り以上絞る必要があるD700と、ISO1600まで(個人的にはOKな)絞り開放で使えるD300という関係になるので、SSの差は1段以下になりそうなんですけどね。
D700の場合だと、DXレンズ一式(純正VR18-200、SIGMA10-20、Tamron17-50)とD80を里子に出して、TamronA09と純正VR70-300あたりに切替が必要になる感じです。
ここまでいくと、手元に残るのはVR70-200とテレコンだけなので、ほとんどシステム入れ替えに近い?!
非常に悩ましいです。
ところで、WBの件ですが、RAW撮りして後調整なんかだと、仕上がりがやっぱり違うんですかね。
(面倒くさがりな)私は、WBが気に入らないといつもRAWで後調整ばかりです^^A
それにしても、富山湾の写真、素敵ですねぇ。後半の何枚かは来年の年賀状に使いたいくらいです!!
投稿: flipper | 2008年11月16日 (日) 22時13分
○flipperさん、コメントありがとうございます!
いやぁ、ブログ中に書いてあるように11月上旬は忙しかったので、コメントの返信まで遅くなってすみませんでした。ついでに本日は「私の葬式用写真を撮って♪」という、おばちゃん2名の顔写真も撮りました。ああ、自分も撮っておこうかな?
それにしても、D700が18万円台に突入したですって?ますます11月を無事に乗り切れるか心配になってきました。やっぱり、リミッターをかけている間は比較サイトは見ちゃいけませんね。まあ、見なくても、皆さんがコメントで教えてくれるので焼け石に水ですけど……。
それにしても、flipperさんも揺らぎまくっていますね。正直なところ被写界深度までお猿は考慮していませんでしたが、ポートレートに関しては50mm F1.4を持っている上に24-70mm F2.8のレンズ性能を存分に出すとしたらFXは魅力的。でもまあ、flipperさん的な観点で見てみるとますます悩みますねぇ。まさしく無限ループです。中島みゆきの「時代」が頭の中を流れています「まわる~ま~わる~よ……♪」ってね!
FXを考慮すると不変のFマウントとは言え、DXレンズの行き先が悩むところですね。D80をサブ機として使うっていうテもあるんですけど。まあ、キャンペーンが延長されようとされまいと、キャンペーン期間中にはポチできそうもないので、「時が解決する値下がり」に期待して、春頃には……と思ったり思わなかったり。
WBですが、面倒くさがりなのはJPEG撮りしちゃうお猿の方かと……?RAW撮りしてCapture NX or NX2でいじれば仕上がりはドンピシャだと思いますよ。カメラでWBプリセットで撮るのも面倒ですからね。そうなると、じっくり色温度をいじれるRAWは素晴らしいですよね。ただ、マシンスペックがアレでして、CaptureNXに手を焼いています。
富山湾の写真は素晴らしいですよ!やっぱり雨晴海岸はステキですね。他にも景勝地があるので、色々と巡ってみたいと思います。富山はフォトジェニックだ!!
投稿: フォトグラファー猿 | 2008年11月16日 (日) 22時56分