MacProでGenascan5000(FT-S5000)を使う(1)
お猿@おはようございます。
毎度のことながら眠い目を擦りながら、居眠り半分で打ち込んでいる当ブログですが、皆さんに踏まれ続けまして……、
23万ビューを突破しました♪
そんなワケで、これからも踏み続けていただければ幸いです。
さて前回の記事で、お猿は職場の中では、どちらかというと画像処理というマシンスペックを必要とする業務をしているのですが、新しいマシンに最も切り替えにくい悩みもあると書きました。そう、その足かせとなっているのがコレ。
業務用なるが故に、徹底したメーカー側の検証が必要となってくるのだ
あまりに忌まわしいのでモノクロネガ状態になってしまっていますが、業務用フラットベッドスキャナの存在ですね。大日本スクリーン製造のGenascan5000(FT-S5000)というモデルです。確か10年以上前に導入されたマシンですが、当時は“PowerMacintoshG3 MT”でMacOS8を走らせながら使っていたのですが、今のMacintoshは既にMacOSXというUnixベースのOSとなり、CPUまでもがPowerPCからIntelになってしまった。ただでさえ、環境の変化に置いていかれ易いDTP業界ですが、様々な絡みから、ハード的にもソフト的にも厄介なシロモノだったりするのです。
このスキャナがコンシューマー向けの数万円のものなら、買い替えということも検討できようが、ここが業務用の悩ましいところで、簡単に買い替えとはいかないのだ。そうなってくると、メーカー側の対応を待ってやっていくしかない。そう言いながらも、これまでお猿はG3(MacOS8)→G4(MacOS9&X)→G5(MacOSX)と、大きな環境の変化に遭遇しながらも何とか乗り越えてきた。さて、ここでMacProというIntel入ってるMacintoshということと、MacOSX 10.5という大きな変化に対応しなければならない。
果たして、メーカー側の対応はどうなのだろうか?大日本スクリーン製造関連のメディアテクノロジージャパンに問い合わせてみた。すると、Macintoshの対応表を送ってきてくれたのだが、ハードとソフトの組み合わせで必要なものが変わってくるので、やっぱり面倒臭い。ちなみに対応は下記の通り。
○PowerMacintoshG5(PCI-Xバススロット搭載) と MacOSX 10.4の場合
- アプリケーションは、ColorGeniusEX Ver2.07を使用する。
- 接続インターフェースは、adaptecのPowerDomain29160N(ドライバはV1.30を使用)のSCSIカードを使用してSCSI接続という形になる。
○PowerMacintoshG5(PCI-Expressバススロット搭載)かMacPro と MacOSX 10.4か10.5.2の場合
- アプリケーションはColorGeniusEX Ver2.07を使用する。
- メンテナンスツールは10.5対応版を使用。
- ドライバはFT-S5000 Driver V2.14(SCSI I/F:Ratoc社 FireRex1使用時のみ)を使用する。
- 接続インターフェースをFireWire接続にする場合、SCSI I/F:Ratoc社 FireRex1(ファーム:V1.33、FR1Utility V5.0)とSCSI変換機(XWADP50C)が必要となる。ケーブル長が必要な場合は、FireWireケーブル4.5m(XWKE944)などを使って延長する。
- 接続インターフェースをSCSI接続にする場合、SCSI I/F:ATTO社 EPCI-UL5D-0R0(ドライバー:V4.30)とVHDCI(ミニチュア68pin)オプションケーブル1.8mが必要となるが、これはMacProのみらしい。
……と、MacOSXの10.4を使うにしても、Macintosh本体によって変わってくるのが分かる。しかも、すんごく経費がかかってくるのだ。まあ、いずれにせよアプリケーションとして「ColorGeniusEX Ver2.07」は必要となってくるのだが、これはとっくに導入済み。
Genascan5000を使用するには、スキャナを動かす為のドライバは勿論、画像処理ソフトのColorGeniusというアプリケーションが必要となってくるのだ。実は、10年前にこのスキャナを導入した時から、2度の大きなバージョンアップを経ている。
歴代のGanascan5000用の画像処理アプリケーション達。金喰い虫め!
左から右へバージョンアップしていくのだが、左から「ColorScope Pro3」、「ColorGenius」、「ColorGeniusEX」となっている。“ColorScope Pro3”はPowerMacintoshG3時代に使っていたもので、MacOS9に切り替える段階で“ColorGenius”のアップグレードパッケージを新規導入。そして、PowerMacintoshG4(デュアルブートモデル)に切り替える段階でMacOSX対応が必要ということで“ColorGeniusEX”のアップグレードパッケージを新規導入した気がする。これらのアプリケーションは業務用なので非常に高価で痛かったのだが、時代の変化に対応するには仕方がない。ただ、今回のMacProに対応させるには新規購入は必要なさそうだ。
ただ、アプリケーションの新規購入はないにしても、ハードウェア的には天下のSCSI機器ということもあって、いろいろと購入しなければならなさそう……ということで、「MacProで使うにはいくらするのかね?」とメディアテクノロジージャパンに見積もり依頼をした。
先ほどの対応表では、後者が対象になるのだが、FireWire接続とSCSI接続を選択できる。FireWire接続だと約2万円。SCSI接続だと約28万円らしい。これでSCSI接続を選択するメリットがあるのだろうかとも思うが、FireWire接続だと、スキャナ使用時にMOドライブなどのFireWire機器を使ったりすると書き込みエラーなどの不具合が起きる可能性があるとのこと。まあ、FireWire機器なんてMOドライブしかないし、同時に使うことはまずないのでFireWire接続を選択。
しかぁ~し、実は2万円だけではなかったのだ!
立ち上げ料で6万円上乗せされるのだ。
立ち上げ料というのは、メーカー側のエンジニアがやってきてセットアップをやってくれるという出張料&技術料みたいなもの。「見積もりとって」というと、勝手にこれが加算されてくるのだ。中にはファームウェアのアップグレードなんてのがあったりして、場合によってはスキャナが動かなくなってしまうこともあるので、技術者にやらせるのがメーカー側にも顧客側にもメリットがあるのだが、これまでお猿はそういうのは自分でやってきているので、
「セットアップは自分でやるので、立ち上げ料ナシで見積もりしてください」
とお願いしまして、節約してきたのでした。……というのも、最初にこのスキャナが導入されてきて不具合が起きた時なんかにサービスマンが修理しているのを横でガン見していたので、スキャナ側では何が動いていて、Macintosh側では何が動いているのかということが頭に叩き込まれてしまったのだ。そういうこともあって、自分でできる自信はあったのだ。うん、今回もきっとできるさ。
そこで、FireWire接続で必要なパーツだけを発注して2万円以内で出費を抑えた。6万円もあったら、Adobeソフトのアップグレードが余裕でできちゃうし勿体ない!
そうしているうちに、メーカー側から「じゃあ、セットアップはお客さまがされるということですので、パーツだけ送ります」と言われて、パーツが送られてきた。いよいよ、G5マシンからMacProマシンへ引越しだ。完全に自己責任だけに緊張はするが、なせばなる!
まあ、その前にG5がスキャナを認識している間にスキャナのファームウェアだけは確認しておいた方がいいと思うので、引越し前にファームウェアの確認だけしておく。
まず、アップグレード関連のダウンロードだけしておくといいかもしれません。Genascan関連のアップデータは、スキャナ関連のダウンロードサイトにあるので、そこから下記のファイルは確保しておくといいでしょう。
- FT-S5000 Driver V2.14 For CGEX V2.07(ドライバのアップデータ)
- ColorGeniusEX Ver2.07 for FT-S5000 Updater(ColorGeniusEXのアップデータ)
- FT-S5000 Firmware V2.12(for CGEX)(FT-S5000のファームウェアのアップデータ)
アプリケーションフォルダの中に「ColorGeniusEX V2」というフォルダがあるので、それを開く。
日頃あまり見ないアプリケーションフォルダ内のColorGeniusEXのフォルダ
すると、「ColorGeniusEX V2.0」以外に「FT-S5000 Maintenance(MacOSX)」というフォルダが存在しているのが分かる。それを開くと、
更に開いたことがないと思われるMaintenance関連のフォルダ
……というように、「FT-S5000 Maintainer」というアプリケーションが存在するので、それを立ち上げます。似たアプリケーションで「FT-S5000 SuperMaintainer」というのがあるが、それはサービスマン向けのアプリケーションなので使えません。そして、起動した画面がコレ。
これまた通常は使うことがないMaintainerの起動画面
あまり見慣れないアプリケーションですが、「Start」をクリックすると、下記情報が確認できます。
Maintainerを使えば、ファームウェアからドライバまでのバージョンをチェックできる
ウィンドウの右に「Version」情報が羅列していますが、ここの「Firmware」を確認し「Ver2.12」になっていればOK。スキャナ側の受け入れ体制は出来ていることになりますが、もし下位バージョンだった場合は、最初の画面で「Firmware Dowmload」をクリックしてアップグレードする必要があります。「FT-S5000 Maintenance(MacOSX)」フォルダ内にも「FT-S5000_V2.12.jfirm」がありますし、ダウンロードサイトで単体でもダウンロードできるので、それを指定してファームアップしましょう。
ただ、恐らくこのファームアップは一番危険な作業なので、途中で電源を切ったり止めたりすることのないように、くれぐれも慎重にお願いします。最悪の場合、アップグレードどころの騒ぎではなくなります。
これが出来ればスキャナ側で必要なアップグレードは完了ですので、次はいよいよMacPro上でのセットアップです。
ちなみに、スキャナの接続端子はご覧の通りのSCSIです。
こいつがSCSI接続だから面倒臭いんだよなぁ~。右の白いのはターミネータだよっ!
これに接続する為に、G5側にはadaptec社のPowerDomain 29160NというSCSIカードを挿していました。ちなみにG4時代は同社のPowerDomain 2930Uを使用していたが、G5には転用できずに、泣く泣く新カードを導入した思い出がある。
G5の背面。赤い矢印がPowerDomain 29160NのSCSI端子
実は、このSCSIカードを使う上でも、先ほどの対応表であったようにドライバはV1.30が推奨です……が、ダウンロードサイトを見ても正規ドライバはV1.20で、カード自体は生産終了品の分際でありながらV1.30は未だにβ版だったりするのだ。お猿が導入した当初は、日本語サイトにはV1.30βは存在せず、アメリカサイトに行かねばダウンロードできない有り様だった。かなり、綱渡りでSCSI接続していたのだった。
……で、ご覧の通りに双方のピン形状が異なるために、ケーブルも両対応するものを別途購入した。
SCSIケーブルでもスキャナ側とMac側で端子形状が異なるのだ
このケーブルも高かったんだよなぁ~。
G5とMacProは外観は似ているけど、やはり、このPowerDomain 29160Nを使うことはできなかった……ということで、先述のような変換コネクタやFireWireへのコンバータを導入することとなった。
ああ、DTPってやたらとお金がかかるんだよなぁ~。
そんなこんなで、次回はMacPro上でのセットアップを紹介します。
ではでは。
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