四季の五箇山「雪あかり」レポート(4)
お猿@おはようございます。
大好きな五箇山の冬のイベント「四季の五箇山 雪あかり」が終って1週間以上が経過しましたが、今回をもってやっと最終回です。
イベントの両日共に雪が降らず、肝心の合掌造り家屋の屋根に雪がない状態でのイベントとなってしまって悔しい思いをしたのですが、先週の小春日和を通り越したようなのどかな天気と打って変わって、今日の富山の天気は雪!
そこで、今になって菅沼集落のライブカメラを見てみると、腹立たしいほど雪が降っています。もう、いい具合に家屋の屋根に雪が積もっているんですよね。
いやぁ、実に腹立たしい……。
まあ、イベント当日にこれだけ激しく降られても困るんですけどね。いやぁ、この天気があと1週間早く来ていればねぇ。悔やまれます。
さて、過ぎ去ってしまった日々のことをグダグダ言っていても仕方がないので、とっととレポートを終らせてしまおうかと思います。前回は、2日目の五箇山民謡披露1回目までのレポートをしました。今回は、その後からです。
1回目の披露が18:00からでしたが、2回目は19:30からということで時間があるため、再び「うまいもん市」へ……。幸いにこの日の駐車場で貰った100円券も、まだ生きていたんだよね~。
18:30から栃餅の餅つきが始まるので、行ってみた。今日は、竹中家の管理人であらせられる五箇山小町氏が杵を振っていた。
まず、五箇山小町氏流の披露は最初に蒸された栃の実の香りをギャラリーに嗅がせるところから始まる。そして、「栃の実の香りですよ~。嗅いでいってくださ~い。栃の木は警視庁の前にもありま~す」といった趣旨のことを語り、そして、いよいよ栃餅をつき出す。
ぺったらぺったらとついていくのだが、初日は写真を撮っていて食べ損ねたので、この日は何としてもホンモノの栃餅にありつきたいと予約だけしておき、写真を撮った。
2個セットで、周りに餡子がついたものと、きな粉がついたものが貰える。最初はきな粉が素朴で美味しいかなと思ったのだが、餡子が意外といけた。栃餅の風味を堪能するなら餡子がベスト。思ったより餡子の風味がでしゃばらず、そして栃餅の風味を引き出すのだ。きな粉は塩っ気が強くて、栃の風味を消してしまうような気がした。ただ、口に含んだ後にきな粉が栃餅から離れると栃の風味が一気に鼻に抜ける。実に贅沢なお餅だ。2個で500円だが、これは是非とも食べておきたい名産である。
そうやって、栃餅で腹ごしらえをした後に、再びトンネルをくぐって菅沼集落へ。道中のキャンドルも手持ちで撮ってみた。
う~ん、さすがに高感度に強いD700だ。
トンネルをくぐった後、ちょっとだけ裏の田んぼに出てみる。集落の内側とは打って変わって静寂としているのだが、満月が出ていたので撮ってみた。まずは、照明がタングステン灯だったので、WBもそれに合わせて撮ってみた。
空に少々、雲が出ていたので、月が鮮明でないのが残念。しかし、一風変わったライトアップが撮れたように思う。他のカメラマンも撮っていない、お猿だけのスポットだ。WBもタングステンに合わせてあるので、敢えてリアルな色合いに仕上げてみた。
次は、何かと試してみるWB蛍光灯である。
ちょっと雪の田んぼを多く入れすぎたのが残念。パープルっぽい色合いに仕上がった。個人的には、このWBを蛍光灯にして自然を撮るのは非常に面白いと思う。う~ん、田んぼを3分の1はカットしたかった……。
そうやっているウチに五箇山民謡を披露するための雪上舞台へ……。
既に多くのカメラマンが陣取っていたが、大半が三脚を使っての撮影。しかし、個人的に動きのある踊りなんかを三脚で固定して撮るのは好きでないので手持ち撮影である。その為、三脚軍団の最前列にできる舞台とのすき間にスッポリと入れてもらって撮ることができた。最前列でローアングルからの撮影をする人が2日連続で皆無といっていいのは驚いた。このアングル、いいと思うんだけどな~。
さて、こきりこ節のささら踊りが始まります。この日は、どうしても手前に来る雪上舞台の反射を恐れてノンストロボ撮影にチャレンジ。全部ISO1600のF2.8で撮ってみた。改めてD700バンザイだ。
まずは、前奏段階での待ち状態の踊り子さん。
う~ん、前日に比べて接近できたので標準ズームレンズの「AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED」のテレ端で結構寄れているように思う。う~ん、待ち状態でもカッコイイぜ!後ろの合掌家屋と手前の雪の丘(実は雪上舞台)が、非現実っぽくて個人的に萌えである。
さて、踊りが開始。開放F2.8での撮影なので、仕上がりを見てピンボケ量産状態に自己嫌悪に陥ったものの、それでも数打ちゃ当たる状態でキマったのも、そこそこ撮れた。やっぱり、足を上げているのが好きだ。
そして、クルリと方向を変える瞬間もなかなか好み。この時には、体をひねるので、ささらと頭が逆方向になってカッコイイ。舞台の中央寄りで撮ったのだが、2人の踊り子の間に、そこそこ遠近感があって良いではないか。
そして、踊りが終了して恒例の撮影会に入る。踊り子さんがポージングしてくれるので、実際の踊りでは見られない格好での撮影となる。一方のささらが上にかかげられているのに、一方のささらが下に下ろされているなんて、余程息の合っていない状態でなければ見られないが、あくまでこれは撮影用ということで……。
ただ、このポージングで撮るのと実際の踊りでは大きく違うところがある。上の写真と下の写真で踊り子の笠に注目していただきたい。動きがある分、リアル踊りの時には、山鳥の羽がしなっているのだ。ささらのブレも手伝って動きのある写真になっていると思う。
それでも、これはあくまで撮影会なので、これはこれでグッド。
更にポーズを変えて縦位置で撮ってみた。
やっぱり、どれだけ屈んでも、笠の山鳥の羽はピンと立ったままだ。それでも、このクロスっぷりはグッと来る。
更に別のポーズ。
足元が見えないくらいにローアングルで撮っているので、雪の丘で踊っているように見えるでしょ?実際は田んぼの上に50cm程度積もった所で踊っているんですけどね。
これを更に縦位置で撮影。
上の黒い空間が個人的に好みなのだ。やっぱりこきりこ節はカッコイイ。音楽の教科書でも出ているし、何よりも日本最古の民謡とも言われているくらいなのだ。おわら節と合わせて富山県民の誇りだ。
前日のスローシンクロ撮影よりも、手前の雪が暗く写っているので、踊り子が浮き上がって見えるのではなかろうか?臨機応変でスローシンクロ撮影を行ってきたが、D700の高感度撮影の画質の良さをゲットした今、シャッタースピードを稼げる分、ノンストロボで行けそうだ。これからはISO1600以上での撮影をガンガンやっていけるような気がした。
こうして、今年の「四季の五箇山 雪あかり」は終了。最後に司会の五箇山のゆきえさんが「かまくらの所に車のキーが落ちていました」とアナウンスの後、凄く親身になって会場内を駆け回っていたのには感動した。ゆきえさんだけではなく、イベントスタッフの皆さんが全員で観光客をもてなしてくださっているのだと感じた。あのキーの持ち主は現れたのだろうか?
そうやって、キーの心配をしているお猿のポケットが妙に軽い。
ヤバイ、財布がない……。
ポケットの中にあった財布がなくなっていた。他人の心配をしている場合じゃなかった。周囲は非常に暗く、観光客が多くて見つからない。よ~っく、自分の行動をリプレイしてみた。雪上舞台の前でしゃがんで撮影をしていた時が怪しい。しゃがんで動きまくっていたので、ポケットが押されるのだ。かすかな期待を持って、自分が撮っていた部分を照らそうと思ったが懐中電灯がない。最後の手段で、ストロボのモデリング発光で照らしてみた。無駄にちらついて、無駄に明るい。お陰で財布は見つかった。
田んぼと道の間の細い水路にプカプカ泳いでいました。
まあ、見つかればいいや。お陰で、非常にみずみずしいお財布になりました。被害があったのは、中にあった残金5000円(実にビンボー)。それと、貯めまくったお猿の紙製スタンプカード類ですね。その辺は紙製なので、実にみずみずしかった。クレジットカードとか硬貨は拭けばいいので……。それにしても見つかって良かった。
さて、撮影の話題に戻ります。
今回の撮影を通して、明らかにD700で撮影の幅が広がったような気がする。ただ、ご覧のとおり、所有レンズでは大口径のテレ幅が70mmっていうのが残念だ。あと一歩寄ることができない。ここは一つおわら風の盆の取材時から希望している「AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF)」が待望される。望遠で描写も素晴らしい「AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)
」を所有しているものの、いかんせん暗すぎる。ただ、後継レンズが噂されナノクリに加えてVRIIになれば、更にイイので若干高くてもレンズは生涯の資産であることを思えば発売を待ちたいと思うのだ。登場はPMAかPIEか?可能ならば、ナノクリ大三元のうち、24mm~200mmは揃えたいと思うのだ。超広角域はいらないので……。あとは、テレコンで何とかするさ……。
Nikonさん、早くVR 70-200mm F2.8Gの後継レンズを出してくださ~い。早めに手を出そうと思いますので……。
では、今回の撮影での反省を生かしてD700とD300の使い分けをしていきたいと思います。
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コメント
満月も踊り子さんもサイッコォーに素晴らしい写真ですねっ。
息を呑みました。
さすが猿師匠殿です。
いやいや。これに70-200を加えたらと思うと本当に楽しみです。
それにしても満月の2枚は甲乙つけがたいですねっ。
猿殿はどちら派ですか?自分は2枚目の構図が大好きっす。
70-200ほしっすね。
いやー。
猿どのの写真でテンションあがってます。
投稿: べあまんさん | 2009年2月16日 (月) 23時44分
お邪魔します。
『田舎生活もオツだね』に
お越しいただきありがとうございましたm(__)m
サスガの画像ですネ。
今年はライトアップに行けなかったけど
シッカリ堪能させていただきました。
ありがとうございます。
投稿: ケーイチ | 2009年2月17日 (火) 09時12分
もったいないお言葉ありがとうございます~
エフエムいみずから、ただいま五箇山に戻りました。
今日は里雪みたいで砺波市あたりの雪の降りようといったら…
車の鍵の持ち主さまですが
おかげさまで見つかりました
イカツイ顔の五箇山小町氏が、合掌の里駐車場で鍵を無くして困られていたお客さんを、菅沼までお連れになったんです
若いカップルで、ドサクサ紛れにお客さん(彼ぴ)と握手してしまいましたよ
また来年会いましょうぞ!って。
外部とのやりとりで、いろんなゴタゴタがあったのですが、お猿さんのお言葉に救われてます。
投稿: ふろむ五箇山 | 2009年2月17日 (火) 22時23分
五箇山撮影お疲れ様でした。
私は、「満月夜空の集落のタングステンWBの画像」が中々良い作品だと思います。
今年の「四季の五箇山 雪あかり」は御期待に反して暖冬での開催ありましたが、撮影が終わってから雪が降り出すなんて、何とも意地悪ですよね。
それとお財布が無事で何よりです。
さぞかし大変で在ったと思います。
>田んぼと道の間の細い水路にプカプカ泳いでいました
お財布との再会が、スゴーク劇的に感じられます。
D700のISO1600のノイズ性能は噂通りに凄いですね。
ノンストロボ撮影の領域が広がる感じがします。
これなら、「風の盆」撮影でも十分ノンストロボ撮影で行けますよね。
お猿さんのF2.8で24~200mmを揃えたい願望がhideにもよく解ります。
私もノンストロボ撮影をテニスやステージショー撮影で
遭遇いたしますので、同じ気持ちは有ります。
でも普通の人ってF2.8ズームって高額商品だから、レンズメーカー品を購入されるのに、
お猿さんはNikon純正で揃えるのだから、Nikon党鏡ですよ!
◎Nikonさん、ここに「新型AF-SVR 70-200mm F2.8G」が欲しい方が
いらっしゃいますので、すぐに発売して下さい。
追伸、先日hideはNikon銀座で新型AF-S 35mmを触ってきました。
では、またです。,,,,,,
投稿: cameraman_hide | 2009年2月17日 (火) 23時39分
天気はどうにも思い通りにならないですからねぇ・・・。それでも十分素晴らしく撮れていると思いますよ^^
それにしても、財布、見つかってよかったですね!!
こういった場所で、しかも暗闇で探しているような状況で見つかったのはとてもラッキーだったのでは?!
VRⅡナノクリAF-S70-200mmF2.8は、まだ当分発売されません(断言
っていうか、発売しないで~というのが現行型70-200mm所有者の魂の叫びなんです(爆
もし出たら・・・追い金払って買い替えというのも考えましたけど、それより先にDX専用⇒FX対応へと
所有レンズの入替えを進めていくほうが優先順位が高そうです>>私の場合
投稿: flipper | 2009年2月20日 (金) 21時36分
○べあまんさん、コメントありがとうございます。
今回は満月っていうのは全く知らずに行ったので、現地で思いがけずってことで良かったですね。ただ、もうちょっと早い時間帯に撮りたかったです。ちょっと輝度差がありすぎますからね……。まあ、今回は雪中での踊りを撮るってのがメインだったりしたので、ミッションコンプリートってことですね。
あとは、70-200mm F2.8でもうちょっと寄りたいのがホンネです。今のままでは引き過ぎているので……。新型欲しいです。
○ケーイチさん、コメントありがとうございます。
堪能していただけたようで良かったです。
また、遊びに行きますね~!
○ふろむ五箇山さん、コメントありがとうございます。
ええ、実は水曜日放送だと勘違いしていて聞きそびれました
。
そんなワケで、携帯のスケジュールに3月の放送時間を登録してアラーム設定までしておきました。これで余程のことがない限り、来月は必ず聞けるはず!感想を述べさせていただきますよ!
カギの持ち主も見つかってよかったですね。光景が目に浮かぶようです。
やっぱり、五箇山の皆さんはステキですよ!
○hideさん、コメントありがとうございます。
そりゃもう、財布との再会は感動的でしたよ。まさか、モデリング発光で探すことになるとは思いませんでしたし。
カード類も入っていたので顔面蒼白ですよ、ホント。
70-200mm F2.8をサードパーティ製で揃えるのもいいんですが、やっぱり純正に弱いんですよね。あと、VRが望遠ほど重要と思われたので……。お猿は手持ちが多いですし……。おわらで三脚で撮ってられませんしね。D700でやっぱり高感度に手を出し易くなったのは嬉しいです。
今年は、夜間撮影が増えそうです。ハイ。
○flipperさん、コメントありがとうございます。
財布はやっぱり大事ですよね。残金5000円という状態でしたが、カード類も入っていましたからね。水路に助けられたってカンジです。
それにしても70-200mm F2.8後継が当分出ないと断言されるのはショック!!
でも、所有者としての魂の叫びはよ~っく分かります。巷ではD300XだとかD700XだとかD800なんて言われていますが、今出されたら一揆を起こしそうですもん。でも、やっぱり出して欲しいなぁ。
個人的にはflipperさんの動向が気になります。ハイ。
投稿: フォトグラファー猿 | 2009年2月20日 (金) 22時21分
写真も幻想的で良かったし、餡子入り栃餅も食べれて良かったし、こきりこ節も聴けて良かったし、
なにより、財布が見つかってホントに良かったですね~~(^^)
でも、やっぱり、五箇山ってとこは、雪があるんですね・・・
ウチらんとこは、最近ほとんど降らなくなりました。
ささら踊りって、田んぼの上に50cm程度積もった雪の上で踊るんですか?
余程、雪の表面が硬く凍ってるんでしょうね・・・
私も子供時代は、田んぼの凍った雪の上を歩きました。
こっちでは、これを「おしゃりんこ」って言いました。でも、時々、がぼるんですけど・・・
今では、温暖化で出来なくなりました。寂しいですね。
投稿: むーさんです | 2009年2月25日 (水) 17時10分
○むーさん、コメントありがとうございます。
いやぁ~、昨年以上に五箇山自体を堪能しましたよ。
堪能すると、五箇山に溶け込むので写真も自然になったかと思います。
本来は、こきりこ踊りは雪の上では踊りません。
ただ、観光のために披露しているだけですね。教科書に載っているくらい有名ですから。
地球温暖化は、過ごしやすくなるけど、やっぱりイヤというのがホンネです。
投稿: フォトグラファー猿 | 2009年2月28日 (土) 20時14分