お猿@おはようございます。
前の記事では、射水市浄土寺地区某所のカタクリの花撮影をネタにして、次回はD90の動画撮影に迫るようなことを書いていたような気がしますが、見事に期待を裏切って射水市から黒部市に話題を飛ばしたいと思うよ!
まあ黒部といえば、黒部ダムやら黒部峡谷鉄道やらで誰もが憧れる富山県のスーパーリゾート地でございますが、いずれも、おしなべて……、
山奥なんだよね。
昨年は特に、富山県内の名所撮影を行ってきたお猿ではありますが、どういうワケか黒部は撮っていないんですね。立山黒部アルペンルートだって室堂止まりで、その先はお猿未踏の地なのでございます。
だって、山奥なんだもん……。
……っていうくらい、五箇山もビックリするような交通のアクセスの悪いのが黒部の山奥なんですが、これまたビックリするほど黒部の平野部ってフォトジェニックなものがないのであります。
もっと頑張らんかい!平野部……。
と思ってみるのですが、ホント何もないですわ……と思っていたら平野部にも春が来たようであります。そのニュースがコレ。
「トキ、黒部滞在21日間 本州で最長に」
おー、トキやん!知人にトキさんっていうオバチャンがいらっしゃいますが、そのトキさんが黒部に21日間滞在したところでニュースにはならんわけで、ズバリ鳥のトキでございます!そのトキが黒部市に来ているとのこと。
聞くところによれば、佐渡島で放鳥されたトキなのだが、雄は佐渡島から出ずに巣作りにいそしみ、雌は佐渡島から本州に渡っちゃって飛び回っているらしい。そのうちの雌の1羽が黒部に来て、その一箇所の滞在記録が本州最長になったのだそうな。
それにしても……、
トキの雄の引きこもりっぷりは、目に余る!繁殖期だというのに雌がこぞって島脱出!イイ男はいないかとトキのいない本州に脱出してしまった!島内の雄は総スカンだ。どんだけ甲斐性ナシなんやねん!それだけじゃない。逃げられても本州まで追ってくる雄がいないって、アンタたち、草食系かいっ!!
結果的に、今年中の婚活は絶望的なんていうニュースも出るくらいだ。ちったぁ、頑張れよ、トキ!
そんなわけで、黒部市といっても広いし、トキは黒部市だけじゃなくって富山市や滑川市まで飛んで移動するらしいので、黒部市に行ったところでトキの居場所はどこだ?ってことになる……が何とかネットで見当をつけて行ってみる事にした。ただ、遠巻きにしか撮れないらしいので、望遠レンズは必須。そうなると、機材はこれですな。
この組み合わせが最強だ。D300はDXフォーマットなので画角は1.5倍になってテレ端で450mmになる。FXフォーマットのD700も持って行ったが、300mmが300mmでしか撮れないのは全くもって話にならない。ここはDXフォーマットのフラッグシップたるD300は非常に心強い。1.5倍のテレコン装着みたいなものなのに、F値はそのままですからね。これは非常に頼もしい。
あ、あと、妻も「連れて行け」ということで連れて行くことになりました。佐渡島のトキのように、これが原因で逃げられてしまっても困りますので……。
そして、北陸自動車道を使って黒部ICの一歩前の魚津ICで出る。大河ドラマの「天地人」の「魚津城の戦い」で、やたら注目を浴びている場所だ。……があまり大河ドラマに関心はないので、そのまま黒部市に向かって国道8号線を進んでいく。そして、見当を付けていた場所で8号線より外れて、ちょっとした田園地帯へ……。田園地帯といっても住宅地でして、そんなに山奥ではない。むしろ、海辺。
そしたら、見つけました!えらいぞ、お猿!
車を走らせていると、えらく路地にゴツイカメラを抱えた男たちがたむろしていた。こんな住宅地で超望遠レンズを装着したカメラを持っているなんて絶対に不自然なこと。間違いない。
そして、みんなが見ている先を見てみると……あ、いた!
トキがねぐらとする高い木の中に、サギと見紛うばかりの鳥が1羽とまっている。サギよりはグレーに近い。どうも、繁殖期になると羽が黒っぽくなるのだそうな。それにしても、DXフォーマットに300mm装着でも遠い……。ご覧のとおりの距離感だ。隣でD300を使って撮っていた人は「AF VR Zoom Nikkor ED 80-400mm F4.5-5.6D」を装着していた。ズバリ、600mm相当だ。他にも超望遠レンズ軍団ばっか。さすがにSIGMAの「APO 150-500mm F5-6.3 DG OS HSM」とか「APO 50-500mmF4-6.3EX DG HSM」が欲しくなりました。それでも今日は300mmで行くしかないので、近寄ることにしました。
トキがとまっている高木は、某民家の屋敷林だったので、某民家の周囲は人だかり。民家の住人も「どーぞ、どーぞ」と非常に気前がよい。
……とまあ、これ以外にもカメラマンなおじちゃんがウロウロしていた。見事に望遠レンズのオンパレード!さて、その先には?
トキ、萌え~~~!!!
いやぁ、トリミングしているとはいえ、かなり寄れました。AEオートなんで、そのまま撮っては、暗くなってしまうので、羽が白トビしないレベルまでプラス補正をした。感度はISO800にして、暗部にいるトキ対策をした。では、ここからはそのトキをご覧いただきましょう!
かなり長時間、この木の上にはいたらしくカメラマン軍団も待ち飽きたってカンジ。そうしているウチにトキがモゾモゾと動き出した。
動き出すと、某家の住人が「そろそろ飛びますねー」と周囲のカメラマン軍団に教えてくれた。そして、
羽を少し広げてみせてくれる。飛ぶ準備だろうか?朱鷺色の羽が美しい。
急に頭を下に下ろして何かしている。オレンジでも赤でもない、朱鷺色の羽はやっぱり美しい。繁殖期ではなく、通常の色でぜひとも見たいものだ。そうなったらいつまでも黒部にいてもらいたい。佐渡島から雄を黒部に連れてきたらどうだろうか?
この後、急に鳴きだした。鳴き声はカラスに似ているため、少々お聞き苦しい……。そろそろ飛ぶかな……と思ったら、またもやキョロキョロしていて待っているカメラマンもガッカリとする。
……がその時!
飛んだ!!
いやぁ~、フイ打ち食らいましたよ。オオハクチョウなんかの場合は飛ぶ直前には水面を助走するし、その前にも飛ぶ兆候を見せるのだけど、トキは初めて見るだけにまったく分からない。急に飛ぶのだ。プラス補正して撮っていただけに、完全にブレブレ!すっかりミステイクだよっ!
さて、トキはどこへ行ったのやら……と思ったら、そのお宅のおばちゃんが「多分、○○小学校の方だよ」と教えてくれた。どうやら、この周辺でもトキがいるのは3箇所くらいに限定されているらしい。食事をする所、寝る所、あともう1箇所って感じだ。そして、おばちゃんが案内してくれるので着いて行ったところ……(ちなみにおばちゃんは自転車をスイスイこいで移動なので徒歩で着いていくのは非常に辛い)、
いた!
休耕田の畦付近で餌探しをしている。これはネットで見た畦ではないか!もうすっかり黒部市で餌のある場所を覚えてしまったようだ。これは定住するのか!?
そして、目を上にやると……、
見物客ゴッソリ!
上の写真の両側にもギャラリーはたっぷりいましたので、かなりの見物客がいました。ちなみにこっちの道路にもギャラリーはいますので、田んぼを囲んでいるわけです。望遠で撮っているので、近く見えますが、300mm&トリミングでコレですので、かなり離れています。
何食わぬ顔で休耕田を歩くトキ。
顔は真っ赤っか。痩せ細った七面鳥のような雰囲気かな?
餌をついばむトキ。
ちなみにこの場所の状況はこんな感じ。
これだけのギャラリーがいるので、おかしなことをする人はいない。勝手に近づこうものなら、周囲から大ブーイングの嵐だ。見物客が一点集中しているだけに保護されていると言ってもいいかもしれない。
一箇所で陣取って、ジッと待っていると、トキもフラフラと近づいてきてくれる。連写の嵐~~~!!
畦を歩きながらミミズなんかを探しているらしい。
これはあまりトリミングしなくてもこれだけの大きさで撮れました。ジッとしていれば、トキは寄ってきてくれる!
畦から水田にクチバシを入れて餌を食べる。水田には他の鳥もいたが、注目されているのはトキだけでした。ちなみに、両足にはタグが付けられていて「04」という数字が見て取れた。また、背中からアンテナみたいなものが飛び出ているが、トキの居場所を調査するためのGPSのアンテナらしい。一瞬、「ラジコントキか?」と思ってしまうような外見だ。
水田の中を歩くトキ。
いつの日か、タグもGPSも付けていないトキが日本の空を飛ぶことを念じています。
ちなみに、お猿に添付されていた妻は、お猿の後ろで眺めていました。携帯のカメラで果敢にチャレンジしていたようですが……、
これが精一杯のようでした。う~ん、数ピクセル単位でトキの形状が表現されているかな?あまりに、トキが遠かったためか、近くで黙って300mm砲をトキに向けているお猿を撮り始める妻……。
三脚を使わないで撮り続けるお猿が、妻によって撮り続けられていました。監視カメラ状態です。こうやって見ると、お猿の戦闘服は真っ黒だなぁ~と感じるのでした。
さて、次は飛んでいるところを撮りたいな!
ではでは。
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