ColorEdge CG241Wでキャリブレーション実践!(2)

 お猿@おはようございます。

 前回の記事で、D700の価格変動が激しくて気になっているように、日経平均やら円相場が気になっているということを書きました。しかし、もっと気になっているものがありました。

 ガソリン価格ですね

 車がなければどこにも行けないっていうくらい車社会なのが富山県なのですが、レジャーのみならず通勤には必ず使われるといっていいでしょう。電車やバスなんて使っている人は相当少ないようです。主婦に至っては買い物に車ですね。ちょっと道路向かいのお店に行くだけでも車を使う人もあるくらいですから、富山県民って東京とか大阪の人に比べたら相当歩いていないと思います。

 以前に東京に行って、現地人並に電車を乗り継いだだけで筋肉痛になったくらいですからね。情けないもんです

 そんな生活必需品がガソリンなんですが、寒冷地なので、これからは灯油の価格も響いてきます。まあ、ウチはオール電化なんであまり影響はないんですけど……。それで、昨日は愛車の給油ランプが点灯したので、「やれやれ」と思いつつ、メール会員になっていた出光のガソリンスタンドに行きまして給油しました。

 まず、店頭での現金価格は、108円/Lですね。ところが、お猿は出光のクレジットカードを所有しているので、3円/L引き!つまり、105円/Lとなるわけです。更に更に、口座引き落としの際に2円/L引きになるので、最終的には103円/L!

2012189

 今回の給油のレシートは上記の通り。

 給油ランプが点灯してからの満タン給油だと、35L前後の給油になるのですが、久々に満タン給油して3千円台で済みました。暫定税率が一時的に解除された時でも120円/Lくらいでしたからね。古き善き時代に戻った感じです。かつては月に3回給油しても1万円チョットでしたからね。そこに近づきつつあるようです。

 ちなみに手元にあるレシートをひっくり返してみたところ9月のレシートがありました。

20121810

 163円/L!高すぎますっ!まあ、このちょっと前には180円/Lなんてのがあったくらいですから、当時のお猿は「おーい、安くなったぞ!160円/L台だ!」と言い回っていたんでしょうけど。全然安くないですよね。あ、ちなみに500円給油ってのは、9/12は金曜日。翌日の土曜日から週末の安売りが行われるということで、ギリギリのラインで給油したってことです。かなりケチい給油をしています。

 これが、10月に入ると、

20121811

 152円/L!1ヶ月チョットで10円/Lほど安くなっています。案の定、当時のお猿は「おいおい、ガソリン安くなったぞ!」とウハウハしていたかと思いますが、全くもって安くありません。昨日の給油より4リッターほどしか多く給油していませんが、総額にして1200円ほどの差。アホらしいです。

 そして、先月の11月の価格が、

20121812

 110円/L!確か、これはゲリラ給油の日に行ったんだと思います。この直後には125円/L程度に戻っちゃうんですけど、この辺から価格も急降下って感じでしたね。

 まあ、今の原油価格は暴落していますが、ちょっと前までの高騰は、インドや中国といった国々の需要が伸びて……ってのもありましたが、最も大きかったのは投機だったそうですね。全くもって一部の金持ち連中のマネーゲームの為に生活が困窮するんだからたまったもんじゃない。そんなに金集めてどうすんのさって思うけど、財欲にキリはありませんからね。まあ、立場を変えれば当然と言えば当然ですが……。何はともあれ、ガソリンが安くなって良かったですね

 さて、前口上がやたらと長くなりましたが、お猿の職場に鳴り物入りで導入されたAdobeRGBカバー率96%のカラーマネジメントモニタColorEdge CG241Wをレビューしていましたね。前回はColorEdgeシリーズのウリ「ハードウェアキャリブレーション」の実践を開始したのですが、その結果はっ!?

 数分後、画面が切り替わってモニターの調整結果が表示されました。

2012181

 左に目標値、右に結果が表示されています。今回の結果は……?

  • 「輝度」は、目標値80cdのところ、80.3cd。
  • 「黒レベル」は、0.12cd。
  • 「コントラスト比」は、465:1。
  • 「白色点」は、目標値5000Kのところ、5021K。

 多少の誤差はあるものの、今まで使っていたカラマネツールより良い結果が出ていると思う。決してコントラスト比も高くないし、ガンマ値も1.8、何よりも色温度が5000Kなので、キャリブレーション後のモニタを見ると、やたらネムイ感じだし、黄色っぽいし、暗いし……っていう印象を受けてしまう。それは、色温度が高くコントラストも高めのBeforeを見てしまっているから、コントラスト比465:1なんてネムたく見えて当然じゃろう。ところが、これを印刷のアガリと比べると、案外ドンピシャだったりするので驚きなのだ。

 まあ、これで不足は特にないので「保存」をクリックして、プロファイルを保存します。すると、

2012182

 「モニターの調整が完了しました」と表示されるので、終了しましょうね。

 一応、MacOSXの「環境設定」からモニタの設定を確認してみましょう。

2012183

 ご覧の通り、ColorEdge CG241Wを導入した時にインストールされる「CG241W」というプロファイル以外に「CG241W(41375108)印刷用一般設定」というプロファイルが新たに生成され、それが選択されている。

 ちなみに、キャリブレーションを取った後のOSDメニューはどうなっているのだろうか?

2012184

 モニタ下部のMボタンを押すと、「ScreenManager」というOSDメニューが表示される。

2012185

 すでに「RGB」と書かれたカラー調整のアイコンはグレーアウトじゃないけど、水色に変わって選択できなくなっている。これはズバリ、キャリブレーションで自動的に変更される項目なるが故にいじってしまったら元も子もないからですね。選べなくなっているのは「つい、うっかり」ということもなくなって安心ですね。

 では、最初のアイコンの「ピクチャー調整」を開いてみましょう。

2012186

 「リターン」しかアクティブになっていません。ここも画質に関わる調整を行うところなので、いじれないんでしょうね。あと、アナログ接続のみアクティブになるのが多いので、デジタル接続しているお猿は関係ないようです。できればカラー調整のようにピックチャー調整そのものをグレーアウトして欲しかったですね。

 この辺は、モニタのモードがCALになっていると、非アクティブになってくるようです。ハッキリ言ってOSDメニューでいじれるのは、殆どないですね。

2012187

 「その他」の項目を開いてみると、

2012188

 「ボーダー」と「BrightRegulator」の2つのみが非アクティブになっている。それ以外の省電力関連やビープ音の設定など、映りとは全く関係のない項目だけが調整できる。

 そんなこんなで、キャリブレーションを行った後は、OSDメニューをいじれないようになっているので、「つい、うっかり」を無くすことができるので非常にありがたい。

 まあ、ハードウェアキャリブレーションとソフトウェアキャリブレーションの違いということですが、前者はモニタ側にコントロール回路を持たせてモニタ側で出力を変えたりして調整するのに対し、後者はモニタはそのままでパソコン側のカラーテーブルを調整することによって調整するということがあります。

 モニタの色のクセをソフトで吸収しようとすれば、例えばPhotoshopなんかで「モニタの色は青みがかっているから、全体的に赤を強くして、コントラストも甘いからトーンカーブで調子をつけよう」なんてやったら、階調がガタガタになるようなもんで、画質劣化に繋がってしまう。しかし、モニタ側のOSDをいじって各値を調整しようとすれば、パソコン側の信号はオリジナルのままなので、非常に階調が滑らかである。この辺のアドバンテージはCRT時代は非常に大きく感じた。

 まあ、なんせColorEdgeで見た写真は、非常に階調が滑らかなのだ。これは本当にオススメしたい。極端な例で言うと、かつてOSDすらついていないiMacとかそういったモニタをキャリブレーションしたが、完全にソフト的にいじっているためにガタガタになったのを覚えている。そういうことで、是非ともハードウェアキャリブレーションなのだ。

 そういうことで、今回のColorEdge CG241Wのひとまずの設定は終了です。また、使用感などはお知らせしたいと思います。

 最後にお知らせ!

 以前の記事で音羽電機工業の雷写真コンテストの結果が…!なんてのを書きましたが、その音羽電気工業の主催者からメールが届きました。その中に、

結果発表につきまして、2008年12月19日(金)付 日本経済新聞 朝刊 全国版 証券面に掲載させて頂くことになりましたので、御覧頂ける方は是非御覧くださいませ。

 ……という一文がありました。どうやら、本日発売の日経に掲載されているようです。

 しかも、証券面にっ!!

 そりゃそうだ、やっぱり雷と言えば証券面だよねっ!他に考えられないよねっ……って、何で証券面なのサ?オマケにお猿は日経なんて読むキャラではないので、取っていません。無念じゃ……。

 しかし、そんなお猿に救いの手が……。

当社ホームページ上での結果発表は、12月22日の週を予定しております。

 ……だそうですね。ん?「12月22日の」?やけに範囲が広いですね。まあ、来週になれば、お猿の雷作品「龍の城」が公開されるはずですので、ひとまず日経でご覧いただければと思います。たまには証券面を見ようぜ!

 では、お楽しみにぃ~!

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ColorEdge CG241Wでキャリブレーション実践!(1)

 お猿@おはようございます。

 最近、職場での昼休みにNHKニュースの円相場と日経平均株価をチェックするのが習慣となっております。いや、別にドルを持っているわけでも株を持っているわけでもないのですが、凄く激しく変動しているので、野次馬的に見ております。

 それと同時に、変動の激しい三星カメラでのD700価格をチェックしているのですが、さすがは夜になると一気に値下がりする習性を持っているカメラ店だけあって、キャッシュバックキャンペーンを控えたお猿としては気になる存在です。さっきなんか深夜価格で21万円台ですからね。キャッシュバックを適用すれば18万円台ですよ、18万円台!やっぱ気になります。

 まあ、レンズも欲しかったりするので、物欲に負けまいと、職場に導入されたAdobeRGBカバー率96%のカラマネモニタColorEdge CG241Wのレビューでもやって気を紛らせています。そんなワケで前回は、ColoeEdge CG241W専用のキャリブレーションソフトである「ColorNavigator」をMacintoshにインストールしました。

 今回は、そのColorNavigatorを使って行きたいと思います。

 その前に、ColorNavigatorを使ったキャリブレーションの仕方を習得しなければならないのですが、その手法が書かれている書物と言えば、お猿の手元に2種類ございます。

2012171

 1つはColorEdge CG241Wに付属してきた説明書ですね。もう1つは以前のColorEdge CG242Wの誘惑♪という記事に書いたように、ColorEdgeのDMに入ってきた「チョー簡単!ColorNavigatorの使い方」という書物。DMなんで基本的に捨てるものなんですが、これはどうも捨てられず、「いずれColorEdgeを手にした時の為に……」ということで、カタログ同様にイメトレしていました。これはあくまで販促なんですが、厚みはこっちの方があるんですよね。しかも、見るからに簡単そう……。

 そんなワケで、捨てられなかったDMを使ってキャリブレーションをしてみました。

 まずは、「1準備編」だそうです。

2012172

 これはColorNavigatorのインストール方法と、ColorEdgeとPC本体との接続方法と、センサーの接続方法ですね。表紙には「プロ標準のカラーマネジメントモニター……」と書いてありますが、全てが図解。しかも、クマなのかパンダなのか分からない生命体の赤ちゃんがガイドとなっている。しかも、口調も赤ちゃん言葉だ。

 お猿もナメられたもんです。

 では、ナメられついでに次のステップに移りましょう。次は、「2調整編」です。

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 ここでは、ガイドがなぜか公家だ。しかも口調が旧仮名遣い。ますます意味不明だ。ここではまず「そもそもなんで、どうしてキャリブレーション?」っていう「そりゃ、ColorEdge購入前の問題だろ?」とツッコミを入れたくなるような項目からスタートしているのだが、そうだ、これはあくまで販促のパンフなんだと納得。スタンダードなやり方、インクジェットプリンタとの色合わせ、希望の目標値への合わせ方など3種類のやり方が載っている。やっぱり、図解は分かり易かった。

 この次は「3微調整編」ですね。

2012174

 ここでは、ガイドが一気に医師になる。しかも、マッドな医師って感じだ。「ここからはやりたい人だけやればいいのだ」と半分「どーでもいーけど」という感じだが、手動調整が入ってくるので気の短い人間には無理だ……。そして、ここのページで「ツキノワ教授の総回診です」っていうセリフがあるので、この生命体はツキノワグマということが判明した。

 どうでもいいですね。だいたひかるに「どうでもいい歌」か「どうでもいいラップ」でも歌って貰いたい心境です。

 そして、最後が「4定期調整編」となっている。

2012175

 ここのガイドは、西洋の王様ですな。そして、最後の最後に今まで出てきたガイドが揃って大団円となっている。キャラにも楽しませてもらいました。ここではタイマを使って時期が来たらキャリブレーションを促す警告を表示する設定、そして、再キャリブレーションのやり方などが掲載されている。まあ、モニタは安定しているのだけど、精度を保つには定期的なキャリブレーションは必須だ。頑張ってやっていこうと思う。

 では、実演です

 まず、キャリブレータを接続してから、前回インストールしたColorEdge専用のキャリブレーションソフト「ColorNavigator」を起動しましょう。

2012176

 すると、対応する測定器を選択するダイアログが表示されます。

2012177

 お猿の場合は、業界ではかなりシェアが高いと思われるグレタグマクベス社のeye-one display2を所有しているので、それを選択。フィルタ式のセンサーだけど、評判はいいぞ。

 次に「リストから調整目標を選択してください。」とキャリブレーション目標値を選択します。

2012178

 デフォルトで2つの設定が登録されています。

  • CG241W(41375108)印刷用一般設定
  • CG241W(41375108)写真・デザイン用一般設定

 ……とあるが、お猿の職場の場合は前者となる。スタンダードな設定だろうと確認してみると、白色点5000K、ガンマ1.8、輝度80cdとなっている。文句なしの設定だ。ここはお手軽にこの設定をそのまま利用してみたい。

 ここで大事なのが、ウィンドウの「状態」のところ。この写真では「4時間経過」と書かれていますが、キャリブレーションする際には、モニタの電源は最低でも30分前には入れておかねばならないので、そういうことを知るにも便利な表示だ。

 それからモニター情報として、通算で何時間使ったのかということも知ることができる。

 ここで、目標値を設定してからいよいよキャリブレーションなんですが、次に現れるウィンドウはコレ。

2012179

 測定器の初期化ですね。測定器も調整が必要とのことで、初期化を行います。ちなみにお猿が使っているi1のセンサー部分はこうなっている。

20121710

 測定器をひっくり返すと細かい吸盤と、その中央にセンサーが見える。吸盤はCRTのキャリブレーションを行う為に必要で、LCDというか液晶では無理して吸い付かせる必要はない。周囲には、黒いウレタンというかスポンジが縁取るように囲んでいる。従って、初期化の際にテーブルなどに置くだけで、

20121711

 ……というように、スポンジが隙間を塞いでくれるので、外光はセンサー部分には入らないようになっている。まあ、お猿の場合は念を入れて上から軽く押さえています。

 準備が出来るとモニタ表面に、 

20121712

 ……というように、キャリブレータの形が表示されるので、それに合わせてキャリブレータをセットします。前回の記事で紹介したように、ColorEdgeのフードはキャリブレータのケーブルを通し易いように中央の上部がスライドして開くようになっている。

20121713

 ……とまあ、こんな感じですね。そして、キャリブレータがキッチリと画面に接するように、モニタの角度を少々上に向けます。

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 上からグリグリ押さえつけて吸盤をくっつけようとすると、画面を傷める上に色もおかしくなるので「置く」感じでいきましょうね。そして、スタートすると……、

20121715

 ……と画面の中央には様々な色が代わる代わる表示されます。その色をキャリブレータが読み取って色の基準値からどれくらいズレているかを判断するわけですね。

 ちなみに右下には、

20121716

 ……と進行状況が表示されます。視覚的に分かってありがたいものです。

 DTPの印刷用途ならプリセットで設定が用意されているので、それを選択すればモニタのボタンをいじることもなく勝手にやってくれます。これは非常にありがたいですね。

 さて、注目の結果は……次の記事で紹介します!!

 ではでは!

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ColorNavigatorインストールでスタンバイOKやで!

 お猿@おはようございます。

 昨夜、帰宅途中のお猿の愛車を轟音と共に追い抜いていったウィング付きの改造車。どこのガラの悪いヤツかと思ったが、リヤバンパーに楷書で気になる言葉が書かれていた。

 「二次元しか愛せない」

 ……とのこと。

 全く意味不明で、楷書で書くほどのことかと思いつつ、暫く走ったところで赤信号にブチ当たった。見れば隣が「二次元しか愛せない」某氏である。何かで、富山県民は交差点で隣に停まった人の顔を見てしまう習性があると言っていたのを思い出し、ちょっと顔を見られたくないな……と思いつつ、斜め後方に停車。それでも、気合の入った改造車と謎のメッセージが気になって車だけは見た。するとそこには……、

 萌えキャラが二体ほど書かれているではないかっ!

 をいをい……。誰が見ても暴走車のような気合の入った車のサイドには気合の入ったオタク根性というアンバランスさ。これは恥ずかしいっ!!なるほど、こういうキャラ(二次元)しか愛せないのだなと思ったが、アニメオタクの必須アイテムというイメージが強いフィギュアって三次元だよな……と思うのであった。

 まあ、そんなこんなでフォトグラファーなお猿も平面的なものの代表格「写真」大好きということで、ある意味、負けじと二次元しか愛せないヤツと思います。ヲタの世界は全く分かりませんが、今日も二次元ライフを送っていこうと思います。

 いいよねっ、二次元!萌え~っ!

 ……とアホなことは、さておき、ここんとこメカメカな記事と写真ばっかりになってインドア萌え状態になっていたのですが、昨日はすこぶる天気が良かったので、富山市の呉羽山公園に行って来ました!ここからは、富山市街が一望できる上に夜景スポットということもあって何かと人気のある場所です。春には花見、秋には紅葉狩りと年中うかれ気味なのですが、この時期はやっぱり富山市街越しの立山連峰でしょうね。そんなワケで、展望台には見物客も来ていましたよ!

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富山の冬にしては珍しく快晴で、展望台にやってきた人々

 お猿も負けじと写真撮ってきました。

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やっぱり悔しいけど定番構図は落ち着きますな……。見ていて飽きないのが立山連峰!

 立山連峰の撮影と言えば、最近なら雨晴海岸で富山湾の気嵐を撮る!の記事の冒頭で親鸞会結成50周年の行事でコッソリと(?)法輪閣屋上から撮らせて頂いたのと、高岡市の雨晴海岸から撮って以来でした。前者の撮影の時は射水丘陵からの眺めということで立山連峰の前に広がるのは丘陵地帯。しかし、個人的に気に入っている弥陀ヶ原がファインダーから外れてしまうので、今ひとつでした。やっぱり立山連峰の定番は呉羽山からと雨晴海岸からのようですね。やっぱり迫力が違います。

 ちょっと寄ってみると……、

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富山市街地に迫る立山連峰って感じです。この立山のお陰で富山は水不足に縁がありません

 というように、望遠の圧縮効果で市街地のすぐそばまで立山連峰が迫っているようですよね。まあ、実際に迫っているようなんですけど……。富山歴15年ほどですが、この景色はやっぱり飽きませんね。富士山は、遠くから撮って美しく、近寄ればあんまり……という声を聞きますが、立山は遠くからでも近くからでも美しい山です。やっぱいいぜ、富山!

 いずれ、呉羽山や雨晴海岸といった定番スポット以外にステキな場所を見つけたいと思います。

 さて、前向上が長くなりましたが、職場でゲットしたカラーマネジメントモニタColorEdge CG241Wの話に入っていこうと思います。前回書き忘れたんですが、このColorEdgeシリーズは購入した中に、

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どことなくハンドメイドっぽいColorEdgeのデータシート

 ……といった「調整データシート」「ユニフォミティ出荷データシート」っていうのが入っています。両面印刷で1枚になっていますが、ColorEdgeは1台1台出荷前にテストを行って調整をするのだそうです。もの凄い品質管理なんですね。そういうことを垣間見ることの出来る同梱物です。

 さて、いよいよColorEdge CG241Wのキャリブレーションに入っていきますが、その際に必要なのがキャリブレーター。所謂、測定器ですね。既にお猿の職場には、キャリブレータの代表格、グレタグマクベス社のeye-one display2があり、それが対応しているらしいので、それをそのまま使います。

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やっぱりキャリブレーターとならeye-oneですよねー

 キャリブレーションのハードウェアは、この測定器を使いますが、ソフトウェアとなると、eye-one付属のCDが思いつきます。

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うっかりeye-oneのCDをセットしてしまわないように!

 そのCDが上の写真で言うならば左の「eye-one」と書かれたものなんですが、ColorEdgeでハードウェアキャリブレーションをする場合は、このCDは全く出番がありません。むしろ、触ってはいけません。使うのは、ColorEdgeに同梱されていた右の「EIZO LCD ユーティリティディスク」というものです。これに測定器であるeye-oneのドライバも入っているので、これのみを使いましょう。

 さて、このディスクをMacintoshに入れましょう。

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 Macintoshならマウントされて、デスクトップに「EIZO LCD Utility」というアイコンが表示されます。その中には、

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 ……というように「Start Menu」というアイコンがあるので、これをダブルクリック!

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インストーラ以外にも興味深い内容のあるトップ画面

 上の写真のような画面が表示されるので、「ColorNavigatorをインストール」を選択して、インストールしちゃいましょう。もし、CDがうまく使えない場合はEIZOのダウンロードページからColorNavigatorはダウンロードできるので、ゲットしましょう。

 インストールが完了すると、ColorEdge専用キャリブレーションソフトである「ColorNavigator」を立ち上げられます。こまめにキャリブレーションは取った方が良さそうなので、お猿はドックに登録しておきました。

20121610
渋いデザインのColorNavigatorのアイコン。個人的に好みです

 う~ん、色モノのソフトのクセに渋い色合いですね。

 さて、これを使う際には、あくまでハードウェアキャリブレーションなのでMacintosh本体とColorEdge本体内のCPUを結ばねばなりませんので、付属のUSBケーブルで接続しちゃいましょう!

20121611
ハードウェアキャリブレーションを実現するに必要なUSBケーブル

 BタイプのUSBケーブルを接続したら、測定器を接続します。まあ、USBポートがあれば、どこに接続してもいいかと思いますが、お猿はモニタについているUSBポートに接続して使っています。

20121612
お猿の場合は測定器のi1もモニタのUSBポートに接続しています

 ここまで来れば、後はソフトウェアの指示に従ってキャリブレーションをとるだけです。とどのつまりキャリブレータ本体以外はColorEdgeに付属してきたものだけで足ります。

 では、次回は実際にキャリブレーションをしてみましょうね。

 ではでは。

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ColorEdge CG241Wを愛でてみたよっ!

 お猿@おはようございます。

 なんやかんやと慌しい年の瀬ですが、気がつけば12月も半分が過ぎ去ってしまいました。いやぁ~、ついこの間、年賀状を書いたと思ったんですがねぇ。ついこの間、憧れのD300を“大人の事情”でゲットしたと思ったのに、あれから1年も経ったんですねぇ。早いもんです。何はさておき、年賀状書かねばと焦っているところですので、

 とりあえずブログ更新しておこうかと思います

 それにしても、年内に最強DTPマシンMac ProとAdobeRGBカバー率96%のカラーマネジメント液晶モニタColorEdge CG241Wが、まさに“カモネギ”状態で職場にやってきてくれたということで、お猿の仕事もはかどるっちゅうもんです。DTP業界でこれから買うマシンならばMac Pro以外の選択肢はあまり考えられませんが、ここはやっぱり、数多ある液晶モニタの中からColorEdge CG241Wがやってきたというのが、フォトグラファーとしてもサプライズ&垂涎モノですよね

 そんな色を扱う者が泣いて喜ぶColorEdgeの導入に至るまでの極端なAdobeRGB教義を前回まで書いてまいりましたが、今回からは暫くColorEdge CG241Wについて書いてみたいと思うよ!

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液晶モニタで薄型になったのだが、案外重たいColorEdge CG241W

 ……ということで、鳴り物入りでやってきたMac ProとColorEdge CG241Wのゴールデンコンビですが、こうやって見てみると何も知らない人は何がありがたいのやら……って感じですね。まあ、DTP業界の人でもなければ、モニタにフードなんて見たことないでしょうから違和感があるかもしれませんね。でも、お猿からすればモニタフードはカラマネモニタの証と言っていいのか悪いのか分かりませんが、あると落ち着くものです。

 今回は、このColorEdge CG241Wを眺めてみたいと思います。

 さて、この目立つフードを見てみると、内側は黒いフェルト地になっており、反射を防いでくれています。これは良いですね。そして、そのフードの外側には、

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この案外シッカリしたフードにも惚れておりまする

 ……と両側に北陸の誇るエレクトロニクス企業“EIZOブランド”のロゴが刻まれています。う~む、カッコいいぜ!そして、モニタの左下には、

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この古くからのシンボルマークのカラーリングが何とも言えない

 これまた、EIZOのロゴがカラーで刻まれています。まあ、これはお猿プライベート所有のFlexScanにもあるんですけどね。そんなこんなで、EIZOブランドには長いことお世話になっております。

 さて、このフードの天板は真ん中が左にスライドするようにできています。

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やや構造が弱いスライド式のフード。外れてもすぐ戻せますがね!

 こうやってスライドするようにできているのは、

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キャリブレータを設置する時にフードの切れ目は非常に助かる

 ……というように、キャリブレーションを行う際に測定器のケーブルを通すためなんですね。以前にLaCieのカラマネモニタLaCie 321 LCD Monitorというものを使っていたのですが、このフードは金属製ということでColorEdgeのように樹脂製ではないので頑丈ではあるものの、測定器のケーブルを通す部分がなかったので少々大変だった。フードの内側に測定器のケーブルをかけるフックがあって、そこを通さねばならない。それを思うとパカッと開けるだけなので非常に使い勝手が良い。

 そして、Macintosh本体との接続はデジタル接続用のDVI-I 29ピン端子によります。

2012156
DVI端子が2つ付いている。デジタル接続はとても描写が綺麗だ

 これによって、特に文字類はスッキリ見えるようになりました。アナログなD-sub15ピン接続となると、どことなくボンヤリ&アンチエイリアス処理がかったようになってしまいますからね。かなり気持ちのいいものです。

 そして、このモニタには、USBケーブルを挿すポートが設けられています(アップストリーム×1、ダウンストリーム×2)。

2012157
USBケーブルが接続されているが、ハードウェアキャリブでは必須

 ご覧の通り、奥がモニタケーブルであるDVIケーブルですが、その右にUSBケーブルがささっています(アップストリーム、B端子)。このUSBケーブルはMacintosh本体と接続されており、

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案外便利なモニタのUSBハブ。キャリブレータもここに付けています

 ……というように、その横に更にUSBポートが2つ設けられているために、USBハブとして使うことができます(ダウンストリーム、A端子)。お猿の場合はキャリブレータのi1を接続しています。

 さらに、このUSBケーブルはハードウェアキャリブレーションを行う際には、Macintosh本体からモニタ内蔵のCPUとやり取りするために使われているんですね。その為に、このUSBケーブルは必須です。まさしく、ハードウェアキャリブレーションモニタの象徴と言ってもいいかも?

 そして、このモニタの良いところですが、何よりも広いですね。しかも、ワイド液晶!24型ということで、お猿が自宅で使っている19型よりもかなり広いですね。今までのCRTからLCDに変えたことでリアルデスクトップも広くなって快適なのですが、モニタ内のデスクトップもかなり広いです。

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ワイド液晶ってかなり広く、ポインタを端から端まで動かすのが大変

 ワイド液晶のメリットと言えば、Adobe製品を使っている人ならピンと来ますが、作業中のスペースが広くなるということですね。特に、パレット類を出したままでA4見開きが実現できるのです。これこそ本当のWYSIWYGの実現と言ってもいいでしょう。色といいサイズといい、完全シミュレートできていると思います。

 試しにA4サイズのNikon D3Xのカタログを置いてみました。

20121510
実際にA4×2であてがって見たのだが、左右にピッタリとパレットが収まるのがスゴイ

 はい、これはA4サイズのカタログです。その見開きならばA3です。そのカタログを真ん中に置いて、両脇にPhotoshopのパレット類を表示してみました。見事に収まりますね。

 Adobe製品のインターフェースは比較的統一されているのですが、特にInDesignにてページレイアウトをする者としては、実寸でA4を見開きで表示できて、パレット類をいちいち非表示しなくても作業が出来るのは手間が省けて嬉しいですね。勿論、フォトレタッチにおいてもかなり助かっています。

 実はコレ、

20121511
縦位置で使う際にはフードを外そうね!

 ……というように、グルッと回転させて縦位置でも表示できるんですよ!まあ、別売りのビデオボードやら専用ソフトウェアが必要な上に、使うこともないと思いますが……。新聞社なんかでは重宝するかもしれません。24型ワイドを縦置きしたら、上を見るのが大変そうですねwww。

 さて、ここまで愛でたところで、次回の予告です。

20121512
ColorEdge CG241Wの付属ソフトウェア。このColorNavigatorでキャリブだ!

 付属のキャリブレーションソフトウェア「ColorNavigator」を使ってColorEdge CG241WをDTP用途にキャリブレーションしてみたいと思います。やっぱり簡単にできてしまいましたよ!

 ではでは。

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DTP前提ならばAdobeRGBモニタだよね!

 お猿@おはようございます。

 なんやかんやと12月も中盤にさしかかって、年賀状をまだ買っていないということもあって“師走”に拍車がかかってきてかなりピンチです。年末年始には印刷所も休みに入ってしまうので、締め切りも早めということもあって、またまたピンチです。そんな中、D700の3万円キャッシュバックキャンペーン終了まで約1ヶ月ということで、今なら深夜価格で実質20万円以下なので、焦りに焦っております。そんな余裕のない状態が続いていてブログ更新している場合じゃないので、

 今日もブログを更新したいと思うよっ

 そんなワケで、お猿の職場に待望のAdobeRGBカバー率96%のカラマネモニタColorEdge CG241Wが導入されたので、たて続けにレビュー記事を書いております。

 前回はデジイチ持ったらAdobeRGBモニタは欲しいよね!ということで、細かいことは抜きにして、かなりはしょって乱暴に書きなぐっておきました。しかし、ただでさえAdobeRGBかsRGBかでフォトグラファー、デザイナー、印刷屋で見解が分かれているっていうのに、かなり勇気要ることを書いたなーって今さらながらに思います。半分寝ながらだと恐れるものは何もないですな。そんなワケで、今回もお猿の独断と偏見と勢いで書きなぐっていきたいと思います。

 改めて、“フォトグラファー猿”というカメラメインな名前を名乗っておりますが、実のところはDTPオペレーターでございまして、画像処理が本業だったりします。RGB to CMYKと処理を行っているうちに、印刷に適した写真ってのを気にするようになって、いつの間にやら志願して自分で撮るようになりました。

 そんなワケで、最終的にはCMYKの網点で色を認識しているのですが、デジカメ世代ならやっぱりRGBレタッチの必要性に駆られたんですね。そうなると、標準カラースペースをsRGBにするかAdobeRGBにするかで大いに揉める事になるんです。さて、最終ターゲットをプロセス4色のCMYKとした時にsRGBで行くべきか、AdobeRGBにすべきか。

 ……で結論的にAdobeRGBという見解になりまして、こんな記事を書いています。

 スキャナなりデジカメなりといった「インプット」デバイスから、インクジェットプリンタなりオフセット印刷機なりといった「アウトプット」デバイスまで、考慮してみるとターゲットがCMYK印刷なのですが、さて、そのCMYK印刷でできるものを途中のワークフローでシミュレーションできるのかということが問題となってきます。

 お猿の現場ではオフ輪ではなく、もっぱら4色印刷の枚葉印刷機なので、基本的にCMYK分解は「Japan Color 2001 Coated」のお世話になっている。まずは、世間的に広く出回っているsRGB対応機器で、これをシミュレートできるか否かをColorSyncユーティリティで比較してみたい。

 まずは、Labにて2つの角度から観察してみた。半透明な白の立体がsRGBで色のついた立体がCMYKの「Japan Color 2001 Coated」だ。

2012131

 RGBデータをCMYK変換すると、正直なところかなりくすんで感じられる。あの鮮やかな青空はどこへ行った?新緑はどこへ行った?というのは、この変換をしたことがある人ならば少なからずあるだろう。では、sRGBよりCMYKは狭いのかというと一概にそうとも言い難い。ご覧の通り、sRGBが広い白の空間も多いが、その裏にかなりの範囲でCMYKがはみ出しているのだ。つまり、sRGBでは表現できない色域っていうこと。

 次に、Yxyで見てみた。

2012132

 う~ん、やっぱり同じ印象ですね。

 ここで、sRGB派の方の最大の理由は早い話「事故が起きない」ということだったと覚えている。暫く前までは、インプットはさておき、途中からアウトプットまでのワークフローで大事なモニタがsRGB対応ばかりであったということと、最終的なアウトプットのインクジェットプリンタまでもがsRGB止まりだったということ。簡易色校正のプルーフがそれで制限されてしまうのだ。

 そんな環境に於いて、インプットばかりが先行してAdobeRGBでスタートしようものなら、カラマネの分からない人がいじれば、AdobeRGBをsRGBで開いてしまって色が転びまくるだろうし、分かる人がいじっていてもAdobeRGBのままで運用していてもsRGBモニタやプルーフでは再現できずに、最終的になオフセット印刷が仕上がって違いに驚くということになりかねない。現状を考えたらsRGBが安全なのはごもっともと言えよう。

 しかし、APA(アパグループではない、「社団法人 日本広告写真家協会」のこと)が、2004年に発行した「印刷入稿のための RGB画像運用ガイドブック 2004年版」を勉強会で頂いたときに、かなり驚いた。

2012133

 あ、ちなみにこれはAPAのダウンロードサイトからPDFデータで無料でダウンロードできるので見ていただきたい。ちなみに最新は「RGBワークフローガイド 2007」というものだが、いずれにせよRGBワークフローを構築しようとする人は必見の書と言ってもいいと思う。

 この中に、AdobeRGBとsRGBで撮影したサンプルを、それぞれプロセス4色印刷で印刷した実例が載っている。これは、プロセス4色印刷してこそ意味があるのでPDFでは省略されているのだが、実はこれがスゴイのだ。それを試しに撮ってみた。

2012134

 まあ、最終的にこのブログ上で見られるのはAdobeRGBでもなければCMYKでもないので何とも言えないのだが、見開きのページを1枚で撮影してるために相対的な違いは維持されているので、差分くらいは判断していただけると思う。

 左がAdobeRGBで撮影したもので、右がsRGBで撮影したものだ。共にCMYKのプロセス4色印刷で刷ったものだが、明らかに仕上がりが違うのが分かると思う。先ほどのsRGBとの比較の空間で大きくはみ出していたブルーからグリーン域が全く違うのだ。sRGBでは空の色がややくすみがちだし海の微妙なトーンが再現し切れていない。更に、写真の下のカラーバーを見ていただくとsRGBのグリーン域は差がなくなりつつあるのだ。

 事故を防ぐためにsRGBで撮影して運用することで、アウトプットまで完全にモニタでシミュレートできるため予期していない色が出ちゃったというトラブルはなくなると思うが、「帽子に合わせて頭を削っていていいのか」という疑問がお猿にはあった。やっぱりCMYKで表現できるものがあるならば、切り捨てずに素材の色を可能な限り極限まで再現しようよ、それこそ職人っちゅうもんでしょ、と思ったんですね。

 じゃあ、AdobeRGBならCMYKの「Japan Color 2001 coated」はどこまで再現できるのかということだが、同じくLabで2つの角度で比較してみた。半透明の白い立体がAdobeRGBで色の立体が「Japan Color 2001 coated」だ。

2012135

 どうだろう?立体なので裏側に回れば何かが見えるかもしれないが、左の図でsRGBではグリーン域がごっそりハミ出ていたことを思えば、かなりカバーできているし、右の図でも、グリーンからブルー、マゼンダ域の表面がうっすらはみ出ているくらいだ。これはかなり再現できていると言えるだろう。

 次にYxyでチェックしてみた。

2012136

 これまたスゴイカバー率じゃないだろうか。sRGBではグリーンとブルー域の山の5合目くらいまではみ出ていたのが、こっちでは2合目くらいまでに留まっているし、それも、表面がうっすら程度だ。この差が、先ほどの空や海の色に出たと言えると思う。

 これで、sRGBよりはAdobeRGBがCMYKカバー率は広いことが分かるので、AdobeRGBワークフローが事故がいため、確立できればいいのだが、さて、機材的な問題はどうかとなるが、先行してプルーフのインクジェットプリンタはAdobeRGB対応危機はA3ノビ以上のプリンタなら大抵はカバーするようになった。しかも、これはそんなに高価でもないし、職場に1台あれば大勢で共有できるものでもある。

 しかし、製作の大半を占めるデザインや組版、製版といったプロセスに於いてはモニタが重要となってくるが、そのモニタは1人につき1台。AdobeRGBモニタなんて登場した頃は色の奥行きもあったがお値段の奥行きもあって非常に高嶺の花だったのだ。それでも、勉強会などで某N社が持ってきた見本機を拝見した時には、隣にあったsRGBモニタが見劣りするほど感動したのを覚えている。そんな、AdobeRGBモニタもCRTからLCD主体に変遷し、LCDだって20型以上でも測色器付きで20万以下で手に入るご時世だ。しかも、ワイド液晶ということになったら作業効率も良くなって鬼に金棒ではないか!

 そんなワケで、お猿の職場のColorEdge CG241Wなのだが、コイツはAdobeRGBカバー率96%を謳っておるが、実際はどうなのかチェックしてみたい。

 まずはLabで、2つの角度からチェック。半透明の白の立体がCG241Wで、色の立体がCMYKの「Japan Color 2001 coated」だ。

2012137

 流石にAdobeRGBをほぼカバーしているだけあってハミ出す量はAdobeRGBと大して変わらない。これは誤差かもしれないがブルー域のハミ出し量がAdobeRGBのそれよりも少ないようだ。Yxyでチェックしてみても、

2012138

 ……ということで、こっちになるとブルー域のはみ出しが1合目くらいまでになっているようだ。これはスゴイ。AdobeRGBカバー率よりもJapan Color 2001 coatedカバー率と言った方が良いかもしれぬ。

 さて、ここに来て更にAdobeRGBが必要と思われるものが出てきた。DTP以前は製版職人さんの手によって完全アナログ工程によってフィルムが出来上がり、そこから焼付け機でPS版に焼き付けて刷版を作成していた。線数も175lpiが限度だ。しかし、そこからDTPの登場となりイメージセッターでフィルムが作られるようになったが、PS版への焼付けは手動だったりした。それは次第にCTPの登場でフィルムレスとなり、その名の通りコンピュータからプレート(版)へとダイレクトに焼き付けられることとなった。この事でそれまでは1%の網点なんぞ飛んで消えておったが忠実に再現されることとなり、より高精度な網点再現が可能となった。

 このことで、それまでは網点の大小によって濃度を表現してきたAMスクリーンから、網点の密度によって濃度を表現するFMスクリーンが可能となった。AMスクリーンは規則的に網点が並ぶために、CMKを30度ずつ回転させて、目立たないYを15度回転させて作るという方式を取ってもロゼッタパターンと呼ばれるモアレが発生している。これ以上の色を追加することは確実にひどいモアレを作ることになった。しかし、FMスクリーンで総インキ量の問題などをクリアすれば4色以上にも対応できる。これに175lpi以上の細密なAMスクリーンも組み合わせてモアレを目立たせずに印刷が可能となった。

 先ほどのAPAの冊子のサンプルは観音開きになっており、そこを開くと同じAdobeRGBとsRGBのサンプルフォトがプロセス4色印刷ではなく、CMYKにO(オレンジ)G(グリーン)を加えて6色で印刷するPANTONE社のヘキサクローム印刷によって仕上げられたサンプルが掲載されている。

2012139

 今度はさっきとは逆で左がsRGBで右がAdobeRGBとなっている。やっぱり、これで見るとWebの色なのでハッキリと分からないが、それでも空の色、海の色、人肌の色のヌケ具合が全く違うのだ。下のカラーバーで言うと、左のマゼンタ域、右のグリーン域、オレンジ域がsRGBでは2つのパッチがくっついて差が出ていないのに対して、AdobeRGBでは明確に区別ができる。つまり、本来は存在している色を忠実に再現していることになるし、最終ターゲットのオフセット印刷でも再現できる域に達している。

 ただ、このヘキサクロームは、その名が意味するように6色印刷なので、印刷機もそれに対応する必要があるし、インクも指定のものを使わなければならない。プロファイルも特性のものを使って変換するので、そう簡単にはいかない。従って、プロファイルの比較はできなかったが、4色であってもガモットを広げる工夫はなされている。

 それが、東洋インキKaleido(カレイド)という高演色枚葉プロセスインキである。これは、CMYKという色数は一緒なのだが、それぞれのインキ組成を変えて高演色化を実現しているというものだ。ちなみに下の写真は、東洋インキより貰ったサンプルの簡易カラーチャート。

20121310

 これに関しては従来どおりの4色印刷機で間に合い、Kaleido用のプロファイルを適用すればPhotoshopでも分解できる。そのプロファイルも配布されているので、従来の「Japan Color 2001 coated」と比較してみた。

 まずは、Labにて比較。半透明の白い立体が「Japan Color 2001 coated」で、色の立体が「Kaleido」だ。

20121311

 さすがに、4色のインキ組成を変化させているということもあって、RGBとCMYKというような劇的な変化はないものの地味に違いが現れている。一長一短がある中で、特定の箇所が高演色になっている。先ほどのカラーチャートに付属してきた売り文句では「従来インキに比べ黄、紅、藍の色相が高鮮明になっており、2次、3次色の発色性が向上しています」とのこと。黄部分はどうかな……と思うが、紅、藍の部分では確かにKaleidoが強い。

 次はYxyにて見てみる。

20121312

 う~ん、確かに右半分の紅~藍にかけては白い山が全く見当たらない。その分、左は白が勝っているように思うので、全体的に色相が紅~藍にシフトしているように思うが、総合力ではやっぱりKaleidoだと思う。

 まあ、そんなこんなで従来の4色環境であったとしても、特殊なプロファイルを適用し、特定のインキを使えば高演色な印刷が可能となる。

 印刷業界では、印刷対象は自然界を撮った写真に限らず、CGによるものも対象内だ。それは基本的にRGBで表現されるものなので、極力色数は落としたくないものということで、シビアになってきている。ますます、生き残っていく為にはモニタの投資も大事になってきたと思う。

 かなり、業界ネタで熱くなってしまいましたが、いい加減に眠くなってきたのでそろそろ寝ます。

 ではでは。

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デジイチ持ったらAdobeRGBモニタは欲しいよね!

 お猿@おはようございます。

 以前の記事で、お猿の職場にEIZOのカラーマネジメントモニタのColorEdge CG241Wが導入されたという話を書きました。

2012121

 このモニタをお願いした理由は、ColorEdge CG242Wの誘惑という記事で、とりとめもなく書いたんですが、一番大きな理由はAdobeRGBをサポートしているということ。このCG241Wに関してはAdobeRGBの96%をカバーするという広色域モニタなのだ。

 このAdobeRGBを表示できるモニタが欲しいという理由は、インプット側のデバイスであるデジタル一眼レフの大半がAdobeRGBの色空間をサポートしているし、アウトプット側のデバイスであるプリンタもAdobeRGBをサポートしているからなのだ。そうなったら、その間のワークフローもAdobeRGBワークフローにしたいわけで、モニタもAdobeRGBにしたいわけ。

 お猿の持っているD300でも、「撮影メニュー」→「色空間」という項目で、

2012122

 ……というように、撮影データをAdobeRGBで記録するのかsRGBで記録するのかを選べるようになっている。これはお猿が初めて使ったデジイチである某C社のEOS kissDigitalでも同じことが言えた。まあ、コンデジでは大半がsRGBのみのサポートなのだが、流石にデジイチになってくると、そうも言えず、デフォルトではsRGBが選択されているもののAdobeRGBで撮影できるようになっているのだ。

 ここで、色空間とかカラースペースといった概念が分からないとAdobeRGBとかsRGBと言っても分からないので、ちょっとだけ説明しますね。

 色っていうのは、光がなければ見えないわけで、この光というのはX線とか電波といった電磁波の一種なので、波としての性質を持っているわけです。そんな中で人間の目に見える波長の電磁波を「可視光線」と言われます。この波長によって色が変わって見えてくるのですが、理科の実験で太陽の光をプリズムに通して分光して虹(スペクトル)を観察したように、一言で光と言っても様々な波長の光が混在しているわけです。

 それで、その色を伝達するにしても色は心理的物理量なので、我々が感ずる「赤」と言っても、リンゴのような赤もあれば、血の様な赤もあるわけですね。じゃあ、どの赤なのさと言われるとハタと困ってしまう。

 もし、メールや電話で伝えねばならないとなったらどうするか?「えーっと、リンゴでも紅玉の赤よりもちょっと黄色がかった赤で……」なんて言っても絶対に正確に伝わらない。では、そんな時にどうするか?数値で伝えるのが一番。でも、数値と言っても定義をしなければならないので、さまざまな定義付けがなされている。その世界基準となる「目」を決めているのがCIEという組織なのだが、その絶対値に対して、それぞれのデバイスが色空間を決めているのだ。

 かなり乱暴な説明になってきたが、一言でRGBと言っても数え切れないほど定義ができる。極端な話、モニタが1000台あれば1000通りのRGBが存在すると言っても良い。ただ、これまた基準を作るということで、有名なところでAdobeRGBとsRGBが存在する。

 「AdobeRGBでは可視光のこの範囲を定義します」「sRGBでは可視光のこの範囲を定義します」とそれぞれに色空間が異なってくる。一般的にRGBは最終的に8bitで使われると思うので、それぞれの要素で256階調として話を進めましょう。そうなってくると、AdobeRGBの(R,G,B)=(255,0,0)という“レッド”とsRGBの(R,G,B)=(255,0,0)で表現される“レッド”が存在することになる。しかし、世界基準の目からすれば、同じ(R,G,B)=(255,0,0)で表現されるレッドは、

20121212

 ……というように、sRGBの(255,0,0)はAdobeRGBの(255,0,0)ではなく(200,0,0)ぐらいの色と言ったように丸っきり別の色を指していることになってしまう。だから、デジタルフォトのRGBデータを運用するには必ずICCプロファイルを埋め込むように言われているのだが、業界最大手の某ストックフォトを利用した際に、プロファイルが埋め込まれておらず、「これはどっちの色ですか?」と電話で問い正したことがあるが、一体何のことを聞かれているのか分からないような対応だった。そんなRGBワークフローの常識も弁えていないストックフォトが多いことに驚かざるを得ないが、供給側がそういうレベルということは、使う側もデジタルフォトの扱い方がまだまだ分かっていないのだと思う今日この頃だ。

 一般的にAdobeRGBよりもsRGBの色空間は狭いので、AdobeRGBで表現されるものをsRGBで表現すると彩度が落ちて見えることが多い。つまり、AdobeRGBは同じビット数であってもsRGBよりも広い範囲の色を表現できることになるのだ。

 その辺をAdobeRGBとsRGBのプロファイルを見比べてみたいと思う。MacOSXの「ColorSync ユーティリティ」を使ってプロファイルのカラースペースを確認してみよう。

2012123

 まずは、LabにてAdobeRGBに対するsRGBの範囲を見てみたい。

2012124

 色“空間”と言われるように、立体で表現されるので、2つの角度からチェックしてみた。半透明な白い立体がAdobeRGBで、その内側にあるカラーの立体がsRGBだ。明らかにAdobeRGBがsRGBを包含していて、圧倒的な色域の広さを実感できる。特に、グリーンやオレンジ系の色をより広く表現できるのがAdobeRGBであり、その辺の色は全く表現できずに切り捨ててしまうのがsRGBということがよく分かる。

 次にYxy上でグリーン部分を重点的に見てみた。

2012125

 この図では黒いラインが可視光になる。その上にAdobeRGBとsRGBの色空間が再現されているのだが、やはりグリーンやオレンジ系にAdobeRGBは強みを持っているのが分かる。このグリーンの色域はちょうど、エメラルドグリーンの範囲であり、オレンジは人の肌に近いものがあるそうな。

 では、それぞれのモードで実際に撮り比べてみました。

 まず、これがAdobeRGB。

2012126

 そして、次がsRGBである。

2012127

 実際にWeb上で閲覧する際は、全員の方がAdobeRGBモニタを使っているわけじゃないし、シェアNo1なIEがICCプロファイルに対応していないので、本当は比較できないのですが、sRGB上に両者をマッピングし直してみたので、その差のイメージだけを感じ取っていただければありがたい。サンプルを撮り終わって後悔したのが、両プロファイルの大きな差であるグリーンやオレンジ域の要素があまりないことだ。まあ、それでもこれでチェックしてみたい。

 まずは、ミッキー側の首の蝶ネクタイ付近ですね。

2012128

 AdobeRGB側の蝶ネクタイの明るい部分の彩度が高めであることと、赤い服の彩度も高めになっている。若干色飽和っぽく見えるが、Web用になっているのでカンベンしてもらいたい。本当は、肌の色もいい感じだったのだが、そこまで再現はできずに残念!

 それと、グリーン域ということで、ミニー側に紙で作った木を持たせたのだが、あまり差が出ず。むしろ、ミッキー前の木の人形に差が出たので、そこを見ていただきたい。

2012129

 分かるだろうか?AdobeRGB側の緑の帽子の彩度が高く、後ろのシンバルを持った人形の赤い帽子にも明確な差が出ている。

 こういうことで、差の出にくいサンプルを作ってしまって申し訳ない。沖縄の海とか、春の新緑。あと、色とりどりのサラダとか、各国の鮮やかな民族衣装。そして、人の肌などが極端に差の出るところだ。風景写真やポートレートは勿論、ブツ撮りなんかでもAdobeRGBで撮るメリットは非常に大きい。

 ここまで書いてみると「彩度が高いのがAdobeRGB」ということで、俗に「ハデハデ病」と言われる、極端に派手な色彩にレタッチしたがる人種のように思われるかもしれないが、そうではない。実際に高彩度がある被写体を撮っているのに、表現できないために狭い領域に閉じ込めて正確な色を記録できないということになってしまうのだ。つまり、素材の特性を十分に表現できないということになる。

 では、そのAdobeRGBカバー率96%ColorEdge CG241Wとは、先ほどの「AdobeRGB vs sRGB」の差と比べると、どれ程の差があるのだろうか?CG241Wで印刷用として用意されている印刷用の一般的な設定と比較した。5000Kのγ=1.8、輝度80cdで作成したものだ。

 まず、Labにて先ほどと同じ角度からチェックしてみた。半透明の白い立体がAdobeRGBで、色の付いた立体がColorEdge CG241Wだ。

20121210

 完全にAdobeRGBを包含はできないものの、sRGB対応ですというモニタと比べると天地雲泥の差だ。

 更に、sRGBとの比較ではゴッソリ抜けてしまっていたグリーン部分をYxy上で重点的にチェックしてみた。

20121211

 これはスゴ過ぎます。ColorEdge CG241Wの方が広いのではないだろうかという部分もある。

 このAdobeRGBを再現できるモニタは、出始めた頃はCRTでもべらぼうに高かったが、今はLCDで再現できて、かなり安くなってきている。しかも、ワイド液晶と来たものだ。パレット類を置いてレタッチをするには非常に便利が良い。

 EIZOからは、1月に発売されるモニタも含めると、

 ……という4種類のColorEdgeがリリースされている。さすがにプロユースということもあって家電量販店では扱っていないことが多いので、もっぱらEIZOの直販サイト「EIZOダイレクト」での購入になると思うが、写真を仕事にしている人や、アマチュアでもクオリティの高い作品を作りたい人は22型のCG222Wでもいいので手にしていただきたい。

 キャリブレーションで、ハードウェアキャリブレーションにこだわらなければ、同じEIZOのFlexScanシリーズでもAdobeRGBをカバーしているモデルはある。

 ……といった具合だ。

 ただ、やっぱりColorEdgeにするメリットというものがあるので、その辺は後日に述べたいと思う。

 ではでは。

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RATOC社「FireREX1」でSCSI機器を使うと認識はどうなる?

 お猿@おはようございます。

 いやはや、昨日は午前中は天気が良かったのに、午後から崩れて夜には雷鳴轟く大荒れの天気でしたよ。北陸は冬の雷ってのがありますからね。かつて落雷の影響でHDを2台壊した経験のあるお猿としては、電子機器を雷サージから守らねばならない使命感に燃えております。

 さて、昨日の記事では、最新のMacProでSCSI機器を如何にして使うかということで、SCSI機器をFireWire接続できるコンバータの紹介をしました。それがRATOC社FireREX1という機器。

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SCSI機器をFireWire(IEEE1394)機器として使えるコンバータ「FireREX1」!

 ご覧の通り、結構ポップな作りとなっておりまして、FireWire(IEEE1394)ポートが2つ付いています。そして、反対側にはピンタイプハーフ50pinのUltraSCSIポートが付いていて、変換できるんですね。そういう記事を書きました。

 そしたら、flipperさんより、こんなコメントをいただきました。

 素朴な疑問なんですけど、今回のスキャナはPC上だとIEEE1394接続として認識されるんでしょうか。それともSCSI?
 後学のために教えていただけると幸いですm(_ _)m

 ……というものですね。今回は、何だかんだと結構気になる質問かと思いまして、1つの記事で確認してみました。

 これに関しては、製品情報のページにも書かれていますが、FireREX1を装着したSCSI機器はFireWire(IEEE1394)機器として認識されます……が、実際にMacProで確認してみました。

 MacOSXの“システムプロファイラ”で確認してみます。

2012121

 まずは、元々はSCSI機器ですので、「パラレルSCSI」の項目をチェックしてみましょう。

2012122

このシステムにはパラレルSCSIデバイスがありません。パラレルSCSIアダプタを取り付けている場合は、それらが正しく取り付けられていること、および接続されているデバイスの電源が入っていて、正しく接続され、適切に終端処理されていることを確認してください。

 ……となっています。つまりは、SCSI機器としては認識されていないようですね。

 では、「FireWire」の項目をチェックしてみましょう。

2012123

 おや、何やら認識している模様です。

2012124

 ほうほう、FireWireツリーとして、G5時代から使っている外付けMOドライブと「IEEE1394 - SCSI-3」というものが存在しています。ズバリ、これがそうなんでしょうね。

 詳細をチェックしてみますと……、

2012125

 製造元が「RATOC Systems,Inc.」となっておりますので、間違いなくFireREX1のことですね。ただ、SCSI機器のGenascan5000(FT-S5000)の名称は登場していません。

 まあ、それでもFireWire(IEEE1394)機器として認識されているようですので、今後発売されるMacintoshにFireWireポートがあって、ドライバさえ更新してくれれば問題なく使うことができるんでしょうね。

 USBやらIEEEが登場してからというもの、SCSIとかRS-232Cといった規格の影が薄くなってきましたが、ひとまずSCSI機器は安泰のようです。不景気なご時世ですので、過去の資産は出来る限り使っていきたいですね。

 物は大切にっ!

 ではでは。

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MacProでGenascan5000(FT-S5000)を使う(2)

 お猿@おはようございます。

 そろそろ年末商戦っていうことで、カメラメーカーも頑張っているようですが、再びD700の価格が21万円台まで下がりました。デイトレーダーじゃないですが、買えもしないのに毎日の価格推移が気になって仕方がありません。いっそのこと、もう1台D300をゲットして……という気もしますが、なんせ不景気ですからね。ここは、ガマンガマン。来年の夏になれば何かしらの新モデル(D700X?)がリリースされちゃったりして、キャッシュバックを使わなくても安くなるさっ!

 まあ、自分のことばかり考えてNikonさんには安くすることばかり要求しちゃっていますが、ここ数日のSONYやCanonの大量解雇のニュースなんか聞いていると、フルサイズ市場のライバルなだけに、他人事とは思えず、あまり価格を叩きすぎちゃいけないなって思いますね。無理して安くした為に開発費用とかまで削減されちゃったりして、良いカメラができなくなったらNikon党としても不本意なので、ちゃんとお金儲けさせてあげましょうよ……ということで、自分ではどうせ買えないので好き放題言っております

 まあ、この辺の心掛けは、お猿愛読の光に向かって123のこころのタネ高森顕徹著/1万年堂出版刊)っていうエッセイ集に「物品を購入する時」っていうのがありまして、そこに、

あまり叩くなよ。
儲けさせてあげなさい。

こちらが得しても、
相手の淋しい顔を見るのはイヤだから。
双方、喜ぶのでなければ。

 っていう言葉があります。こちらの懐も火の車なので、なかなか実行は難しいですが、やっぱりNikonユーザーとしては儲けさせてあげたいですよね。う~ん、年末ジャンボで3億円が当たれば、100万円出してD700買って「釣りは要らねーぜ」なんてやるかもしれないけどなぁ(3億円当たっても、金の亡者なので100万円程度かよ……)。あぁ、浅ましい。

 さて、前回の記事から職場に導入されたIntel入ってるMacProに、10年以上前からある大日本スクリーン製造Genascan5000(FT-S5000)を接続する作業をやっております。メーカー側のサービスマンにやってもらうのが安全策なんですが、経費節約のために自前でセットアップを行っております。前回はソフトウェア的な問題、特にスキャナ本体側のファームウェアの確認だけ行っておきました。

 今回は、いよいよMacProにハードウェア的に接続したいと思います。MacProとGenascan5000を接続するには、FireWire接続SCSI接続かの二者択一になるのですが、価格的にもFireWire接続の方が格安なので、そっちをチョイスしております。それぞれの対応表は前回の記事を参照してください。

 ちなみにFireWire接続で新規購入したものはコレ。

2012101
G5時代まで、お世話になったSCSIカードがない、やや玄人っぽさの欠ける新規購入品

  • FireWire(IEEE1394)-UltraSCSIコンバータのRatoc製 「FireREX1
  • SCSI変換アダプタのSANWA製 「AD-P50Cicon

 この2種類ですが、もしスキャナとMacintosh本体が離れていれば4.5mのFireWire延長ケーブルとしてSANWAの「KE-944icon」が推奨らしく、メーカー側から薦められました。では、それぞれの機器を見てみましょう。

○Ratoc製 「FireREX1

 これはズバリ、デフォルトでSCSIポートがなくてFireWire(あ、WindowsならIEEE1394ネ!)ポートがある、MacProにFireWire接続する為のコンバータですね。

2012102
SCSIからFireWireに変換するコンバータ。これで1万円以上するのだ

 ご覧の通り、やや透明感のある外観ですが、片側には、

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非常に馴染み深いFireWireポートが2つもある。どちらを使ってもヨシ

 ……というように、FireWireポートが2つ設けられています。そして、この反対側には、

2012104
UltraSCSIポートがあるが、ピンタイプハーフ50pinなのでスキャナには接続不可

 ……というように、UltraSCSIのピンタイプハーフ50pinのオス端子となっております。つまり、こちら側にSCSI機器を接続して反対側にFireWireケーブルを接続すれば、立派なFireWire製品として認識するっていう寸法です。いやぁ、お手軽ですね。

 しかし、このSCSI端子はピンタイプハーフ50pinですが、Genascan5000はセントロニクス50pinなので、このままではUltraSCSI同士と言ったって接続できません。そこで、もう1つのパーツが必要となってくるのです。

○SANWA製 「AD-P50Cicon

 これがセントロニクス50pinからピンタイプハーフ50pinへと変換するSCSI変換アダプタです。

2012105
UltraSCSIの端子形状の違いを吸収してくれる変換アダプタ

 ご覧の通り、遊び心が全くない「いかにもパーツ」っていう感じですが、これぐらい真面目でいいんじゃないでしょうか?これの片側は、

2012106
FireREX1のピンタイプハーフ50pinに対応するメス端子

 ……というようにピンタイプハーフ50pinのメス端子となっております。そして、この反対側は、

2012107
Genascan5000のセントロニクス50pinに対応するオス端子。歯茎みたいだ

 ……というように、セントロニクス50pinのオス端子になっており、ピンタイプハーフ50pin⇔セントロニクス50pinというSCSI変換が可能となるのです!

 この両者のピンタイプハーフ50pin端子同士を接続すると……、

2012108
組み合わせれば、Macintosh本体が変わってもFireWire接続できるアイテムになる

 ……というように、セントロニクス50pin⇔FireWireという変換コンバータが完成するわけですね。これで、Genascan5000のセントロニクス50pin SCSIポ-トとMacProのFireWireポートをFireWireケーブルで接続するパーツが完成しました。

 これをGenascan5000のSCSIポートに取り付ければ、厄介なSCSI機器もアッという間にお手軽なFireWire機器に変身しちゃうんですね。

2012109
以前はここから太いSCSIケーブルが飛び出していたのだが……

 ちなみにお猿の環境ではGenascan5000のすぐ隣がMacPro本体なので、FireREX1に付属している1mのFireWireケーブルで足りました。

20121010
今となってはSCSIケーブルがないので、一番太いのはMacintoshの電源ケーブル

 ほらね。これでも、以前のSCSI接続よりはスッキリしたんですよ!もし、この距離がはなれている場合は、先ほどの延長ケーブル「KE-944icon」が推奨のようです。

 ちなみに、上の写真ではFireREX1から2本のFireWireケーブルが出ていますが、2つあるFireWireポートのどちらかにMacProと接続すれば、もう片方は他のFireWire機器を接続できるんですね。お猿の場合はDTP業界必須のMOドライブを接続しています。これでMacProのFireWireポートが塞がってしまっていても安心ですね。

 これで、いよいよMacProを立ち上げます。

 ColorGeniusEXをCD-ROMからインストールし、ダウンロードした下記のアップデータを適用しておきます。(ファームウェアは先にやってあるので不要かと思います)

  • FT-S5000 Driver V2.14 For CGEX V2.07(ドライバのアップデータ)
  • ColorGeniusEX Ver2.07 for FT-S5000 Updater(ColorGeniusEXのアップデータ)
  • FT-S5000 Firmware V2.12(for CGEX)(FT-S5000のファームウェアのアップデータ)

 特にMacOSX 10.5上でGenascan5000をFireREX1を使ってFireWire接続する際には、最初のドライバのアップデートは必須です。V2.14は、まさしくこのFireREX1に対応する為のバージョンですので必ずアップデートしておきましょう。

 これさえやってしまえば、SCSI時代のようにColorGeniusEXを立ち上げれば、普通にスキャニングができます。

 ただ、必要となる場合は少ないかと思いますが、「FT-S5000 Maintainer」を使う場合は、下記の「FT-S5000 Maintenance(MacOSX)フォルダに入っているものでは使えません。

20121011
MacOSX 10.5上で使う場合はMacOSXのフォルダを開いてはダメ

 仮に使ったとしても、

20121012
やたらと横に長いアラートが出て起動しません。途中で改行くらい入れろよ!

 ……というようにやたら長いアラート画面が出現するだけです。文面は、

Error:java.lang.Exception: SCSIDriver.loadLibrary error: java.lang.UnsatisfiedLinkError: /Applications/ColorGeniusEX V2/FT-S5000 Maintenance(MacOSX)/lib5000SCSIDriver.jnilib:

 と書かれておりますが、さっぱり分からん。

 早い話「FT-S5000 Maintenance(MacOSX10.5)フォルダを開いて、

20121013
MacOS10.5のフォルダ内のMaintainerしか使えないのだ

 こちらの「FT-S5000 Maintainer」をご利用ください。すると、

20121014
まあ、このアプリケーションはあまり使わないんだけどね

 ……というように、ちゃんと起動しますからね。まあ、あんまり使わないと思いますけど。

 なんやかんやと心配なMacPro対応作業でしたが、これでお猿の楽しいDTPライフが始まります。アナログ写真もデジタル写真もドンと来い!

 では、あまり需要のない記事でしたが、Genascan5000に限らず、特にDTP業界にはお猿と同じようにSCSI機器で苦しんでいる皆さまがいらっしゃると思います。参考になる部分もあるかと思いますので、喜んでいただければ幸甚です。

 ではでは。

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MacProでGenascan5000(FT-S5000)を使う(1)

 お猿@おはようございます。

 毎度のことながら眠い目を擦りながら、居眠り半分で打ち込んでいる当ブログですが、皆さんに踏まれ続けまして……、

 23万ビューを突破しました

 そんなワケで、これからも踏み続けていただければ幸いです。

 さて前回の記事で、お猿は職場の中では、どちらかというと画像処理というマシンスペックを必要とする業務をしているのですが、新しいマシンに最も切り替えにくい悩みもあると書きました。そう、その足かせとなっているのがコレ。

2012091
業務用なるが故に、徹底したメーカー側の検証が必要となってくるのだ

 あまりに忌まわしいのでモノクロネガ状態になってしまっていますが、業務用フラットベッドスキャナの存在ですね。大日本スクリーン製造Genascan5000(FT-S5000)というモデルです。確か10年以上前に導入されたマシンですが、当時は“PowerMacintoshG3 MT”でMacOS8を走らせながら使っていたのですが、今のMacintoshは既にMacOSXというUnixベースのOSとなり、CPUまでもがPowerPCからIntelになってしまった。ただでさえ、環境の変化に置いていかれ易いDTP業界ですが、様々な絡みから、ハード的にもソフト的にも厄介なシロモノだったりするのです。

 このスキャナがコンシューマー向けの数万円のものなら、買い替えということも検討できようが、ここが業務用の悩ましいところで、簡単に買い替えとはいかないのだ。そうなってくると、メーカー側の対応を待ってやっていくしかない。そう言いながらも、これまでお猿はG3(MacOS8)→G4(MacOS9&X)→G5(MacOSX)と、大きな環境の変化に遭遇しながらも何とか乗り越えてきた。さて、ここでMacProというIntel入ってるMacintoshということと、MacOSX 10.5という大きな変化に対応しなければならない。

 果たして、メーカー側の対応はどうなのだろうか?大日本スクリーン製造関連のメディアテクノロジージャパンに問い合わせてみた。すると、Macintoshの対応表を送ってきてくれたのだが、ハードとソフトの組み合わせで必要なものが変わってくるので、やっぱり面倒臭い。ちなみに対応は下記の通り。

○PowerMacintoshG5(PCI-Xバススロット搭載) と MacOSX 10.4の場合

  • アプリケーションは、ColorGeniusEX Ver2.07を使用する。
  • 接続インターフェースは、adaptecのPowerDomain29160N(ドライバはV1.30を使用)のSCSIカードを使用してSCSI接続という形になる。

○PowerMacintoshG5(PCI-Expressバススロット搭載)かMacPro と MacOSX 10.4か10.5.2の場合

  • アプリケーションはColorGeniusEX Ver2.07を使用する。
  • メンテナンスツールは10.5対応版を使用。
  • ドライバはFT-S5000 Driver V2.14(SCSI I/F:Ratoc社 FireRex1使用時のみ)を使用する。
  • 接続インターフェースをFireWire接続にする場合、SCSI I/F:Ratoc社 FireRex1(ファーム:V1.33、FR1Utility V5.0)SCSI変換機(XWADP50C)が必要となる。ケーブル長が必要な場合は、FireWireケーブル4.5m(XWKE944)などを使って延長する。
  • 接続インターフェースをSCSI接続にする場合、SCSI I/F:ATTO社 EPCI-UL5D-0R0(ドライバー:V4.30)VHDCI(ミニチュア68pin)オプションケーブル1.8mが必要となるが、これはMacProのみらしい。

 ……と、MacOSXの10.4を使うにしても、Macintosh本体によって変わってくるのが分かる。しかも、すんごく経費がかかってくるのだ。まあ、いずれにせよアプリケーションとして「ColorGeniusEX Ver2.07」は必要となってくるのだが、これはとっくに導入済み。

 Genascan5000を使用するには、スキャナを動かす為のドライバは勿論、画像処理ソフトのColorGeniusというアプリケーションが必要となってくるのだ。実は、10年前にこのスキャナを導入した時から、2度の大きなバージョンアップを経ている。

2012092
歴代のGanascan5000用の画像処理アプリケーション達。金喰い虫め!

 左から右へバージョンアップしていくのだが、左から「ColorScope Pro3」「ColorGenius」「ColorGeniusEX」となっている。“ColorScope Pro3”はPowerMacintoshG3時代に使っていたもので、MacOS9に切り替える段階で“ColorGenius”のアップグレードパッケージを新規導入。そして、PowerMacintoshG4(デュアルブートモデル)に切り替える段階でMacOSX対応が必要ということで“ColorGeniusEX”のアップグレードパッケージを新規導入した気がする。これらのアプリケーションは業務用なので非常に高価で痛かったのだが、時代の変化に対応するには仕方がない。ただ、今回のMacProに対応させるには新規購入は必要なさそうだ。

 ただ、アプリケーションの新規購入はないにしても、ハードウェア的には天下のSCSI機器ということもあって、いろいろと購入しなければならなさそう……ということで、「MacProで使うにはいくらするのかね?」とメディアテクノロジージャパンに見積もり依頼をした。

 先ほどの対応表では、後者が対象になるのだが、FireWire接続とSCSI接続を選択できる。FireWire接続だと約2万円。SCSI接続だと約28万円らしい。これでSCSI接続を選択するメリットがあるのだろうかとも思うが、FireWire接続だと、スキャナ使用時にMOドライブなどのFireWire機器を使ったりすると書き込みエラーなどの不具合が起きる可能性があるとのこと。まあ、FireWire機器なんてMOドライブしかないし、同時に使うことはまずないのでFireWire接続を選択。

 しかぁ~し、実は2万円だけではなかったのだ!

 立ち上げ料で6万円上乗せされるのだ。

 立ち上げ料というのは、メーカー側のエンジニアがやってきてセットアップをやってくれるという出張料&技術料みたいなもの。「見積もりとって」というと、勝手にこれが加算されてくるのだ。中にはファームウェアのアップグレードなんてのがあったりして、場合によってはスキャナが動かなくなってしまうこともあるので、技術者にやらせるのがメーカー側にも顧客側にもメリットがあるのだが、これまでお猿はそういうのは自分でやってきているので、

 「セットアップは自分でやるので、立ち上げ料ナシで見積もりしてください」

 とお願いしまして、節約してきたのでした。……というのも、最初にこのスキャナが導入されてきて不具合が起きた時なんかにサービスマンが修理しているのを横でガン見していたので、スキャナ側では何が動いていて、Macintosh側では何が動いているのかということが頭に叩き込まれてしまったのだ。そういうこともあって、自分でできる自信はあったのだ。うん、今回もきっとできるさ。

 そこで、FireWire接続で必要なパーツだけを発注して2万円以内で出費を抑えた。6万円もあったら、Adobeソフトのアップグレードが余裕でできちゃうし勿体ない!

 そうしているうちに、メーカー側から「じゃあ、セットアップはお客さまがされるということですので、パーツだけ送ります」と言われて、パーツが送られてきた。いよいよ、G5マシンからMacProマシンへ引越しだ。完全に自己責任だけに緊張はするが、なせばなる!

 まあ、その前にG5がスキャナを認識している間にスキャナのファームウェアだけは確認しておいた方がいいと思うので、引越し前にファームウェアの確認だけしておく。

 まず、アップグレード関連のダウンロードだけしておくといいかもしれません。Genascan関連のアップデータは、スキャナ関連のダウンロードサイトにあるので、そこから下記のファイルは確保しておくといいでしょう。

  • FT-S5000 Driver V2.14 For CGEX V2.07(ドライバのアップデータ)
  • ColorGeniusEX Ver2.07 for FT-S5000 Updater(ColorGeniusEXのアップデータ)
  • FT-S5000 Firmware V2.12(for CGEX)(FT-S5000のファームウェアのアップデータ)

 アプリケーションフォルダの中に「ColorGeniusEX V2」というフォルダがあるので、それを開く。

2012093
日頃あまり見ないアプリケーションフォルダ内のColorGeniusEXのフォルダ

 すると、「ColorGeniusEX V2.0」以外に「FT-S5000 Maintenance(MacOSX)」というフォルダが存在しているのが分かる。それを開くと、

2012094
更に開いたことがないと思われるMaintenance関連のフォルダ

 ……というように、「FT-S5000 Maintainer」というアプリケーションが存在するので、それを立ち上げます。似たアプリケーションで「FT-S5000 SuperMaintainer」というのがあるが、それはサービスマン向けのアプリケーションなので使えません。そして、起動した画面がコレ。

2012095
これまた通常は使うことがないMaintainerの起動画面

 あまり見慣れないアプリケーションですが、「Start」をクリックすると、下記情報が確認できます。

2012096
Maintainerを使えば、ファームウェアからドライバまでのバージョンをチェックできる

 ウィンドウの右に「Version」情報が羅列していますが、ここの「Firmware」を確認し「Ver2.12」になっていればOK。スキャナ側の受け入れ体制は出来ていることになりますが、もし下位バージョンだった場合は、最初の画面で「Firmware Dowmload」をクリックしてアップグレードする必要があります。「FT-S5000 Maintenance(MacOSX)」フォルダ内にも「FT-S5000_V2.12.jfirm」がありますし、ダウンロードサイトで単体でもダウンロードできるので、それを指定してファームアップしましょう。

 ただ、恐らくこのファームアップは一番危険な作業なので、途中で電源を切ったり止めたりすることのないように、くれぐれも慎重にお願いします。最悪の場合、アップグレードどころの騒ぎではなくなります。

 これが出来ればスキャナ側で必要なアップグレードは完了ですので、次はいよいよMacPro上でのセットアップです。

 ちなみに、スキャナの接続端子はご覧の通りのSCSIです。

2012097
こいつがSCSI接続だから面倒臭いんだよなぁ~。右の白いのはターミネータだよっ!

 これに接続する為に、G5側にはadaptec社PowerDomain 29160NというSCSIカードを挿していました。ちなみにG4時代は同社のPowerDomain 2930Uを使用していたが、G5には転用できずに、泣く泣く新カードを導入した思い出がある。

2012098
G5の背面。赤い矢印がPowerDomain 29160NのSCSI端子

 実は、このSCSIカードを使う上でも、先ほどの対応表であったようにドライバはV1.30が推奨です……が、ダウンロードサイトを見ても正規ドライバはV1.20で、カード自体は生産終了品の分際でありながらV1.30は未だにβ版だったりするのだ。お猿が導入した当初は、日本語サイトにはV1.30βは存在せず、アメリカサイトに行かねばダウンロードできない有り様だった。かなり、綱渡りでSCSI接続していたのだった。

 ……で、ご覧の通りに双方のピン形状が異なるために、ケーブルも両対応するものを別途購入した。

2012099
SCSIケーブルでもスキャナ側とMac側で端子形状が異なるのだ

 このケーブルも高かったんだよなぁ~。

 G5とMacProは外観は似ているけど、やはり、このPowerDomain 29160Nを使うことはできなかった……ということで、先述のような変換コネクタやFireWireへのコンバータを導入することとなった。

 ああ、DTPってやたらとお金がかかるんだよなぁ~。

 そんなこんなで、次回はMacPro上でのセットアップを紹介します。

 ではでは。

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なぜか、MacProとColorEdge CG241Wがあるぞ?

 お猿@おはようございます。

 フォトグラファーということが前面に出ているお猿ですが、本業はDTPオペレーターということで、基本的にインドアな人間です。ある意味、デスクワークでして、職場にはお猿用のスペースを用意していただいております。

 画像処理専門ということで、外光の影響を受けにくいということもあって、幸いにも窓際族ではないのですが、お猿の数日前までの作業環境はこんな感じ。

2012053
ちょっと前までのお猿の作業環境。かつてはカラマネモニタならCRTが常識だった

 締め切り迫っていた時に撮ったものだったと覚えておりますが、原稿などで、かなり散らかっていますね。その辺は気にしないで機器を見ていただければと思います。左にチラッと写っているのが大日本スクリーン製のA3サイズも取り込める業務用スキャナ“FT-S5000”。その右にPowerMacintoshG5、そして、PowerBookG4、LaCieのカラマネモニタの“electron 22 blue IV”

 いずれも名機ですが、これが今日はこうなっていました。

2012054
これが地味に大変貌を遂げたお猿の作業環境。まぶしすぎるっ!

 間違い探し状態ですが、机の上に原稿がなくてサッパリしている以外に変貌を遂げています。スキャナやノートPCは変わっていませんが、MacintoshがG5からIntel入ってるMac Proに。そして、モニタがLaCieのCRTから、どこぞのLCDに変わっています。正面から見てみましょう。

2012055
隣の12inchのPowerBookG4が可愛らしく見える24インチワイド液晶モニタ!

 おや?ワイドモニタですねぇ。LaCieも22インチという大画面でしたが、こっちはどうやら24インチワイドですね。かなり広いように見えますが……、

2012056
北陸のEIZOブランドだ!いやぁ、眩しく見えますなぁ~♪

 あれ?EIZOだって?EIZOと言えばナナオですねぇ。北陸の誇る大企業じゃないですかっ!これは何というモニタかしら?

2012057
暫く前に欲しいぞ~ってブログに書いたColorEdge CG241Wではないかっ!

 んん~っ?こっ、これはAdobeRGBカバー率96%でハードウェアキャリブレーション対応のカラーマネジメント液晶ColorEdge CG241Wではないかっ!以前の記事でColorEdgeシリーズに恋焦がれたお猿でしたが、フトコロの寒さで断念しておりました。そんなお猿を哀れんでか、職場でMacintoshを増やさなければならなくなったということで、購入していただきました。

 まあ、お猿が今の職場に来た時は、Macintoshによる組版ではなく、MOTOYA(モトヤ)というメーカーが作っていたAX-ELというUnixベースで動く組版システムを採用していました。今ではPDF/X-1aによるワークフローが確立されつつあるものの、現状はまだまだPostScriptが主流。しかし、このAX-ELはPS環境ではなく独自の環境で行っていたために、PostScriptフォントは使用できず、もっぱらモトヤのオリジナル書体しか使えなかったんですね。不便なようですが、日本語による書籍の組版は大変やりやすく、これで、面付けからイメージセッターによるフィルム出力までこなせていたのでスグレモノだった。

 しかし、画像処理ばっかりは苦手なようでして、そこだけはMacintoshのお世話になるしかないと、鳴り物入りで導入されたのが“PowerMacintosh G3 MT”だった。ちなみに、OSはMacOS8。画像処理用ということで、これにはSCSIボードを装着して、FT-S5000とSCSI接続で接続してスキャニングを行うというスタイルだったのですが、ここからMacDTPの悩ましげな歴史が始まったんですね。

 今では、MacintoshもMacOSXという世代に入っているのですが、ちょっと前までは、DTP業界だけはMacOSX化が非常に遅れていたのだった。しぶとくMacOS9を使い続け、いざOSX内蔵Macintoshが登場になると、OS9とのデュアルブートモデルを急いで購入する業界人が殺到した。そして、そのMacintosh上で動かすアプリケーションは完全にAdobeの天下。数年前にCSシリーズに移行してからというものDTP業界を泣かせている。そして、更に泣かせていたのがフォントの問題。OCFとかCIDといったフォントからOTFに移行していくということで、その流れについていけないところも出てきたのだ。ソフトウェア的な部分だけでも、OSとアプリとフォントのバランスが非常に難しい。AdobeソフトなんてMacOSの最新版でなければ走らないということがありがち。とにかく、設備投資しようとすれば最新のMacintoshしかなく、そうなるとAdobeアプリも最新版しか売っていない。極力、他のマシンとアプリの足並みは揃えなければならないし……。設備投資にも費用がかかるのだ。

 改めて、なぜ、DTP業界は遅れ気味なのか?

 それは、最終的に印刷用の版にする機械などが非常に高価であるために、RIPやセッター、CTPなどの機械が対応しないとMacintoshばっかりアップグレードしても出力ができないのだ。Macintoshをアップグレードすれば、その辺も対応させねばならず、実に面倒臭い。

 実は、今回のMacProの導入でも悩みがあった。お猿は画像処理担当ということで、InDesignなどによる組版専属スタッフよりはマシンスペックを必要とする。特に最近の多画素デジカメの登場によってRAW現像などをやろうとすれば、更にスペックが必要だ。そういう理由からか、新規導入のMacintoshはお猿に回してくださることが多かったのだが、その都度、足かせになっていたのがコレ。

2012058
業務用機器は検証に時間がかかって対応が遅いのだ

 大日本SCREENのFT-S5000ですね。通称「ワニ」。SCSI接続であり、業務用ということもあって、周囲の環境への対応が遅れ気味だったのだ。これを導入した頃の環境が、PowerMacintoshG3&MacOS8で、SCSI接続で走らせるというもの。ここからG4になる段階で、スキャナ専用ソフトのバージョンアップ&最新のSCSIボードへの変換を行った。そして、G5になった時には、SCSIボードがロクに対応せず、苦労したが何とか乗り切った。そして、今回はMacProだ。CPUからして違ってくる。MacOSXも10.5になってくるので何かと対応が難しそう。

 今回は幸いにして、MacProとMacOSX 10.5への対応が出来るメドが立ったので「お猿が使いたいですっ!」とお願いし、更にダメもとで「ColorEdge CG241Wが欲しいッス!」とフロアに大の字になってダダをこねてみたのだった。そういう経緯があって、職場のお猿の机には、このゴールデンコンビがあるわけなのだが……。

 その辺の移行で苦しんで二の足を踏んでいらっしゃる同業者も多いかと思いまして、ColorEdgeのレビューは勿論だが、暫く優先して、MacProMacOSX 10.5(Leopard)ColorGenius EX2という組み合わせでGenascan5000(FT-S5000)を如何にして乗りこなすかをレビューしてみたいと思う。

 ではでは。

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浄土真宗を憂う

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